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2013-08-24
いよいよ明日8月25日、日本奥山学会第2回発表会開催です
- 2013-08-24 (土)
- くまもりNEWS
地球規模で、森林が猛スピードで枯れたり弱ったりしてきました。
毎年4万種の生物が絶滅していると言われています。
いったい何が起きているのか。
これからどうしていったらいいのか。
奥山の危機的状況に対して、様々な実証的研究の成果を出し合い、奥山について特化した新たな研究領域を開くために、昨年度、日本奥山学会が設立されました。この学会は、政官財などの圧力を排した、完全中立の、市民にも開かれた学会です。研究者が良心だけに従って自由に研究発表していただけます。
市民のみなさん、第2回発表会に参加して、みんなで勉強しませんか。参加費は無料ですが、参加していただくには事前申し込みが必要です。
「第2回日本奥山学会」 研究発表会のご案内
1)開催日時: 平成25年8月25日(日)13時~17時
2)会場: 関西学院大学西宮上ヶ原キャンパス
(兵庫県西宮市)法科大学院
3)プログラム:
●記念講演
「菌類が支える森」小川真氏 (大阪工業大学客員教授)
●特別講演
「ミツバチの失踪とネオニコチノイド系農薬の関係」
山田敏郎氏 (金沢大学教授)
●研究発表
・「日本の養蜂業の現状」 尾崎幸仁氏(大阪府立園芸高等学校)
・「シカの食害から植生を守る」
丹下研也氏(大阪自然環境保全協会会員)
他
4)参加申込み(参加費無料):
氏名、住所、電話番号をcontact@okuyama-society.orgまでお送りいただくか、お電話にてお申し込みください。
今回は、樹木の根に巻き付いて、樹木に水や養分を与えている菌根菌などの菌類研究の第一人者である小川真氏や、今年6月に「低農薬でもミツバチ減」として研究成果が多くのマスコミでも取り上げられた山田敏郎氏が、それぞれ記念講演や特別講演をしてくださいます。研究発表も含め、いずれも奥山保全には関わりの深い興味深い内容です。
8月3日、宇都宮大学会場前で、熊森栃木県会員たちと環境省イベントに抗議活動
- 2013-08-24 (土)
- くまもりNEWS
「すごいアウトドア」として、一般人にハンターになろうと呼びかける、「狩猟の魅力まるわかりフォーラム」に対して、会場前で抗議活動を行いました。
栃木県の会員たちも駆けつけてくれました。会場前で、
「野生動物の命を奪うことが、すごいアウトドアだなんて、わたしたちは認めない。シカ・イノシシによる被害問題は深刻だが、解決に向けて、環境省は、防除柵設置や、動物たちが帰れる森づくりに税金を使ってほしい。人間中心の現代社会だが、環境省だけは、自然や野生生物の側に立つべきだ」
と、みんなでチラシを配ったり、声を張り上げたり、総勢10名で、抗議活動を行いました。会員の皆さんは、本当に勇気を出してよくがんばってくださったと思います。
このイベントは、200席会場に275人が詰めかけるという盛況ぶりでした。さすが、市民団体と違って、環境省(=国)の力はすごいです。
狩猟学の専門家と、銃と射撃の月刊誌のライターの方が、「狩猟のイロハ」という題で、対談されました。
この後、ワークショップがあって、参加者は、銃を持たせてもらったり、罠の実演を見たり、野生鳥獣肉を食べたりしていました。
この時、このフォーラム開催とは関係のない問題なのですが、長野県など一部の県に引き続いて、山梨県が、環境省が決めたくくり罠の12センチ規制を緩和しようとしていることを思い出して、くくり罠の実演をしておられた栃木県の猟友会の方に、「シカやイノシシを獲るには、くくり罠の12センチ規制を緩和する必要がありますか」と尋ねると、「必要ないよ。12センチで十分獲れるよ」と、即答されました。
わたしたちは狩猟を全面否定しているわけではありませんが、レジャーやスポーツとして野生動物を殺すことには絶対に反対です。
人間がシカやイノシシを殺し続けない限り、かれらは増え続けるという理論が、このフォーラムの根底にあるわけですが、この理論が正しいかどうか、学問的には、誰にも証明されていません。
人間が、戦後、捕食者としてのヤマイヌを殺し尽くしたり、犬をつないで飼うように決めたことには、問題はなかったのでしょうか。
戦後、人間が、野生鳥獣の生息地であった広大な奥山に入り込んで開発したり、奥山原生林を東北六県分の面積皆伐して、いったん広大な草原にし、その後、1000万ヘクタールの山林(全国山林面積の42%)を針葉樹だけの人工林にして放置し、広大な奥山を荒廃させてしまったこと、化石燃料を燃やし続けて大気を汚染し、酸性雨や地球温暖化を招いて、今も自然生態系のバランスを狂わせている等々、人間側の反省点も多いはずです。
しかし、このフォーラムには、自然破壊や、第一次産業を軽視して、環境破壊、生態系破壊をし続けてきた人間側の反省は全くなく、「シカ、イノシシの数が増えた、みんなで殺してくれ」というだけで、人間として悲しくなりました。
しかも現在、狩猟対象となっている多くの野生鳥獣は、激減しています。環境省は、ハンターになった人たちに、カワウ・シカ・イノシシだけを獲れと指示するのでしょうか。
もっともっと大きな観点から、戦後、人間が自然界にしてきたことを総点検し、クマ・サル・シカ・イノシシ等大型野生動物問題の解決に向けて、第一次産業の重視も含め、国民的議論を呼び起こすべきだと思います。
野生鳥獣被害に困るようになったから、野生鳥獣を殺しておけという考え方は、あまりにも一方的です。
フォ―ラムに参加して、このような考え方では、野生鳥獣と共存する国など、とても望めないと思いました。