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2014-02-15

元八幡平クマ牧場のクマたち、全頭元気  阿仁でゆったりと冬籠り中

秋田県が主催する会議に出席するため秋田を訪れるついでに、年末から新年にかけて、元八幡平クマ牧場から阿仁に移送され、只今冬籠り中というヒグマたちに、会いにいってきました。

 

飛行場の除雪が間に合わず、飛行機は秋田空港の上空で約1時間旋回。地上の気温はマイナス5度。

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阿仁クマ牧場に到着。天候は雪。(写真は、阿仁クマ牧場の入り口付近)

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この雪では、春になるまで、獣舎の外壁塗りはできそうもありません。よって、新獣舎の足場は、今もまだ外せないでいます。

 

獣舎の中に入り、クマたちの冬籠り個室が並ぶ廊下に立ちました。中は暗くて、静かです。

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クマの冬籠りというのは、完全に寝ているわけではないので、懐中電灯で照らすと、ほとんどのクマたちが起きてきて、「なあに?」と、うれしそうな顔をして飼育員に寄ってきます。どのクマも、本当に穏やかで人懐っこく、いい顔をしていました。毎日、飼育員が健康チェックをして、クマたちを見守ってくださっています。

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どのヒグマも、入れてもらった藁を細かく砕いて、自分で上手にベッドを作っていました。誰も教えないのに、どうしてこんなことができるのか、本当に不思議です。

 

よく取っ組み合いをしていた2頭のメスの姉妹子熊を、隣り合わせの部屋に分けて入れたところ、さびしがって1日中、仕切りの鉄格子に 2頭がしがみついていたということです。仕切りの鉄格子を外してやると、2頭は1つの部屋に入って1日中くっついて離れなかったということです。初めての冬籠りも、2頭仲良くくっついて一緒にしていました。

 

案の定、せっかく木をくりぬいて作ってもらった自然派水入れは、クマにかじられて、用をなさなくなっていました。(そのため、水入れは金属製に取り変えられていました)

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クマたちは、清潔な獣舎で、愛情深い飼育員さんに見守られて、全頭元気にしていることを確認してきました。

 

八幡平クマ牧場に残されたクマたち全頭が終生保護飼育してもらえるよう支援してくださったみなさん、毎日お世話してくださっているみなさん、ほんとうにありがとうございます。

 

今年7月には、土の運動場も完成して、全頭初公開される予定です。その時は、どうぞ、会いにきてやってください。事件当時と比べると、どのクマも、今ではすっかり表情もおだやかになっており、本当に愛らしいですよ。

 

積雪1メートルの兵庫県戸倉トラスト地で スギの人工林を間伐

戸倉トラスト地120ヘクタールのうち、約10分の1が人工林です。冬の間もなんとか間伐を進め、一日も早く動物の棲める森に復元しようと、天気の良い日を狙って間伐に行ってきました。

 

 

途中、2年前に実のなる木の苗木を植樹した場所を見に行きました。パッチディフェンスが、雪に埋まっていました。(広葉樹植樹地の冬)

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慎重に川を渡ります。なぜなら雪は上だけではなく、横にも積もるからです。地面があると思って足を踏み入れると、川の上だったということもあります。

伐採前

伐採前

 

 

ここのスギは背が高く、天まで届きそうなほど良く育っています。伐り倒してから長さを測ってみると、なんと25mもありました。

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下の写真を拡大してもらうと、ピンクのテープがついた苗木が見えます。これは、昨年植えた柿の大苗です。伐倒木でこの苗を倒さないように慎重に作業を進めます。

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倒した木は雪にめり込んでしまうので、浮いているわずかな部分しか玉切りができません。

伐採木

 

足に着けているのは、スノーシューです。これがないと、積雪地での作業は無理です!

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ここの人工林のスギは太くて、チェンソーのバーが届かないものもあります。こういうのは、両サイドから切り込む方法で伐ります。

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伐り終わってから直径を測ってみると、なんと40cm以上ありました!フーッ。

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一日目は奥の方の木を10本伐りました。まだあまり、景色に変化がありません。

伐採後

一日目伐採後

 

 

二日目は17本伐りました。手前の方を中心に切ったのでかなり風景が変わってきました。

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雪が融けたら、伐った木は玉切りして片付けます。

玉伐りを手伝っていただける方は、3月8日14時から本部事務所で開催される「フィールドミーティング」にぜひ来てください!

 

 

奥地に人工林の山をお持ちの方で、熊森の「動物が棲める森復元のための無料間伐」を希望される方は、是非お声掛けください!

無料間伐をさせていただける山の、募集ちらし(再掲)

 

 

2月9日 環境省主催 広島県での「狩猟の魅力まるわかりフォーラム」に300人

各県で環境省が順次開催している、「すごいアウトドア!狩猟の魅力まるわかりフォーラム」。

広島県での参加者は300人を超え、これまでの最多だそうです。若いカップルも結構多く参加していました。環境省のねらい通り、狩猟が、うまくファッションに結び付けられたのかもしれません。

 

野生動物たちとこの国で共存したいと願っている私たちは、行政の考えや仕組み、狩猟や有害捕殺、猟友会などの現状についても、知っておかねばなりません。いろいろ勉強してきました。

 

●狩猟者数変化グラフが、1970年以前も提示するものに換えられていた

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環境省はこれまでのフォーラムで、狩猟者が減る一方だから狩猟者を増やさねばならないと、まるで、狩猟者が減ったことが、動物たちが里に出てくる唯一の原因でもあるかのように、狩猟者が減り始めた1970年以降の狩猟者数変化とシカやイノシシの捕殺数増加グラフを対比させて提示してきました。

 

しかし、昨年秋、熊森協会が、「環境省のグラフ提示は、狩猟者が減ったから里に出てくるシカやイノシシが増えたと、世論を単純誘導をしている。以前はもっと狩猟者が少なかったがときもあるが、シカやイノシシはほとんど里に出てこなかった。1970年より以前の今より狩猟者が少なかった時の狩猟者数データも提示すべきだ」と申し入れ、環境省が改善を約束した経緯があります。

広島のフォーラムでは、1970年以前は今より狩猟者が少なかったという事実を示すグラフに取り換えられていました。環境省が約束を守ってくれたことを知り、うれしかったです。

 

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しかし、集まった多くの参加者の方々は、最近シカやイノシシが里に出てくるようになった原因を、深く追究しようという雰囲気にはなく、提示グラフが変わったことに対して、別に関心もない感じでした。

 

全国的にはシカの被害が問題となっていますが、広島県ではシカ被害よりもイノシシ被害の方が問題だそうで、猟友会の方も、イノシシ被害の話ばかりされていました。

 

●錯誤捕獲が多く、問題になっているくくり罠

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くくり罠

くくり罠は県によっていろいろな種類のものがありますが、広島県では、この真ん中にあるものがよく使われているそうす。自作で1000円ちょっとで作れるそうです。これだと、誰でも罠が仕掛けられそうだと思いました。

 

環境省は、クマの誤捕獲を避けるため、クマ生息地ではくくり罠の直径を12センチまでとすると規制しています。輪っかの一番短い部分が12センチであれば良いということで、ワイアーが固定されているわけでもなく、12センチ規制が本当に守られているのだろうかと不安に思いました。

 

また、たとえ、12センチ規制が守られていたとしても、タヌキやキツネなどのご捕獲を防ぐことはできません。これらの動物がかかると殺してしまうしかないとハンターに聞いたこともあるので、くくり罠の使用は本当に問題だと思いました。

 

●誤捕獲グマ対策付きの、新型クマスルー檻

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箱罠

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クマ脱出穴

写真の箱罠は、5万円~10万円です。もし、クマが誤ってかかったら、丸い部分を持ち上げて上部を外し、クマを逃がすことができるようになっています。これまでの、クマスルー檻だと、上の脱出口が開いたままでした。これだと、賢いクマが、餌を食べては脱出口から逃げるという行為を繰り返すので、それを防ぐように改良されたものです。

 

●銃のコーナーは人だかり

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銃のコーナーには、散弾銃と空気銃が置かれていました。どちらの銃も重くて、なかなかうまく扱えそうにはありませんでした。実際は、銃免許を取得するには警察の厳しい許可が必要で、罠猟ほど簡単には免許取得はできません。それでも銃猟免許を取りたいという人が多いのか、銃のコーナーは人だかりができていました。

 

●広島では、有害捕殺されたシカ・イノシシは、すべて焼却

兵庫県では有害捕殺されたたくさんのシカの死体が山に放置されていますが、広島ではどうなのだろうかと思い、質問してみました。広島県ではシカ・イノシシの死体は、すべて、市の焼却施設で焼却しているそうです。山に放置するなんてことは絶対にないと、断言されていました。

少なくとも、広島では、他の野生鳥獣がシカの死肉を鉛弾ごと食べてしまい、鉛中毒に陥ることはないとわかりました。

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●野生動物を殺したくない参加者も

参加者の中で定年退職をして農業を始めようとしている方とお話しできました。その方は近所の人たちがイノシシの農作物被害にあわれていることを知って、このフォーラムに参加したそうです。

罠の説明を聞きながら、これでシカやイノシシが捕まえられるのはわかるが、その後は殺さないといけないのかと何度も質問していました。被害はない方が良いが、といって、動物は殺したくないというお考えが伝わってきました。

 

●<参加した感想>

生息地復元と被害防除が抜けている

ただ狩猟をしたい人だけではなく、少しでも農業被害を減らしたいからと参加された人も多かったように思います。いきなり、動物を殺すという解決法だけを示すのではなく、その前に、動物たちが田畑に出てこないように、①生息地を復元したり、②被害防除策を研究したり、殺す以前のことも教えてあげるフォーラムに変えていくように、環境省に望みます。

 

 

 

 

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