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2015-04-10
3月28日 第2回リニア市民ネット・大阪の勉強会
- 2015-04-10 (金)
- くまもりNEWS
福島区民センターの301号室いっぱいに、参加者が集まってくださいました。多くの方が集まってくださる。これだけでまず集会は成功です。
その上、リニア市民ネット・大阪代表の春日先生のお話がとてもわかりやすくて、いい勉強になりました。参加費500円は、十分値打ちがあったと思える勉強会でした。
南アルプスにはツキノワグマだけで100頭ぐらいが暮らしているのではないかと言われています。リニアのトンネル貫通で水脈が分断されると、谷川が干上がり、森の生き物たちは飲み水を失い、生き残れなくなる恐れがあることがよくわかりました。
リニア問題は、調べれば調べるほど、熊森の取り組むべき問題です。この問題に取り組まなかったら、後世、熊森は自然保護団体として信頼されないだろうと感じます。あんな大自然破壊に気づかなかったのか、または、気づいていたが、取り組む勇気がなかったのかと言われるでしょう。
昨年から取り組んでいる大阪府豊能町誤捕獲グマの保護飼育のように、1頭のクマを守ることももちろん大切ですが、クマ個体群をはじめ、その他の無数の野生鳥獣たちの飲み水を守って、広大な南アルプスの森を残すことができれば、どれだけのかけがえのない大自然を守ったことになるかしれません。
リニアの代替案としては、地下水脈を切らない地上リニアか、第2東海道新幹線の建設など、どうでしょうか。人口減少期を迎えている今、どちらも不必要かもしれません。今ある新幹線が老朽化しているので、メンテナンスをするというのはどうでしょうか。
どこまでも国土破壊の土建国家でなければ経済が持たないなどという国の仕組みは、どう考えてもおかしい。国の自殺行為だと思います。
山口県の山を本部と支部で調査
- 2015-04-10 (金)
- くまもりNEWS
3月21日、山口県のクマ生息地を調査しました。案内してくださったのは、88歳の元森林組合長さんです。健康の秘訣は、山を歩き続けていることだそうです。今も現役で山関係のお仕事をされています。健脚ぶりには驚かされました。
下写真は、左がスギの人工林で、右が自然林です。
自然林の中は、落葉樹と常緑樹が混在していました。兵庫県北部の落葉広葉樹だけのクマ生息地を調査し続けている本部には、不思議な光景でした。
ここでは、放置人工林の中でも、常緑の低木が生えていました。気候が植物の生育にいいのでしょうか。放置人工林の中は茶色一色と思い込んでいる本部には、これも不思議な光景でした。
放置人工林の中
尾根筋にイノシシのぬた場が2つありました。どちらにも、池のように、水が溜まっていました。
途中の山道に、糠入りのイノシシ罠が設置されていました。ここはイノシシがよく獲れる場所なんだそうです。
以前、誤ってクマもかかったそうです。絶滅危惧種であるそのクマはどうなったか知りたいと思いました。熊の胆は高く売れるから、逃がすわけないということでした。
奥の方に入っていくと、クマの爪痕がいくつも見つかりました。古いのも多かったですが比較的新しいものもありました。
山口県のクマはこんなところで暮らしているのかなど、いろいろと勉強になりました。
所変われば、生息環境も変わります。日本は、もう十二分に開発されました。これから人口もどんどん減っていきます。開発をやめて、自然復元に税金を使って欲しいものです。ここに残された二次林も、このまま未来永劫、残りますように。
山口県支部長はいろいろな生き物を飼っておられますが、ヤギを5頭も飼っておられるのにはびっくりしました。
この辺では、他にもヤギを飼っておられる方は何人かおられるそうです。ヤギを飼っていると草刈りをしなくて良いそうです。いろんな動物と触れ合って暮らすことは、人間の心身の健康にも大変プラスになるだろうと感じました。
3月31日 (本部)兵庫県豊岡市 雪解け後の広葉樹植樹地メンテナンス
- 2015-04-10 (金)
- くまもりNEWS
今冬、豊岡市では、降雪も雪解けも早かったです。この日、すでに雪はありませんでした。シカの食べないミツマタの黄色い花が満開で、私たちを迎えてくれました。
昨年、1haほどのスギ人工林の皆伐地に、実のなる木を植樹しました。谷地形のためか、スギを植える前が棚田だったためか、雪で、苗木のシカよけ柵が、バタバタと倒れていました。
まだシカが入らないうちにとボランティアを募り、急いで補修に駆け付けました。
中には、シカよけ柵の杭が倒れて、苗木を折ってしまっているのもありました。
この日は総勢7人で作業。気温は20℃を越え、炎天下での作業という感じでした。
ネットに穴が開いている場所は、紐で縫って補修しました。
本部では2012年から、シカよけとして、パッチディフェンスを作っています。
今回の雪被害は今までで一番大きかったです。立地場所によって、雪被害はかなり左右されます。
斜面に植樹する場合、尾根に近い部分から植樹して行くと、雪の被害が少ないのではないかと思いました。
無事作業を終了。ほとんどの苗木を救うことが出来ました。
急きょ駆け付けて下さったボランティアのみなさん、本当にありがとうございました。
3月27日 兵庫県千種町、15年前に皆伐したスギ人工林跡地での生態調査(本部)
ここは標高1000メートルの斜面です。積雪は、多い時には4メートルにも達します。
2000年に人工林が皆伐された後、熊森も含め、いろいろな団体が、シカよけ柵を付けて実のなる木の植樹に挑戦しました。
しかし、春先の雪解け時に、雪が斜面を滑り下ってシカよけ柵や苗木をぎ倒してしまうため、苗木が育ちません。現在は、ササやススキなどに覆われる草原になってしまっています。
2014年7月撮影
3月27日に訪れると、まだ1m前後の雪に覆われたままでした。このような環境で、いきものたちはどのようにして食糧を確保しているのでしょうか。
雪面をよく観察すると、まず動物の足跡に目をひかれました(写真上)。
足跡の多くはウサギで、先を辿ると、低木に行き当たります。芽の部分にウサギ独特の刃物で切り落とされたような食痕があり、その近くにウサギの糞が落ちていました(写真下)。
数は少ないのでしょうが、兵庫の山にまだウサギが生き残っていた!(うれしくなりました)
低木や幼木の木の芽や樹皮が、ウサギの食料源になっていることがわかります。
周りに残された人工林は、スギやヒノキの単一林で、林内に動物たちの食糧はありません。
また、この場所では、シカやイノシシの足跡や食痕、糞は確認されませんでした。局所的にみられるブナの木には、クマの古い爪痕が見られました。新しいのは見つかりませんでした。
大型野生動物たちは、みんなどこへ行ってしまったのでしょうか?
調査当日は春先の温かい日でした。日の当たるところでは、雪が解けて足跡が消えてしまい、どの動物の足跡か、はっきりしません。と言って積雪時は、ここには入れません。
来年は、自動撮影カメラなどを使い、冬季間の動物の生態調査をしてみたいと思いました。