くまもりHOMEへ

ホーム > アーカイブ > 2013-09-25

2013-09-25

実のなる木の繁る森再生に向けて・・・ 地元苗木畑作りや、囲い内へのじか植え

本部森再生チームでは、地元協力者に土地を提供していただき、実の成る木の苗木畑を作っています。

s-IMG_6488

また、植樹地に、シカよけの小ネットをいくつか間をあけて張り、その中にトチの実などの種子をじか植えすることもしました。

s-IMG_6495

冬の積雪が多く、急斜面で、シカ密度が高い。この3つがそろった地域で、人間の力で森を再生することは、想像を絶するむずかしさがありますが、野生鳥獣と共存できる国をめざして、みんなでがんばっています。

9月23日 本部クマ部会が山の実り豊凶調査・・・ 並作です

熊森では、今年も春の花の時期からずっと現地を回り、ドングリ類の豊凶を予測し続けてきました。今年は、3年連続になりますが、ハイイロチョッキリの出現もほとんどなく、ドングリは木についたまま、無事、秋を迎えることができました。熊森を指導してくださっている研究者のおひとりによると、虫の発生が抑えられているのは、冬の気温が低かったからということです。

 

9月23日(月)に本部クマ部会で参加者を募り、計10人で兵庫県北西部のクマ生息地の山の実りの豊凶調査(最終)に出かけました。調査方法は、兵庫県森林動物研究センターに教えていただいた調査法を参考にさせていただきました。

IMG_1430

まずは調査地1カ所に対して10本ほど調査木を決めます。道のそばの林縁部で、できるだけ樹木全体が見えやすく、日当たりも良好で健康そうな樹木を選びます。そして、その樹木を双眼鏡で見て、ランク分けをしました。

×凶作→0点:前方投影面積で樹幹1㎡当たりの平均結実数1個未満

△不作→1点:前方投影面積で樹幹1㎡当たりの平均結実数1-4個

○並作→2点:前方投影面積で樹幹1㎡当たりの平均結実数5-9個

◎豊作→3点:前方投影面積で樹幹1㎡当たりの平均結実数10個以上

以上のようにランク分けを点数化して10本の平均を出すという方法です。実際は、兵庫県ではこの数字を計算式に当てはめて最終的には6段階の評価にしていますが、私たちはこの4段階評価でも十分豊凶を知ることはできると考えました。

IMG_0011ブナ

ということで、実際にやってみるといろいろな問題点が出てきました。

・双眼鏡の良し悪しで豊凶が違って見える

・実を探すのが人によって得手不得手がある

・逆光や日陰の具合によって見えにくいときがある

・見えやすい木と見えにくい木で豊凶結果に影響されてしまう

・特にミズナラは下からだと実が見えにくい

・豊作の樹木を見たあとに少し実なりの悪い木をみると、たとえその樹木が豊作であっても並作などと評価を低くしてしまう

・クマの生息地とそうでない場所を同じ基準で考えて良いのか

 

今回は初めて豊凶調査をする人がほとんどでしたので、ブナ、ミズナラ、コナラの特徴をお教えしました。特にミズナラとコナラの違いはしっかりと覚えていただきました。

IMG_0040ミズナラ

そして、もうすでにブナの実が落ちていたので、みなさんに味見していただきました。みなさん、アクもなく、香ばしくておいしいと言われていました。昔の人たちが食料にしていたのもうなずけます。

結果的にはブナは1.9点、ミズナラは1.8点で、共に並み程度ということですが、今回の調査で様々な改良点を考えると全体的に厳しく見ていたかなと思うので、並以上かなと思います。ただこれはこの地点においてはという話ですので兵庫県全体を見ていくと、また違う結果の地域があるかもしれません。(当協会は、クマの生息地のみ、調査しています)

今回、ボランティアの皆さんに集まっていただいて豊凶調査をしたのは、初めてです。今後、調査方法を改良しながら、多くの会員のみなさんに参加していただき、結果をクマ保全に生かしていきたいと思います。

 

 

ツキノワグマ:「大量出没」なしか 餌の実り良く−−県見通し /福井

毎日新聞 2013年09月06日 地方版

 クマの出没シーズンを前に、県は5日、県内市町の担当者を集めた「ツキノワグマ出没対策連絡会」を開き、今年の出没見通しを説明した。餌となるブナなどの実が比較的良く実ったため、大量出没はしないとみられる。

県自然環境課によると、クマが大量出没する年は、奥山に分布するブナやミズナラの実(ドングリ)の実りがいずれも悪い傾向がある。奥山に餌のドングリが少ないと、クマは6、7月の活動のピークを過ぎても、頻繁に人里に出没するという。

今年のブナは並作、ミズナラは不作だったが、過去に大量出没した年よりも良好という。クリは豊作で、クマが山から人里に下りて餌を探さなければならないような深刻な状況ではないという。

今年4〜8月の県内のツキノワグマの出没は141件。2009〜12年の同時期の出没数(47〜116件)より多かったが、7月は53件、8月は15件と減少している。

大量出没の可能性は低いものの、近年は里山に放置された柿やクリを目当てにクマが来ることが多く、同課の担当者は「クマを呼び寄せないよう、餌となる作物の取り残しに注意し、残飯や生ゴミの除去を徹底してほしい」と話している。

北海道、今年、山の実り豊作、ヒグマの食料充分あり(北海道野生動物研究所)

<ヒグマ>北海道「例年より増」予想 ドングリ生育悪く

 

<ヒグマ>北海道「例年より増」予想 ドングリ生育悪く

ヒグマの出没が、今秋は例年より増えると予想されている=北海道斜里町で

  北海道は、今秋のヒグマの出没について「例年より増える」との予想を発表した。餌となるミズナラなどのドングリの生育が全道的に悪いことから、餌を求め て市街地や農地へ現れる恐れがある。また、キノコ採りなどで山に入る機会が増えるため、道は10月31日までを「秋のヒグマ注意特別期間」として注意を呼 びかけている。

 

上の新聞報道をうけて、ヒグマたちが心配になり、熊森顧問の北海道野生動物研究所所長門崎允昭博士に今年の北海道の山の実りについて電話で問い合わせてみました。

 

門崎顧問によると、山の実り調査から帰ってきたばかりだが、ドングリ類(ブナ、ミズナラ、カシワ、コナラなど)はどれも豊作で、他に、サルナシ、ヤマブドウ、クルミなど、みんな豊作だということです。特に黒松内町のブナは、大豊作で、地元では今のうちに苗木作りをしようということになっているそうです。ヒグマたちの今年の秋の食料は充分にあり、北海道は何の心配もないということでした。

 

どうして、180度正反対の結果がマスコミに出るのか門崎博士に尋ねたところ、情報提供者があるところだけを部分的に見て判断したのではないかというお答えでした。

 

 

 

 

 

 

フィード

Return to page top