くまもりHOMEへ

ホーム > アーカイブ > 2013-12-15

2013-12-15

(速報1)秋田県八幡平熊牧場ヒグマ、明日、12月16日、阿仁の終生保護飼育施設に移送

<秋田県八幡平熊牧場に残されたクマたちの終生保護飼育を願い続けて来てくださったみなさんへ>

 

いよいよ、八幡平熊牧場に残された熊たちの救命プロジェクトが、最後の山場を迎えます。

明日から、北秋田市阿仁熊牧場隣に新設された終生保護飼育施設への、ヒグマたちの移送が始まります。

新施設の建設工事が遅れ、深い積雪の中という厳しい気候下になってしまいましたが、無事に全頭の移送が完了しますように、みんなで見守りましょう。

 

北秋田市から管理を任されている(株)マタギの里社長によると、12月13日に完成したばかりの新保護施設には、到着したヒグマたちが、生まれて初めての冬眠に入れるように、稲藁がどっさりと用意されているということです。

 

(現地派遣本部調査研究員12月15日午後報告より)
 
今朝、現地は悪天候のため、着陸できなければ引き返すかもしれませんというアナウンスの元、羽田を発ちました。大館能代空港上空で、除雪作業が終わるのを待ったため、飛行機は周辺を約1時間旋回し続けました。
 
 
ただ今、八幡平熊牧場。積雪1メートル。昨日まで、積雪ゼロの兵庫県西宮市にいたので、どこに来たのだろうという感じです。
 
 
本日は大勢の方が来られており、みなさん忙しく動き回っておられます。
最大グマであるコディアックグマの太郎250キログラムと姫子200キログラムは、一昨日、移送用檻にうまく入ってくれました。餌で誘導しただけで、麻酔などは一切使っていないそうです。
計4基造った移送用檻ですが、4頭のクマがすでに入っており、一応みんな檻の中で元気にしておりますが、少し、気のせいか、不安そうにしているようにも見えます。
 
外気は低く、手がかじかんできて、これ以上電話はできません。以上です。(I)
 

環境省主催 狩猟の魅力まるわかりフォーラム 静岡県

今日は、静岡市で、「すごいアウトドア!!狩猟の魅力まるわかりフォーラム」が開催されました。静岡県には熊森支部がないのですが、4名の県民が協力して、がんばって、「すごいアウトドア」感覚でハンターを養成することに疑問を呈するチラシを、会場近くで配布しました。

 

興味を示してくれる人はあまりいなかったということですが、訴えたいことをメモにして、マイクを使って訴えたそうです。

 

最近、自分の意見を言わない国民が、増えてきていると感じます。これでは、良い国を、子や孫に残せません。今回、勇気をもって初めて声を上げたみなさんに、拍手を送りたいです。

shizuoka

・・・

ちなみに、12月7日に高知県で行われた「 狩猟の魅力まるわかりフォーラム」では、「すごいアウトドア!!」というキャッチコピーがチラシから抜けていただけあって、参加者の報告によると、内容もそのような軽々としたものではなかったということです。

兵庫県朝来町伊由峠植樹地のメンテナンス

せっかく集まったのに、柿の実もぎができなかったので、1999年11月4日に兵庫県尼崎市の中学生たちが、義務教育最後の遠足を返上して、熊森の指導で人工林地帯の山中に植樹した実の成る木の植樹地の手入れを久しぶりにしようということになりました。

 

人工林地帯の中に、ここだけクリやクヌギなどの落葉広葉樹がまるで公園の樹木のように育っていました。緑色の背の低い木は、アカマツで、これは植林ではなく、自然の芽生えです。手前の枯れたように見える草は、ススキです。

s-IMG_0910

 

あれから14年、そばに行くと、かなり木々が大きくなっていました。写真は一番大きく育っていたクリの木です。今年も、実をたくさん落としたことがわかりました。

s-IMG_0939

まだ外さないでいたシカよけチューブの残りなど、片付けていきます。

s-IMG_0890

皆で記念写真

s-IMG_0952

 

上の植樹地にも移動

s-IMG_0837

「生き物の棲める森へ」と当時の美術の先生が、生徒たちの願いを込めて書いてくださった記念碑が、今も健在でした。

しかしその横で、薬きょう(銃砲の発射薬を詰める容器)がいくつも落ちていました。ここは、ハンターの狩猟場になっていました。植樹した生徒たちが知ったら悲しむことでしょう。生き物の棲める森を戻そうとしたのですから。

s-IMG_0838

ここでもメンテナンスをして、終わりました。隣は、林内が昼なお暗い人工林です。

IMG_0797

あの時の中学生たちは、29歳になっていると思います。熊森協会があの後、植樹地のメンテナンスをしてきましたので、機会があれば、植樹地にドライブがてらに来てみてください。

 

クマの有害捕獲は、3年前から、原則殺処分に変更されました(兵庫県)・・・誘因物を山に運び、クマを捕獲しないことが、今、保護に必要

12月13日夜、兵庫県の丹波県民局(0795-73-3795)管内で、クマの捕獲わなが設置されたという情報を得ました。

 

かつて兵庫県は、クマ保護日本一の先進県でしたが、残念ながら、3年前から、クマ保護体制は、かなり弱まってしまいました。十分に生息数が回復したから、もう、そこまで保護しなくても良いという考えの人たちが、今は県行政を動かしているように見えます。

 

そのため、兵庫県版レッドリスト(絶滅危惧種)のAランクに指定されていた兵庫県ツキノワグマですが平成23年度には、Bランク指定に落とされてしまいました。絶滅危惧種であることには、現在も変わりがありませんが。

 

そして、有害捕獲に関しても、これまでのように、山奥に学習放獣して命を助けたりせず、残念ながら、原則、捕獲=殺処分すると変更されてしまったのです。

 

クマが増えたか減ったかは、一般に思う以上に判定は難しく、人間にはわからないことだらけなのです。ただし、動物たちの棲めない人工林を奥山に造り過ぎて放置し、荒廃させたままであることを思うと、クマが安定して生息できるような県になったとは、私たちには到底思えません。

 

どちらにしても、絶滅危惧種なのですから、奥山生息地を復元し続けると同時に、人間側の努力で、クマを捕獲しないですむようにしていかなければ、豊かな森づくりの名人であるクマを、この国に残すことはできません。

 

このような努力を、地元の方たちだけに押し付けるのではなく、豊かな自然から得られる、水・酸素・農作物などをいただいている都市市民も、お金や力を提供すべきであるというのが、私たちの考えです。

 

冒頭のクマ捕獲わなが設置された集落では、夜、民家の庭に残されたカキの実を狙って、クマが出て来ており、困り果てた末に、行政に、クマを捕獲してもらうことにしたということです。しかし、兵庫県のクマ対応基準が、3年前から変更されたことはご存じではなく、捕獲されたクマさんは、山奥に放してやってもらえるのだという認識でした。

 

丹波県民局に捕獲中止をお願いしようと思ったのですが、運悪く土日で、連絡が取れません。とりあえずクマが出てこないように、集落の柿の実を取って、山へ持って行けないか。地元自治会でも、柿の実取りを呼びかけているが、なかなか思うように進んでいないということのようだったので、私たちが手伝えばいいのではないか。夜の急な呼びかけにもかかわらず、地元町の人たちも含め、13人が現地に駆け付けてくださいました。

 

当日現地に急遽集合。本部は、柿もぎ用道具を用意。

s-IMG_0732

集落に残された柿の実取りを、手伝おうと思ったのですが、これまでつながりがあった町でもないので(これまでクマなど出たことがない集落だそうです)、みんなで行ってみたものの、残念ながら、柿もぎはできませんでした。

 

今でも熊森本部は連日フル回転で活動していますが、もっともっと会を大きくして、ふだんからもっと多くの地元とつながっておくようにしないと、こんな時うまくいかないとつくづく思いました。

 

遠く、滋賀県や姫路からも駆けつけてくださった方がいました。みなさん、ありがとうございました。

 

本部は、12月16日(月)になったら、県民局に電話して、交渉してみます。人間にとって命が一番大切なように、動物にとっても、命が一番大切なのです。

フィード

Return to page top