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2014-05

祝 沢田俊子先生 「クマに森を返そうよ」増刷決定!

昨年春に出版されてから1年。

「クマに森を返そうよ」著者:沢田俊子(児童文学作家)が、増刷されることになりました!

出版:汐文社

定価:1400円(税別)

購入する(汐文社のページへ)

児童文学作家・沢田俊子先生による子供向け本。沢田先生が何度も山に足を運んで、最新の熊森活動を見られたり体験されたりして書いてくださいました。

「クマを森に返そうよ」ではなく、「クマに森に返そうよ」です。増えたシカが森の下草を食べてしまい、ところによっては、ますます、クマの棲める森がなくなっていっています。

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生命の尊重と生息地保障が、議論から抜け落ちている→参議院環境委員会議員に、くまもりがアタック ④

「鳥獣保護法改正案」についての衆議院環境委員会国会インターネット中継を見ていて、本来、生き物たちに優しい心を持った国会議員のみなさんが、野生動物の大量殺害しか考えない恐怖のホロコースト法案にどんどん取り込まれていくのがわかり、いてもたってもおれなくなりました。

人間はしばしば、常軌を逸した狂気の残酷思想に熱狂してしまう傾向がありますから、こわいです。

 

やはり、くまもりが、これから審議が始まる参議院に行くしかない。5月8日、急遽、参議院環境委員会の議員のみなさんに会いに行ってきました。

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 国会議事堂

国会議事堂の向かい側が、議員会館と言って、全国会議員の皆さんの事務所があるところです。

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議員会館

 

久しぶりの国会です。国会議員のみなさんは、ありとあらゆる問題を審議しなければならないので、いつもとても忙しくされています。分刻みで飛び回っておられるという感じです。国会議員になられた時、シカやイノシシの問題まで審議することになるとは、夢にも思われなかったのではないでしょうか。

 

この日お会いできた秘書さんのうち、与党議員の秘書さんは、みなさん関心を示されませんでしたので、ごあいさつしかできませんでした。法案は閣議決定されてから環境委員会に下りてくるからかもしれません。

 

野党議員の秘書さんの中には、「どういうことですか」と、熱心に国民の声を聞こうという姿勢を示される方が一部おられ、議員に会えるように取り計らってくださいました。お会いした議員も、とても勉強熱心で誠実な方々でした。こんな国会議員もおられるんだと思うと、国民として、本当にうれしくなりました。

 

30分間ほどの間に、この法案の恐ろしいとしか言いようのない問題点を説明するのは大変でしたが、がんばってきました。

 

 

 

シカによる森林消滅問題は、日本民族が初めて経験する深刻な問題 4/27くまもり全国支部長会③

今や、森林の奥にまで入り込んだシカが、所によっては、下草や低木、稚樹を食べ尽くしてしまい、山は天然更新もできなくなっている。他の虫や鳥や獣が餌場や隠れ場を失い、山に住めなくなっている。虫媒花は実らなくなる。所によっては、冬、シカが木の皮までかじって高木まで枯らしてしまい、森が消えたり、山が崩れたりしてきている。山の保水力が失われる・・・

 

シカによる森林消滅問題は、これまで日本民族が経験したことのない深刻な問題です。自然界では起きないことが起きているのであり、人間がやらかした事が原因としか考えられません。

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チシマザサや低木、稚樹が消えてしまったブナ林。(兵庫県2013年5月17日撮影)

 

 

上の写真に対して、九州地区の支部長たちから、「下草を消したのは、本当にシカなのか。九州にもシカが多いが、九州では林床が裸地になどなっていない」という疑問が続出しました。同じこの山でも、7分の3は下草がまだ残っています。この町の人工林率は73%。奥地ほど、人工林率が高いのです。

また同じ長野県内でも、居住地の違いによって、シカが増えているかいないかでさえ、答えが違っていました。

「世界遺産をシカが喰う」という衝撃的な題名の本を読んだことがあります。あれ以来、シカを放置しておけば、どこでも森林が消滅に向かうのか、場所によって違うのか、調べに調べていますが、自然界のことは、わからないことがあまりにも多過ぎます。

しかし、今度の、民間捕獲業者を導入して、シカ・イノシシ・サル捕殺事業に当たらせよという「鳥獣保護法改正案」は、また、例によって、中央から出された同一指令となります。青森県や秋田県など、シカやイノシシのいない県もあります。みんながみんな、歩調を合わせる必要もないと思うのですが、その辺はどうなるのでしょうか。

 

 

どちらにしても、問題解決のためには、原因究明が必要です。原因の特定を誤ると、打つ手打つ手が全部外れてしまいます。

森林が消滅するのかとおもわれるほどシカの食害が増えたのはなぜか。様々な要因が考えられますが、原因を作ったのはすべて人間です。

1.人間に草地を取り上げられた。

芝生に覆われた奈良公園では、2008年調査によると502ヘクタールに1128頭の野生ジカが暮らしており、前年比で33頭減。有害駆除や個体数調整捕殺はしていないということです。(生存のオス262頭、メス695頭、子供171頭。1年間の死亡原因は、病気174頭、事故71頭、犬18頭)

2.捕食者がいなくなった?

(明治時代にオオカミを絶滅させた。東京オリンピックに備えて、野犬を一掃処分した。条例で犬を放し飼いにできなくなった。キツネなどが減った)

しかし、オオカミがいた頃、シカは今より多かったというのですから、よくわかりません。

2.拡大造林による奥山草原化や林道の法面に草の種を吹き付けて回ったことによる一時の餌増加?

シカの食生活のバランスを人間が崩したことは間違いないでしょう。

3.地球温暖化で積雪量が減ったことによって、大積雪一斉死があまり起きなくなった?

温暖化していなかった昔の北海道でも、エゾシカは今より多くいたそうですから、良くわかりません。

4.中山間地の過疎化高齢化?

縄文時代の人口は26万人だそうです。このころ、全国が過疎化していましたが、それによってシカが際限なく増え、森が消えたりはしていません。

 

今回の「鳥獣保護法改正案」は、シカ増加を、狩猟者が減ったことによるシカ捕獲数の低下によるものとして、あらゆる手段を講じてシカを大量に殺すための法改正案です。私たちには、狩猟者が今より少なかった戦前、なぜシカが爆発増加しなかったのかという疑問が残ります。

また、人間が、ある種の野生鳥獣の生息数など調整できるものではない。崩れてしまった自然界のバランスを取り戻す方向にもっていくべきだ。シカピルなどの非補殺対応も検討して欲しい。森林消滅を防ぐため、高山地帯やブナ帯から、シカを下の草原帯へ移動させてほしい。奈良公園のようなところが各地にできてもいいのではないか。などと、思います。どちらにしてもわからないことだらけで、どういう手を打つのが最善か、誰にもわからないという深刻な問題です。

 

ともあれ、シカのホロコーストを狙う「鳥獣保護法改正案」は、人間がさらに自然界に徹底的に手を入れていく方向に改正されるもので、いっそう取り返しのつかない事態を招く恐れがいっぱいです。④へ。

シカなどによる農業被害問題の解決は柵で囲う  4/27 くまもり全国支部長会②

2014年4月15日(火)に、衆議院環境委員会で行われた<「鳥獣保護法改正案」審議>(3時間12分)の模様が、インターネットで見れます。

環境委員会 – 衆議院インターネット審議中継

 

上の審議中継の中で、シカ・イノシシ・サルなどの野生動物による農業被害に苦しむようになった滋賀県高島市のある集落の取り組みが、電柵部会長によって紹介されています。

 

簡単に言うと、国などの補助金を使い、自分たちも一部負担して、集落全軒が協力し、集落と田畑を全部電気柵で囲ってしまい、野生動物被害問題を解決したということです。もちろん、柵のメンテナンスなど、今後も作業は必要です。

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金網と電気柵で徹底的に集落を囲った兵庫県のある町。

 

熊森本部のある兵庫県でも、このような集落が次々と誕生しており、わたしたちはこれまでもいくつか視察させてもらってきました。集落を柵で取り囲むには、1集落で何千万円というお金が必要です。現在、私たちの税金が、このような事業に回されています。農家の被害を思うとやむおえないと思います。

 

日本の農家は以前農作物を守るため、イナゴなどの虫の大群と闘って激減させ、次に、スズメなどの鳥の大群と闘って激減させ、その後は、ネズミやモグラなどの小型動物と闘って激減させ、今は、大型動物たちと闘って、数を激減させようとしています。虫や鳥や小型動物は、農薬や、圃場整備によって姿が消え、農業被害問題が解決されてきましたが、今、大型動物たちとの闘いは、金網や電気柵、箱罠や囲いわなによってなされています。

 

 

大日本猟友会の会長さんが、衆議院環境委員会参考人質疑で、江戸時代も、農家はイノシシやシカに、銃で立ち向かって闘っていたという話をされていました。今となっては、その当時のことは、資料もわずかしかなく、推し量るしかありませんが、状況は今とかなり違っていたと思います。

 

以前、国際自然保護連合生態系管理委員会北東アジア副委員長である河野昭一先生(京都大学名誉教授)にインタビューさせていただいたとき、戦後、東北6県分の面積に相当する、入らずの森であった樹齢何百年という広大な奥山原生林が、国策として皆伐され、動物たちの棲めない針葉樹だけの人工林にされてしまったことを教わりました。

江戸時代にも、人と動物たちの境界線で、せめぎあいがあったでしょうが、野生動物達の背後には、人間が入ることもない深い森が生息地としてどっしりと控えていたのです。

 

 

今や、戦後の開発に次ぐ開発と人工林化で、どこまでも奥地に人間が入り込んでしまっています。「田畑に出て来る動物たちは殺してしまえ」では、共存はできないと思います。共存しないと、人間も、奥山水源域を失うなどして生きていけなくなるのです。

 

今は、人間が1歩も2歩も下がって、奥山から撤退し、林道も閉鎖し、人工林も自然林に戻し、その上で、はみだしてくる野生鳥獣たちを奥山に追い返すため、かれらと闘うべきだと思います。

野生動物たちの生息地保障については、今回の「鳥獣保護法改正案」は、全く触れておりません。

 

今回の法改正によるこの法案の、他生物に対する思いやりのなさを思うと、人間として恥ずかしくなります。実質、環境省案を作っておられる頭の良い立派な先生方が考え出した案が、どうしていつもこのように、血も涙もない案になってしまうのか、残念でなりません。なぜ、人間が壊した広大な生息地を、かれらに返してやろうとしないのでしょうか。

 

シカ問題と人口爆発、シカ捕殺しか頭にない「鳥獣保護法改正案」の問題性 4/27 くまもり全国支部長会①

4月27日の全国支部長会で、シカ問題が取り上げられました。

 

シカが増えたという問題で、まず押さえねばならないのは、いつと比べて増えたのかということです。環境省は、1978年(昭和53年)と2003年(平成15年)と比べて、シカが生息域を拡大したと発表しています。

注:1978年以前のデータはありません。

 

 

以下の<シカ生息域分布図>は、環境省自然環境局生物多様性センター「自然環境保全基礎調査」2011年版によるものです。

 

青線・・・シカ保護管理計画対象地域 きみどり・・・1978年シカ生息域 赤・・・2003年シカ生息域拡大地域

 

シカ

 

 

確かに、上記資料によると、25年間の間に、 シカ生息地が拡大しています。

しかし、明治初期と比べたら、シカ生息地は大幅に縮小しています。

比較というのは、いつと比べてかによって、答えはすっかり正反対になります。

シカは元々、平地の草原や湿地に多く生息する動物でした。人口爆発と文明の近代化により、人間に次々と生息地を奪われ、本来の生息地ではなかった山に追いやられたという悲惨な歴史が本州にはあります。

また、シカは、明治期に導入された西洋文明である狩猟によって、性能が発達していく一方の銃やわなで、食料源や毛皮源として捕殺され続け、一時期絶滅寸前にまで生息数を減らしてしまいました。そのため、国によって、メスジカは捕獲禁止などの保全措置が、永らくとられてきました。

 

 

<全国狩猟者数の変化と、シカ捕獲数の変化>

環境省データをもとに熊森が作成

図1

 

 

上のグラフから、 ハンターがとても多かった1970年代でも、シカの捕獲数はわずかだったことがわかります。

環境省は、今、国会に提出している、シカ捕殺一辺倒のシカホロコースト法案である「鳥獣保護法の改正案」によって、シカをやみくもに捕殺し、この時代に戻そうと躍起になっています。

しかし、人間によってシカ数が絶滅寸前にまで激減させられていたという昭和期の状態は、人間にとってもシカにとっても本当にいい状態だったのでしょうか。

 

エゾシカ捕獲数推移

 

 

<1870年~2000年までのエゾシカの捕獲数と被害額の変化>

エゾオオカミがいたころ、エゾシカは今より多くいたということは、注目に値します。オオカミは、人間と違って、シカを絶滅させるような食べ方はしないのです。

 

人間がよく知らないだけで、シカも、日本の国土の豊かな自然環境を形成するうえで、必要不可欠な動物です。その糞や尿は、落ち葉を腐らせたりミミズをふやしたりして、豊かな大地を作リます。

この国土で人間が未来永劫に生き続けられる自然環境を保全するには、シカから奪った平地の草原や湿地を、ある程度はシカに返してやり、共存を取り戻すことが必要です。

そのためにネックとなる問題は、明治初期に3400万人だった人口が爆発し、現在1億2700万人にも達してしまっているという、我が国の人口問題です。

 

 

御存じのように、江戸期の日本は自然と共存する見事な循環社会でした。人口をあの時代の3400万人に戻さない限り、自然と共存する国には戻せないでしょう。

現在、少子化が国の大きな問題とされていますが、その背景には、人口こそ国力であるという「多人口神話」があると思います。

なぜ、爆発した人口が適正数に戻っていくことが、今、問題視されねばならないのでしょうか。

地球環境保全よりも経済が優先されるべきだという考え自滅思想が、根底にあります。

たとえば、少子化によって、年金が破たんするというプロパガンダがかまびすしいですが、それはおかしいと思います。

そもそも、国民が元気に働いている間に得た利益を、国が老後に備えて預かっておいて、老後、国民が生活に困らないように配分するのが年金だったはずです。

今、働いている若い世代のお金を、高齢者の年金に回さねばならなくなってしまっているのは、当時、国民のお金を預かった人たちが運用に失敗するなどして、きちんと基金を管理できなかったからです。運用など欲張ったことは考えず、ただ、国民のお金を預かってくれていたらよかったのではないでしょうか。少子化を多産化に転換させなければ、高齢者の年金が出せないという理屈は、自分たちの仕事の失敗の責任逃れでしょう。

 

 

国土には、自然と共存して住むことのできる人間の定員というものがあるはずです。シカ数やシカの生息域を問題にするだけではなく、人間として、この狭い国土に、何人の人間が暮らせるのか、この機会に、みんなで考えてみるべきでしょう。

もちろん、人もシカも、生命は何よりも尊重されるべきものです。人が野のものたちの命を奪うことなく、日本野鳥の会の創始者が言われたように、「野のものは野に」という祖先の哲学の元、棲み分けを復活させ、お互いに適正数に落ち着いていける方向を模索していかねばなりません。

 

 

と、同時に、農作物被害に苦しむ農家の方々や、下層植生を失って崩壊していく森林の問題など、目の前の問題にも対処していかねばならないことは、言うまでもありません。

 

 

 

 

 

5月31日土曜日 野生鳥獣たちの餌場復元のため、山に柿などの大苗植樹 参加者募集中!

5月31日土曜日。兵庫県豊岡市但東町の山に、野生鳥獣たちの餌場復元のため、柿などの大苗を植樹します。

育った苗がより早く実をつけるように、今年は大苗の植樹に力を入れていこうと考えています。野生鳥獣たちと共存するための、夢のある植樹会です。是非たくさんの方々に参加していただきたいです。会員・非会員問いません。ふるってご応募ください!

 

【参加費】大学生以3,000円 中学・高校生 2,500円 小学生 2,000円 (当日朝集金します。バス代+保険料)

【定 員】先着21名 貸切バス利用

【集 合】阪急電鉄 西宮北口駅 南側 (左地図参照)

【受付開始】 7:30 【出 発】 7:55

【解 散】 19:30

【服 装】 長袖、長ズボン、帽子、山歩きのできる靴
【持ち物】 お弁当、水筒、タオル、雨具、他各自必要なもの

詳細はこちら

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現地(上写真)は、スギの人工林 の皆伐跡地で、シカ除け柵を設置済みです。

●クマを初めとする多くの野生鳥獣が安心して暮らせる森をみんなで復元していきましょう!

 

第17回くまもり全国大会 盛会に終了 「会員であることを改めて誇りに思いました」と参加者

以下、ダイジェスト版です。詳しくは会報などでお伝えします。

 

 

4月27日、兵庫県尼崎市JR尼崎駅前のホテルホップインアミングにて、第17回くまもり全国大会が持たれました。

オープニングは、兵庫県会員の素敵な歌声から始まりました。

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イエスタディワンスモア、愛の賛歌・・・聞きほれました。

 

基調講演は、17年間くまもりの旗を力強く振リ続けてきた森山会長です。

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シカによる農業被害は昔からあったが、現在、日本人が直面しているシカによる森林破壊問題は、日本民族が初めて直面する大問題であり、解決法は誰にもわからない。原因は全て近代に人間が行った自然破壊、生態系破壊であると考えられる。

環境省が、私たち人間がしてきたことを棚に上げて、シカの大量補殺のみに税金を使おうとしていることは、人間として倫理上問題であるばかりでなく、生態系に更なる混乱を引き起こすことになる。せめて、奥山の人工林を広葉樹林に戻すなどの生息地復元にも取り組むべきであると訴えました。

 

また、国民に対しては、ユダヤ人哲学者のアンナ・ハーレントやアメリカの公民権運動のキング牧師、倫理研究所の丸山敏秋理事長らのことばを借りて、自分の頭で考えることから逃げた平凡な人たちが、結果として悪に加担することになることを指摘。生き物を大事に思い共存してきた日本文化が、今、国によって消されようとしている。このような文明の西洋化の先にあるのは、豊かな自然を失うことによる日本文明の崩壊である。国民は、国や人類の問題から逃げずに、各自が自分の頭で考えるようにしようと訴えました。

 

 

この後、顧問、来賓、企業会員、団体会員らの紹介と、代表者によるすばらしいメッセージが続きました。別の機会に、お伝えしたいと思います。

 

 

特別ゲストとして出席して下さった、元秋田県八幡平熊牧場の経営者である長崎貞之進氏から、熊森会員へのお礼の言葉がありました。

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とつとつと語る長崎氏

長崎氏は、その中で、「自分の監督不行きとどきのせいで、2名の死者まで出る大変な事故を起こしてしまい、これはもう命で償うしかないと思っていた時に、森山先生が来て下さった。そして、私に、≪長崎さん、死んだらだめですよ。私は逃げませんから。クマ達に新しい飼い主を見つけることを、一緒にやりとげましょう≫と、おっしゃってくださった。それを聞いて、私は、≪私も逃げない≫と決意したのです。そして、みなさん方の多大な寄付金が集り、今日の私とクマがあります。」と、お礼のあいさつをされました。

 

この後、本部や支部からさまざまな活動報告があり、和田副会長が終わりの挨拶をし、福岡県南里支部長の一本締めで、全国大会を終えました。

 

参加して下さった方々から、感想がいくつか届いています。

・様々な活動報告を聞いて、熊森はすごい自然保護活動を実践していると改めて実感しました。ささやかではありますが、この会の活動を自分も支えているのだと思うと、会員であることが本当に誇らしく思えました。

・長崎さんの話を聞いたとき、もうこれだけでも、全国大会に参加して良かったと、心から感動しました。熊森の全国大会は、いつも感動です。

・私たちが、八幡平のクマたちだけでなく、長崎さんという人間も救っていたことがわかり、熊森は、動物も人も救うということがよくわかりました。

 

 

 

全国大会の後は、お楽しみの懇親会です。

懇親会で、オープニングを飾って下さったのは、愛知県会員によるアフリカのたいこです。とても力強くて、くまもり会員は勇気を出せと、何度も何度も励まされた感じがしました。

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2014年4月20日 「自然農」の苗床つくり

2014年度、くまもり自然農。

いよいよ現場作業が始まります。午前8時に、兵庫県南部の西宮市にある阪急電車夙川駅前に集合。兵庫県北部の豊岡市の現場まで車に分乗して高速道路を使い2時間半。車の中では、ワイワイとおしゃべり。講義も始まり、あっと言う間に現地に着きました。

自然農の田んぼは、集落の最奥にある山裾の三枚の棚田です。

棚田から3分のところにある古民家で着がえて、道具を揃え、棚田へ。

この古民家は、くまもり自然農の拠点となっている場所で、家主のご厚意で、くまもりが使わせてもらっています。

 

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古民家

 

今日の自然農は、塾生とくまもりボランティア自然農チームの皆さんなど、総勢20名で取組みます。

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くまもり自然農の塾生一同

 

種もみは、黒米と農林22号です。講師より作業説明です。移動はあぜ道を歩きましょう。道具は、特性を生かして使いましょう・・・・などなど。

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講師の説明を聞く参加者たち

 

種もみの選定です。水に沈む籾を使います。

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種もみの選定

 

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苗床を作ります。冬草を刈った後の表面を少し削り、土を平らにならします。

 

種おろしです。選定した種もみを苗床にふり蒔きます。種もみが、2~3センチ間隔にくらいなるようにします。一粒一粒丁寧に苗床に寝かせていきます。その上に、ほぐした土を被せて、軽く土を押さえます。

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種おろし

 

自然農では、「持ち込まない、持ち出さない」が合言葉になっており、苗床づくりも、田植えをするのと同じ場所で行います。また、自然農では、あくまで、イネという自然の草の営みに、人間がそっていくだけですから、温室で早めに苗を育てるなどの不自然なことは一切しません。田植えは、苗床づくりから2か月目と決まっています。

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苗床の周囲に溝を掘ります。モグラやノネズミの進入防止になります。

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苗床の保護です。苗床にワラや枯草を被せます。

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種もみを狙ってやってくるのは鳥です。鳥に種もみを取られないようにするには、苗床に、曲がった小枝をたくさんさしておくだけで大丈夫でなのですが、最近は、種もみから芽が出たら、シカが食べにやってきます。イノシシもやってきて、土を掘り返します。そこで、鳥や動物から苗を守るために、鉄柵で囲い、ネットを張りました。

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これで、苗床が完成です。パチパチ。

 

次回のくまもり自然農は、5月25日です。苗床の状況確認と補修です。元気なイネの芽が出ていますように。

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