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2014-08

兵庫県山の実り調査・・・並作、ただし、ブナはゼロ

2004年、2006年、2010年は、奥山の実りゼロという、ありえない異常年でした。再びあの異常年が再来するのではないかと、毎年、不安になります。昨年度良く実ったブナは、今年はゼロです。ミズナラ、コナラ、ミズキなどは並作です。日本海地方に多いウラジロガシは、まだどうなるか判定ができません。

 

ブナ以外のすべてのブナ科のドングリの実に穴をあけて卵を産み付け、実や葉を付けたまま枝を切り落としてしまうハイイロチョッキリトいう暖地性の虫が大量発生するのを心配していましたが、夏の気温が低かったためか、今年も3年連続、発生はゼロです。

 

8月下旬、クマは シバグリの木に登って、イガごとクリの実を食べて熊棚を作ります。クマがシバグリの木に登っていたという情報が、今年も入ってきました。この時期が終わると、イガが固くなってしまうので、クマはもう木に登ってクリを食べることはできなくなります。

後は、クリが良く実って地面に落ちて来る時期まで、クリをたべることはできません。

 

 

沖縄辺野古移設 「地元民意尊重を」 国連委員会が指摘 

2014年08月22日琉球新聞より

 【ジュネーブ】国連人種差別撤廃委員会は20、21の両日、日本の人種差別状況について審査し、沖縄の米軍基地に関する政策をめぐっても議論した。米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設などに関して、委員からは「地元に関わる問題は事前に地元の人たちと協議して同意を得ることがとても重要だ」「政策に地元住民を参加させるべきだ」といった指摘が相次いだ。

委員会は、勧告を含めた「最終見解」を今月内にも発表する見通し。委員の一人は「沖縄の人々の伝統的な土地、資源への権利を認め、それを十分に保障し、彼らに影響を与える政策については、その策定に参加できるようにすべきだ。特に米軍基地の問題については初期の段階から地元住民の参加が大切だ」と強調した。

 

 

熊森から

国連人種差別撤廃委員会の言う通りです。

こんな当たり前のこと、日本人の中から声が上がらなかったのが悲しいです。悔しいです。

国連人種差別撤廃委員会に感謝します。

 

人間も、野生動物も同じ。

ジュゴンを初め、そこに元々住んでいたものを尊重できないなら、共存などできません。

共存できない文明は滅びるのです。

子どもたちなら、きっとわかる。

教師のみなさん、相手への思いやりを忘れず共存することを、子供たちに教えてください。

 

 

 

 

 

 

8月中旬 今春植樹した本部植樹地の今

熊森の奥山自然林復元は、原則として、人工林を強度間伐して自然再生をうながします。(植えない森造り)

 

しかし、集落にクマが出て行かないように、クマ止め林に適した場所にある人工林皆伐跡地には一部植樹もしています。今春植えた植樹地の今を見てきました。植樹地はどこも、シカ除け柵で徹底的に囲んでいます。

 

①2014年 5月11日植樹 兵庫県宍粟市 大阪西ライオンズクラブのみなさんが植えてくださった場所です。これまでの3年苗ではなく、5年苗ぐらいの大苗を植えてみました。この場所は、なぜか下草が生えてきません。

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8月13日撮影

 

②2014年 5月31日植樹 兵庫県豊岡市。こちらにも大苗を植えたのですが、ワラビなどの下草が生い茂って、苗木(緑色支柱付き)がわかりにくくなっています。苗木の周りだけでいいのですが、下草刈りが必要です。

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8月12日撮影

 

植樹地の苗木がどのように育っていくかは、場所によって違うため、植えてみないとどうなるかわかりません。自然界のことは予測できないことばかりです。

 

 

 

 

 

【拡散希望】大阪府が豊能町誤捕獲グマの殺処分を決定!大阪府に保護飼育の声を!!

大阪府豊能郡豊能町で6月19日に錯誤捕獲されたクマの殺処分決定の連絡が、8月20日大阪府から熊森に入りました。森山会長が、命を救えるように手段を考えるから待ってくれるよう伝えましたが、長くは待てないという回答でした。これまで熊森では、環境省の指針に沿って放獣するよう大阪府に様々な働きかけをし、提言をしてきましたが、放獣する努力もせずに引き取り手が見つからないからという理由で殺処分の決定を下した府の担当者の無責任さには大変憤りを感じます。すぐに放獣しなかった大阪府が、責任をもって終生保護飼育をするべきです。

 

8月19日に、森山会長と本部スタッフがクマに会いに行きました。檻は掃除された形跡がなく、排泄物の山ができていました。檻の中で暴れるためか、爪が剥げ、一部出血をしている状態に、大変心が痛みました。このような環境に2か月以上も野生のクマを閉じ込めているだけでなく、更に殺処分をしようとしている大阪府は生物の命をどう考えているのでしょう。このような行為は動物愛護法にも違反している可能性があり、行政としての責任を果たしているとはいえません。

 

クマは大阪府が飼育するよう皆さんの声を大阪府環境農林水産部動物愛護畜産課へ届けてください。特に大阪府民の方の声が重要です!

電話06-6941-0351(代表)

大阪府民お問い合わせセンター http://www.pref.osaka.lg.jp/fumin/fusei_iken/index.html

⑨小さな檻に閉じ込められて60日間 宙に浮いたままの大阪府豊能町誤捕獲グマ 一刻も早く山に返してやって 大阪府庁に熊森が提案と要望書を提出

6月19日、兵庫県・大阪府・京都府の2府1県が接する大阪府豊能町で、山林に仕掛けられたイノシシ罠に、1頭のツキノワグマが誤ってかかってから2か月が経過します。4歳のオスグマと推定されていますが、最初の13日間は密閉されたドラム缶に突っ込まれたまま、その後は狭い移送用檻に入れられたままで、今日を迎えます。

 

誤捕獲された場所から目と鼻の先にある京都府内又は兵庫県内での出来事であったなら、鳥獣保護法にのっとって、兵庫県や京都府で作成されたルールに従い、即、同一市町内の山に放してもらえました。しかし、たまたま、クマが生息しないと言われてきた大阪府内での初誤捕獲であったため、兵庫県も京都府も引き取り放獣を拒否。大阪府にはクマ対応ルールがなく、このクマは、行き場を失い、宙に浮いてしまったのです。

 

8月6日、熊森は、本部から4名、大阪北地区長、大阪南地区会員2名の計7名で、大阪府庁の本庁を訪れ、担当部署である動物愛護畜産課の課長さん達に面会しました。そして、このクマが体力的にも精神的にも弱り切って野生で生きることができなくなる前に、一刻も早く山に返してやってほしいという要望書を提出。日本で最大のクマ保護団体として、2時間にわたり、当協会ができる最大限の提案や協力を申し入れました。

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 大阪府動物愛護課の担当者たちに申し入れる熊森メンバー(於:大阪府庁本庁舎)

大阪府としては、飼育してくれるところを探しているが、まだ見つからないということでした。熊森は、いったん野で大人になってしまったクマを飼育することのむずかしさを、幾つかの実例を挙げて訴え、このクマを不幸なクマにしないためにも、野のものは野に返すことを、強く要望しました。また、熊森は、このクマを絶対に殺処分しないことを、改めて申し入れました。相手はモノではなく生き物です。スピード感を持って対応して下さるように、改めてお願いしてきました。

 

要望書は検討していただけるということでしたが、あれから2週間、今の所、大阪府庁からの返答はありません。巨大な組織をもち、優秀な人材を多く揃えておられる、大阪府、京都府、兵庫県の行政のみなさんです。関西広域連合の出番として、力を合わせ、生き物の命を大切にする解決法を国民にお示しくださるようにお願い申し上げます。子どもたちも、大人たちがどうするか見ていますよ。

 

尚、熊森はこの件で、環境省にも何度も、クマに初めて対応する大阪府に対して、国が支援に乗り出してくださるようにお願いの電話をかけています。国の担当者としては、心配して下さっているようですが、今の所、具体的な動きは見られません。

 

 

国民が黙っているのは、実態を何も知らず、知ろうともしないから リニア中央新幹線第1回関西勉強会

 

8月8日(金)兵庫県芦屋市民会館で、西日本初の「リニア中央新幹線第1回関西勉強会」が、もたれました。

リニアHP

活発な質疑応答・意見交換

近づく台風の雨の中、岡山県や、愛知県からも参加者がありました。

講師は、全国自然保護連合会長の川村晃生先生です。

<いいところはただ一つ>

川村先生は、「リニア新幹線は一つもいいところはない。ただ一つあるとすれば、それは、(地下深くをジェット機にも近い時速500キロという速さで走る)速さです。しかし、わたしはすでに、速いということは悪いことだと考えております。なぜこのようなスピードが悪いのかという問題を考えない限り、リニアの問題は解決しないと思っています」と述べられ、その理由は、『危ないリニア新幹線』 リニア・市民ネット編著(緑風出版)を読んでいただければわかりますとご著書を紹介されました。(この本は、各方面の専門家たちが、それぞれの専門分野からリニアの危うさをしっかりとまとめており、熊森からもおすすめ本です)

危ないリニア新幹線

<問題点はいっぱい>

①リニアの乗客として東海道新幹線からの乗り換え客を想定しており、JR東海としては巨額の工事費がペイできないこと

②大量の使用電力をまかなうためには、原発の利用が前提となること

③糸魚川静岡構造線と中央構造線に挟まれた非常に地盤の悪い場所に長いトンネルを計画しており、危険なこと

④各地で水脈が分断され、別の所から水が噴き出して3面張リの水路で流されるため、野生動物たちが水を利用できなくなること

⑤環境アセスメントがあまりにも短期間でなされ、現地調査をしていないこと

⑥乗客や路線周辺の住民が強力な電磁波にさらされること

などなど。

アンケートによると、参加者のほとんどが、リニアに、こんなにも大変な問題が多く含まれていたとは知らなかったということです。(国策なのに、メディアが報じないため、西日本の国民は、知らぬが仏にされている)

最後に、くまもりの森山会長が、リニアは、祖先からもらった自然豊かな国土という体のわき腹に、深くて長い穴をあける国土弱体化工事。あちこちで血管が寸断されて血が噴き出すと、その度に、人工血管を作って、排出する。自分の体を自分がぐちゃぐちゃにしていくもの。国家破滅への道。公共事業としていったん工事が始まれば、もう誰も止められない。今、声を上げておかないと、他生物や子孫に、謝っても謝りきれないと、感想を述べました。

長野県大鹿村の友人を訪ねたことがあるというある参加者から「、現地は過疎化高齢化が進んでおり、反対の声を上げても、JR東海、メディア、国にはとても届かない。大都市でリニアの問題点に気づいた人たちが見直しの大声を上げるしかない。各地の都市で、このような勉強会を持っていくべきだ」という発言がありました。その通りであり、くまもりも、カギを握っているのは都市市民だと思います。今やリニアは国策ですから、全国民が声を上げる権利があります。

今秋から工事の着工が予定されているため、川村先生は、もうこうなったら政治家に動いてもらうしかないと言われていました。国会議員に片っ端からあたっていくしかないと思います。人間がこんな無茶苦茶な工事を強行したら、神様が怒りだして、富士山が爆発したりしだすのではないかと心配する人もいました。

くまもりは、自然保護団体として、また、この国の国土を心から愛する者として、世界遺産登録をめざしている自然豊かな南アルプス(赤石山脈)に、リニアのトンネルを貫通させることだけは避けるべきであると思います。目先の経済よりも、命を支えてくれる自然を残しましょう。

西日本で、リニア問題の勉強会をセットしていただける団体や個人があれば、ぜひ、ご連絡ください。

本部「原生林ツアー」楽しく終わりました

8月3日本部主催第19回くまもり原生林ツアーを実施しました。

小学生から70代まで57名の参加者がありました。台風の影響で雨が降りましたが、天然林をゆっくりと散策することができました。

 

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西宮市を出発し、たつの公園のクマ舎を見学しました。ここには兄妹のクマが保護されています。この日は機嫌よくみんなの前に出てきてくれて、水に入るところも見ることができました。

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西粟倉村の植林地で、人工林の特徴を観察しました。

 

 

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小雨の中、いよいよ若杉天然林の散策に出発です。旗を持っているのがサブリーダーの高校生。

 

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ブナの巨木を観察しました。

 

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ヤマボウシの枝をかじるスジクワガタ(♂)

 

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炭焼き釜跡地でタタラ製鉄の説明をする千種高校生

 

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参加者の皆さんは雨の日にしか見れない天然林を堪能できたと喜ばれていました。

今回は、リーダーは大学生と小学生、サブリーダーは高校生(兵庫県立千種高校生徒会)にお願いしました。

リーダーは下見をして一生懸命説明ができるようになりました。またサブリーダーはメンバーの引率をしっかりとやってくれました。

来年は本部主催若杉原生林ツアーの第20回目です。2015年8月23日日曜日に計画しています。

皆さん、ぜひご参加ください。

千種高校のブログはこちら

http://www.chikusa-hs.jp/index.php?action=pages_view_main&active_action=journal_view_main_detail&post_id=625&comment_flag=1&block_id=104#_104

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森なくして人なし、森あっての人間。

日本熊森協会は、自然の森のすばらしさや、そこにすむすべてのいきものたちを守ることの大切さを、若い人たちを初めとする多くのみなさんに実感していただけるよう、本部・支部でさまざまな「くまもりツアー」を実施し続けています。

先月は、宮崎県支部が実施しました。

 

 

 

核戦争だけではなく、全ての戦争にノー 69回目の原爆の日、8月6日広島、8月9日長崎

69回目の原爆の日を迎えました。

毎年、原爆犠牲者慰霊平和祈念式典で、被曝者代表の方々が、こんなに悲しくつらい経験は自分たちで終わりにしてほしいと、核兵器を世界中から一刻も早くなくすことを訴えられています。

 

自分がひどい目にあったら、自暴自棄になったり、復讐を考えたりする心を人間は持っています。そんななかで、広島と長崎の方々が、自分たちが味わった苦しみを、他の人達には味わわせたくないと必死で訴えておられるのを見て、その気高さに、毎年、胸を打たれます。

 

戦争は最大の自然破壊です。熊森は、核戦争はもちろんですが、どんな戦争も、ノーです。今も世界では、戦争をしている所がいくつかあります。双方死傷者を出していますが、本当に愚かです。そこでは自分たちの命を支えてきた自然が大破壊され、多くの罪もない生き物たちも大量に死傷しています。本当に人間は罪深いです。

 

絶対に、何があっても、戦争によって国際問題を解決しようとしないと、世界中の人間が誓い合わねばならないと思います。武器があるから使ってしまう。ならば、ふだん、平和な時から、世界中で武器や武器を造っている所を見つけ次第、みんなで全部壊していく。そんな世界を望みます。

NHKスペシャル 『ヒグマ・運命の旅』 圧倒される知床の大自然と、ナレーターの断定表現への不安

8月7日の再放送を見ました。さすが、NHK。知床半島の自然の空撮はすばらしく、映像に圧倒され続けました。まるで目の前で知床の森や海を見ているような気分を味わうことができました。

 

知床・ルシャの渚は知床の世界遺産の中でも特別保護地域に指定された、日本で唯一のヒグマの楽園です。ここで暮らしていた30頭のヒグマたちのなかから、母子グマと老齢のオスグマに焦点が当てられ、4年間にわたり記録され続けた膨大な映像をまとめた番組だそうです。

 

番組の途中から、非常に気になりだしたのは、ナレーターのヒグマたちに対する決めつけ言葉の数々です。ヒグマたちの世界のことは4年間と言っても、ずっと見ていたわけではないのに、また、ヒグマたちがインタビューでそう答えたわけでもなく、想像の域を出ない事柄だらけのはずなのに、ナレーターは次々と断定表現をされていきます。これは危険だと感じました。

わたしたちの経験からしても、自然界は、調べても調べてもわからないことだらけであり、ヒグマたちの行動についても、できることならクマに直接インタビューしてみたいと思うほどわからないことだらけのはずです。

どうしてあのように断定できるのでしょうか。

これではまるで、ドキュメンタリーではなく、作られた物語になってしまっていると感じました。

 

知床にヒグマを見に行き、番屋の人たちと語り合った経験からすると、感性の違いでしょうか、どうもナレーターの方の言葉に同意できない箇所がいくつも出て来るのです。知床やヒグマを全く知らない人は、ナレーターの言葉を真実だと錯覚して、知床観やヒグマ観が形成されていくでしょう。どうしてそんなことが決めつけられるのか、人間による全くの誤解かもしれないのに、大変怖いと思いました。

 

以前、NHKテレビに出していただいた時、現地に行ってインタビューを受けようとすると、すでに台本が全部出来上がっており、台本と違うことを答えると、何回もやり直しをさせられて、泣きそうになったことがあります。その時のことを思い出しました。ふと、この番組も、初めから、全部台本が出来上がっていたのではないかと感じました。

 

最後、人馴れして集落近くの海岸などに何度も出て来るようになったからとして、子グマ達は、あっけなく、有害獣として人間に撃ち殺されて終わります。

熊森本部に来たメールの中には、意外な顛末に驚いて、ひとり号泣してしまったという男性もおられました。

NHKが、過酷な運命の旅と気取って言ってみても、これは人為的に造られた結末であり、クマ射殺は運命でも何でもありません。

海岸で射殺されたクマには、人を襲ってやろうというような悪意は全くなかったと思われます。

あのクマたちが、どうしてあそこまで人馴れして、特別保護区から集落に近い所まで出て来たかというと、NHKのスタッフたちが4年間もこのクマたちを愛情を持って撮り続けたからだろうという声もありました。もしそうなら、このヒグマたちが殺される原因を作ったのはヒグマたちに近づきすぎたNHKということになります。

 

感動的ないい番組を作りたいというNHKのスタッフのみなさんの気持ちもわかるし、このような大自然の中に生きる動物たちを追った番組を見たいという視聴者の皆さんの気持ちもわかります。しかし、その結末が、ヒグマ射殺では・・・人間は何をしているかです。この番組を見ていろいろな声が熊森本部に届きました。

 

・後半は見るに堪えず、 番組終了後、何とも後味の悪い耐えがたいおぞましさに襲われました。

・ あのような安易なヒグマ殺傷は 、将来の子供達にも、決して良い影響は与えないと思った。

・いかに安易にヒグマ駆除の許可を出しているか、良く分かりました。

・2頭の子熊・シロとクロが成長し た後、厳しい自然の中で食べ物を求めて人里に下りてきた後、『駆除』(殺処分) されてしまった画面になんとも言えない怒りと悲しみを覚えました。ものう少し動物愛護の視点が欲しかったと思います。

 

 

4年間成長を見続けてきたシロとクロが 、人馴れしたからと殺されるのを知った時、冷静にその場をカメラで撮影できる人もいますが、何分間かシロとクロの映像に親しんだだけで、まず、シロとクロの命を助けてやりたいと思うようになる人たちもいます。人間いろいろです。

 

視聴後、知床財団の方に電話でいろいろお話を聞かせていただいたり、北海道庁の方に、資料をFAXしていただいたりしました。熊森はこれからも、北海道のヒグマたちにも、可能な限り目を向け続けていきます。

 

●NHKのこの番組作成責任者に、質問と意見を送りました。

問題番組?NHKスペシャル 『ヒグマ・運命の旅』、再放送予定8月7日(木)午前0時40分から50分間

2014年8月3日(日)午後9時00分~9時49分に放映されたNHKスペシャル 『ヒグマ・運命の旅』が、8月7日(木)午~前0時40分1時29分(6日深夜)に再放送されます。まだ見られていない方は、ご覧になりませんか。この番組を見られた方々から、いくつかの疑問が本部に届いています。本部はこの番組を見逃したので、再放送を録画して、見てみようと思います。みなさんもぜひ見てください。そして、くまもり本部までご意見をお寄せください。

 

<以下は、NHKスペシャル番組予告表から転載>

北海道・知床で、4年間にわたりヒグマたちを記録し続けた膨大な映像を、詳細な調査に基づいた血縁関係などから紐解く、かつてないリアルなヒグマたちの物語。
30頭以上が暮らすヒグマ密集地帯、知床・ルシャの渚。特別保護地域に指定されたここは、日本に唯一残されたヒグマの楽園だ。私たちが、生後半年の若いオスの兄弟と、この楽園に君臨していた老齢のオスの“王者”を中心に撮影を始めたのは、2010年秋。その2年後、楽園を悲劇が襲う。夏の海水温の異常な上昇によって食料となるカラフトマスの遡上が遅れたことで、次々とヒグマが餓死していったのだ。生まれたばかりの子グマ、そして母グマ。弱いものから命を落としていった。私たちが追っていたオスの兄弟は、母グマの決死の行動などでかろうじて命をつなぎ、老齢の“王者”も危機を乗り越えた。しかしこの苦難は、3頭のヒグマにとって、運命の旅の始まりに過ぎなかった・・・。
楽園を旅立たなくてはならない若いオスグマの“掟”、“王者”に忍び寄る政権交代の時。やがて3頭は、それぞれに逃れることのできない過酷な運命を歩んでいく。

 

 

 

 

 

 

 

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