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2013-06-26

6月15日16日 奥飛騨トラスト地ツアー下見 本部・岐阜県支部

岐阜県支部が7月6日・7日に予定している奥飛騨トラスト地ツアーの下見に、本部と支部で出かけました。

 

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15日はあいにく雨でしたが、林床が下草によって、一面緑のじゅうたんに覆われたように美しかったです。ここには、シカがまだ入ってきていないということでした。針葉樹林でも、広葉樹林でも、最近は下草の消えた茶色一色の林ばかり見ていたので、久々に下草に覆われた林を見て感動でした。

 

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同行してくださった先生が、この山の植物の葉には、この時期なのに虫が食べた跡がさっぱりないと危機感を募らせておられました。ぼくたちは、あちこちの葉が穴あきになっているような、虫がいっぱいいたころの山を知らないので、先生が言われるまで、どの葉っぱにも虫の食み跡がないことを疑問に思いませんでした。虫がいなくなると他の生き物たちも生きていけなくなります。2日間調査しましたが、動物の糞をほとんど見つけられませんでした。もう、この森も動物がいなくなっているのでしょうか。どうしてこんなことになったのかわかりません。

 

16日はありがたいことに、良いお天気になりました。

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写真中央の谷から左が、トラスト地で、稜線の向こう側までトラスト地は続いています。

 

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焼岳から流れ出た土石流の跡がはっきりとわかります。その上には、今、ヤマハンノキがびっしりと生えています。トラスト地と焼岳は本当に近いです。写真右最奥の茶色の部分が焼岳です。

 

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写真左奥の針広混交林は、原生林で、ここは国有林です。トラスト地はかつて1回だけ伐採されたことがあるそうですが、今後は手つかずで永久保全しますから、100年後にはこの国有林のように最高に豊かな森になっているということで、楽しみです。

 

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ササが一斉開花しているところがありました。この後どうなっていくのか定点観測していきたいです。山の下の方はチマキザサですが、上の方はチシマザサでした。この2つは花の色が違います。さて左と右、どちらがチマキザサの花でで、どちらがチシマザサの花でしょうか。

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答えは、左の赤褐色がチマキザサで右の緑色がチシマザサです。

 

 

6月9日 神戸外国人倶楽部でのチャリティで、熊森にも金一封が

アジサイのきれいな神戸外国人倶楽部で開かれたチャリティコンサートに参加しました。

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歌や踊り、演奏が、どれも、とてもすてきでした。

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お料理も美しくておいしかったです。

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このチャリティにより、いくつかの団体が、金一封をいただきました。その中のある団体の青年が、「ぼく、学生の時、熊森のボランティアで奥山に行ったことがあります」と耳打ちしてくださいました。うれしかったです。

 

出席者にロータリークラブの方々が多かったせいか、多くの方が熊森のことをよく理解してくださっていました。熊森発足時の16年前を思い出して、感無量でした。これもみなさんのおかげです。半日でした。チャリティを主催してくださった方、ご参加くださったみなさん、ほんとうにありがとうございました。

6月5日~6日 北海道森林組合長らを、本部から3名が取材訪問

帯広の会員が、飛行場まで車で私たちを迎えに来てくださいました。ありがたいことです。私たち本部一行は、北海道日高山脈を初めてみました。写真は、道中の夕張山地です。

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とにかく関西地方と違い、北海道の自然は、破格の雄大さです。針広混交林が、このあたりの原生林のようでした。

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針広混交林といっても、そばで見ると、針葉樹の部分はスギではなくエゾマツやトドマツとのことで、何となく雰囲気が本州の山とは違います。

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立ち寄ったお蕎麦屋さんに、くまもり小冊子が。会員さんのお店と聞いて感激。「まだまだ北海道の人たちは、熊森を知らない。小冊子をたくさん買って、あちこちのお店に置いて回る活動をしています」と、同行してくださった地元会員。

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やっと到着した酪農家でもある森林組合長さんのお宅。お話は、とても興味深いものでした。

シマフクロウやヒグマの棲む森を、なぜ、森林組合長さんが守ろうとされているのかお聞きして、すばらしいと思いました。また、ヒグマたちと何の疑問もなく共存されている姿にも、感動しました。シカだけは例外で、増えすぎて困っているということでした。熊森小冊子を読んでくださったそうですが、まったく同じ考えですと言われていました。

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牧場は80ヘクタールもある広大さでした。牛を初め、全ての動物たちを大切に思い、動物たちの自由を最大限に保証されておられました。詳細は会報で、読んでいただきたいと思います。会員のみなさん、お楽しみに。

また地元会員の方が、ヒグマの棲む豊かな森140ヘクタールを買い取って、個人でトラストされようとしていました。こちらにも感激しました。今回の取材旅行で、私たち本部が知らない所で、会員さんたちが、がんばってくださっていることを知りました。

クマ駆除隊が捕殺したクマ遺体の利用禁止を求めて くまもり本部・支部が金沢市・石川県の行政回り

(1)金沢市役所 森林再生課

 

<金沢市猟友会クマ駆除隊が、捕殺したクマの遺体を長年利用していたことが判明>

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中日新聞に、「県猟友会金沢支部 熊の胆無許可販売、県が調査 理事会で中止決定」の記事が出た5月20日当日、金沢市役所の熊駆除担当課である森林再生課では、金沢猟友会支部長らを呼んで、

「これまでクマ駆除隊が捕殺したクマの遺体は利用していないと言われていたのに、どういうことなのですか」

と尋ねられたそうです。支部長らは、実は長年、熊の胆を乾燥させて猟友会内で班長達に売っていましたと話されたそうです。

注:金沢猟友会員は180名で、そのうち熊駆除隊員は113名。

 

金沢市行政は、これまで、外部に対して、

「金沢市は、クマ駆除隊が捕殺したクマの遺体が利用されないように、行政が責任を持って焼却場にまで立ち会って確認しています」と公言されてきたのですから、

●①「実は、利用されていたことが判明しました」

と、県民や国民に謝罪されると同時に、②どうしてこのようなことになったのか、行政内部で調査をされて、真相を発表されるべきだと思いました。

 

 

(2)石川県庁薬事衛生課

<薬事衛生法に違反するようなことはしていないと猟友会金沢支部長が言ったから違反なしと、結論していた>

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クマ駆除隊は、数名から10名までで組まれるそうですが、駆除に参加しなかった多くの猟友会員たちにまで熊の胆が売られていた事実は、すでに自家消費の範囲を超えており、薬事法に違反していると、私たちは思います。しかも、猟友会内の班長に売られた熊の胆が、その後、外部に一部流通しているという情報を、私たちは得ています。事実なら、明らかな薬事法違反です。

第3者への聞き取りや、猟友会内の会計帳簿提出など、証拠となるものを集めて、調査と呼べるような本格的な調査をしてほしいと、わたしたちは要望しました。

これを受けて、現在、薬事衛生課は本格的な調査を展開中だそうで、全容が出たらご報告いただけるということです。

 

ちなみに、金沢市の薬局では、熊の胆が1グラム12000円で売られていました。熊の胆は、成分が解明され、すでに合成薬品が作られています。クマを殺して、熊の胆を得ようとしないで、使いたい人は、安い合成薬品を買っていただきたいです。

 

(3)自然環境課

<石川県は、クマ駆除隊が捕殺したクマの遺体は、法に反しないように処理するように指導→今回違反?>

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石川県では、平成14年以来、クマが殺されるのは、狩猟と個体数調整の2種のみになりました。個体数調整というのは、クマが増えすぎないように、年間上限数を決めて、クマの生息地に入って行って、猟友会員たちが銃や罠でクマを殺すことです。個体数調整名目でクマが殺されるのは、主に3月や4月です。これは、この時期が、熊の胆が一番大きいため高く売れることと、雪解け直後の落葉広葉樹の木々がまだ芽吹いていない時期は、一番クマを獲りやすい時期だからです。いわゆる「春熊狩りの復活」になっていると、わたしたちは感じました。

 

自然界の生き物たちは、本当に人間が殺し続けないと数が増えすぎてしまうのでしょうか。そのような論文やデータがあるのか尋ねると、そういうものはないが、これまでいなかった能登とかでクマが目撃されるようになってきたなど、熊は増えすぎていると考えられるので、毎年一定数は殺していかないとダメだという、担当者のお考えでした。ちなみに平成25年度の捕殺上限数は、96頭だそうです。(石川県のクマ生息推定数は、600頭~800頭とされているそうです)

 

また、個体数調整したクマの遺体は、法に反しないように処理することと指導しているということでした。(利用を禁止する法律は、日本にはありませんから、利用してよいということになります)それでは、1年中狩猟してよいのと同じことで乱獲されるのではないかと、疑問を投げかけたところ、捕獲上限数を決めているから大丈夫ということでした。(野生動物が何頭いるかなど、人間には絶対にわからない上、猟友会金沢支部の事例からもわかるように、人間が正確に報告しないこともあることを、考慮すべきだと思いました)他県は、有害捕殺したクマの遺体は、埋葬または焼却処分し、利用しないように指導しているところが多いので、石川県のクマ行政は、かなり他県と違うと感じました。

 

私たちは、山の中で静かに暮らしているクマまで殺しに行かなくてもよい。そのような考えでは共存できないと考えます。自然界のことは、人間にはわからないことでいっぱいです。どちらの対応が正しいのか、これからも意見交換を続けていきたいと思いました。

 

☆各行政のみなさん、お忙しい中お時間を取っていただき、どうもありがとうございました。

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