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2014-07

くまもり自然農田んぼ 生きもの調査 7月21日の調査風景

先月、兵庫県豊岡市但東町にある、くまもり自然農田んぼにて、毎年恒例の生き物調査を実施しました。

普段お世話をしている田んぼの小さな動物や植物を調べることで、身近な自然について学ぶことが出来る良い機会です。

生き物調査1

参加者は全部で14名。田んぼの中、溝の中、池の中、周辺の草むら等に分かれて調査をします。

今回は生き物調査の常連さんや、生き物のエキスパートの方々ばかりで、とても心強いです。

生き物調査2

コオイムシの赤ちゃん誕生の瞬間に立ち会うことができました

生き物調査3

顕微鏡でプラナリアを観察。なかなかキュートな目をしています。

今回は3名の小学生が参加してくれたのですが、子どもならではの目を働かせて、次々に生き物を見つけていきます。

今ではあまり見かけなくなった、自然に遊ぶ子どもの風景に、胸が暖かくなりました。

生き物調査4

トノサマガエルに夢中な小学生たち。

今回の調査で、約200種類もの生き物を見つけることが出来ました。

小さな生き物たちの息遣いに、耳を澄ませながらの作業は、

暑さを忘れて夢中になれるものでした。

ゲンゴロウのポーズで、ハイチーズ☆

ゲンゴロウのポーズで、はいチーズ☆

日差しの強い中での活動となりましたが、皆さま、お疲れ様でした。(SY)

昨年度、クマに幹を折られた柿の木のその後

昨年秋、クマが枝を折って柿の実を食べたその後の柿の木(2002年春植樹)がどうなったか、調べに行きました。地元の人たちが言われるように、枝を折られた柿の木で枯れたものはなく、どれも折られたところから黄緑色の新しい元気な枝を大きく出していました。

 

ただし、新しい枝には、実がまったくついていませんでした。去年残された枝には、今年もしっかりと青い実が付いていました。

 

今後どうなっていくのか、毎年追跡調査していこうと思います。

s-DSC00164正法寺折られ柿

昨年秋、幹を折られた柿の木     ( 兵庫県豊岡市 撮影 2014年7月2日)

 

 

昨年秋、幹も枝も全部折られてしまった柿の木(2002年植樹)には、シカの食害を防ぐための防除網をかけてあります。この木も元気な枝をいっぱいに伸ばしていました。ただし、今年の実はゼロです。

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昨年秋、幹を枝もすべて折られた柿の木   ( 兵庫県豊岡市 撮影 2014年7月2日)

 

7月27日 第19回くまもり原生林ツアーの若手リーダー研修会

8月3日に予定されている第19回くまもり原生林ツアーをガイドする班長や副班長さんには、大学生、小学生、高校生が応募してくださいました。熊森職員と伴に天然林を案内します。

若者を活動の先頭に立てるというくまもりの伝統が、多くの皆さんのご協力で、今年も実現しました。

7月27日、若杉天然林でリーダー研修会を開きました。さあ、今年はどんな原生林ツアーになるでしょうか。楽しみです。

大学生や小学生や高校生のみなさんたちは、この日、一生懸命研修にはげんでいました。

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「ここでは、忘れずにこの説明をして下さいね」

くまもり本部職員の指導を真剣にメモする大学生や高校生たち。

千種高校のブログ

http://www.chikusa-hs.jp/index.php?action=pages_view_main&active_action=journal_view_main_detail&post_id=622&comment_flag=1&block_id=104#_104

7月19日阿仁くまくま園オープニング式典にて、秋田県知事が熊森を表彰

北秋田市の阿仁熊牧場が、引き取ってくださった八幡平熊牧場のヒグマたちの終生保護飼育施設を完成させて、リニューアルオープンしました。

 

7月19日午前10時から開催された記念式典で、熊森は、動物愛護意識の高揚に大きく貢献したとして、秋田県佐竹知事から表彰されました。

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八幡平に残されたクマたちを救いたいと願ったすべての人々を代表して 頂いた表彰状を、演台下のみなさんに笑顔で披露している熊森の森山会長

 

記念式典では、来賓を代表して、秋田県佐竹知事と、大森山動物園小松園長が祝辞を述べられました。動物愛護の精神にあふれ、胸にしみいるすばらしい祝辞でした。会報などで、みなさんにこの方たちの祝辞の内容をお伝えしたいと思います。この方たちは、「やさしい秋田」の代表であると思いました。このような方たちがおられたから、経営破綻した熊牧場のクマを全頭救命し、終生保護飼育するという世界でも例のないすばらしい取り組みが実現したのだと思いました。

 

熊森の森山会長が、秋田県佐竹知事に、「知事さん、歴史に残る善政を行われましたね」と、感謝の心いっぱいにお声掛けをすると、知事さんもニッコリ微笑まれていました。

 

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この日は、たくさんの方が訪れていました。

 

 

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できたての運動場。この日は3頭のヒグマが運動場に出してもらっており、うれしそうに走り回っていました。中央に植樹された2本の木はクリです。クマがいたずらしないように電気柵で囲まれていました。これからだんだん草が生えて、緑いっぱいの運動場になっていくということです。

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なんといっても人気スポットは、強化ガラス越しにヒグマたちと出会えるこの場所です。大勢の人たちが立ち止まって、ヒグマの一挙一動に目を輝かせていました。地球には、人間より大きくて強く、理知的で優しいこのような動物が自然界に存在します。なんとすばらしいことでしょうか。

 

普通の日にまた、ゆっくり訪れてみたいと思いました。

 

全国のみなさんに、阿仁熊牧場「くまくま園」を訪れていただき、クマ終生保護飼育の試みを支えて頂きたいと思います。

 

 

⑧大阪豊能町クマ誤捕獲されて40日目、殺処分の選択肢はないと大阪府庁 早く山に返してやろうよ

このクマは、大阪府豊能町でイノシシ罠に誤捕獲されて40日目。誤捕獲後、ドラム缶檻に13日間閉じ込められていました。現在、このクマは、とりあえず、間口1.5メートル、奥行き2メートルのクマ移送檻に、7月2日に移され、今日に至ります。この檻は、前面と後面が4センチ間隔の鉄格子となっています。鉄格子檻に入れると、クマは逃げようとして鉄格子をかじって、歯を全部折ってしまうのではないかとか、逃げようと暴れて、手の爪を全部剥してしまうのではないか等と、いろいろ危惧されましたが、今の所、そのようなことは一切起きていません。(良かった)

 

ただ、檻が狭い上、飼育用に作られた檻ではないので、この檻では長期飼育はとても無理です。一刻も早くこの狭い檻から出してやってほしいです。いつまでも拘束していると弱ってしまうので、もう、山に返してやってほしいです。クマの放獣を多く手掛けてこられた専門家の方に聞くと、もらい手が見つからなかったのだから、あとは、山に放してやるか、大阪府が保護施設を建設して終生保護飼育するか、二つに一つの選択肢しかないということです。

 

ところが、A新聞とB新聞には、大阪府が、「殺処分するという選択肢も消えていない」と言ったことになっています。これによって、助命嘆願の電話やメールが1日数件担当部署である、動物愛護畜産課に届いているということです。

大阪府動物愛護畜産課

電話 06-6210-9619  

 Fax:06-6613-6276

dobutsuaichiku-g04@sbox.pref.osaka.lg.jp

 

クマは兵庫県では絶滅危惧種、京都府では絶滅寸前種、滋賀県では希少種として、誤捕獲グマは、全て山に返されています。こんな中、大阪府だけが、殺処分してしまったら、法違反となり、大変な問題になるでしょう。

 

さっそく、大阪府庁担当責任者に確認してくださった方がいます。その方の報告では、「大阪府は殺処分など全く考えていません」という答えをいただいたということです。当然の答えだと思いますが、ならば、野生で大人になってしまったクマを飼うことの困難さを、このクマを観察することから確認し、一刻も早く、山に返してやってほしいと思います。罠にかかったクマ1頭も、山に返す力がないなんて、大阪府行政のメンツにもかかわると思うのですが。

 

大阪府行政に、再度お願いします。相手は生き物です。いつまでも狭い檻に閉じ込めておくのは、動物虐待です。いろいろと困難はあるでしょうが、どうかスピード感を持って、山に返してやっていただきますよう、お願いします。クマの放獣に手馴れている隣接府県の行政のみなさんは、初めてのクマの放獣に戸惑っている大阪府を見て見ぬふりするのではなく、どうかあたたかい協力の手を差しのべてあげてください。道徳教材として、子どもたちにとって、これ以上のお手本はありません。

 

(以下、産経新聞から)

近畿大学先端技術総合研究所の宮下実教授(野生動物医学)は「理想はツキノワグマの生息地での放獣。野生動物に県境はなく、各府県が広域的な課題として議論すべきだ」としている。

 

(くまもりから)

宮下実教授の上の言葉を、このクマに関わる全ての方に、かみしめてほしいです。

⑥誤捕獲されたクマが一時保護されている大阪府豊能郡豊能町て、どんなところ?

6月19日、大阪府で初めて、クマが捕獲されました。イノシシ罠に誤ってかかってしまったのです。このクマは、現在、豊能町で、職員から水やえさを与えられて、一時保護飼育されています。

クマが捕獲された場所から約1~1.5キロメートル行くと、京都府亀岡市であり兵庫県川西市です。京都府庁と兵庫県庁に電話で問い合わせたところ、今回このクマが、府内または県内で誤捕獲されていたなら、自分たちはすぐに放獣したと断言されました。

 

豊能町はというのはどんなところか。熊森本部スタッフたちは、6月末に、大阪府北西部に位置し、京都府亀岡市と兵庫県川西市に隣接する豊能町を車で訪れました。

 

【問題が起きた時はすぐに現地へ】というのが、熊森活動の鉄則です。

 

現地は、大阪府にこんな田舎が残っていたのかと信じられない思いがする、山々に囲まれた農村風景の町でした。小川にはいろいろな魚たちが泳いでおり、懐かしいふるさとに帰ったような気がしました。山並みは、北摂山系です。この辺りはかつての薪炭林で、現在は、アカマツ、クヌギ、コナラ等の放置里山林となっており、最近は、野生シカによる林業被害が起きているそうです。

 

豊能町は大阪府の自然景勝地であり、標高は400m~600m。大阪の中心地より気温が約3度低く、大阪の北海道等と呼ばれています。兵庫県境にある妙見山(660m)は、ブナとアカガシの巨木の混交林です。雪量も多いということです。

 

豊能町の面積は34平方キロメートル。森林率は、64%で、うち51%がスギやヒノキの人工林となっていますが、こちらもほとんどが放置されています。人口は21536人で戸数は8739戸です。

 

クマが捕獲されたのは、山林に仕掛けられていたイノシシ罠であり、クマが市街地に出て来たわけではありません。3歳のオスグマが、京都府または兵庫県のクマ生息地から、冒険心を起こしてそっと遠出してみたのではないかと、わたしたちは豊能町の山並みを見ながら感じました。

 

どちらにしても、一時保護飼育されているとはいえ、クマは小さな檻に閉じ込められているため、このままでは弱っていく一方です。豊能町は、一刻も早く絶滅危惧種のこのクマを、山に帰してやってほしいものです。

 

地図の赤い風船のあたりが、誤捕獲された場所周辺だと思われます。

豊能町野間口

ちなみに、今年の6月、このすぐ近くの京都府では3回、兵庫県では1回の、クマの目撃が報告されています。この辺りは、クマが一時期生存できる自然環境にあるということで、そういう意味で、すばらしい自然環境が残されている町だと思います。

 

 

 

 

7月1日 熊森石川県支部が石川県・岐阜県調査 マイマイガの大量発生で今秋の奥山の実りなし 

(石川県支部からの報告)

石川県支部では7月初めに、群馬県支部長と共に、石川県白山や、岐阜県の伊自良湖周辺の奥山実り調査をしました。

 

7月のはじめというのに、山の色が茶色です。ほとんどの広葉樹に葉がありませんでした。マイマイガの幼虫が異常発生して、葉にびっしりついており、気分が悪くなるほどでした。こうして、葉という葉がこの毛虫に食べ尽くされて、樹木が丸裸になっていました。このマイマイガ被害は、岐阜県のひるがの高原や福井県や富山県の一部にまで拡がっているそうです。

 

私たちが今日見た木のほとんどに、ケムシがついていました。ブナの先端の若葉にも…(>_<)

ケムシが大量発生すると、病気が流行ってケムシは大量死し、被害自体は1ヶ月ほどで終息して目立たなくなるそうです。

葉を失った木々は、もう一度あわてて新緑の葉を出してくるそうですが、芽吹いて葉を繁らせるために養分を使うため、せっかく実をつけても成熟させられず小さいまま生理落下させてしまう可能性が大なのだそうです。(>_<)

 

白山周辺のクマにとって、すでに重要な食糧となるミズナラは、2000年代のナラ枯れで多くが枯死してしまい、今や枯死木は白骨化して、他の木々の中に埋没してしまっています。母樹を失ってしまった山では、稚樹の芽生えが見られません。

 

この上、広葉樹という広葉樹がマイマイガにやられて今秋の実りがなくなると、冬ごもり前に、クマたちが食い込み用の食料を求めて、山からどっと出て来るという2004年2006年2010年の悪夢の再来です。

 

なぜケムシがこんな大発生しているのか?研究者に尋ねてみました。まず考えられるのが、最近ハチが減っていることから、ケムシに寄生するハチが減ってしまい、ケムシの異常発生を抑制できなかったのかもしれないということでした。

 

今度こそ、行政のみなさんは秋のクマ大量出没に備えて、殺さない対策を今から立てておいてください。

 

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広葉樹という広葉樹の葉が、毛虫に食べ尽くされていた

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道路にまであふれ出たマイマイガの幼虫



マイマイガ、岐阜県飛騨山中で「ゾンビウイルス」に集団感染 →大量死始まる

マイマイガが異常発生した後は、ウイルスに冒されて大量死が始まると、先日、熊森を指導してくださっている研究者に教わったばかりです。飛騨経済新聞に、さっそくその記事が載ったので、びっくりしました。
以下は、新聞記事の一部紹介です。関心のある方は、ネットを検索して全文をお読みください。
飛騨経済新聞 7月7日(月)配信

 飛騨山中を中心に現在、別名「ゾンビウイルス」と呼ばれるバキュロウイルス科ウイルスに集団感染した「マイマイガ」の大量死が相次いで目撃されている。

 

マイマイガは、石川県や岐阜県で昨年から爆発的に大発生しているドクガ科に分類されるガの1種です。昆虫類などの節足動物にしか感染しないというバキュロウイルス科ウイルスに集団感染して大量死が始まりました。バキュロウイルス科ウイルスが「ゾンビウイルス」と呼ばれるゆえんは、感染した宿主がウイルス飽和状態になるまでエサを捕食し続けた後、脱力状態となり、果てはウイルスを含んだ体液を周囲にまき散らしながら死に絶えるからだそうです。

 

ムクドリはマイマイガ幼虫の天敵。過去にアメリカで人為的な原因によりマイマイガが大発生した際、終息に向け一番活躍したのはムクドリだったそうです。現在、高山市中心部など市街地では殺虫剤散布によるマイマイガ駆除を行っているが、せっかくのムクドリの助けを一切断ることになります。

(熊森から)ここは、ぜひ、薬剤散布による環境汚染をさけるためにも、ムクドリたちに片付けてもらうようにお願いします。

リニア新幹線沿線住民ネットワーク全国交流集会に参加しました!

7月21日、静岡県で行われた、「リニア新幹線住民ネットワーク全国交流会」に参加しました。

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リニア新幹線開通予定である東京―名古屋間の沿線住民が集まり、現在の活動状況など報告して下さいました。午後からは、「南アルプスとリニア残土」というタイトルで、静岡大学名誉教授の佐藤博明氏が、「大井川の水と地下水の影響」というタイトルで福島大学教授の柴崎直明氏がご講演されました。

 

関西圏に住む私たちにはなかなか入ってこない情報をたくさん得ることが出来ました。野生動物の生息地であり、日本の貴重な水源である南アルプスに穴をあけるなんてとんでもない!というのが、日本熊森協会がリニアの問題を考えていこうと思ったきっかけです。今回は、先ずは現状を知ろうと参加しました。

 

すると!知れば知るほど危険な乗り物であったこと、日本列島に大きな穴をあけてまで造る必要のない物であることが分かってきました。エネルギー消費量の多さや、環境影響評価の杜撰さ、電磁波の問題などなど、、、果たして、「夢の乗り物」なのでしょうか。

 

さらに驚いたことに、そのネットワークの事務局の中にはJRの職員さんたちも数名いらっしゃいました。JR内でも反対している人は結構いるらしいですね。

 

関西では、遠い話のようにあまり話題に上ることがありませんが、これは日本全体で考えていくべき事だと改めて思いました。

 

8月8日に、日本熊森協会が主催で18:30~芦屋市市民会館で第1回の勉強会を行います。まずはリニアについて知ってみませんか。

静岡県のリニア新幹線沿線住民ネットワーク全国交流集会に参加します!

静岡リニア集会

リニア中央新幹線について勉強しに行きます!

7月22日(火)の南アルプス現場見学会は既に満員になっているようですが、7月21日(月)午前中のリニア新幹線の沿線住民の交流集会、午後のリニアに関して大学の先生のご講演はまだ空きがあるようです。

詳しくはこちら

リニア新幹線の問題に関心のある方は是非参加しましょう!

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