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2014-04-08

4月5日 くまもり通信79号送付完了

連日続いていた通信79号の発送作業ですが、ボランティアさんたちの応援を得て、本日、無事終了しました。発送作業に携わって下さった本部事務所近隣会員のみなさん、どうもありがとうございました。

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通信発送作業のもよう

くまもり通信を、多くの方に読んでいただきたいです。今なら残部があります。1冊100円で販売していますので、広めてくださる方は、ご注文下さい。

ページ    目次

2   巻頭言 奥山に動物たちの餌場づくり 森山会長
3   特集 新顧問 小川眞先生(菌類研究)「すべて、「土」あってのもの」
9  「狩猟歴45年のハンターが語る クマ・シカ・イノシシ」
●●●●兵庫県大屋町 村上呉武 氏
13   北海道 ヒグマの森140ヘクタールを北海道熊森会員が個人トラスト
14 奥山復元・再生
15   秋田県八幡平ヒグマ阿仁へ移送完了 全頭、元気に冬籠り中
16   鳥獣保護法の改訂と大きな問題
17   外来種 「京都府、鴨川のヌートリア根絶殺害は、無用の殺生」
18   大自然破壊 「今からでも止めよう・八ツ場ダム ・リニア中央新幹線」
19 支部活動報告
●●●・京都府ー台風18号被害
●●●・岐阜県ー炭まき山で菌根菌成長
●●●・三重県ー大台町環境フェスタ出展
●●●・群馬県ー植樹苗に実り・マツに炭効果
21  太郎と花子のファンクラブ
22  会員投稿 / 編集後記

 

「狩りガール」を持ち上げるテレビ番組に苦言

いつの世でも、どこの国でも、国民の洗脳や国民の意識改革の宣伝に、効果的に利用されるのは、若くてきれいな女性です。

危険なものや間違ったことでも、「若い女性もやっています!」とプロパガンダされると、多くの国民は、警戒心を失い、同化されやすくなります。

若い女性は、間違ったことに利用されないように、本当に、何が正しくて何が善なのか、よく勉強して、慎重に行動して欲しいと思います。

4月3日、毎日テレビ夕方6時過ぎからの放送「VOICE」で、「狩りガール」が、取り上げられました。

「VOICE」への意見は

→voice@mbs.jpまたは、FAX06-6359-3622

この番組は、近畿2府4県と徳島県の一部に報道されています。

「狩りガール」報道は、今や国策プロパガンダ放送局に成り下がってしまったかのように見えるNHKテレビが、昨年10月に、「狩りガール」を持ち上げるニュースを流していましたから、別に、目新しいものではありません。しかし、本当にこんな方向に日本文化を進めていってもいいのか、全国民がしっかり考えねばならないと、今回のテレビ報道で改めて強く思いました。

近年、環境省は、日本人は狩猟民族であるとして、「すごいアウトドア」というキャッチコピーで、若者たちにハンターになることを呼びかけています。そのポスターの真ん中には、猟銃を持った若い女性の絵が描かれています。縄文時代ならともかく、日本人は誰が見ても農耕民族です。たとえシカが増えすぎて困ったとしても、レジャーや遊びとして国民にシカを殺させるのは、間違っています。環境省の政策に大きな問題があることは、報道関係者ならば、ちょっと調べていただければ、すぐにわかることだと思うのですが。

今回のテレビ報道では、銃という武器を持った圧倒的強者である人間(=若い女性)が、無抵抗の野生動物たちを、笑いながら撃ち殺していました。「野生動物たちが山から出てきて、農作物などに被害を与えたから、退治してやる」という、英雄気取りなのでしょうが、自分が被害を受けたわけでもないのに、ファッション感覚やゲーム感覚で、厳しい自然界の中で、人間の援助も受けず、一生懸命に生きている野生動物たちの命を奪うなら、人として許されるものではありません。冷静になり、慎重に考えなおしてほしいと思います。(この狩りガールと個人的に話し合ったわけではありませんから、彼女を深いところまで知って書いているわけではありません。ただ、報道の仕方に問題を感じたのです)

「狩猟者を増やしたい。そのために、若い女性を使おう」

環境省の政策の後ろには、戦後の森林政策の失敗を覆い隠そうと躍起になっている人達の黒い企てと、研究という名で無数の元気な動物たちを解剖し続け、命の尊厳がわからなくなってしまい、一般人の感覚からはるかにかけ離れてしまった研究者の存在があると、私たちは感じます。

「狩りガール」のみなさんは、かつて、野生動物たちが棲んでいた山が、今どうなっているか、奥まで入って一度検証してみてほしいと思います。

国策により、戦後、青森から福島まで、東北6県分の面積に等しい広大な原生林が伐採されました。その跡地などに、1000万ヘクタールの針葉樹一辺倒の人工林が奥山を中心に造られました。

しかし、林業の低迷で、今や多くの人工林は放置され、内部は砂漠化しています。広大な奥山人工林内には、動物たちの餌は何もありません。動物たちは本来の生息地では、生きられなくなっているのです。動物たちは、被害者です。

人間は、各地で、動物たちの欠席裁判を行い、死刑判決を下していますが、これは弱い者いじめです。こんなことをしていては、この国で、人と野生鳥獣との共存などできないでしょう。

●●

自然界のことは、人間の頭ではわからないことが多過ぎるのですが、戦後の拡大造林や東京オリンピック時に行ったヤマイヌ全頭殺害、地球温暖化など、様々な人間活動の結果、シカは生息数のバランスを崩して増えているのではないかと思われます。

すべて、人間の失敗です。人間が問題の原因を作ったのです。目の前の現象だけを見て、被害者である野生動物たちを加害者扱いし、山奥にまで入り込んで命を奪うという、相手の存在を全面否定する行為を、若い女性が、笑いながら軽々しくやってほしくはありません。まず、彼らがどこにいたらいいのか、生息地を保証してやるところから始めるべきでしょう。

狩猟行為は、山奥にはりめぐらされた林道、車や銃、犬があれば、女でもできるかもしれませんが、狩猟の後始末は、女性には一般的にむずかしいと思います。殺したシカやイノシシは、山に埋めるか、焼却場へ持って行くかしなければなりません。山中に放置すれば、クマを初めとする多くの野生鳥獣の餌となり、ますます山の生態系が狂ってしまいます。しかし、若い女性に、重いシカやイノシシを運ぶことなど、普通は無理です。

「狩りガール」を推奨している人たちに、なぜ若い女性を狩猟に巻き込むのかたずねてみました。

答えは、「若い男の狩猟者を増やしたいのだが、呼びかけてもなかなか増えない。罠猟免許を取る人は増えたが、銃猟免許者は減る一方だ。若い女性に目を付けたのは、若い女性が銃を持つと、彼氏が影響を受けて銃を持つようになる。そこを狙っている」と、いうことでした。

私たち人間にとって命はたった一つしかない最高に貴重なものですが、野生動物たちにとっても同じです。なぜか、優秀な官僚のみなさんには、現在起きている野生動物問題を、野生動物を殺さないで解決しようという努力がまったく見られません。初めから、殺害ありきです。これは、恐るべき倫理観の欠如です。

動物用防除柵を作ったり、奥山の針葉樹一辺倒の人工林を広葉樹林に戻して生息地を復元したり、シカに関しては、人間が彼らから奪った草原や湿原を返してやったり、シカが増え過ぎないようにシカ用避妊薬を開発したり、シカの天敵であるヤマイヌやキツネなどを放して、人間が壊した生態系のバランスを自然の力で取り戻したりして、人間は、あくまで生命尊重思想の上に立って、非補殺対応をめざすべきです。

若くてきれいな女性には、生き物の命を大切にする、人にも生き物にも優しい人間であってほしいと願います。

メディアのみなさんは、生き物の為にも、人間の為にも、慎重な報道を心掛けてほしいです。身の回りに、軽い気持ちで銃を持つ人が増えれば、銃を持たないわたしたちは、不安でたまらなくなります。

神道や仏教の影響も大きかったのでしょうが、日本人は殺生を嫌い、物言えぬ弱者である野生鳥獣を大切にしてきました。このような文化を大切にしていかないと、自然破壊にいっそう歯止めがかけられなくなり、やがて日本文明は水源を失って滅びてしまうでしょう。

メディアの皆さんは、番組制作にあたって、必ず、反対者、疑問者の声も同時に拾っていただきたいと思います。でないと、国民は、何が正しくて何が善なのか、考える力を失ってしまいます。

3月16日 宮澤正義顧問による本部くまもり講演会

「共に暮らしてわかった、クマの本当の姿」という演題で、熊森第一顧問の宮澤正義先生の講演会を本部で持ちました。これまで、いくつもの支部で、宮澤先生の講演会を開催してきましたが、なんと、本部では今回が初めてなのです。会場いっぱい、約100名の方がご参加くださいました。

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講演の開始を待つ参加者のみなさん

 

今年87歳のかくしゃくとされた宮澤先生が登場すると、参加者から思わず大きな拍手が起きました。

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講演中の宮澤先生

 

先生の頭の中には、様々な数字が資料としてびっしり詰め込まれており、参加者のみなさんは、先生の記憶力に、まず驚かれました。

 

次に、小さいころからずっと自然を見続けてこられた先生が解き明かす自然生態系の中の様々な生きものたちのつながりにも、圧倒されました。自然から離れて、都市に住んでいると、このようなつながりま、まったくわからなくなっています。今回の講演で、どうして人間が、生物の多様性を大事にして全ての生き物を守らなければならないのか、よくわかりました。

 

後半、共に暮らしてわかったクマの本当の姿の話が始まると、参加者のみなさんのお顔が一斉に輝き始めました。もっともっと聞きたかったと、多くの方がアンケートに書かれていました。体験した知識ほど、人々の心に響くものはありません。

 

夕食後、懇親会を持ちました。

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宮澤先生は、「全国どこにでも長時間講演に行くよ」と、言われていました。先生がお元気でいらっしゃることを嬉しく思うと共に、先生と比べれば何十歳も若いわたしたちこそ、もっとがんばれるのではないかと、先生から元気をいただきました。

 

先生のお話は、ブログではとても紹介しきれません。いずれ、文章にまとめたいと思っています。

 

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