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2014-03

3月15日(土)NPOフェスティバルで新紙芝居上演

西宮市で開催されたNPOフェスティバルに、本部環境教育チームで参加しました。

西宮市内には、なんと約200ものNPO法人・市民活動団体があるとのことです。

 

この日は少し肌寒かったのですが、青空がさわやかな、良い野外活動日和。

快晴のもと、ブースにて会の広報活動・紙芝居上演を行いました。

(熊森ブースの様子)

 

本部環境教育部は、このフェスティバルに向けて、昨年から新しい紙芝居の作成に取り組んできました。

テーマは「水は森から」。この紙芝居は、私たちが日々当たり前のように使っている水道水が、どのようにして私たちのもとまでやってくるのか、分かりやすく伝えることが目的です。

また、自然の森と放置人工林を水の観点から比較することで、自然の森の大切さや放置人工林の問題を伝えます。

(本部事務所での作業風景)

 

環境教育チーム内外問わず、たくさんの方にご協力いただき、晴れてNPOフェスティバルにて上演することが出来ました。

(紙芝居「ぴっちゅんとぱっちゃのぼうけん」上演中)

 

新紙芝居の初披露ということで、メンバー一同ドキドキでしたが、二度の上演を無事終えられてほっとしました。

中には2回とも見てくださった方も!上演後には感想までいただいて、大変感謝です。

今回は紙芝居の上演のみとなってしまいましたが、今後は紙芝居への理解をより深めてもらえるようなプログラムを作成していきます。

 

本部環境教育チームはもうすぐ1年目。より良い活動を目指して、今後も頑張っていきます!

 

環境教育部では、西宮市の本部事務所にて定例会を開いております。

次回の例会は、

 

4月5日(土)13:30~

 

の予定です。ご参加くださっている方はもちろん、初めての方も、是非とも覗いてみてください☆

 

2014年 3月21日 第1回いきものの森活動 トチノキの苗木畑

3月21日(金)に第1回いきものの森活動を実施しました!

今年から始まった「チームいきものの森」の活動は、奥山人工林を皆伐または間伐して、いきものたちが棲める豊かな自然の森に再生させていく活動です。

地元の方も含めて総勢10名での作業となりました。

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場所は宍粟市千種町で、この日は雪がたくさん降っていました。

地元の方のご協力のもとトチノキの苗床作りとその周りに防鹿柵を作りました。

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防鹿柵の木杭をしそう森林組合で購入。

森林組合は休みでしたが、たまたま職員の人が出ておられたので助かりました。。

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木杭が腐らないように環境配慮型クレオソートを塗ります。

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これが種を植えて一年ほどのトチノキの苗。

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苗を植える人と杭を打つ人、分担するとどんどん作業が進みます。

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おっと、誰かが雪だるまを作って遊んでる!?

いやいや、こうすると畝に積もった雪が簡単にはがれていくのです(笑)

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悪天候の中でしたが、作業は真剣そのもの。

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お世話になった地元の方の庭に植えてあった8年育てたトチノキも移植。

思わぬ記念植樹となりました♪

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完成までもう一息。

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完成しました!

地元の方にも褒められるほどきれいな防鹿柵ができました。

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時間が余ったので、近くにある天然杉を案内していただきました。

樹齢100年以上だそうです。

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この日は雪が吹雪いたり、晴れたりと目まぐるしい一日でしたが、

美しい景色にも出会えました。

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作業のあとはみんなでお茶会。笑いの絶えない一日となりました。

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チーム「いきものの森」参加者大募集中です!

動物の棲める豊かな森を広めるためにご協力お願いします!

 

 

 

冬の兵庫県奥山原生的自然林の動植物調査

2月24日、天気の良い日を狙って兵庫県最高峰氷ノ山(1510メートル)の近くにある奥山保全トラストのトラスト地を調査してきました。下の地図の赤線で囲まれたところがトラスト地で、120haの広さがあり、真ん中の谷には沢が流れています。ここは、ブナ・ミズナラの巨木の原生的自然林が残されています。

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戸倉スキー場の隣なので、いったんリフトで標高840mまで登り、そこから6時間半かけて、トラスト地の外周の尾根筋(赤線上)を一周してきました。地図上の左の方に縦に走っている黒い線が、鳥取県との県境になります。この線の左側が鳥取県で、右側が兵庫県です。

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定番のスノーシューをはいて、いざ出発です。

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こちらは動物を撮影するための自動撮影カメラです。今回は昨年12月12日に設置した動物カメラを回収して、新たにこのカメラを設置してくる予定です。

約2か月半の間雪山に設置したカメラに、どんな動物たちが映っているのか楽しみです。

自動撮影カメラを使い始めてから、少しずつ動物たちの動きがわかってきました。自動撮影カメラによる調査研究は、動物を捕獲して全身麻酔を施し、発信機を装着するテレメトリー調査などと比べると、動物に与える負担はほとんどありません。支部のみなさんにもこれから大いに使っていただきたいと思います。

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尾根筋は積雪が1m以上のところもあれば、地表が見えるほど雪が融けているところもあります。傾斜や道の幅、日当たりなどで積雪量も変わってくるのでしょう。

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このブナの木には、冬でも緑色をした寄生木ヤドリギがたくさんついていました。ヤドリギの種を運んでくるのは鳥なので、ここが鳥の飛行ルートになっていることがわかります。春の訪れを感じさせる程鳥の鳴き声を何度も聞くことができました。

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ミズナラの巨木に洞がありました。クマは頭さえ入ると体までスッポリ洞の中に入ることができるそうです。

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洞の中はなんとも暖かそうでしたが、クマが冬籠りしたような痕跡はありませんでした。

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尾根筋に動物の足跡を見つけることができましたが、前回氷ノ山を調査したときよりは少なかったです。

ずっと奥山を見続けてきた人の話では、20年前までは、雪山は動物たちの足跡でいっぱいだったそうです。そういう時と比べると、現在の奥山はどこも、動物たちが激減しているといえるでしょう。山の変化は、ずっと山を見続けてきた人にしかわからないので、高齢者の証言は、本当に貴重です。

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笹の葉が、雪から頭を出していました。ここにはシカが来ていないようです。雪から出ている部分の笹は、春先にいったん冬眠解除した後、わずかな低温でも一気に凍害を起こして枯れてしまうそうです。このチシマザサが元気でいるためには、全身が雪のフトンに覆われていることが必要なのです。

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これは何でしょう?ゼリー状の中に粒があります。何かの実が落ちたものでしょうか。

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シカの角砥ぎの跡です。傷が浅いので幹が固くなった昨年の秋頃につけられたのではないでしょうか。

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こちらは傷が深いので、幹が柔らかかった昨年の春につけられた跡だと思います。

 

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頂上までもうすぐです。雪が深くなってきました。この辺りは背丈の高い笹がたくさん生えているのですが、すべて雪で覆われています。

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テンのフンを見つけました。中になにか種のようなものがあります。この時期のテンが何を食べているのか気になったので持って帰って調べることにしました。

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10:15に出発して13:30、ついに1216メートルの山頂に到着しました!

頂上からの景色は実にすばらしく、熊森のフィールド担当をさせてもらって本当に良かったなと思う瞬間です。

手前の山の雪で白くなっている部分が広葉樹の自然林で、トラスト地です。遠くに見える黒っぽい山の部分がスギやヒノキの人工林です。このあたりの山は本当に人工林が多くて、宍粟市の人工林率は、今も73%です。人工林率が下がる気配は一向になく、野生鳥獣たちにとっては相変わらず、すみづらい山です。

くたくたになって山から下りてきました。

 

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さて、冬の2か月半の間に、自動撮影カメラにどんな動物がどれくらい映っていたでしょうか。

オスジカ1頭(12月に2回)、ウサギ1頭(1月に1回)、テンらしきもの1頭(1月に1回)。これだけでした。2月はゼロでした。

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明らかに、環境に百害あって一利なし リニアモーターカー 山梨県建設現場視察

今年1月26日午後、初めてリニア建設現場を見ました。こんなグロテクスな巨大建造物を、山梨県どころか、美しい南アルプスの山を貫いて大阪まで、残された大切な自然を破壊しながら建造していくだなんて、日本に生まれて、この美しい国土を愛することができない人たちがいるのだろうかと、不思議にも思い、悲しくも思いました。

 

リニアモーターカー建設現場近くのブドウ農家の方にインタビューしてみました。やはり地下水脈が切断されて、水が枯れたり、また反対に、かなり離れた思いもかけない場所から水が噴き出したりしているということでした。地下水脈をぶち切るのですから、当然、そうなると思います。地元にとっては迷惑この上ない事業でしょう。

 

景観にとってどうか。

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美しい風景の前に、巨大な白線が引かれる。景観に百害あって一利なし。白線はそのうち、色が汚くなっていくはずです。

山中のトンネル部分では、熊森的には、振動と騒音で、冬籠り中のクマたちが跳び出してしまうと言えます。リニアによって、山を捨てて、人里に出ていく動物たちが増えるかもしれません。そうなれば、国は何の躊躇もなく、ただ彼らを殺すだけでしょう。

 

とにかく近くで見ると、リニアトンネルは大きいのです。

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これだけのセメントの材料を、どこから持ってくるのか不思議です。セメント原料を採掘した場所でも、国土大破壊となっているはずです。この場所を見る限り、野生生物や弱者への配慮は全くなされていません。トンネルの下に付け替えられた新しい川(というより水路)に落ちた動物や子供は、垂直3面張りのため、2度と地上に上がれません。もちろん川の中の生態系は、完全に失われていました。

 

近くの山の中を覗いてみました。

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ここは以前、川だったのだろうと思われますが、完全に水が干上がっていました。山梨県の野生動物たちは、リニアの工事で失った水飲み場を新たに探さねばならず、みんな大混乱に陥っていると思われます。

 

山梨のこれまで美しく静かだった環境が、大破壊されようとしています。今からでも遅くない。大手メディアは、現地を取材し、全国に真実を報道して欲しい。国民は、報道がないから、現地を見たことがないので想像力が働かず、黙っているのです。真実を知れば、この事業で金儲けができそうだとして正常な判断力を失ってしまっている人たちでない限り、ほとんどの国民は、リニアなんていらないと反対し始めるでしょう。

 

ああ、それがわかっているから、リニア推進報道しか、世に出さないのですね。

 

 

山梨県甲府市でのくま森ジョイント講演会

報告が遅くなってしまいましたが、今年の1月25日、山梨県支部主催「くまもり講演会」に行ってきました。

静岡駅からJR身延線に乗って甲府駅に向かう長い道中、ずっと車窓から外の景色を見ていました。

この沿線沿いには、人家がほとんどありません。日本にもまだこんなところがあったのかと、うれしく思いました。

山梨県の人口は85万人。県庁所在地甲府市の人口は、わずか19万人です。しかし、人工林率は46%の高さです。

車窓から見える山梨県の川の水は、何かあったのかと思うほど、どこも少なかったです。

 

列車が進むにつれて、富士山が、車窓の右に見えたり、左に見えたり、後ろに見えたり、前に見えたり・・・思いもかけない方向から次々と目まぐるしく目に飛び込んで来ます。

一体、線路がどのような向きに敷かれているのか不思議に思いましたが、地図を忘れたのでわかりませんでした。

世界遺産富士山を堪能できる、ぜいたくな旅でした。

 

 

甲府に着いてから、講演会場の山梨県立文学館へと急ぎました。

人々が講演会に集まってくださるのかどうか、心配でした。

というのは、2011年の東北大震災・福島原発事故以降、世の人々の関心がそちらに移ってしまい、また、最近は、人々に無力感、脱力感が広がっているのでしょうか、以前と比べて、自然保護関連の集会への参加者がぐんと落ちているのです。

 

しかし、うれしいことに、今回、会場いっぱい80名の方々が集まってくださいました。自然と集まってくださったわけではありません。支部長以下、山梨県支部の皆さんが、本気になって人々に声掛けをして集めてくださった結果です。みなさん、本当によくがんばられました。本部や他の支部も、負けておれません。

 

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<挨拶する、くまもり山梨 坂名井支部長>

 

最初の講演は、水ジャーナリストの橋本淳司先生。山梨県というと、リニアモーターカー。地下水の問題について、工事現場に出向き、現地取材によって集められた豊富なデータをもとに、わかりやすく説明して下さいました。さすが、大変説得力がありました。

 

次の、 くま森会長講演では、より良い社会をめざして、おとなになってからも絶えずみんなで集って勉強し、議論しようという呼びかけがなされました。利権のない一人一人が自分の頭で考え判断する市民社会を作っていかなければ、自然は守れない。社会が狂っていくのは、政府が悪いからではない。国民のレベル以上の政府は持てないなどとという、熱い語りがなされました。

 

会長は、「クマなんかおって、何かええことあるんか」と、人に食ってかかられて傷ついた会員を思いやって、そういう時には、負けずに、「あなたは、人類を滅ぼす人間中心主義という恐ろしい思想におかされていますよ。この地球は人間だけのものではありません。すべての生き物たちのものです。いていいか悪いかという前に、すべての生き物たちにいる権利があります」と返してから、クマが奥山水源の森を守ってきたことなど、クマがいて良かったことを説明していくようにとアドバイスしました。

 

 

参加者のみなさんは真剣に最後まで聞き入って下さり、帰られる時、「この講演会に来て、本当によかったです。勇気が湧いてきました」などという心からの喜びの声を、たくさんくださいました。

 

新入会員も誕生しました。講演会は大成功だったと思います。

山梨県支部スタッフの皆さん、参加して下さった皆さん、本当にありがとうございました。

 

参加者の中に、明日、リニアモーターカーの公述会があるから、ぜひ参加して欲しいと声をかけてくださった方がいて、次の日、会場に向かうことになりました。

 

動く度に、いろいろな人と人とのつながりが生まれ、人生がますます充実していく楽しさ、喜びを感じました。

 

沿線住民たちは皆、リニアに不安 山梨県の地元公聴会 全国メディアは、なぜ報道してやらないのか

今年1月26日、車がなければとても行けない不便な山中の会場で、朝から夕方までかけて、山梨県主催「JR東海によるリニア中央新幹線の環境アセス準備書に対する住民意見を聴く公聴会」が持たれました。

 

前日、甲府市でくまもり講演会を持ったおかげで、このような会に傍聴人として初めて参加する機会を得ることができました。傍聴人は、写真撮影、録画、拍手、声援、野次などが禁止されています。傍聴人たちは、おとなしく規則に従っておられました。

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公述人は高い舞台の上に上がって、マイクを持って話すようになっていました。会場には、すでに公述人が集められており、皆さん緊張した面持ちで静かに座っておられました。人前で話すことに慣れておられない方は、ドキドキだろうと思いやりました。

一方、県庁担当者には緊張感が見られず、形式的にやるだけという感じで、両者の雰囲気が対照的でした。

 

公述人は13人おり、持ち時間は一人あたり15分間でした。公述人が変わるたびに、公述規制事項文書が県庁担当者より読み上げられます。公述人は、同じことを13回聞かされるわけです。しかも、その内容のひどさにはあきれはてました。

 

(県庁担当者が公述者が変わる度に壇上に上がり、マイクで13回読み上げた内容)

公述時間は15分です。

公述時間は、議長の許可を受けてから15分間です。

公述の残り時間は、ベルでお知らせします。

公述終了5分前に1鈴、

公述終了2分前に2鈴、

公述終了時に3鈴、で、お知らせします。

公述時間終了後は、速やかに公述を終了してください。

終了していただけない場合は、中止を命ずることがあります。

 

公述内容については、先に提出された「公述要旨」に沿って行うこととします。

本公聴会は「準備書について環境の保全の見地からの意見」を求めるためのものであり、事業の是非や賛成・反対の意見を述べることはできません。

公述内容が「環境の保全の見地からの意見」、「公述要旨の内容」から逸脱していると判断した場合、発言の中止、もしくは修正を求めます。

公聴会では、公述内容について判断・回答は行いません。

 

 

無表情な県庁担当者が、上の同じ文章を強い声で何度も読み上げるのを聞かされているうち、憤りがこみ上げてきました。これは、公述人への脅しです。圧力です。これでは、公述人が委縮してしまいます。もし自分が公述人で、意見を言う前に、こんなことを念を押して言われたら、こわくなっておどおどしてしまいます。この国は、国民が主人公、主権在民の民主主義国家であるはずなのに、これではまるで、お上の国であり、江戸時代の封建国家です。公述会は、自由な雰囲気の中で行われるべきです。

 

第一、最初に、公述人はこの注意事項を皆で一緒に聞かされたのですから、もうそれで十分です。なぜ、13回もわかりきった同じことを公述人が変わるたびに聞かされなければならないのでしょうか。ここに座っておられる山梨県の皆さんは、なんとおとなしく従順なのだろうかと思いました。これが関西なら、必ず誰かが、「県庁担当者の方、その注意は初めに聞いたので、もうわかっています。いちいち言ってもらわなくても結構です」と、言い返して止めさせてしまうだろうと思いました。

 

午前中、何人かの公述人の公述を聞きましたが、全員がリニアモーターカーの建設に強い不安を持っておられました。賛成・反対を述べることは禁止されていましたが、もし、言っていいと言われたなら、全員が反対と言われたでしょう。

 

関西に住んでいると、山梨地元沿線住民の反対の声など全く報道されないため、大自然破壊以外の何物でもないリニアに、反対の声はないのだと思っていました。皆さん反対だったのか。初めて知って驚きました。

 

緊張しながら不慣れな様子でリニアに対する不安を公述し続けている山梨県の公述人たちの声を聞いているうち、大手メディアは何をしている、なぜ、この人たちの声を全国に報道してやらないのか。憤りと共に、情けなくなっていきました。行政もメディアも、みんな弱いもののために存在しなければならないのに、この国では、強いもののために存在しているということを、改めて思い知らされました。

 

一人目の公述人が、リニア工事によって地下水脈が断ち切られ、イノシシのぬた場がなくなってしまうという心配を話をされたとき、思わず拍手したくなりました。ここにも、人間以外の弱者たちに思いを寄せることを忘れていない人たちがいた。これこそ、本当の日本文化です。

 

< 以下、山梨日日新聞が報道した公聴会の公述人の公述要旨より>

●甲府市67歳・・・JR東海の準備書は、消費電力や磁界などの根拠、基準が大雑把で明確ではない。計算根拠をはっきり示してほしい。残土処理場を確保してから計画を進めるべきだ。

●南アルプス市70歳…高さ20メートルにもなる高架橋は、景観への影響が大きい。町の魅力が著しく損なわれる。

●甲府市58歳・・・騒音や振動、日照など、すべて「基準値内」というが、現在の良好な環境からは悪化する。

●甲斐市66歳・・・南アルプス市の地下水、中央市の地下水を使った農業、富士川町の温泉への影響が心配。

●相模原市27歳・・・地下で火災が発生したら、お年寄りは逃げられない。単体の収入で建設費をペイできないリニア計画に断固反対。

●甲府市72歳・・・リニアは新幹線の3倍の電力を食うという。時代に逆行している。実験で得た磁界、エネルギーなどのデータを公開して欲しい。

●甲斐市68歳・・・壊した自然は戻らない。自然破壊をやめてほしい。

●南アルプス市50歳・・・希少種の猛禽類やホンシュウカヤネズミに与える影響の調査方法、評価が生態に基づいておらず、信ぴょう性に欠ける。

●甲府市61歳・・・フードで覆われ、地域や景観遮断するリニアは欠陥品。計画を中止するか、全線地下にすべき。

●中央市62歳・・・JR東海は、予測地点を増やし、住民の不安に本気で向き合うべきだ。

 

<熊森感想>

沖縄の辺野古と全く同じ構造だと思います。現地の多くの人達はそれぞれ、頼むからアメリカ軍基地、リニアモーターカーを造らないでくれと言っている。地元は自然を残してほしいと願っている。地元の人たちがいやだと言っている工事を、国家権力を使って、無理やり地元の人々をおさえつけて実施するのだろうか。もし、そうなら、日本の自然は守れないし、弱い者いじめ国家以外の何物でもなくなる。

 

ニーメラー牧師(ドイツ 1946年)の言葉

ナチ党が共産主義を攻撃したとき、私は多少不安だったが、共産主義者でなかったから何もしなかった
ついでナチ党は社会主義者を攻撃した。私は前よりも不安だったが、社会主義者ではなかったから何もしなかった
ついで学校が、新聞が、ユダヤ人等々が攻撃された。私はずっと不安だったが、まだ何もしなかった
ナチ党はついに教会を攻撃した。私は牧師だったから行動した―しかし、それは遅すぎた

 

 

辺野古や山梨の自然を守ろうとしている現地の人たちのことをもっと知り、自然保護団体として応援していかなければならないと思いました。午後から建設工事の現場に行ってみました。(つづく)

 

 

 

 

 

 

 

 

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