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2014-04
4月5日 くまもり通信79号送付完了
- 2014-04-08 (火)
- くまもりNEWS
連日続いていた通信79号の発送作業ですが、ボランティアさんたちの応援を得て、本日、無事終了しました。発送作業に携わって下さった本部事務所近隣会員のみなさん、どうもありがとうございました。
通信発送作業のもよう
くまもり通信を、多くの方に読んでいただきたいです。今なら残部があります。1冊100円で販売していますので、広めてくださる方は、ご注文下さい。
ページ 目次
2 巻頭言 奥山に動物たちの餌場づくり 森山会長
3 特集 新顧問 小川眞先生(菌類研究)「すべて、「土」あってのもの」
9 「狩猟歴45年のハンターが語る クマ・シカ・イノシシ」
●●●●兵庫県大屋町 村上呉武 氏
13 北海道 ヒグマの森140ヘクタールを北海道熊森会員が個人トラスト
14 奥山復元・再生
15 秋田県八幡平ヒグマ阿仁へ移送完了 全頭、元気に冬籠り中
16 鳥獣保護法の改訂と大きな問題
17 外来種 「京都府、鴨川のヌートリア根絶殺害は、無用の殺生」
18 大自然破壊 「今からでも止めよう・八ツ場ダム ・リニア中央新幹線」
19 支部活動報告
●●●・京都府ー台風18号被害
●●●・岐阜県ー炭まき山で菌根菌成長
●●●・三重県ー大台町環境フェスタ出展
●●●・群馬県ー植樹苗に実り・マツに炭効果
21 太郎と花子のファンクラブ
22 会員投稿 / 編集後記
「狩りガール」を持ち上げるテレビ番組に苦言
いつの世でも、どこの国でも、国民の洗脳や国民の意識改革の宣伝に、効果的に利用されるのは、若くてきれいな女性です。
危険なものや間違ったことでも、「若い女性もやっています!」とプロパガンダされると、多くの国民は、警戒心を失い、同化されやすくなります。
若い女性は、間違ったことに利用されないように、本当に、何が正しくて何が善なのか、よく勉強して、慎重に行動して欲しいと思います。
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4月3日、毎日テレビ夕方6時過ぎからの放送「VOICE」で、「狩りガール」が、取り上げられました。
「VOICE」への意見は
→voice@mbs.jpまたは、FAX06-6359-3622
この番組は、近畿2府4県と徳島県の一部に報道されています。
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「狩りガール」報道は、今や国策プロパガンダ放送局に成り下がってしまったかのように見えるNHKテレビが、昨年10月に、「狩りガール」を持ち上げるニュースを流していましたから、別に、目新しいものではありません。しかし、本当にこんな方向に日本文化を進めていってもいいのか、全国民がしっかり考えねばならないと、今回のテレビ報道で改めて強く思いました。
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近年、環境省は、日本人は狩猟民族であるとして、「すごいアウトドア」というキャッチコピーで、若者たちにハンターになることを呼びかけています。そのポスターの真ん中には、猟銃を持った若い女性の絵が描かれています。縄文時代ならともかく、日本人は誰が見ても農耕民族です。たとえシカが増えすぎて困ったとしても、レジャーや遊びとして国民にシカを殺させるのは、間違っています。環境省の政策に大きな問題があることは、報道関係者ならば、ちょっと調べていただければ、すぐにわかることだと思うのですが。
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今回のテレビ報道では、銃という武器を持った圧倒的強者である人間(=若い女性)が、無抵抗の野生動物たちを、笑いながら撃ち殺していました。「野生動物たちが山から出てきて、農作物などに被害を与えたから、退治してやる」という、英雄気取りなのでしょうが、自分が被害を受けたわけでもないのに、ファッション感覚やゲーム感覚で、厳しい自然界の中で、人間の援助も受けず、一生懸命に生きている野生動物たちの命を奪うなら、人として許されるものではありません。冷静になり、慎重に考えなおしてほしいと思います。(この狩りガールと個人的に話し合ったわけではありませんから、彼女を深いところまで知って書いているわけではありません。ただ、報道の仕方に問題を感じたのです)
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「狩猟者を増やしたい。そのために、若い女性を使おう」
環境省の政策の後ろには、戦後の森林政策の失敗を覆い隠そうと躍起になっている人達の黒い企てと、研究という名で無数の元気な動物たちを解剖し続け、命の尊厳がわからなくなってしまい、一般人の感覚からはるかにかけ離れてしまった研究者の存在があると、私たちは感じます。
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「狩りガール」のみなさんは、かつて、野生動物たちが棲んでいた山が、今どうなっているか、奥まで入って一度検証してみてほしいと思います。
国策により、戦後、青森から福島まで、東北6県分の面積に等しい広大な原生林が伐採されました。その跡地などに、1000万ヘクタールの針葉樹一辺倒の人工林が奥山を中心に造られました。
しかし、林業の低迷で、今や多くの人工林は放置され、内部は砂漠化しています。広大な奥山人工林内には、動物たちの餌は何もありません。動物たちは本来の生息地では、生きられなくなっているのです。動物たちは、被害者です。
人間は、各地で、動物たちの欠席裁判を行い、死刑判決を下していますが、これは弱い者いじめです。こんなことをしていては、この国で、人と野生鳥獣との共存などできないでしょう。
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自然界のことは、人間の頭ではわからないことが多過ぎるのですが、戦後の拡大造林や東京オリンピック時に行ったヤマイヌ全頭殺害、地球温暖化など、様々な人間活動の結果、シカは生息数のバランスを崩して増えているのではないかと思われます。
すべて、人間の失敗です。人間が問題の原因を作ったのです。目の前の現象だけを見て、被害者である野生動物たちを加害者扱いし、山奥にまで入り込んで命を奪うという、相手の存在を全面否定する行為を、若い女性が、笑いながら軽々しくやってほしくはありません。まず、彼らがどこにいたらいいのか、生息地を保証してやるところから始めるべきでしょう。
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●狩猟行為は、山奥にはりめぐらされた林道、車や銃、犬があれば、女でもできるかもしれませんが、狩猟の後始末は、女性には一般的にむずかしいと思います。殺したシカやイノシシは、山に埋めるか、焼却場へ持って行くかしなければなりません。山中に放置すれば、クマを初めとする多くの野生鳥獣の餌となり、ますます山の生態系が狂ってしまいます。しかし、若い女性に、重いシカやイノシシを運ぶことなど、普通は無理です。
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●「狩りガール」を推奨している人たちに、なぜ若い女性を狩猟に巻き込むのかたずねてみました。
答えは、「若い男の狩猟者を増やしたいのだが、呼びかけてもなかなか増えない。罠猟免許を取る人は増えたが、銃猟免許者は減る一方だ。若い女性に目を付けたのは、若い女性が銃を持つと、彼氏が影響を受けて銃を持つようになる。そこを狙っている」と、いうことでした。
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私たち人間にとって命はたった一つしかない最高に貴重なものですが、野生動物たちにとっても同じです。なぜか、優秀な官僚のみなさんには、現在起きている野生動物問題を、野生動物を殺さないで解決しようという努力がまったく見られません。初めから、殺害ありきです。これは、恐るべき倫理観の欠如です。
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●動物用防除柵を作ったり、奥山の針葉樹一辺倒の人工林を広葉樹林に戻して生息地を復元したり、シカに関しては、人間が彼らから奪った草原や湿原を返してやったり、シカが増え過ぎないようにシカ用避妊薬を開発したり、シカの天敵であるヤマイヌやキツネなどを放して、人間が壊した生態系のバランスを自然の力で取り戻したりして、人間は、あくまで生命尊重思想の上に立って、非補殺対応をめざすべきです。
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●若くてきれいな女性には、生き物の命を大切にする、人にも生き物にも優しい人間であってほしいと願います。
●メディアのみなさんは、生き物の為にも、人間の為にも、慎重な報道を心掛けてほしいです。身の回りに、軽い気持ちで銃を持つ人が増えれば、銃を持たないわたしたちは、不安でたまらなくなります。
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神道や仏教の影響も大きかったのでしょうが、日本人は殺生を嫌い、物言えぬ弱者である野生鳥獣を大切にしてきました。このような文化を大切にしていかないと、自然破壊にいっそう歯止めがかけられなくなり、やがて日本文明は水源を失って滅びてしまうでしょう。
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メディアの皆さんは、番組制作にあたって、必ず、反対者、疑問者の声も同時に拾っていただきたいと思います。でないと、国民は、何が正しくて何が善なのか、考える力を失ってしまいます。
3月16日 宮澤正義顧問による本部くまもり講演会
「共に暮らしてわかった、クマの本当の姿」という演題で、熊森第一顧問の宮澤正義先生の講演会を本部で持ちました。これまで、いくつもの支部で、宮澤先生の講演会を開催してきましたが、なんと、本部では今回が初めてなのです。会場いっぱい、約100名の方がご参加くださいました。
講演の開始を待つ参加者のみなさん
今年87歳のかくしゃくとされた宮澤先生が登場すると、参加者から思わず大きな拍手が起きました。
講演中の宮澤先生
先生の頭の中には、様々な数字が資料としてびっしり詰め込まれており、参加者のみなさんは、先生の記憶力に、まず驚かれました。
次に、小さいころからずっと自然を見続けてこられた先生が解き明かす自然生態系の中の様々な生きものたちのつながりにも、圧倒されました。自然から離れて、都市に住んでいると、このようなつながりま、まったくわからなくなっています。今回の講演で、どうして人間が、生物の多様性を大事にして全ての生き物を守らなければならないのか、よくわかりました。
後半、共に暮らしてわかったクマの本当の姿の話が始まると、参加者のみなさんのお顔が一斉に輝き始めました。もっともっと聞きたかったと、多くの方がアンケートに書かれていました。体験した知識ほど、人々の心に響くものはありません。
夕食後、懇親会を持ちました。
宮澤先生は、「全国どこにでも長時間講演に行くよ」と、言われていました。先生がお元気でいらっしゃることを嬉しく思うと共に、先生と比べれば何十歳も若いわたしたちこそ、もっとがんばれるのではないかと、先生から元気をいただきました。
先生のお話は、ブログではとても紹介しきれません。いずれ、文章にまとめたいと思っています。
2014年 4月6日 第5回いきものの森活動 ~雪の中、昨日の続き~
4月6日(日)。今日もいきものの森活動を実施。前回の続きで豊岡市但東町で防鹿柵と植樹予定地への道を作りました。
昨日とは打って変わってこの日は雨が降ったり、雪が降ったと思うと、雹が降ったり太陽が出たり、帰りには虹まででるという目まぐるしい一日でした。
道中、道を塞いでいた松の風倒木を処理しました。
午前中は一昨年前に植えた柿の大苗の様子を見に行きました。
防鹿ネットも雪になんとか耐えてくれていました。
しっかり根はついているようです。新芽が出ていました!
植樹地のそばにタムシバが咲いていました。山の中で、とてもよく目立ちます。クマが大好きで、タムシバの花を食べるそうです。
西宮ではもう散りつつある桜も豊岡市では満開です。
お昼はお花見をしました。
すぐそばに500年のケヤキの巨木がありました。ピンクの人の足元にクマが冬眠できそうな洞があります。
当然入りました。
この洞はとても大きくて4人同時に入ってもまだ入れそうでした。中に入って立つこともできます。
午後からは昨日の作業の続きです。
最初に分担を決めると、あとはみなさんテキパキと作業を進められていました。
パッチディフェンスの作り方もだんだん覚えてきました!
現場に到着した時には、駆けていくシカの家族を見ることもできたのですが、今日は雪の中での作業ということもあり、いきものの写真を撮る余裕があまりありませんでした。残念。
チームいきものの森、4月の活動はこの日で最後です。
5月の予定は10日(土)、18日(日)、31日(土)になっております。まだ参加したことのない方もお気軽にご参加ください。
また、5月24日には、この場所で柿など実のなる木の植樹イベントを実施します(会報に同封したチラシには5月17日と書いておりましたが、5月24日に変更になりました。)ので、是非みなさまのご参加お待ちしております。
2014年 4月5日 第4回いきものの森活動 ~今春植樹予定地での道造りとシカ除け柵設置~
- 2014-04-07 (月)
- くまもりNEWS
4月5日(土)、第4回いきものの森活動を実施。
熊森協会では、集落から離れた山の中に、昔あったように柿の木など実のなる木を植樹して、クマたち野生動物が餌を求めて集落に現れないようにしようとしています。人にも動物にも優しい活動です。
今春予定している植樹場所は豊岡市但東町で、植樹のための下準備として、植樹地への道造りとシカ除け柵であるパッチディフェンスを設置しに行きました。
最初にこの日の活動が怪我なく無事に進められること、いきものがたくさん棲む森を作れることを願って山の神様にあいさつします。
まずは作業の計画を立てるために、持てる資材を持って植樹予定地へ登ります。
植樹予定地はもともと人工林だった場所を、山林所有者が10年ほど前に皆伐し、現在まで放置していたのを提供してくださったものです。スギを植える前は棚田だったようです。ここには、和紙作りのために当時植えられたミツマタがたくさん生えており、今ちょうど黄色い花を満開に咲かせていました。ミツマタは、なぜかシカが食べません。
この皆伐地の入り口には大きな杉の木が生えています。恒例のサイズ測定です。
皆伐した後に育った木もいくつかありました。
今回も土の中に埋まる部分に、防腐剤であるクレオソートを塗ります。
まっすぐ杭を刺すために一人がしっかり支えています。
一人では重い丸太も、工夫して二人で運んでいます。
ネット際のミツマタの株を掘り起こしています。防鹿柵をよりしっかりさせるためにも必要です。
こちらは道づくり隊。一般の植樹参加者が歩きやすいように道を作っています。
道を作るときなどに倒木が埋まっていたりするのでその木を除去するのにチェーンソーを使いました。
土に埋まっている木を切ると土や石に刃が当たって何度も目立てをしなければなりません。
この日は天気予報の雨が外れて、一日中天気が良く、気持ちよく作業できました。
この日は総勢6名で作業にあたりました。
チームいきものの森にはいきものを見つけるのがとてもうまい人がいます。写真を見せてもらって、こんなにいきものを見つけていたなんて驚きました!同じ日に活動できればたくさんのいきものを発見できます!
滋賀県支部第10回総会と画家ウィリアムズ氏による記念講演
3月2日、歴史を感じさせるすてきな建造物である大津市旧公会堂で、熊森滋賀県支部第10回総会と記念講演会がありました。滋賀県支部は、京都府支部に続く、熊森の第2号支部です。
滋賀県支部は、この10年間、村上支部長を中心にスタッフ一同が心を一つにして、熊森活動に励んでこられました。10年間変わらず、しかも、休むことなく活動し続けてこられた。これだけでも、みなさんが本気で本物であることがわかります。
村上支部長は、本業であるフルタイムのハードな仕事を持ちながらの熊森無償活動で、その大変さは、やったものにしかわからないと思います。この日、熊森滋賀スタッフのみなさんが、輝いておられるように感じました。
森山会長から村上支部長に花束贈呈。10年間の感謝とねぎらいのことばがありました。
去年度滋賀県支部は、琵琶湖西部トチノキ巨木群を伐採業者から守り、立木トラストすることに成功されました。今、滋賀県内における次なる大規模奥山トラストをめざして、動いてくださっています。
立木トラストに成功した、朽木のトチノキの巨木群展示写真
今回は、10周年を記念して、ブライアン・ウィリアムズ氏が講演をしてくださいました。有名な画家であるウィリアムズ氏が、地球の環境問題について、こんなにも勉強されていたのかと知って驚かされました。まるで専門家です。
ウィリアムズ氏は、ペルー生まれのアメリカ人で、世界一周写生旅行の途中に日本に立ち寄り、日本の風土や人情に魅了されて、大津市伊香立に定住してしまわれたのだそうです。家の窓から見える景色が、即、絵にしたくなる美しさだということでした。その感性の鋭さゆえに、人類が今のような生き方を続けるなら、地球温暖化問題をはじめ、近い将来、滅びざるを得ないことが見えておられるようでした。熊森同様、大変な危機感を持っておられました。
講演中のウィリアムズ氏
舞台には、曲面に描かれた巨木の絵がありました。魅了されて眺めていたら、ウィリアムズ氏が、私が描いた絵ですと言われました。一瞬、「えっ」と思いましたが、ウィリアムズ氏は、地球環境問題の研究者ではなく、本業は画家だということを思い出しました。ウィリアムズ氏は立体キャンバスに絵を描く画家としても有名なのだそうです。3次元の世界は、平面ではなく立体キャンパスに描いた方がいいという発想にも、驚かされました。
私が描いた絵ですと教えてくださったウィリアムズ氏
最後に、ウィリアムズ氏が、「自然保護を語っている人が多いが、よく聞くと、ほとんどが自然保護ではなく、人間保護。」と、苦言を呈しておられました。全く同感です。
この日、ウィリアムズ氏は、日本熊森協会の会員になってくださいました。それもこれも、滋賀県支部のみなさんのおかげです。
ウィリアムズ氏の講演を聞かせていただいて、ここまで日本の自然を守りたいと本気で思っておられる人は、めったにおられないだろうと思いました。その本気の人が、日本人ではなくアメリカ人というのは、なんか不思議でした。
3月22日 祝 神奈川県支部設立総会
待望のくまもり神奈川県支部が設立しました。おめでとうございます。
この日、設立記念総会の会場となった横浜市社会福祉センターに、63名の方がお集まりくださいました。ここまでこぎつけるには、支部長を初め、関係者のみなさんの並々ならぬご尽力がありました。ほんとうにすごいです。
本気の神奈川県支部長は、この日、少年のように輝いておられました。
写真はあいさつする支部長です。
会場後ろには、支部長が現地で撮られた丹沢山地などのすばらしい写真が展示されていました。
写真展示
<丹沢山地のクマ…もう駄目かもしれない>
くくり罠には、一説には、獲ろうと思った動物の3倍もの他の動物が、誤捕獲されるそうです。誤捕獲だから放してやろうと思っても、そばにいくと、動物は殺されると勘違いして暴れるため、全身麻酔という大変な作業を行わない限り、罠から放せません。熊森は、以前から、このような大欠陥を持つくくり罠の使用禁止を訴え続けてきました。
丹沢山地のクマは、あと30頭と言われていますが、シカやイノシシを獲るためのくくり罠に誤捕獲され続け、近年だけでも、やむなく貴重な4頭が殺されました。
会場風景
以下、プログラム順にご報告します。
(1)熊本テレビ「現場初!山は警告する」上映
この2012年度熊本テレビ制作番組は、秀作です。この年、阿蘇で起きた大規模土石流の検証番組です。土石流が、戦後の拡大造林によるものかどうかが、争点になっていました。この番組には、熊森顧問の熊本県在住平野虎丸氏の「植えない森」も取り上げられていました。
組織を守ろうと必死になっている林野庁の官僚の見苦しい言い訳場面には、思わず、失笑してしまいました。官僚のみなさんは、正直に失敗を認めればいいのにと思いました。その方が、国民も納得して、好感を持ち、林野庁に協力しようと思うようになります。林野庁の絶対に自分たちの非を認めないこっけいな答弁を残念に思いました。
現在、大手メディアには、政府広報を流しているだけというジャーナリズム精神を失った情けない番組が多いのですが、地方テレビには、健全な批判精神を失っていない優れた番組がまだあることがわかり、意を強くしました。
(2)地元の猟友会員からの勇気ある告発
神奈川県が実施した「水源の森林(もり)造り事業」によって、丹沢山地の下草が大幅に刈り取られてしまい、クマやイノシシなどが姿を隠す場所がなくなり、棲めなくなった現状がよくわかりました。
神奈川県の担当者は、確かにやり過ぎましたと非を認めているということで、どちらも勇気ある人たちだと思いました。こういう人たちだと、熊森も連携できます。
人間は神様ではないので、失敗します。その時は素直に認めて謝り、やり直す。小学生の時に教わった、そんな人間の生き方を、お互い貫きたいものです。
(3)渓流釣りの現場から見た渓流魚の激減と奥山の荒廃報告
現在、国は、人里に動物たちが出て来るようになったのは、過疎化高齢化が原因であるとして、野生動物と地元の人達に問題の責任を押し付けています。
まさに、国策の失敗隠しですが、奥山を覗く人がほとんどいないので、国民は簡単にこのようなねつ造報道に洗脳されてしまいます。
しかし、「渓流釣り」をする人は、放置されて大荒廃している広大な奥山人工林を見ておられるので、だまされません。
熊森は、渓流魚の復活を願い、谷川の人工林を伐って、花の咲く広葉樹の木に植え替えていっています。渓流釣りの人達と、熊森は連携できますね。
(休憩 )
(4)森山会長による支部結成祝い講演
森山会長は、神奈川県支部結成を心から喜ぶと同時に、「今後の神奈川県支部の発展のために、支部長を支えてほしい。支部長を支えず、支部長の足を引っ張るようなことをすれば、組織はつぶれてしまう。日本の自然を守れるのは市民であり、市民がもっともっと勉強して、知識面でも人間面でも成長しなければならない」と、支部員たちにお願いしました。
また、「動物たちのために、次世代のために」とのスローガンの元、奥山間伐を続ける熊森間伐隊の動画を見せて、他者のために生きようとする者だけが、大変な困難を乗り越える力を得、幸せに輝く使命感ある人生を歩めると、自分の人生を振り返って話しました。
●この会には、東京都支部長とスタッフ、栃木県副支部長、三重県支部長も参加してくださいました。ごくろうさまでした。みんなで、神奈川県支部を応援していきましょう!
●会終了後、神奈川県支部長は、「今日集って下さった神奈川県会員や、今日出席できなかった神奈川県会員のみなさんを、今後、熊森神奈川の活動にどのように結び付けていけるか、会員をどうやって倍増していくか、これからが支部長としての力の見せどころです」と、抱負を語っておられました。
熊森の、東京事務所!神奈川事務所!待望
また、打ち上げ会場では、今後の熊森活動を発展させるために、今一番必要なものは、東京や神奈川に支部の事務所を持つことであるということで一致しました。さっそく、事務所用物件も持っている会員に、薄謝で貸してもらえるよう、会報を通じてお願いしてみることになりました。
第3回 3月30日 いきものの森活動 ~間伐したスギの処理~
- 2014-04-04 (金)
- くまもりNEWS
続いて30日(日)もいきものの森活動を実施しました。
今年から始まった「チームいきものの森」の活動は、奥山人工林を皆伐または間伐して、いきものたちが棲める豊かな自然の森に再生させていく活動です。
この日は総勢8名で29日と同じく宍粟市波賀町の戸倉トラスト地です。
当日は雪解け水に加えて雨もすごくて、川の流れも激しくなっていました。
作業を中止にすることも考えましたが、慎重に木の上を歩いてなんとか川を越えました。
見ての通り木の海です。春の植樹の為に冬の間に伐採していた木です。これを玉切りして端っこに集めて植樹場所を確保します。
チェンソーを使える人は玉切りをします。
チェンソーを使えない人はトビという道具で木材を動かします。
みなさんそれぞれできる作業をこなしていきます。
油断するとすぐに足の付け根まで雪に埋まってしまいます。
一時休憩。雪の中での作業は思った以上に体力を消耗します。もうヘトヘトですがもうひと踏ん張り。
太い木もなんとか持ち上げてみます。
全ての木を処理できるのはまだまだ先ですが、この日一日だけでもだいぶ作業が進みました。
みなさん大変な作業でしたが、とても頑張ってくださいました!
2014年 3月29日 第2回いきものの森活動 シカ除け柵の修理
- 2014-04-04 (金)
- _奥山保全再生
3月29日(土)に第2回いきものの森活動を実施。
今年から始まった「チームいきものの森」の活動は、奥山人工林を皆伐または間伐して、いきものたちが棲める豊かな自然の森に再生させていく活動です。
この日は11名の参加で車2台で行きました。場所は兵庫県宍粟市波賀町の戸倉トラスト地です。
2年前に、大阪西ライオンズクラブ様が植樹してくださった植樹地の防鹿柵のメンテナンスから始めました。
この辺りは多いときで3mもの雪が積もるそうです。雪の重みでネットがさがり、杭も倒れたりしています。(2014.2.24当時)
今日行くと、雪がだいぶ溶けていたので、より倒れにくい木の杭を打ちなおして、防獣杭で高さを稼ぐようにしました。
前回きれいに作れたので、今回も距離を測りながら作ろうとしましたが、やはり山の中では石が埋まっていたりしてうまくいきません
前回地元の協力者に教わったやり方です。杭の天辺に釘を打ってネットをひっかけます。
斜面の下の方はまだ雪が溶けいません。
雪を掘り起こしての作業は大変です。
使用しているネットの目が細かいのは、雄ジカの角がネットに引っかかるのを避けるためです。ネットの目が粗いと、シカが角をネットに引っかけて動けなくなり、立ったまま餓死してしまうという悲惨なことになります。
いくつかのいきものたちを見つけました。
いろんな生き物が活動をはじめていました。いきものがたくさん棲める森を作りたいです。
ウサギのフン。ウサギの数は以前と比べてそうとう減っていると感じていたのですが、この冬ウサギのフンや足跡を思った以上に確認することができました。
なにか動物の毛が落ちていました。もしかしたらウサギの毛かもしれません。
防鹿柵の整備終了!これで今年もシカから苗木を守ることができます。
3月31日 オランダ・ハーグの国際司法裁判所の判決により、 日本の南極海での調査捕鯨は今後中止に
- 2014-04-03 (木)
- くまもりNEWS
日本の南極海での調査捕鯨は、科学的調査にあたらないとする判決がおりました。日本政府は、すぐさま、「深く失望しているが、判決に従う」と、発表しました。
これにより、1930年代から日本が南極海で始めてきた捕鯨に、終止符が打たれました。
北西大西洋で行っている調査捕鯨については、今回の判決の対象ではないため、我が国としては、今後も予定通り調査名目の捕鯨を続けるそうです。
クジラやイルカなど、海の大型哺乳動物たちの生態が明らかになるにつれて、西洋の人たちの、彼らに対する同じく生きとし生けるものとしての共感や愛情が、大きくなってきているのを感じます。
人間が、命をつなぐために、殺して食べてもいいのはどんな生き物までなのかという問題は、本当に微妙で難しい問題です。しかし、人間として考え続けなければならない、避けて通れない問題だと思います。
人間が人間を殺して食べることを認める人はいないと思いますが、人間とほとんど違わない、喜びも悲しみも、親子の愛情も、人間と同じようにあり、人間と深い心の交流も持てる高等動物を殺して食べることには抵抗を感じるのは、人間としてごく自然な感情である気がします。
森の生態系を調べている熊森ですが、海の生態系の方も、無関心ではおれません。
追伸:日本政府は、今回の判決で、本当はほっとしているという情報がありました。調査捕鯨名目で獲ったクジラを持ち帰っても売れ行きが悪く、国内倉庫にクジラ肉があふれ、新たな保管場所もなく、すでに調査捕鯨は経営破たんしている現実があるのだそうです。赤字だから、本当はやめたかったのか?それなら、判決をすぐに受け入れた訳がわかります。