ホーム > アーカイブ > 2015-02
2015-02
豊能グマ、元気です & 獣舎建設進捗状況
- 2015-02-06 (金)
- _野生動物保全 | くまもりNEWS | 豊能町誤捕獲クマ「とよ」
2月の6日のご報告
日光を浴びて、大好きなイチゴをいただく豊能グマ。至福の時間です。
それにしても、たくさん藁を入れてもらっていますね。足が埋まっています。
2月13日のご報告
山口県支部のみなさんから豊能のクマさん支援として、藁より水切れがいいというカヤや、果物などが、どっさり本部に届けられました。みなさん、ありがとうございます。
この日はこれらを持ってお世話に行きました。残念ながら、豊能グマは、ミカンやサツマイモ、ギンナンなどには、見向きもしませんでした。食べたことがない物は食べないのかもしれません。リンゴやクルミ等、いつも与えているものを食べました。
カヤを檻に入れてもらう
2月20日のご報告
おなかもすいていないし、のども渇いていないようでした。きれいなお水を入れてやっても飲みませんでした。
リンゴとキウイを少し食べると、後は、檻の中ではしゃいでいました。
ヒノキの間伐材の輪切りはお気に入りで、うれしそうに齧ります。齧りきるとなくなることを覚えたのでしょうか。このごろは、いったんかみ砕いたかけらを拾って、さらに細かくかみ砕くようになりました。ときにはかじり甲斐のないようなほんとうに小さなかけらまで拾い上げて口に運ぶこともあります。退屈しのぎでしょうが、檻の中では、これしかすることがありません。
ヒノキ間伐材の輪切り齧りに夢中の豊能グマ
ひとしきり遊び終えると、甘い干し柿の差し入れをぱくぱく食べました。殻付きクルミもあのかたい殻をパキッとよい音をたててかじります。ただ、かじるだけで、 あまり実を食べていないように見えます。おなかがすいていないのかもしれません。
3つあるステンレス製の水入れパッドが、2つしか見当たりません。1つは藁の中に入ってしまっているのだと思います。探しても見つかりませんでした。
お掃除の最後に、水入れバットをきれいに洗って底面にマグネットシートを両面テープで貼り付け、床に固定して水を張ったところ、ひとつのバットはさっそく軽々とクマにひっくり返されてしまいました。バットを置き直してもう一度水を張って帰りました。後で飲んでいるかな。
山口県支部差し入れのカヤ(茅)は、クマさんにとっては、ワラより馴染みのある植物だろうと思われましたが、クマさんは、ワラもカヤも区別せず同じように利用しているようでした。
●獣舎建設がどのくらい進んでいるか、建設現場を見に行ってきました。3月末には完成します。
くま保護基金は、現在600万円を超えたところです。みなさん本当にありがとうございます。
今回は、1500万円をめどに基金を集めています。
クマの場合は、よほど頑丈な獣舎でなければ飼育許可が出ないため、クマの獣舎を造るには、想像を超えた驚くほどのお金がかかります。
まだの方で、余裕のある方は、どうぞご寄付のほどをよろしくお願いします。
熊森は、このクマを飼うことでクマへの理解が広がり、クマの保全、クマの棲む森の保全・復元・再生が進むことを願っています。
この時期赤い九州の山
2月1日、飛行機で大阪伊丹空港から九州へ行きました。この日は珍しく、ずっと空が晴れ渡っており、下界がよく見えました。まるで、地図帳を見ているようで楽しかったです。
下の写真は、四国の山です。奥地の高い山の尾根筋に、風力発電の風車がずらりと並んでいました。遠すぎて、風車が回っているのか止まっているのか、わかりませんでした。尾根は山の命、ここをコンクリートで固めてしまったのでは、この山はもう荒れていく一方でしょう。残念。
四国の山の尾根に連なる風車
飛行機が九州の上空にさしかかり、高度を下げ始めました。
人工林がスギの花で赤く染まっています。
杉の花で赤く染まる九州の山々
こんなに多くの花が付くのも、カメムシが大発生するのも、山の自然が壊れているからだそうです。この町の人工林率は、70%にものぼります。自然林は緑色ですから、この時期、区別がはっきりとつきます。不自然に多く植えられてスギやヒノキが弱って来ており、必死で子孫を増やそうとしているのです。
専門家によると、ヒノキの一つの球花の汁を吸って、5~6匹のカメムシが育つそうです。
植え過ぎた人工林―花粉症の増加―カメムシの大発生、これらはつながっているということです。
国策によりスギやヒノキで埋まってしまった九州の山ですが、自然の山を取り戻そうと、コツコツと 広葉樹の実のなる木をこの町で植え続けておられる方がいます。尊いことです。
「リニア中央新幹線」建設批判封殺の背後にあるもの
- 2015-02-05 (木)
- くまもりNEWS
リニア新幹線沿線住民ネットワークは2014年12月16日、国交大臣が出したリニア中央新幹線工事実施計画承認に対する異議申立て書5048通を国交省の鉄道局施設課に提出しました。わずかの期間に、5000を超える国民から異議申し立てが出たことを、国もJR東海も無視できないはずです。しかし、ほとんどのマスコミが取り上げなかったため、熊森も異議申し立て書がいつ提出されたのか知りませんでした。
〇どうしてマスコミはリニア推進記事しか報道しないのか
不思議に思っていたところ、LITERAがこの問題を取り上げていました。以下に、一部紹介します。
<マスコミが抱える“JRタブー”>LITERAより
今月(1月)8日、「週刊プレイボーイ」(集英社)のウェブニュースサイトに、「リニア報道に圧力が? メディアは不都合な真実をなぜ伝えられないのか!」と題された記事が掲載された。執筆者はリニアへの取材を続けるジャーナリスト・樫田秀樹氏。その内容は、リニア計画に対する異論を封殺する動きがあることを指摘したものだ。
日本最大の公共交通機関であるJRはマスコミの広告元として強大な地位を占めている。加えて、新聞・週刊誌はJRの販売店「キヨスク」での取り扱いの比重が大きい。つまり販売ルートをガッチリと押さえられている。その上、すでにリニア計画は一企業の枠を超えて“国策”の様相を呈し始めている。(どおりでマスコミが口をつむる訳だ)
<熊森から>
リニア中央新幹線は、日本の歴史始まって以来の巨大国土破壊となります。勇気あるジャーナリストが各所に出てきて、本当にこんなものを造っていいのか、しっかりと実態を報道して欲しいです。
実態さえ国民に伝われば、ほとんどの国民は「夢のリニアモーターカー」が「悪夢のリニアモーターカー」であることに気づき、日本の国土を愛する気持ちが強い人ほど、建設に反対すると思います。
ほとんどが地下走行ですから、巨大地震が起きたら、救出不可能の上、復興も不可能です。(コンクリートは地下深く流し込むことはできますが、いったん固まったら地上に取り出すことはできないからです)国土弱体化の最たるものです。
ぜひ、良識ある国民の力で、建設見直しにもっていきましょう。
またクマ、林業作業員重傷 北海道・厚岸の国有林 近くに巣穴 地元猟友会はクマの駆除(=捕殺)開始
先日の1月26日、釧路管内標茶町の塘路原野の山林で同僚5人と枝打ち作業をしていた男性がヒグマに襲われ死亡するという痛ましい事故が起きたばかりです。1970年以降、このような事故は7件だそうです。
ヒグマは、人間が自分たちを殺そうとしている怖い動物であることをよく知っており、通常、簡単には巣穴から出て来ません。山林作業の音や振動でびっくりして飛び出してきたと思われます。子育て中の母熊だったそうです。
地元は、この母熊を見つけて殺処分しようとしていますが、北海道野生動物研究所所長の門崎允昭博士は、マスコミの取材に対して、「クマも被害者だから、殺すべきではない」と答えられました。しかし、マスコミはこの部分を世に伝えませんでした。
(こうして、マスコミによって、ゆがんだ世論が形成されていくのです)
1週間後の2月2日、またまた同様の事故が近くで起きました。今回、クマが出てきたとみられる巣穴は、入り口の直径が50センチ以上と大きく、オスの可能性もあるということです。そんな大きな穴を、どうして事前に人間側が察知できなかったんでしょうか。
NHKテレビニュースでは、アナウンサーが、もうやるせないという感じで、「また、クマによる被害です」と、ニュースを読み上げ始めました。この方の、道徳観や倫理観はどうなっているのだろうかと熊森は疑問に思いました。事故は痛ましいものですが、明らかに非は人間側にあります。
地元猟友会は、さっそくこのヒグマの捕殺に乗り出したそうです。
今後、ヒグマが冬籠りしているそばで林業作業をすることを、人間側が反省して見直さない限り、また同様の事故が起きるでしょう。その度に、ヒグマを殺せでは、とても共存などできません。人間は本来備わっている慈悲の心を取り戻しましょう。
<以下は北海道新聞2月3日記事>
【厚岸】2月2日午後2時35分ごろ、釧路管内厚岸町上尾幌の国有林で、樹木の調査業務を行っていた森林林業調査研究所(帯広市)の作業員岩田正則さん(74)=帯広市西16北2=がヒグマに襲われ、顔などを引っかかれて重傷を負った。
厚岸署などによると、同研究所は根釧西部森林管理署(釧路市)の委託を受け、12人で2日午前8時から樹種ごとの太さや高さなどを調べ、伐採する木の選定作業を行っていた。3人一組で作業中、突然ヒグマが現れ、岩田さんが襲われたという。
事故現場は釧路管内標茶町との境界付近。1月26日には、直線距離で約15キロ離れた標茶町塘路原野で別の会社の林業作業員がヒグマに襲われ、死亡する事故が起きているが、同研究所は特にクマの対策をとっていなかったという。
標茶町の事故との関連について、猟友会関係者は今回の事故現場近くにクマの冬眠する巣穴があり、別の個体の可能性が高いとみている。
本当は、人間に生息地を奪われさまようイノシシ マスコミの「イノシシが生息地拡大」報道は、誤り
兵庫県西宮市浜埋立地でイノシシが捕獲され、山に放獣されたという報道の中に、イノシシが生息地を拡大して人間の生息地にまで出て来たという説明がありました。しかし、事実はその真逆です。
山すそから3分の2の高さまで宅地化が進んでいる西宮市苦楽園町
何十年か前までは、山はイノシシたちの国でした。そこに人間が近年どんどん入り込んで、道路や住宅を建設しました。イノシシを追い出したのは、人間の方です。(もっと昔は、平地にもイノシシが棲んでいました)
下の地図の右下山脈は神戸市の六甲山脈です。
神戸市北区、三田市、加東市、三木市で囲まれた山に、ナメクジが這ったような跡が一面についていますが、これがゴルフ場です。一体いくつゴルフ場を作ったのでしょうか。兵庫県は北海道に次いで2番目にゴルフ場が多い都道府県です。ゴルフ場にする前は、ここはイノシシたちの国だったのです。
これからは人口もどんどん減って来るのですから、これまで人間が力づくでイノシシから奪ってきた大地を、少しずつイノシシに返してやるようにすべきでしょう。時たま真夜中にイノシシと出会いますが、少し道を避けて帰ればいいだけです。殺す必要など全くないと思います。
ある方が、高等動物は本来みな、他者の身に起きていることを自分の身に起きているように頭の中でシュミレーションする能力を持っていると言われています。
イノシシだって、殺されたらつらいだろうな、悲しいだろうな、このような共感能力があるから、みんなで助け合って、支え合って、すべての生き物たちとつながりあって、今日まで人間は生きて来れたのです。今も昔も、無用の殺生はすべきではありません。
日本人は狩猟民族ではないことを証明 マタギ資料館
- 2015-02-02 (月)
- くまもりNEWS
北秋田市マタギの里打当(うっとう)温泉に隣接するマタギ資料館を、見学させていただきました。そこに、マタギの祖先に関することが展示されていました。以下。
日本人はずっと狩猟民族であったという環境省と、弥生時代からは稲作漁労民であるという熊森が、以前、激しく対立した時期がありました。当時、熊森が環境省に、「狩猟者を増やしたいあまり、史実と違うことを国民に広めるのはねつ造で良くない」と、申し入れたところ、証拠を出せということになりました。昔の文献などほとんどないので困りました。
ところが、今回、マタギ資料館の展示物に、上の<マタギの秘伝書>を見つけたのです。これによると、マタギの祖先は、山中で自由に狩猟をおこなえる特権を得て、動物を殺生することを許されたとあります。展示物の下に古文書が置いてありました。証拠を見つけた!他にもこの関連の展示がありました。
狩猟が特権であったということは、一般の人々には許されていなかったわけで、日本民族はみんな狩猟民族であったという環境省の主張をこれで覆すことができます。
環境省の後ろには必ず、環境省系の研究者がついているわけで、その人たちがこの展示を見たら、外してしまうのではないかと心配になってきました。研究者はどこまでも真実を追究すべきで、ねつ造する研究者は許されないと思います。
お寺の裏山の人工林を、くまもり本部が無料伐採その2 兵庫県三田市 1月19日
1月19日、この日は三田市のお寺の裏山の伐採第2回目です。
前回の伐採で少し空が明るくなったと感じましたが、外から見るとあまり変わっていません。
この日はまず、建物に一番近くて、危険な立木に印をつけていきました。
前回同様、チルホールを使いますが、今回は枝打ち用のはしごを持ってきたので簡単に滑車を掛けることができました。
枝打ち梯子に昇って作業風景を撮影するとこんな感じです。玉切りした丸太が斜面を転げ落ちないように伐根(伐採した後の株)に引っかけるようにして置いていきます。
この日初めてボランティアに参加された方ですが、普段からチェンソーを使って公園整備などをしているので、慣れた手つきでどんどん玉切りしていきます。
一人でこんな丸太も持ち上げます。あまり無理しないで!(笑)
この日は16本切りました。だいぶ林内が明るくなってきたと感じます。
ヒノキで40cmは結構太い方だと思います。樹高は24m程でした。
お寺にある柿の木にはたくさんの実がついており、いろんな小鳥が柿を食べにやってきます。
この日は、前回窯でごはんを炊いてきてくださった地元の方の自宅にお邪魔しました。
玄関にも太陽光パネル。これは携帯の充電用だそうです。
ここでお釜のごはんを炊いたそうです
室内に設置された薪ストーブ
お風呂も薪で沸かしています
ここまで徹底して薪を利用し、自然環境に優しい生活をされており、とても勉強になりました。
このお寺の伐採はあと数回で終わってしまうと思いますが、ここでできた地元の方々との人間関係を今後も大切にしていきたいと思います。