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2014-09-12

⑱「大阪府ツキノワグマ出没対応方針」は動物愛護畜産課が勝手に作ったもので無効

「大阪府ツキノワグマ出没対応方針」は、よく見ると、大阪府が発表した形になっていません。動物愛護畜産課名で発表された文書にしか過ぎないのです。知事認定を受けていないということでしょうか。しかも、環境省野生生物課に問い合わせると、記者発表直前に、メールで突然入ってきた文書であり、国としては、何の相談も受けていないということです。明らかに、この文書は無効です。

 

いろいろとこの方針文書のおかしさについて指摘したい箇所がありますが、とりあえず、誤捕獲部分について、きっちり反論しておきたいと思います。

 

<動物愛護畜産課作成方針における誤捕獲の項目>

誤捕獲が発生した際には、①人身被害の危険性がないと判断し、②周辺住民の合意が得られた場合、速やかに放獣を実施する。この1文だけです。

 

電話で、担当者に聞いてみました。

くまもり:人身被害の危険性がないかどうかの判断基準は何ですか?

動物愛護:まだ決めておりません。

熊森:②周辺住民の合意が得られたかの判断基準は何ですか?

動物愛護:まだ決めておりません。

 

もし、明日、また誤捕獲が発生したら、一体どう対応するのでしょうか。また、次回も捕まえて、何十日間も保管するのでしょうか。そして、大阪府は一切支援・協力しませんが、どこかもらってくれませんかと虫のいい要請を出すのでしょうか。判断基準も決めずに対応方針文書を記者発表するなど、ふざけているとしか言えません。

 

おそらく次回は、人身事故の危険性がゼロとは言えない、周辺住民全員に聞いたわけではないが、放獣に反対する人もいると思われるので、殺処分しておきましたと言って、動物愛護畜産課は誤捕獲グマを殺すでしょう。

 

これでは、住民はいつまでたっても、カヤの外で、成長できません。今回も、誤捕獲グマについて1回の住民説明会も開いておりません。豊能町にも言えることですが、なんとか逃げようとして檻に体当たりし続けているこの誤捕獲グマを、住民に公開していただきたいと思います。子どもたちにも全員に見せてほしいと思います。実物以上の環境教育はありません。そして、このクマをどうするか、住民みんなで考えて頂きたいのです。行政が考えるよりもずっといい名案が出るかもしれません。このクマが誤捕獲された地区は、ネットで調べると、78世帯175人と出ております。全員が集れる数です。

 

ちなみに、兵庫県のツキノワグマ保護管理計画ではどうなっているでしょうか。

記述は簡単です。以下の記述により、100%放獣が実施されています。

錯誤捕獲された個体は放獣する。 

ただし、出没対応基準の3および4に相当する場合は、その基準により対応す る。

(注)3というのは、繰り返し出没し、精神被害を含めた被害を 発生させた場合。

   4というのは、集落内徘徊など人身被害の危険性が高い場合。

 

 

何種類かのネオニコチノイド系農薬が、松枯れ防止で奥山にも撒かれていた

くまもり群馬県支部長が、最近行政は、松枯れ防止薬として、奥山にネオニコチノイドを空中散布していると、本部に教えてくださいました。まさか。ネオニコチノイド系の農薬は、これまでの殺虫剤と違って、植物に来た虫を殺すのではなく、植物の体内に農薬をいったん吸収させ、その植物を食べた虫が死ぬようになっています。この農薬を使うと、これまで大量に使用していた農薬の量が少しで済むようになり、減農薬として脚光を浴びているのです。

 

本当にそんなことをしているのかどうか、兵庫県の行政担当者に電話でたずねてみました。大変誠実に、いろいろと教えてくださいました。こんな公務員なら、税金を出してもいいなと思いました。ちょっと話しただけで、相手が誠実な人かどうかわかりますから、電話というのもふしぎです。

 

結論は、平成20年から、兵庫県も1ヘクタールに30リットルの割合で、松くい虫退治のために、ネオニコチノイドをヘリコプターで空中散布していました。ただし、ネオニコチノイドといっても、カメムシ用とかいろいろな種類があるということで、EUで使用禁止になっている種類のネオニコチノイドは使っていないということでした。また、山にばかり撒いているのではなく、海岸のクロマツを守るために、海岸にも結構撒いているということでした。松くい虫退治の空中散布は効果がないと聞いていますがとたずねると、効果はある程度は出ているということでした。散布地域を初め、農薬の種類など、HPには、詳しいことがすべて掲載されていました。

 

国民に隠す、嘘を言う、ごまかす、これほど国民を愚ろうするものはありません。良きに付け悪しきにつけ、全部国民に知らせると言うのが、民主主義国家の基本です。また、知らせて行かないと、国民は賢くなっていけないのです。しかし、HPの一覧表を見せてもらって、カタカナの薬品名を知ったところで、その薬品がどういう副作用を持っているかなど、わたしたちにはさっぱりわかりません。きっと、研究者にも、専門家にも、人間には誰にもわからないでしょう。

 

奥山原生林から、虫が消えたこと、実りが消えたこと、生き物たちが消えたこと、これらの原因説として、酸性雨、地球温暖化、シカなど、いろいろな原因諸説がささやかれていますが、松くい虫の防除薬として奥山に撒いている農薬も原因の一つではないかと、直観しました。山に農薬をまいて全ての生き物たちを殺してしまうのなら、松枯れを放置してマツだけが消えた方が被害が少ないのではないかと思います。マツが枯れることを止めるために、他の生き物たちを全部死なせる。こちらの方が、問題ははるかに大きいと思います。

 

兵庫県西宮市の夙川沿いに生えているマツは、青々と繁ってとても元気です。松くい虫に強いタイプのマツを植林したからだそうです。ならば、松くい虫対策の農薬という化学物質を撒くのではなく、松くい虫に強いタイプのマツに植え替えた方が早いと思います。ただ、この時代に、マツがどれほど有用で、山に植えておく必要があるのかどうか、疑問です。マツは、森林遷移の先駆者で、自然界の中では、土地が肥えて来ると、自然と消滅していく樹種です。マツが枯れるのも自然と考えて、山や海に、化学物質を撒くのを止めていただきたいと思います。自然は自然のまま手つかずで残しておいてほしいのです。

 

この担当者に、「沈黙の森」の実態を話すと、驚いておられました。疑わしきは使用せずで、すべての農薬の山林散布を中止して欲しいです。

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