くまもりHOMEへ

ホーム > アーカイブ > 2015-04

2015-04

癒されます 週刊文春4月30日号に、大阪府豊能グマ写真 

京都府会員から、本日発売の週刊文春に豊能町誤捕獲グマの記事が載っているという連絡を受けました。

一番の当事者である当協会が取材を受けていないのに、どんな記事になっているのか心配になりました。

 

さっそく、近くのコンビニに飛んで行って文春の立ち見をしたのですが、記事がさっぱり見つかりません。

何かの間違いかもしれないと帰ろうとして、裏表紙から5枚ほどめくったグラビアコーナーに載っているのを、やっとのことで見つけました。

 

プロの写真家が撮ったからでしょう。

まず、クマと住職さんの表情豊かな写真が、とにかくすばらしい。このページを見ているだけで、心が癒されます。見入ってしまいます。

添えてある文章も、読ませます。

 

ほっとしました。皆さんも良かったら、今週の「週刊文春」4月30日号を手にしてみてください。

 

ここに至るまでの、熊森メンバーの大変な努力は一切書かれていませんが、そんなことを世に認めてほしいと思って活動しているメンバーは熊森にはだれ一人いませんから、まあいいかと思いました。

新獣舎への移送時の、当協会の名前を一斉に伏せたマスコミ報道と違って、住職さんの、「獣舎も餌も、日本熊森協会が寄付を募って提供してくれている」というコメントがきちんと載せられています。

 

ちなみに、記事では、このクマの名は、これまで仮称として私たちが使ってきた「トヨ」という名になっていました。

 

クマが、人間と心を通じ合わすことのできるすばらしい動物であることを、この1枚の写真が世に十分に伝えています。この獣舎を建設して良かったと、改めて思いました。寄付してくださった皆さん、本当にありがとうございました。

 

行政に記者会見を止められたこともあって、寄付金はまだ必要経費の半分強しか集まっていませんが、気長に集めていきます。

 

快挙! 神奈川県、犬猫の殺処分ゼロ 

以下、毎日新聞4月16日より

2014年度神奈川県動物愛護センター猫は初、犬は2年連続0

神奈川県は、飼い主に捨てられるなどして県動物保護センター(平塚市土屋)に収容された猫や犬の2014年度の殺処分が共にゼロになったと発表した。

県は「新たな飼い主を探す取り組みの成果だが、収容される動物を減らすのが根本的な殺処分対策。飼い主に最後まで育ててほしい」と呼び掛ける。

 

県によると、13年度にはセンターが収容した猫634匹のうち、398匹が殺処分された。14年度は595匹を収容、野良猫が産んだ子猫が相当数に上るとみられる。

殺処分ゼロは、収容された動物を引き取り、新たな飼い主を探す登録ボランティアの活動によるところが大きい。

 

一方、犬は14年度に収容された508匹のうち、飼い主からの持ち込みが88匹、迷子犬が420匹だった。

統計は3政令市(横浜、川崎、相模原)と横須賀市、藤沢市を除く県全域の実績。

問い合わせは県センター(0463・58・3411)。

 

(熊森から)

本当にすばらしい。日本でこんな時代が迎えられるなど、夢のようです。当協会の会員の中にも、犬猫の殺処分ゼロをめざして涙ぐましい努力を何十年も続けておられるボランティアさんがたくさんいらっしゃいます。今後、犬猫の殺処分ゼロの流れは全国に広がっていくことでしょう。

 

何の見返りも求めずこの運動に本気で関わっておられる名もなき市民や行政担当者など、善意の皆さんのご苦労ご努力に、心からお礼申し上げます。

 

生き物の命を大切にする社会は人間の命をも大切にする社会となります。動物にはもちろん、人間にとってもいい社会となります。

4月16日 威嚇しては寝室に戻る豊能グマ 一般公開1週間目の野生 

この日は、これまでこのクマに餌を与え、移送檻を掃除し、このクマが狭い檻の中で精神的に参ってしまわないようにはげましの声を掛け続けてきてくださった、くまもりのクマ、ベテランお世話隊の人達が集まりました。

まず、獣舎の前で打ち合わせです。

s-IMG_0749

クマの状態を調べながら、動画を撮影します。

https://youtu.be/Z_QN0xRmYKw

 

クマは見かけと正反対で、とても臆病な動物です。知らない人が次々と見に来るのが、まだ、怖くてたまらないらしく、人が来る度に走って行って、必死に檻に体当たりして威嚇して回っていました。

 

威嚇に忙しく、せっかく与えた大好物の食べ物も、ほとんど手を付けませんでした。まだ人に慣れない野生グマを、一挙に、一般に公開してよかっただろうか。もう少し人間に慣れるまで、非公開にした方が良かったのではないか・・・いろいろと考えてしまいます。

 

しかし、運動場のいたるところに落とされた沢山の糞を見て、人間が来ないときには間違いなくしっかり食べていることが確認されました。人間に会うのが嫌なら、隠れておれる寝室も用意してあるし・・・。もう少し、様子を見てみることにします。クマは、ベテランお世話隊の人達とは、目と目を合わせていました。

 

棒で獣舎の鉄格子をたたいたりした人がいたようです。親しみのつもりかもしれませんが、クマはとても怖がりなので、そっとにこやかに見るだけにしてやってほしいと思います。

 

この日は桜の花びらがプールにたくさん落ちていました。クマの顔に桜の花びらがくっついて泳いでいるのが、とてもかわいかったです。それにしても、まだ寒いのに、クマは何度もプールに飛び込んでいました。

s-IMG_0770

 

どんなものを与えていけばいいのか、いろいろと研究しています。

s-IMG_0757

s-IMG_0777

s-IMG_0762

 

あんなに大好きだったタケノコやリンゴですが、今はもう食べません。ブドウとキウイが今は大好物です。キウイは丸ごと食べます。干物の魚は、頭を残して食べます。(人間みたいですね) 去年の秋の ドングリ、今春のフキ・・・いろいろ並べて、餌を研究しています。

 

s-IMG_0779

 

このクマは、いったん野生で大人になったクマですから、赤ちゃんの時に母を撃たれて孤児グマとなった和歌山でお世話中の太郎や花子とは、かなり嗜好や反応に違いが出てきそうです。いったん飼ったからには、最後まで責任を持って、お寺の方たちと協力して、楽しんでお世話をしていきます。(とてもかわいい顔をしたクマなのですが、あまりにもクマの動きが速いので、写真にうまく撮れません。どなたか、いい方法があれば教えてください)

リニアって、何これ

4月25日大阪市弁天町での講演が予定されている樫田秀樹氏の本を読んだ、リニアに反対していなかった会員たちから届いた声を2つ紹介します。

 

A氏

私も皆さんと同じように、樫田さんこの本を読む前はリニア反対ではありませんでした。むろん賛成もできなかったけど。ですが、リニアのことをいろいろと調べ出してみて、リニア計画が「まるで原発と同じ」ような構造を持っていると感じ、「正気の案」とは思えない。欲に目のくらんだ「狂気の案」と感じています。これを通 させたら、日本は一層悪くなっていくと思うようになりました。何か動きを始めなくてはと考えています。

 

B氏

熊森本部より送っていただいた樫田さんの本を早速読み始めました。

まだ途中ですが、いやはや、これは恐ろしい計画です。

まさに、原発と同じ構造です。
というより、私はその前、近代以降で考えると、「日中戦争・太平洋戦争」もまた同じ構造だと思います。
ある種のバラ色の夢を与えて国策化し、本当のことはひた隠しにして議論を封じ、一部の者だけで推進し、マスコミは批判もせず、むしろ煽り立てる。
「戦争」「原発」「リニア」と来たわけです。
そこにあるのは「目先の利益」、「秘密主義」と「言論封殺」です。
たった数十分を短縮するために、巨大な決し て取り返しのつかない環境破壊が始まろうとしていることがわかってきました。
 ●
必要なのは、「オープンな徹底した議論」だと思います。
時間をかけて、とことん議論をする、皆が納得するまで考える。
時間に制約をかけてはいけない。
私たちには、本当は何が必要なのか?何が大事なのか?
そのことを丁寧に、冷静に議論できるのか、私たち日本人全員が問われている気がします。
できなければ、日本の未来は見えなくなります。
 ●
戦後ひたすら経済を優先して、誇りも尊厳も棚上げして、現状追認に終始してきた日本人に、新たな難題が降りかかってきた。
これは重大な試練です。
まさに現代を生きている日本人の真価が試されています。

 ●
熊森各支部は、この本を常備して、支部の中でも回し読みしてほしいと思います。
 ●
<熊森本部から>
皆さんもリニアについて、熊森本部までご意見をお寄せください。

豊能グマ 移送後3日目 獣舎に悲しい張り紙がなされていた

移送日翌日にクマを見に行ったメンバーから、熊森所有の獣舎に悲しい張り紙が貼られているという情報を得ていました。この日、熊森幹部が現地を見に行きました。

s-IMG_7899

何、これ?

 

IMG_7898

 

「この動物は人の命、身体及び財産に害を与える恐れがある動物であるため、第三者の接触等を禁止します。」

大阪府

 

私たちは、クマと人はこの国で棲み分けて共存できることや、クマのやさしくてがまん強い、平和的な本当の姿を大阪府民のみなさんに知ってもらいたくて、大変なお金や労力を出し合い、大阪府によって殺処分が決定していたこのクマの保護飼育を続けてきました。行政は1円の補助金も出されませんでした。冷や水を浴びせるというのは、このことでしょうか。

 

クマは、大変臆病な動物です。その臆病さゆえに、うっかり人と出会ってしまった時、人から逃げようとして人を前足ではたいて、多くはひっかき傷、たまには大怪我を人に与えることがあります。そういう事故が起こらないように、この獣舎は、鉄格子間隔5センチという大阪府規定の狭さを、わたしたちは泣く泣く飲んだのです。このクマは、大阪府規定にパスした頑丈な鉄とコンクリートの中に生涯閉じ込められるのです。人の命、身体、財産にどうして害を与えることなどできるのでしょうか。

 

このクマが字が読めたなら、この看板を見て、胸をつぶす思いでしょう。どんなに悲しいことでしょうか。クマに対して、一番、誤ったイメージを持っており、一番、勉強が必要なのは、大阪府行政のようです。当協会の所有物である獣舎に、無断でこのような張り紙を張るのはいかがなものでしょうか。

 

これまで、全国でクマを飼っておられる方々を多く訪ねて回っていますが、こんな張り紙をされたクマを、見たことがありません。府民の皆さんはどう思われますか。とりあえず、私たちは、横に、クマの本当の姿を書いた紙を貼って帰りました。

 

IMG_2185

 

移送後2日目の豊能グマ 4月11日

移送後のクマさんが心配で、これまでこのクマをお世話をしてきた
熊森のお世話隊のメンバーたちでお寺まで行ってきました。ちょう
ど、副住職さんがおられて、とても協力的で親切にして下さいまし
た。
獣舎内は、何もかもが散乱していて、容器はひっくり返され、水入
れは泥まみれです。クマがこの2日間、どんなに獣舎内を走り回った
かが目に見えるようでした。

s-IMG_1979
散乱状況

この日は、友だち連れの若者、カメラを持った男性など、マスコ
ミ報道でクマのことを知ったのか、20~30人ばかりが獣舎を訪れ
られたようです。


そのなかで、ひとり、とても熱心にこのクマを見ておられた男性
がいらっしゃいました。

お話を伺ってみると、なんと昨年の春、箕面市の山林でどうも、
このクマに遭遇されたようなのです。当時、警察に届けられたの
ですが、箕面市にクマなんているはずがないと、信じてもらえな
かったのだそうです。

山林でクマに出会った時、クマは鼻を上にあげてにおいをかぐよ
うな仕草をしたあと、男性に気づいてびっくりしたように藪の中
に逃げていったとのことでした。イノシシとちがう強い獣臭がし
たそうです。しっぽは見えず、後脚は内股。50kgくらいの大きさ
だったと言われます。


男性はこの1年というもの、熊森のHPを読んだりしながらクマの
安否をずっと気にかけてこられたそうです。


男性は実際にクマに会ったことで「怖いと思っていたクマのイ
メージが変わってしまいました」とおっしゃっていました。
自分に襲いかかってくるかもしれないと思ったクマが、クマの方
から逃げていったからでしょう。

大変興味深いお話でした。この男性は、「くま保護基金」の寄付
のチラシをお持ち帰りくださいました。
また、このクマに会いに来てくださるのではと思いました。


私たちは、いろいろな角度から、クマや獣舎を点検し、ひとまず、
安心。最後は、クマの好物である、ブドウ、タケノコ、ヌカなど
をあげて帰りました。

s-IMG_2029

s-IMG_2019

「第3回リニア新幹線学習会in大阪」にご参加を

4月25日(土)14:00~16:30

主催 : リニア市民ネット・大阪

後援 : 日本熊森協会

大阪市JR弁天町駅下車1分、生涯学習センター講堂にて、リニア学習会を開催します。

正式名称は「弁天町orc200生涯学習センター」です。梅田に「総合生涯学習センター」がありますのでお気を付けください。

講師は、「”悪夢の超特急”リニア中央新幹線」の著者、ジャーナリスト樫田秀樹氏(神奈川県在住)が来てくださいます。

参加費は資料代500円です。

 

リニア中央新幹線は、南アルプスの山脈に長大なトンネル穴をあけます。既に山梨の実験線では、あちこちで山中の沢が枯れており、南アルプスでも同様の事が起こると考えられます。

それ以外にも、事故対策が考えられていない、長大なトンネルを掘った後の残土の処理問題、電磁波の問題など、多くの未解決課題が山積しています。

こんな状態で工事着工とは、信じられません。

リニアにはもっともっと国民的な議論が必要です。国民が何も知らされないまま、工事が進められている現状は、国土保全に責任を持たねばならない大人の国民として、絶対に認められません。

 

樫田氏は長年にわたりリニア事業の取材をされてきた方です。またとないチャンスです。この講演会でリニア事業について一緒に勉強しましょう。

皆様のご参加お待ちしています。

参加のお申し込みは、日本熊森協会本部までおねがいします。

電話:0798-22-4190

Fax: 0798-22-4196

email: contact@kumamori.org

当日参加もできますが、会場整備の都合上、できるだけ前もってお申込みください。

映画「日本と原発」

3月22日 神戸元町で、福井県高浜原発3,4号機再稼働差し止め申し立ての弁護団長を務めた河合弘之弁護士が作られた映画 「日本と原発」の上映会がありました。会場は超満員でした。

s-キャプチャ

自然を守りたい方々はもちろんですが、原発推進派のみなさんにこそ、是非見ていただきたい映画です。

 

上映後、河合監督の講演がありました。良心に従って明るく生き生きと語られる姿は、まるで青年でした。

最高の人生を歩まれていると感じました。

全国で上映していただきたいです。

 

一つ違和感があったのは、自然エネルギ―に対する大きな期待です。

風力や太陽光は、水力発電や火力発電と違って、実際はたいして使えないあまり意味のない電気ですから、わたしたちは期待すべきではないと思います。

以下の本を、河合弁護士に読んでいただこうと思いました。

41Z-8dlm7UL

 

 

 

 

 

 

 

福井地裁初の仮処分 「高浜原発再稼働認めず」  一時のお金より、生活の場である大地を守る

4月14日、福井地裁前は大変な人でした。

関西電力高浜原発3、4号機の再稼働差し止め申し立てに関し、福井地裁(樋口英明裁判長)は、「再稼働すれば、250キロ圏内の住民の人格権が侵害される具体的な危険がある」として、住民側の主張を認めました。

250キロ圏内には、熊森本部もある兵庫県全域がすっぽり入るため、熊森としても、人ごとではありませんでした。

s-IMG_2210

仮処分というのは、裁判と違って、即刻効力を発揮するため、これで高浜3,4号機の原発再稼働は当面できなくなりました。

いろいろ大切なものがあるのはわかりますが、一番大切なものは何かということです。

いったん原発事故が起こればどうなるのか、福島を見ればわかります。

再稼働しても原発事故が起きないと保証できる人は、どこにもいません。

 

裁判官が、生命を賭して調べ抜いた結果の判決です。判決後、直ちに国は、「粛々と再稼働を進めます」と、発表されましたが、残念です。その前に、なぜ、裁判官がこのような判決を出されたのか、まず、じっくりと膨大な資料を読んで検討すべきでしょう。

当協会だけではなく、全国の自然保護団体が、国に対して、同じ感想を持ったと思います。

 

福島原発事故で、住んでいた大地を奪われた人々、遺伝子が傷つく恐れのある放射能で汚染された大地であることも知らず暮らしている野生生物たち、もう、こんな悲劇は2度とあってはならないのです。

地元と熊森本部による10年連続「実のなる木の植樹会」於:兵庫県波賀町

2015年4月12日(日)。今年も、宍粟市波賀町の原観光リンゴ園の裏山にて「実のなる木の植樹会」が開催されました。この10年間、熊森としては、もう何回も実のなる木を植樹してきたので、今回が何回目かわからなくなりました。

天候は晴れで、日差しもそれほど強くなく、気温も20℃以下と涼しい一日でした。まさに絶好の植樹日和です。

参加者は本部スタッフを除き26名でした。久しぶりに参加してくださった西宮のロータリークラブのみんなさんも楽しそうでした。会員外の方々も多く参加してくださいました。参加者の年齢層は下は小学生から、上は80歳と広範囲にわたっており、大変にぎやかでした。

 

今回植樹した場所の多くは、昨年秋まではスギの木が茂っていた所で、その後、広範囲にわたって地元がスギをすべて伐採された場所です。

※下の写真の赤枠内を比較していただければ、地元がどれほど思い切ってスギを伐採されたかがわかります。

IMG_6040 加工

杉の人工林(昨年の2014年10月25日に撮影。)

IMGP0985 加工

今回の植樹日の風景(2015年4月12日撮影)

本当に、思い切って伐採されましたねえ。

 

皆で汗をかきながら、足場の悪い急な斜面に、コナラ・カエデ・柿の苗木を合わせて約250本、一つ一つ大切に「愛情」こめて植えていきました。

IMGP1020 加工

コナラの苗木(赤枠内)

 

s-150412原リ100

この場所は、広い柿園になる予定です。もちろん、クマさん用の柿園です。

いろんな種類の柿を植えました。

 

150412原リ41

植樹の様子。ここでの樹種はコナラ

植樹を終えたあとの植樹地には、生きものの棲める森を取り戻したいという多くの方々の「願い」と「努力」による、新しい広葉樹の命が並んでいました。

 

昼食後、10年前に地元がスギの人工林を6割間伐された場所に、熊森が広葉樹を植えた場所を見に行きました。

s-IMGP1060

10年の間に、スギも広葉樹も大きくなったので、今春、スギを全部伐採除去されたということでした。シカよけ金網も全部除去されていました。残念ながら、まだ寒くて広葉樹の葉が出ていない為、これで100%の広葉樹林が復活しましたと言われても、まだ、実感がわきませんでした。今年からは、残された広葉樹の木がグングン大きくなって、広葉樹の純林が育っていくということです。楽しみに、見ていきたいです。

 

以下は、昨年まで原観光リンゴ園で専務理事をされていた幸福重信さんの言葉です。

「かつて地元には、スギを伐って広葉樹を植えることに、もの凄い反発があった。でも、今は時代が変わりました。もう、人間だけが生きていく時代じゃない。全ての生物が共生していくためには、森の樹種の多様化を考えなくてはなりません。でなければ、人も動物も、一緒に住むことはできません。森づくりは、単なる人間の森だけではなしに、動物の森だけではなしに、魚に至るまで、貝に至るまで、みんな森の恩恵を受けて生きているわけですから、私は胸を張って主張します。これからは、多様な樹種による森作りの時代だと。」

参加者一同感動して聞き入りました。

 

日本の奥山には、まだ多くのスギやヒノキの人工林が広がったままです。多くの生き物たちが食べ物を失い、人里に出てきています。これらの人工林は、時折様々な要因が重なりあって地すべり等の自然災害を引き起こし、地元の皆さんに甚大な被害をもたらしています。

 

ヒトをはじめ、森に棲むシカ、イノシシ、クマなどの野生動物、昆虫、池や湖とそこから流れ出す河川とさらにその先にある広大な海にすむ魚や貝……..。この世界は生き物の命であふれています。知恵ある「ヒト」は、この豊かな生き物の棲む環境の本来あるべき姿について常に考え、共生していく義務があると、幸福さんのお話から思いました。

150412原リ106

この4月12日の原観光リンゴ園での植樹会は、ヒトと他のいきもの「つながり」をつくる歩みでもありました。

お世話下さった地元の皆さん、参加してくださった都市のみなさん、本当にありがとうございました。

今後も、苗木の成長ぶりを見に来てください。

 

フィード

Return to page top