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2015-01-15
1月15日 元気で全頭冬ごもり中、元八幡平熊牧場のヒグマたち 秋田県阿仁「くまくま園」視察
秋田県北秋田市阿仁熊牧場は雪の中でした。
毎日、飼育担当者の方々が冬ごもり中のクマたちを見回ってくださっています。ヒグマ棟に行くまでは、毎日の雪掻きが大変です。
冬ごもり棟の中は、暗かったです。
私たちが飼育員の方達と入っていくと、ほとんどのヒグマはのっそりとうれしそうに起きてきました。そして、飼育員の方々の手の指をペチャペチャなめたりしてみんな心から甘えていました。ここで、どんなに愛情を持って大事に飼育してもらっているのか、ヒグマたちの行動でわかります。
一瞬廊下の電気をつけてもらいました。
入れてもらった藁を細かくして、みんな上手に寝床を作っていました。(少し下手なのもいる)
この写真ではわかりませんが、冬ごもり中も、いつでも水が飲めるようになっていました。
18頭のヒグマたちを、ひとつの運動場に出すことの苦労を、係りの方々からいろいろ聞きました。聞けば聞くほど大変だなあと思いました。
ここのヒグマたちは、避妊や去勢を一切していませんから、まず、運動場にはオスとメスを分けて出さねばなりません。ここはヒグマを動物福祉に配慮して終生保護飼育するところで、繁殖は一切させないことになっています。
ヒグマには、オス同士メス同士であっても、相性の悪い者たちがいるそうです。ケンカして傷つけあうことがないように、慎重に観察してグループ分けし、運動場に出しているということでした。メスなら1回に6頭を運動場に出せるグループ作りができたと、係りの方が自慢されていました。
何と言っても、クマは元々、森の奥で一人ひっそりと暮らしている動物なので、そういう動物を集団で飼うこと自体が、クマにとってストレスなのではないかと、係りの方が心配されていました。
250キロもあるコディアックグマの太郎くんは、1頭だけで運動場に出すそうです。初めて出した日、運動場の真ん中に造られた木造のあずまやを、さっそくポカンやって壊したそうです。全部壊す気かと思われたのですが、それ以降はなぜか、運動場に出してもらっても、もう壊さないのだそうです。太郎は反省したのかもしれないということでした。
八幡平にいた時の太郎
ビッグとその兄弟のサチコだけは、他のクマが怖いらしく、1年前に八幡平からここへ引っ越してきて以来、何回運動場に出そうとしても、自分の部屋から出ようとしないのだそうです。
大変慎重なビッグは、八幡平から引っ越すときも、どんなにおいしいえさを置いても最後まで移送檻に移ろうとせず、何日間も引っ越しを長引かせて担当者を泣かせました。
運動場に出るためには、他のクマたちの部屋の前を通らねばならないので、それが怖いらしいということでした。今年は何とか、運動場に順次出れるようにならしていくと、飼育員の方が言われていました。
今は冬で、ヒグマの個室は暗くしてありますが、春になると太陽がそれぞれの部屋に差し込んできます。個室でも結構快適に暮らせるように設計されています。
私たちは18頭全頭にあいさつして回りました。本当にみんな幸せそうでおだやかないい顔をしていました。
このクマたちの救命、終生保護飼育をめざして、当時寄付して下さった多くのみなさんをはじめ、応援して下さった多くの国内外の皆さんに、ここのクマさんに会いに来てやっていただきたいと思います。見ていると人間の方も幸せな気持ちになってきます。クマたちも落ち着いたようなので、見学ツアー企画も考えていこうと思いました。すぐ前の森吉山は、野生のクマたちに会える山です。自然の森とクマの両方を見てもらえればいいなと思います。
ツキノワグマたちの方は、集団冬ごもり中のため、今回は見に行きませんでした。
1月15日 尼崎市の小学校で環境教育
1月15日に、兵庫県尼崎市内の小学校で、
3学年を対象に、環境教育をさせていただきました。
今回は、8人で授業に臨みました。
5年生『森と人間』
前半は、私たち現代人にとって森が必要かどうか、
昔と今の生活を比較しながら考えていくプログラムです。
さすが上級生、少し難しいお話でも、みんな真剣に耳を傾けてくれました。
後半は、森の現状とこれからについて。
8000年前から今に至る、世界の森の面積の減少を図示したところ、
子どもたちからは驚きの声があがりました。
1年生『もりとどうぶつ』
クマの食べ物クイズや紙芝居を通して、森が動物にとって
なくてはならない存在であることを伝えるプログラムです。
食べ物クイズでは、みんな元気いっぱいに手を挙げてくれました。
一方、紙芝居が始まると、子供たちは、とたんに真剣なまなざしに。
子どもたちが集中して参加してくれている様子に、私たちもやりがいを感じました。
3年生『森の力と動物』
自然の森と人工林を、「動物」「土」「水」「建材」の4つの観点で比較しながら見ていきます。
各観点をクイズ形式で見ていくのですが、みんな活発に発言してくれました。
木の根っこ比べでは、「おお~」とみんなどよめきの声。
視覚的な授業の大切さを実感します。
環境教育を終えて
今年も、子どもたちから大きな元気をもらい、楽しい一日となりました。
そして、授業者として、今回もたくさんのことを学ばせていただきました。
森や自然とかかわる機会の少ない都会の子どもに、
どうやったら自然の事を伝えられるのか、時々悩むことがあります。
しかし、実物を見せたときの、子どもたちのきらきらとした表情に、
子どもたちの心の中には、もっと自然を知りたいという意思があるように感じました。
私たちの環境教育が、子どもたちの自然への興味関心を引き出す
きっかけになれればと願い、これからもがんばっていこうと思います。
この学校で授業させていただくのは、今年で連続13年目。
毎年、環境教育の機会をいただけていることに、心から感謝です。
関係者の皆様、本当にありがとうございました。
<くまもり本部環境教育チーム定例会のお知らせ>
環境教育部は、毎月第2金曜日午後13時から、
西宮市の本部事務所にて定例会を開いております。
次回は、2月13日(金)13:00~です。
現在は‘水’をテーマにした新プログラムを考案中。
初めての方でも大歓迎ですので、どうぞ、お気軽にご参加ください。(SY)