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2013-12-16
(速報2)マスコミシャットアウト,新施設へ移送準備の緊迫前日…熊森本部職員報告<八幡平ヒグマ、阿仁熊牧場新施設へ>
12月15日報告
・大館能代の天候不良により、着陸できなければ羽田に引き返すという話でしたが、なんとか1時間ほど上空で飛びながら天候の回復を待つと同時に空港の除雪も待って、無事着陸することができました。
・空港から八幡平へ移動するときに千葉県のSさんが心配して長崎さんに電話をしてきていました。
・現時点で,太郎と姫子は既に移動オリに入れられており、太郎はオリ入れに1時間、姫子はなんと1日半もかかったそうです。昨日雪がたくさん降ったそうです。あの2頭のオリだけは、運動場より下の方にあるので、もう少し雪が早ければ、もう、下から上に移動できなくなってしまっていたということです。セーフというか、その前に移動オリに入れられており、本当に良かったです。
・僕が到着した頃にはイチローとケイコも移動オリに入れられていました。イチローは入ったばかりで、少し興奮していたので、餌で落ち着かせていました。ケイコは移送檻に藁を入れてもらっており、藁がとても気に入ったようで、藁とたわむれてご機嫌でした。
・太郎と姫子の様子も見に行きましたが、姫子は落ち着いていました。太郎は少し興奮していましたが、水をたくさんもらって落ち着いていました。ベニヤ板をオリの鉄柵に張り付けてありましたが、それがないと途端に興奮し始めるそうです。
・それまでみなさん雪の中で頑張っておられたので、一旦休憩してから、また準備を再開しました。
・まずケイコをユニック車で上のクマ牧場入口まで運んだのですが、ユニック車が雪にはまって動けなくなり、みんなで雪かきをしたり、除雪車でひっぱったりしてなんとか動かしました。その間もケイコはオリにつけていた鎖で遊んだり平然としていると県の職員の方が言われていました。ケイコは比較的おとなしいので良かったです。これだけの雪の中での作業なので、アクシデントが起きても不思議ではないのですが、今日は14人もいたので、これだけ大勢いると、少々のことがあってもなんとかなると言っていました。
・午前中にたくさん餌を与えたそうです。みなさん手際よく作業をしているので、僕が下手なことをして迷惑をかけても申し訳ないので、勝手なことをしないように気をつけました。オリの片側で作業をしているときに、クマを反対の入口に誘導するために餌を与えていたのですが、全く食べてくれませんでした。伊藤さんが、クマにとってはそれどころじゃないんでしょうと言っていたのが印象的でした。たしかに、クマにとっては、これからどうなるのか、餌どころじゃないですよね。でも伊藤さんがジョーロでカタカタ音をさせると、クマが近づいてきてジョーロに噛みついていました。こうやっていろんなことをして気を紛らわせてやっているのだと言われていました。
・去年生まれのトチとツツジのオリ入れを手伝ったのですが、餌で入れようとしてもなかなか難しくて、餌がどんどんなくなるばかりでしたが、なんとか入れることができました。10分か20分くらいで入れられたので、だいぶ早い方だと思います。
・移動オリへ入れるのは高橋獣医が中心となり、ユニックへの積み下ろしは県庁の方や長崎さんの会社の皆さんが中心となって、うまいチームワークで作業をされていました。本当にみなさん良い人ばかりで、みなさんがクマに愛情を持って声をかけておられる場面を何度も見ました。中でも、庄司さんという方は、動物にすごく愛情をもっておられる感じで、こちらにまでそれが伝わってきました。
・八幡平の気温はー5度で、積雪は約1mです。昼ごはんはとっと館できりたんぽをいただきました。
・秋田さきがけ新報の記者が来られましたが、車を溝に落としてしまい、レスキューを呼ばれていました。今日はマスコミは呼んでいないとお伝えして、帰っていただいていました。マスコミは、明日、八幡平でトラックにクマを載せるときに来るそうです。
・最後にビデオを回しながら、これまで世話してこられた方々に、一言ずついただきましたが、地元採用の非常勤の方たちは照れて、お話していただけませんでした。
以上、思いつく限りの報告でした。明日は長崎さんの会社の社員の方が、僕を阿仁、そして、帰りには秋田空港まで送ってくれるそうですが、天候次第では帰りの便もどうなるか分かりません。また連絡します。(I)