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2013-07-22
水源の森の巨木群を、伐採から守るために、基金にご協力を!
以前、このくまもりNEWSでもお知らせさせていただきましたが、3年前から、滋賀県支部の皆さんが滋賀県旧朽木村のトチノキ巨木群を伐採から守るために大奮闘してきました。そして、この度、トチノキの所有権をめぐって伐採業者と争っていた裁判の中で、伐採対象となっていた巨木48本を、熊森が960万円で 買取るという合意を成立させました。既に売られてしまった巨木を守るための決断です。
琵琶湖源流域にある巨木の森をたくさんの人に協力していただいて守っていくために「びわこ水源の森・巨木トラスト基金」を立ち上げました。地元の会である「巨木と水源の郷を守る会」にも協力していただき、巨木トラストを実現させたいと思っています。
業者との約束期限は、今年12月。滋賀県支部長らが、電話帳をたよりに伐採業者を探し出し、時には今にも伐られそうな巨木の前に立ちはだかって、伐採を阻止してきた巨木たちです。 ぜひ応援いただき、周りの方々にもお広めいただけると嬉しいです。
★特設ホームページにて、詳細やチラシのダウンロード、また基金の状況もご覧になれます。
ぜひご支援の程、お願い申し上げます。
山形の月山ブナ原生林とクロちゃん見学ツアーに参加して
参加者レポート/2013.6.15~6.16
【山形の月山ブナ原生林とクロちゃん見学ツアーに参加して】
周り一面サクランボ畑が広がる山形空港で、旅行社の斉藤さんとクマのクロちゃんのお父さん(飼い主)の佐藤さんのお出迎えを受けた後、山形駅で他のメンバーと合流。勝手に少しレトロな山形駅を想像していましたが、綺麗な新しい駅ですぐ横には高層ビルがにょきりと立っていて、遠く東北まで来たという感じがしなくてちょっとがっかり。
一行は、まずは月山山麓の県立自然博物園を目指しました。夏スキーで有名な月山には、たくさんの雪が残っていて雪解け水の激しい流れに驚いていると、山から下りてくるたくさんの人とすれ違いました。聞けば山菜取りの人が行方不明になって警察も出て捜索中とのこと、地元の人も迷うほど山が深いということでしょうか。
その後、歴史を感じるお蕎麦屋さんで美味しいお昼を楽しむうちに参加者も自己紹介などもしながら和やかな雰囲気に。
佐藤さんの自宅に近いブナ林では、ドームのようになったブナの木々を下から見上げると厳かなような何とも言えない気持ちになり、目を地面に移すとそこにはブナの赤ちゃんが一面に広がっていました。佐藤さんいわく「こんなに多くあるけど来年まで育つのは一本もないだろう」とのことで、木々が一人前に育つことの大変さに想いをはせました。
今夜の宿の田麦荘に荷物を置いて、いよいよクロちゃんに会いに、佐藤さんのお宅を訪問。
クロちゃんは、佐藤さんが飼育しているツキノワグマで、佐藤さんがかつて猟師だった頃、母熊を殺されて孤児になった小熊を見つけ、保護することにしたのだそうです。
佐藤さんはクロちゃんを保護した時、「熊はすぐに大きくなるので個人で飼うのは無理だと言われ、引き取り先を探していたのが、ある時クロちゃんが迷子になり、探す私の声を聞いて嬉しそうに駆けてくるのを見たとき自分で飼うことを決めた」とおっしゃっていました。
「それから20年以上いろいろ苦労したけれど、先日私が一週間入院した時にクロちゃんはその間餌も食べず排泄もしなかったと息子から聞いて、私はクロちゃんより先には死ねないと思った」と言われたのが印象的でした。
今では日本全国からクロちゃんに会いに人が訪れます。「来られた人が泊まれるように新しい宿泊所を建てたので、熊森協会からももっと多くの人に来てもらいたい」とのことでした。
クロちゃんのオリの中はとてもきれいに掃除されていて、大事にされているのがわかりました。
野生のクマの寿命は12,3年ということで、それからすると20歳を越えるクロちゃんはかなり高齢なのですが、体のツヤも良くとてもそんな年齢とは思えませんでした。
一時間ほどお話を伺った後、宿で頂いた夕食は山菜と日本海のお魚、それとクロちゃんファンクラブの会長でもある宿の女将さんから差し入れていただいた地酒も美味しく、皆、とても満足でした。
佐藤さんは、食事の間もそのあとの二次会でも会員からの質問に丁寧に答えてくださり、お話からはクロちゃんへの思いが伝わってきました。
翌日も佐藤さんがガイドしてくださり、午前中は羽黒山観光を楽しんだあと、山形駅で解散。それぞれ帰途につきました。
佐藤さん、本当にお世話になりました。またクロちゃんに会いに、田麦俣に行きたいです。(池田)