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2015-01

1月30日 興味津々、豊能グマの1週間の動きが記録されました 自動撮影カメラ回収

記録された動画をチェックしてみました。自動撮影カメラを設置したことでクマに負担をかけないか心配でしたが、豊能グマは赤外線の小さな明りをあまり気にしていないようだったのでほっとしました。

 

豊能グマは1週間中ほとんど寝ていましたが、時々体を動かして寝返ります。そのさまは、まるで休日に寝転んでいる人間にそっくりです。何もすることがないからか、時々思い出したように寝床のわらをしごいて細かくしたり、何かを食べたりしていました。

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ちょっと寝る向きを変えてみようかな 

撮れた動画は、全編通して、本当に静かなものでした。時々、移送檻の内部を見まわして、これから僕はどうなるのだろうかと考えているようにも見えました。退屈なのでしょうね、大きなあくびも時々していました。

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 大きなあくびをする豊能グマ

落ち着いたクマの様子にホッとしました。一日も早く明るくて広い獣舎に出してやりたいです。みんなで応援しているから、春までここで我慢してね。

<冬の京都奥山調査> これこそ餌付け、野生動物たちを山から次々とおびき出している

1月27日、雪が積もる京都の奥山を調査しました。林道に入ると、道沿いの雪上にベージュ色の粉がまかれていました。

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米ぬかでした。見渡すと、道路沿いに何カ所かまかれています。地元の人に聞くと、こうやって山奥から動物たちをおびき出すのだそうです。イノシシなら、1頭仕留めたら、30万円で売れるということでした。こうやって1年中、山奥から動物たちをおびき出しておいて、動物が山から出て来たからけしからんと、動物を敵視する。人間の道徳観として、疑問でした。

 

よく見ると、そばにイノシシの足跡が少しありました。さっそく、米ぬかにつられて出てきてしまったのでしょう。

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イノシシノの足跡は、シカと違って、ひずめだけではなく、かかとの部分にもへこみができます。木の枝で示しているのがかかとのへこみです。

 

ヌカは、イノシシをおびき寄せるためにまいたのでしょう。水に少し濡れて酵母菌により発酵すると、アルコール臭を発するようになります。こうなると、クマをはじめ、いろんな動物がやってくるようになるそうです。昆虫も集まってきます。森の動物たちは甘い樹液等の好物を探す時、糖分が発酵して醸し出すアルコール分を手掛かりにしているということです。

ヌカ以外にも、箱罠、囲いわななど、人里には果物、野菜、ヌカ、ハチミツなど、中においしい物が入った罠がいっぱい仕掛けられています。このような行為こそまさに餌付けですが、国が咎めないのは不思議です。最近、動物が山から出て来るようになった原因はいくつかありますが、一つはこの餌付けでしょう。

 

積雪は40センチぐらいでしたが、雪道は歩くのがなかなか大変でした。長靴に入ってきた雪が、中で溶けて、足が濡れてしまい、もう冷たくてたまりません。こんな中、冬籠りしないシカやイノシシは、エサを探して歩くのかと思うと同情します。雪道に全くシカの足跡がないのは、シカはこの時期、川の中を歩くからです。

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京都府の人工林率は37%ですが、このあたりはスギの人工林が多い所です。人工林にする前は、ウラジロガシなどの実のなる木がいっぱいあったそうです。戦後の開発と人工造林で野生動物たちの奥山生息地を人間がどれだけ広範囲に壊滅的に壊したのか、私たち人間は忘れてはなりません。自分たちのしたことに責任を感じる人間でありたいです。

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延々と続く人工林

 

下の写真の左側斜面は、長年観察してきた人工林の皆伐跡地です。冬は葉っぱを落としていますが、何もなかった斜面に、シカが食べないタラノキがかなり大きく育っていました。自然はどんどんと遷移していきますから、そのうち先駆種のタラノキは消えて、次の木が生えてくることでしょう。いつそうなるか。すべて自然が決めることです。

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冬でないと学べないいろいろなことを、この日学びました。

寒かったけれど、とても気持ちの良い楽しい調査でした。人間は本来、自然と接することによって、心身の健全を保てるように作られているとつくづく思いました。寒いですが、みなさんも、冬の自然の中に出かけてみませんか。

 

<JA京都のことを追記>

移動中の車の中で、JA京都から電話が入りました。先日京都新聞で、JA京都が職員をハンターに養成して、野生鳥獣の捕殺を推進するという記事が出ていました。どういう被害状況なのか教えてもらいに行って、野生動物を殺すだけでは農業被害は解決しないという私たちの話も聞いてもらおうと思い、アポを取っていました。

しかし、担当者は突然アポを取り消して、熊森とは絶対に会わないと言い始めました。会って意気投合出来ないかもしれませんが、対話によって、双方学ぶものがあるはずです。懇談を楽しみにしていたので、本当に残念でした。

1月25日 本部 太郎と花子のファンクラブ  和歌山生まれと長野生まれの冬毛の違い

今年初の、本部の太郎と花子のファンクラブです。お世話に参加して下さったのは、8人。

太郎と花子は、入れてもらった藁で、今年も上手に寝床を作っていました。

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長野生まれの花子は冬ごもり中ですが、冬ごもりというのは完全に寝ているわけではないので、私たちが行くと起きてきてくれます。

会員さんから送ってもらったドングリを、おいしそうに食べていました。(ええっ、冬ごもり中は何も食べないんじゃなかったの?)

それにしても、長野生まれの花子の冬毛のふさふさとしていること!

 

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 ドングリをおいしそうに食べる花子

 

一方、和歌山生まれの太郎くんは、冬ごもりをしません。冬でもちゃんと食べて元気に動いています。

それにしても、太郎君の冬毛の短いこと!

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1年中元気な太郎

同じツキノワグマでも、その土地の気候風土に適応できるよう、長い間には身体が変化していくのです。

今回参加して下さったみなさんです。

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お世話をありがとうございました。

1月16日23日豊能グマ近況 元気です

1月16日お世話日  ステンレスの容器に入れてもらったきれいな水を、おいしそうにごくごく飲んでいました。このクマが水を飲む姿を初めて見ました。

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1月23日お世話日  気分転換用に入れてあげた間伐材の輪切りを、右の歯で、左の歯で、交互にかんで、あっという間に粉砕してしまいました。

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この通り粉々です。我が家の17キロの犬は、かまぼこ板を与えると噛み砕きますが、間伐材の輪切りを与えると、歯が立ちませんでした。さすがに、クマはものすごい力です。犬とは比べ物になりません。

 

この日、自動撮影カメラをセットしました。クマが動くと、自動的に写真撮影動画撮影が始まります。クマにできるだけ負担をかけないように、弱い光で撮影します。1週間後が楽しみです。

 

 

秋田県阿仁熊牧場で開催された専門部会に熊森委員出席 1月15日

平成26年度第2回の利活用推進協議会専門部会が、北秋田市阿仁打当温泉で開催されました。

 

くまくま園のキーワードは、「動物愛護」であることを、まず最初にみんなで再確認しました。こんな場所が日本に誕生したことを、本当にうれしく思いました。

 

八幡平熊牧場に残されたヒグマたちをとりあえず全頭救命できたが、ただ終生保護飼育するだけではなく、今後どのように利活用していけばいいか、みんなで考えました。

ここを訪れた人々が、クマという動物を正しく理解できるようになり、森とクマの関係を理解し、深い動物愛護の気持ちが育つようにするには、説明者やイベント、展示など、今後様々なものを揃えていく必要があるということで、一同合意しました。

今後、施設拡充をめざしていくにあたって、熊森が以前集めた基金の残りがあるので、それらも使ってもらうよう熊森が申し出たところ、みなさんに大変喜んでいただけました。くまくま園の今後が楽しみです。全国から世界から、訪問客が来るような、感動的な施設にしていってほしいです。

 

また、経営破たんした八幡平熊牧場に残されたクマたちは殺処分するしかないという声も最初あったなかで、秋田県や北秋田市がどのようにして全頭救命に成功したのかも、記録に残してほしいです。秋田の人々の優しさが訪れた人たちに伝わり、みんなとてもうれしく幸せな気持ちになると思います。

 

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専門部会の様子2015.1.15 北秋田市打当温泉

専門部会委員 

①秋田市大森山動物園園長 ②秋田内陸縦貫鉄道社長 ③アドベンチャー・バケーション・ネットワーク代表理事

④北海道大学獣医学科教授 ⑤秋田県立大学生物資源科学部准教授 ⑥北秋田市阿仁猟友会会長

⑦NPO法人 冒険の鍵クーン ⑧男鹿水族館館長 ⑨日本熊森協会会長

1月30日 兵庫県西宮市快挙 人工島で3人にけがをさせたイノシシを捕獲し、山奥に放獣

「今、東京のテレビで、3人の人達に軽傷を負わせたイノシシを、西宮市が捕獲して、山奥に放してやったというニュースが流れています」

朗報第一報は、東京都の会員からでした。

 

くまもり本部は西宮市にありますので、わたしたち西宮市民としては、市担当者のみなさんのやさしさに本当に誇らしい気持ちになりました。

市役所には、多くの西宮市民から、イノシシを捕まえるのはいいが、殺さずに山に放してやってほしいという声が届き、最初、殺処分を考えておられた市の担当者たちが、方針を変えられたということです。

殺処分一辺倒の今の日本で、本当によくやってくださいました。

これぞ真の日本文化です。子どもたちも胸を痛めなくてすみます。ありがとうございました。

 

以下、産経新聞1月31日の記事です。

 

西宮イノシシ襲撃問題、殺処分

    →  一転放す 「うり坊」目撃情報、親子か

 

兵庫県西宮市の人工島で捕獲されたイノシシ=30日(西宮市提供)

兵庫県西宮市の人工島でイノシシに襲われ、3人がけがをした問題で、西宮市は30日、島内の公園でイノシシ1頭を捕獲し、市内の山奥に放したと明らかにした。

イノシシは見つかり次第、殺処分する予定だったが、幼いイノシシ「うり坊」1頭の目撃情報が寄せられたため、親子である可能性に配慮して方針を変えた。うり坊も見つかり次第、同じ場所に放すという。

市によると、イノシシは体長約1メートル、体重60キロの雌。30日午前9時ごろ、猟友会の会員が公園内のわなに掛かったところを見つけた。

市は「他にイノシシを確認していない」としており、平成25年10月から同一のイノシシが目撃されたとみている。イノシシの妊娠期間は4カ月弱のため、島にすみ着いてから出産したとみられる。市産業部の岩崎敏雄部長は妊娠の経緯について「捕獲したイノシシが山に戻ったか、雄のイノシシが島に来てまた山に戻った可能性がある」と推測している。

市は今年1月中旬に3人が襲われた後、わなを増やしたり、公園にフェンスを置いたりしていた。

 

1月15日 元気で全頭冬ごもり中、元八幡平熊牧場のヒグマたち 秋田県阿仁「くまくま園」視察

秋田県北秋田市阿仁熊牧場は雪の中でした。

毎日、飼育担当者の方々が冬ごもり中のクマたちを見回ってくださっています。ヒグマ棟に行くまでは、毎日の雪掻きが大変です。

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冬ごもり棟の中は、暗かったです。

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私たちが飼育員の方達と入っていくと、ほとんどのヒグマはのっそりとうれしそうに起きてきました。そして、飼育員の方々の手の指をペチャペチャなめたりしてみんな心から甘えていました。ここで、どんなに愛情を持って大事に飼育してもらっているのか、ヒグマたちの行動でわかります。

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一瞬廊下の電気をつけてもらいました。

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入れてもらった藁を細かくして、みんな上手に寝床を作っていました。(少し下手なのもいる)

この写真ではわかりませんが、冬ごもり中も、いつでも水が飲めるようになっていました。

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18頭のヒグマたちを、ひとつの運動場に出すことの苦労を、係りの方々からいろいろ聞きました。聞けば聞くほど大変だなあと思いました。

ここのヒグマたちは、避妊や去勢を一切していませんから、まず、運動場にはオスとメスを分けて出さねばなりません。ここはヒグマを動物福祉に配慮して終生保護飼育するところで、繁殖は一切させないことになっています。

 

ヒグマには、オス同士メス同士であっても、相性の悪い者たちがいるそうです。ケンカして傷つけあうことがないように、慎重に観察してグループ分けし、運動場に出しているということでした。メスなら1回に6頭を運動場に出せるグループ作りができたと、係りの方が自慢されていました。

何と言っても、クマは元々、森の奥で一人ひっそりと暮らしている動物なので、そういう動物を集団で飼うこと自体が、クマにとってストレスなのではないかと、係りの方が心配されていました。

 

250キロもあるコディアックグマの太郎くんは、1頭だけで運動場に出すそうです。初めて出した日、運動場の真ん中に造られた木造のあずまやを、さっそくポカンやって壊したそうです。全部壊す気かと思われたのですが、それ以降はなぜか、運動場に出してもらっても、もう壊さないのだそうです。太郎は反省したのかもしれないということでした。

室谷タロー④

八幡平にいた時の太郎 

ビッグとその兄弟のサチコだけは、他のクマが怖いらしく、1年前に八幡平からここへ引っ越してきて以来、何回運動場に出そうとしても、自分の部屋から出ようとしないのだそうです。

大変慎重なビッグは、八幡平から引っ越すときも、どんなにおいしいえさを置いても最後まで移送檻に移ろうとせず、何日間も引っ越しを長引かせて担当者を泣かせました。

運動場に出るためには、他のクマたちの部屋の前を通らねばならないので、それが怖いらしいということでした。今年は何とか、運動場に順次出れるようにならしていくと、飼育員の方が言われていました。

 

今は冬で、ヒグマの個室は暗くしてありますが、春になると太陽がそれぞれの部屋に差し込んできます。個室でも結構快適に暮らせるように設計されています。

 

私たちは18頭全頭にあいさつして回りました。本当にみんな幸せそうでおだやかないい顔をしていました。

 

このクマたちの救命、終生保護飼育をめざして、当時寄付して下さった多くのみなさんをはじめ、応援して下さった多くの国内外の皆さんに、ここのクマさんに会いに来てやっていただきたいと思います。見ていると人間の方も幸せな気持ちになってきます。クマたちも落ち着いたようなので、見学ツアー企画も考えていこうと思いました。すぐ前の森吉山は、野生のクマたちに会える山です。自然の森とクマの両方を見てもらえればいいなと思います。

 

ツキノワグマたちの方は、集団冬ごもり中のため、今回は見に行きませんでした。

 

 

2月17日(火) 平成26年度兵庫県野生動物保護管理運営協議会の傍聴を

今年4月以降、環境省の指導により、全国の野生鳥獣保護管理から、保護の字が取り外され、管理だけになります。管理という行政用語は、=殺すです。

 

野生鳥獣は害獣と決めつけられ、科学技術や株式会社まで使って、今以上に大量に補殺されるようになります。野生鳥獣大量虐殺(ホロコースト)がさらに促進されると言っていいと思います。

兵庫県に於いては、その変わり目となる、平成26年度兵庫県野生動物保護管理運営協議会です。

兵庫県クマの狩猟再開案が提出される恐れもあります。

 

・日時:平成27年2月17日(火)13:30~16:30

・場所:兵庫県立ひょうご女性交流館501号室

神戸市中央区下山手通4-18-1

兵庫県庁3号館の通りを隔てた北側

・電話:078-221-8031

 

1時間早めに行って登録しておけば傍聴できますから、メディアのみなさんをはじめ、猟友会のみなさん、県民や国民のみなさんにぜひお越しいただき、会議を傍聴していただきたいと思います。

兵庫県庁担当部署 電話078-362-3069

 

ちなみに、大日本猟友会長さんは、環境省が開催した会議で、今回の法改正は大変危険であり事故が増える恐れがあるとして、いくつもの点で反対されました。しかし、原案が強行されました。環境省付きの先生方は、現場をよく知る猟友会の方々の声をもっと慎重に聞くべきだと思いました。

 

かつて、環境省は、野生鳥獣を守るところでしたが、今はどこよりも大量殺害を進めるところです。

人間が行った戦後の森林大破壊によって、山で生きられなくなっている野生鳥獣たちへのお詫びは一切なく、増加する鳥獣被害問題に対して、第1次被害者である野生鳥獣を第2次被害者である農家に殺させて終わろうとしているのです。

このような対症療法のみの解決法は、ひたすら残酷であり農家の方々をも不幸にするもので、くまもりは人間として認められません。

 

◎ ご案内  映画「福島 生きものの記録1」上映&岩崎監督講演会  1月31日(土) 福島 二本松

以下は、熊森が懇意にしている季刊『道』からのお知らせです。
熊森もぜひ多くの方にご参加いただきたいと思うので、みなさ
んにお知らせさせていただきます。


来る2015年1月31日(土)、 
季刊『道』182号の巻頭対談で登場いただいた 岩崎雅典監督
製作の『福島 生きものの記録』上映会および 岩崎監督の講
演会を福島県二本松市で開催いたします。

 http://goo.gl/Rnb8Y3 


岩崎監督は、『野生の王国』や『生きもの地球紀行』 『地球
! 不思議大自然』など、動物の生態を 克明に記録した作品
を多く手がけ、 原発事故後は、被曝した福島の地域に残され
た野生動物、 家畜やペットなどの生きものに焦点を当て、 
その変化に見る事実、真実をドキュメンタリー映画にして 伝
えています。


 放射性物質は見えないし、匂わない。 それだけに、私たち
は、それがどれだけ危険であるかの実感を 持ちにくいところ
があります。
 加えて、原発事故は、とかく、賛成、反対という 人間中心
のものの見方、考え方で語られがちです。 それを、監督は、
自然、動物という視点でとらえ、 そこにある真実をたんたん
と伝えておられます。 この上映会は、岩崎監督と対談し、
またこの映画をご覧になって 多くの方に映画の内容を伝えて
いくことの大切さを感じられた UK実践塾代表の宇城憲治先
生の思いを受けて、 宇城先生に学ぶ塾生有志によって開催さ
れるものです。 


「今福島で何が起こっているか、そこにある真実に目を向け
ること」 の大切さを多くの方々に伝えたい―― 当日は、岩崎
監督の講演もあります。
 また対談のなかでのお話にも出た、牛を殺処分させず 生か
し続ける選択をされた「希望の牧場 ふくしま」代表の、 吉
沢正巳氏も参加されるとのことです。
 吉沢氏は、22日入荷の次号183号で 詳しく取材させていた
だいていますので、 こちらもぜひ合わせてお読みいただき、
ご来場ください。

 http://www.dou-shuppan.com/dou-lp/dou183.html 


- 映画「福島 生きものの記録1」上映&岩崎監督講演会 -
 日 時: 2015年1月31日(土) 13:00~16:00 
鑑賞料: 大人 1,000円/子供(中学生以下) 500円 
会 場: 福島県二本松市勤労者研修センター     
(福島県二本松市郭内1-5-1) 
申 込: どう出版に、お電話、FAXにて事前にお申し込み
ください。
 *上映会・講演会のお支払いは当日、現金になります。   
電話 042-748-2423   
FAX 042-748-2421   
詳細・ネットでの申込:http://goo.gl/Rnb8Y3
 真実を知るために、福島在住の方々はもちろんのこと、
 全国の多くの方にお越しいただきたいと思います。

1月14日 秋田にマタギの子孫を訪ねて

マタギについて、これまでいろいろな方の話を聞いたり、本を読んだりしてきました。関西に生まれ育った私たちにとっては、いまひとつ不明なマタギです。いろいろな説がありますが、マタギの子孫に会って直接話を聞いてみようと思い立ちました。

どんな問題でもそうですが、昔のことは今のように記録が残っているわけでもないので、何が真実か、なかなかわかりづらいものがあります。

 

秋田県上空で飛行機から秋田の山を見降ろしました。山の人工林部分と自然林部分が、はっきりと区別できます。黒く見えるのが、クロキと呼ばれるスギです。本当に黒く見えます。自然林部分は、落葉広葉樹が葉を落としているので、雪が積もり、白色です。

こうやって見てみると、秋田県の山も、スギだらけです。人工林率50%と発表されていますが、本当だろうか、もっと人工林率が高いのではないかと思えてきます。

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これまで秋田行きは、内陸の大館能代空港を利用することが多かったのですが、今回は秋田空港着です。秋田は大雪で埋まっていると思ってやってきたのですが、日本海沿岸には雪がほとんどありませんでした。当然ですが、同じ県でも場所によって降雪量は全然違います。

 

マタギの里は、雪で埋まっていました。

 

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マタギの子孫の方に、8時間もの長い時間、お話をお聞きしました。それでもまだ聞きたいことが残ってしまい、もっともっと時間が欲しいと思いました。とても興味深く楽しい語らいで、夢中になって聞いてしまいました。

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<熊森がした主な質問>

・マタギとは何か。

・マタギであった祖父や父親の暮らしはどのようなものであったか。

・なぜ、マタギを継がなかったのか。

・今後のクマや森への思い。

 

マタギの家に暮らした方のお話は、マタギを取材したり研究したりした方のお話より、直接的でした。

 

この方は、初めて銃を撃ったとき、獲物に命中したのだが、致命傷を外れていたので、獲物はケガをした形になったそうです。そのとき、銃を撃ったのは自分だが、突然獲物がかわいそうになって、何とかして助けてやりたい、生かせないか、撃たなければよかったと強く思ったそうです。これが、この方がマタギを継がなかった理由の一つです。わかるような気がしました。いろいろな人がいますが、ほとんどの人間はこのタイプだと熊森は思います。

 

この日の語らいで一番驚いたのは、マタギのみなさんが、クマを山神様からの授かりものとして、とても大切に思って愛していたことです。昔、クマは害獣ではなかったのです。

 

必要なものしかとらないのがマタギで、祖父が生涯に獲ったクマは50頭ぐらい。発達した銃を使って多くのクマを獲った父親でも、生涯に100頭ぐらいだろうということでした。巻き狩りは30人ぐらいで行うそうですから、一人あたりの分け前は知れていたのではないかと思いました。アイヌの、クマを神として崇める文化との共通性を見ました。

 

また、映画や漫画などに出て来るマタギの話の中に、いくつもの嘘があることを思い知らされて愕然としました。そういう物は、娯楽として面白おかしく衝撃的に作られており、マタギはあんなことしないよ、クマはあんなことしないよと教わるたびに、熊森としてこれからどうやって世間に訂正していけばいいのだろうかと、頭を抱えてしまいました。

 

少年時代、マタギの祖父や父親と野山を走り回ったというこの方は、秋田の大自然が育てた生き物や人へのやさしさと魅力でいっぱいでした。秋田でも、山奥に造られた道路やスキー場によって、野生動物たちが山から追い出されているそうです。20年前までは、冬の山は、ウサギの足跡だらけだったが、今は本当にもう見なくなった。ヤマドリとも本当に会えなくなった。感覚的には、山の生き物たちは、以前と比べて10分の1に減ったと思うと言われました。秋田でも、大変な事態が進行していることがわかりました。

 

最後に、この方が、「山を思う気持ちは、マタギでなくても必要です。守っていかないと、いつか山はダメになってしまう」と言われたのが心に残りました。

 

聞かせて頂いたたくさんの貴重なお話を、今後何らかの方法で会員のみなさんに伝えていきたいと思います。

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