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2014-08-19

⑩ 8月19日訪問 誤捕獲されたクマ君、もう限界 一刻も早く山に返してやって

2か月前の6月19日、大阪府豊能町の山中に設置されたイノシシ罠に誤ってかかってしまった豊能のクマ君。

大阪府初のケース!

大阪府に麻酔をかけられて、気が付いたら、両面が鉄板でふさがれた密閉型ドラム缶檻の暗闇に閉じ込められていた。

ドラム缶の胴体にあけられた小さな穴から、水とハチミツが流し込まれたという。

ドラム缶檻

このドラム缶の中に、豊能のクマ君が閉じ込められている  (読売新聞 2014.6.26)

 

ドラム缶に閉じ込められて12日目の7月1日。

くまもりは、ドラム缶檻からこのクマを助け出してやろうと、秋田県から取り寄せたクマ移送用檻を持って現地に駆けつけた。

ドラム缶檻からこのクマを出すことを渋る大阪府に、動物虐待だとくまもりは訴え続け、長時間の交渉となった。

やっとのことで、次の日、出せることになった。

 

ドラム缶に閉じ込められて13日目の7月2日。

もうドラム缶檻の中で死んでいるのではないかと思った。

しかし、クマは生きていた!こんな地獄の状況で13日間もよく生き抜いたもんだ。

「このクマ、生きたかったんだね」熊森スタッフがつぶやいた。

クマ移送用檻に移してから、ドロドロに汚れた体を、長い時間をかけて、ホースから出る水道水でていねいに洗ってやった。

 

IMG_4631

ドラム缶檻から出して、きれいに水洗いしてやった直後の豊能のクマ君(まだ麻酔が効いている) 2014、7、2撮影

 

こんな目に合わせて!クマが死んでしまうじゃないか。

野生動物をこのように虐待して平気な社会は異常であり、大変危険だ。

野生動物に畏敬の念をもたなくなった文明は、自然破壊に歯止めがかからなくなり、やがて滅びる。

水源の森は、クマをはじめとする野生動物たちが維持形成している。

水道水を飲む時、野生動物たちに感謝の気持ちを忘れてはならない。

 

 

わたしたちは、豊能のクマ君を一刻も早く、そっと山に返してもらいたくて、沈黙を保ってきた。

クマ君にも、あまり会いに行かないようにしていた。

ひんぱんに会いに行っても、山への放獣は十分可能だが、人馴れしたからもう山に返せませんと言われるのを恐れたのだ。

マスコミ報道は、狭い檻の中でクマは元気にしているという行政発表しか載せない。元気なわけがないじゃないか。

どうして記者さんは自分の目で見に来ないのか。

早く山に返してやらないと、弱っていく一方だ。

自分がこのクマの身だったらと、少し想像してみたらわかる話だ。

いくらがまんしても、移送用の狭い檻でクマが生きられる限界は、とっくに過ぎている。

 

8月19日、豊能のクマ君を久しぶりに訪問。

ずっと閉められたままになっていた倉庫のシャッターを開け、光と外気を入れてやった。

カビが生えた糞の山を取り除きながら、床を水洗いしようと、ホースの水をかけ始めると、豊能グマ君は、狂ったように糞尿の混じった汚水を飲みだした。

この檻は、クマ移送用檻なので、短時間のクマの収容を想定して造られただけに過ぎない。

水飲み場がない。糞尿の処理ができない。

 

 

豊能のクマ君は、この檻から逃げ出そうとしてか、何度も何度も、鉄格子にものすごい勢いで顔面から体当たりしてくる。

鉄格子の間隔は4センチ。鼻だけが飛び出す。

鼻の骨がくだけてしまうのではないかと思うぐらい、全力でぶつかってくる。

こうなるから、野生のクマを檻に入れてはいけないのだ。飼ってはならないのだ。

前足の指から血が出ている。小指が腫れ上がっており、なんだか変だ。

豊能のクマ君は、精神的にも身体的にも、もうこの狭い檻では限界だ。

 

 

兵庫県や京都府では、今春からだけでも、もう20数頭の誤捕獲グマを山に返している。放獣率100%だ。

大阪府は、クマ1頭、山に返せないのか。

クマ放獣何百回の専門家も、豊能町の山にクマを放獣することは可能と言う。

これまで、クマを山に放獣して、問題が起きたことは1回もないと言う。

いつまでもこの檻にこのクマを閉じ込めている大阪府の偉い人たちは、このクマの実態を見に来たらどうか。

大阪の府民を代表している全府議会議員に見ていただきたい。

松井知事に見ていただきたい。橋下維新代表に見ていただきたい。

動物虐待以外の何ものでもない。

 

豊能のクマ君をドラム缶檻から出してやりたい一心で、くまもりが持ってきた移送用檻。

この檻が、豊能のクマ君を狭い空間に閉じ込めてここまで苦しめているのを見て、くまもりは堪えられない。

一刻も早く、生かしたまま、この檻から、豊能グマ君を外に出してやってほしい。

移送用檻の掃除を終え、餌を与えた。

やっと探し出して持って行ったマテバシイの早熟ドングリを与えると、豊能グマ君が、カリッと音をさせて食べた。

目と目が会った。まだ生きている。

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マテバシイのドングリを食べた、クマ移送用檻に収容されている豊能のクマ君  2014.8.19 撮影

 

注:熊森は、このクマ君が、大阪府によって秘密裏に殺処分されるのを恐れて、これまで情報を出さずに来ました。しかし、もう限界なので、少しずつ情報を出していこうと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

8月のドングリの充実度

水入れもトイレもない狭い移送用檻に入れられたまま、太陽も当らない場所にもう2か月間も幽閉されている大阪府豊能町の誤捕獲グマくん。

せめて、ドングリを食べさせてやりたいな。ドングリは、もう実っているのでしょうか。切って中を見てみました。

 

 

 

マテバシイ    通常、9月下旬から散布が始まる

s-DSC00353

8月19日撮影

 

クヌギ     通常、10月中旬から散布が始まる

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8月19日撮影

 

充実までには、今一歩でしょう。しかし、栄養や味を考えなければ、もう食べられるのではないでしょうか。

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