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2013-09-04

鳥取県が、地下水を保全し、持続的に利用するための条例を制定 橋本淳司顧問の週刊水ニュースより

鳥取県が地下水を保全し、持続的に利用するための条例を
つくりました。『とっとりの豊かな地下水の保全および持
続的な利用に関する条例』といいます。

鳥取県の大山の水が、ビジネス資源として注目されたきっ
かけは20年前のことです。

江府町の福田正臣前町長が、東京の自動販売機でペットボ
トル水が売られているのを見て、「水で地域おこしができ
ないか」と考えました。

1リットル容器に詰めて200円で販売すると売上げは伸び続
け、2009年度の年商は7000万円に上りました。

大山の水は企業誘致にもつながりました。氷製造メーカー、
ボトル水メーカーの工場が相次いで操業し、農業だけの町
に、新たな雇用を生みました。

しかし最近になって、不安も広がっていました。「いくら
なんでも汲みすぎではないのか」というわけです。

全国のボトル水総生産量に占める鳥取県の割合は14.0%
(2010年度。日本ミネラルウォーター協会調べ)。

1位:山梨県29.8%
2位:静岡県18.3%
3位:鳥取県14.0%

なのですが、このうちのほとんどが、大山から汲み上げら
れています。

山梨、静岡の水を支える富士山に比べると、大山の大きさ
は10分の1程度。一方、採水量は富士山系の年間約100万ト
ンに対し、大山は3分の1の約30万トン。4年前の採水量が3
万トンですから、わずかなうちに10倍に増えたことになり
ます。

企業は今後も採取量を増やす方針で、住民のあいだには、
「このまま大量に汲み続けたら枯渇するのではないか」
「経済活動の発展と、大山を守る環境活動が相矛盾する
ことにならないか」という声が起きていました。

そこで、大山の地下水をはじめとする県内の地下水を守
るために『とっとりの豊かな地下水の保全および持続的
な利用に関する条例』が制定されたのです。

条例では、地下水を利用する事業者に採水量の報告を義
務付け、水源に異常があれば採取を制限します。

また、地下水利用者によって「涵養」を促進するしくみ
も今後つくられていきます。

じつは地下水量の規制だけでは条例に魂は入りません。
地域全体で涵養のしくみをつくり、実行していくことが
大切なのです。

大山の水はブナ林に育まれます。

雨水がブナ林に浸透し、地表に湧きだすまでには50~70
年かかるといわれています。

つまり、現在使っている水は、ブナ林が健康であった
(涵養能力の高かった)頃の遺産であるといえます。

高度経済成長期に、ブナは次々と伐採され、ヒノキやカ
ラマツが植えられました。水を大量にふくむブナは、木
材として利用しにくいため、邪魔者あつかいされたので
す。

現在、大山にあるブナは、「ブナ退治」を免れた若木で
す。それが50年余の歳月を経て、数十メートルに育って
います。しかし、大量伐採の後遺症は、癒えるどころか、
広がっています。

一方で、植林されたカラマツ、ヒノキは外国産材を利用
した影響で放置され、山肌はところどころ崩れています。

水源涵養能力の高いブナを切ってしまったこと。

そのうえに植林したカラマツ、ヒノキは使わずに放置さ
れていること。

この2つの理由で、大山の水源涵養能力は以前に比べて
低下していると考えられます。

大山での涵養活動は、人工林の間伐とブナ林の保全です。

これをすべての水利用者が積極的に行うことによって
「条例に魂が入る」といえます。

新卒スタッフが神戸の学童保育所で初めてのくまもり環境教育に挑戦

8/29日(木)、新卒スタッフが、阪急六甲駅近くの学童保育所で、初めての環境教育に挑戦しました。

今回の熊森環境教育実施スタッフたちは、部長以外の6名が、全員初めてという構成でした。

くまもりボランティア養成セミナー受講生の方も、初参加していただきました。

プログラムは小学校低学年向きの「もりとどうぶつ」。

クマの子ツッキンとお姉さんとのやり取りを通じて、ツキノワグマの生態と森の人工林化によって引き起こされた動物たちの苦しみを理解してもらうのが学習目標です。

 

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良く通る声で明るくお姉さん役を演じる熊森スタッフは今年新卒の女性です。

熱心な聞き手は、「どんぐりクラブ」さんとご近所の学童保育所の「風の子」さんと合わせて、30名ほどの子供達です。

1年生から6年生までの子供達はみんなのびのびとしてお姉さんの問いかけにもよく答えてくれました。

指導員の先生がクマのツッキンに本物の青い柿を手渡すシーンでは、どよめきの声が上がりました。

 

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くまもり紙芝居「どんぐりの森を守って」では、大きな声で伝えるということと、笑顔を忘れないで演じるということができました。

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プログラム終了後は子供たちとおやつをいただきながらの質問タイムになりました。

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 おやつを分けるのも片づけるのもリーダーのもと、みんなで協力して、てきぱきと済ませます。

そういえば戦後間もない私の子供のころは年長の子供達から小さな子供まで、みんなこんな風に混ざって遊んでいました。毎日学校から帰ったら、近所の子供たちは集まって、缶けりや鬼ごっこなど飽きることなく夕暮れまで遊んでいました。その中には一定のルールがあり、小さな子供は「ごまめ」と言って、つかまっても鬼にならなくてもよかったりしたものです。どことなく懐かしく暖かい雰囲気がこちらの保育所の子供たちにもありました。

これからも、どんどんいろいろな熊森環境教育プログラムを練習して、子供たちに森や野生動物の大切さを伝えて行きたいと思います。

どうぞ、皆さんも熊森環境教育チームにご参加ください。毎月第1土曜日午後13時半から本部で練習しています。

「どんぐりクラブ」「風の子」の皆さん、貴重な場を与えていただきありがとうございました。(H)

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