くまもりHOMEへ

ホーム > アーカイブ > 2015-04-11

2015-04-11

<祝> 4月9日 大阪府豊能町誤捕獲グマ、新獣舎引っ越し  

4月9日午前8時半、豊能町のお寺の新獣舎前に、熊森移送班集合。

IMGP0929

 

本日、移送檻を運んでくださるのは、早朝、奈良からユニック車に乗って駆けつけてくださった熊森奈良地区の地区長(現役プロ)です。熊森本部スタッフたちと最終打ち合わせをし、獣舎の点検後、みんなで車で1時間ほど離れた豊能町役場に向かいました。

役場駐車場で、撮影担当班(熊森会員プロカメラマン)と合流。熊森移送班計13名、ここで本日の移送を無事成功させようと、心を一つにしました。

熊森本部としては、何度もみんなで移送手順を練り、現場にも行ってシュミレーションを行っていましたが、それでも命あるものを運ぶのですから、失敗は絶対に許されません。みんな緊張で無口になりました。

 

午前10時過ぎ、クマが295日にわたって保管されてきた倉庫へ車で行きました。

s-IMG_7728

黄色ヘルメットはオール熊森です。

シャッターを下ろした部屋の中で、9か月以上狭い檻に閉じ込められたまま、気もふれずに耐えてきた豊能グマ。本当によくがんばったと思います。お世話をしてくださった町職員と、毎週お世話や励ましに通ってくださった熊森会員のみなさんのおかげです。

熊森移送班メンバーは、クマが安心するようにと次々とクマに声をかけます。

 

奈良地区長は、さすがプロ。1tもあるクマの入った移送檻をスムーズに倉庫から引き出し、ユニック車に乗せてくださいました。

s-IMG_7763

よし、お寺に向かって出発だ。クマは道中、気がまぎれるようにとメンバーが差し入れた間伐材の輪切りを齧り続けていました。

 

お寺に、クマをのせたユニック車がやってきました!写真班が先回りして撮影です。

s-IMGP0930

 

慎重に、移送檻の口と、獣舎の口を合わせます。午後1時3分、移送檻の扉を持ち上げると、一気にクマは運動場に飛び出しました。この瞬間をマスコミの方々に撮って欲しかったです。

s-DSC04394

 

この後、獣舎の挿入口をボルトで締め溶接するためには、クマに一度寝室に入ってもらわねばなりません。好物のキウイやブドウで誘導するようにしてはいたのですが、いつ入ってくれるのか見当がつきませんでした。

しかし、クマは初めて入った獣舎の中をものすごいスピードでぐるぐると何回も走りまわり、途中プールにも何度か飛び込み、午後1時7分、寝室に入ってくれました。なんと、獣舎に入ってから、わずか4分後のことです。それっと、寝室の外から鍵!獣舎の内外から、しっかりと挿入口の鉄板をボルトで固定。後は溶接する方が来るのを待つのみです。こうして、あっけなく移送作業完了。

あんな狭いところに長期間閉じ込められていたのに、このクマの走りの速さ。体の柔らかさ。もう、人間では考えられないことです。

 

下の写真は、麻酔を使わないクマの移送を無事成功させて、満面笑みの熊森移送班メンバーたち。

s-IMG_7845

 

 

移送作業終了から約1時間後の午後2時になると、マスコミの方々がみんなで獣舎のところにやってこられて、猛スピードで獣舎内を走り回ったり天井に上って降りてくるクマを楽しそうに撮影しておられました。クマは興奮してそうしているのでしょうが、人間から見ると最高のアスリートの演技です。クマはこんなすごい動きができるのかと、ほれぼれします。

s-IMG_7883

セメントのあくが出ないように、 プールには防水加工が施されています。

この日、クマの所有権は行政から民間に移りました。今後は何でもオープンにできます。このクマとの楽しいお話を、ブログでいっぱいお伝えしていきたいです。

 

野山を走り回って成長した野生グマを檻に入れて飼うことは、可哀そうではありますが、大阪府の殺処分からこのクマを救ったわたしたちは、やさしい住職さんと協力して、その分このクマを大事にし、愛情を持って最後まで終生保護飼育する決意です。

 

クマほど現代日本人に誤解されている動物も少ないだろうと思います。大阪府のみなさんにも見に来ていただいて、クマの優しさや賢さ、すばらしさを知っていただき、私たちの祖先が続けてきた人とクマが棲み分けて共存する社会を再構築していきたいと思います。

 

この日の夕方、熊森移送班は、このクマが収容されていた倉庫に戻り、みんなできれいに掃除して、通い続けた倉庫にお別れを告げ、帰途に付きました。

 

熊森の麻酔なしクマ移送に付き添ってくださった獣医さん、猟友会、行政など、すべてのみなさんに感謝します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

熊森も絶賛したい 東京大学教養学部の卒業式、石井洋二郎学部長のあいさつ

<以下、4月7日ヤフーニュースから>

 

3月にあった東京大学教養学部の卒業式。石井洋二郎学部長のあいさつが、ネットで注目されています。半世紀前の日本一有名な卒業式の式辞「肥った豚よりも…」が、実は本人が話していなかったことを明かし、ネット上にあふれる不確かな情報への接し方に言及。

 ●
伝説の式辞「肥った豚よりも…」はデマ?

石井学部長が取り上げたのは、1964年に東大総長だった大河内一男さんのあいさつです。「肥った豚よりも痩せたソクラテスになれ」と発言したとされています。この発言は、東大卒だからといってエリート意識を持たないようたしなめる格言として、知られています。

石井学部長は、大河内さんのあいさつについて、実際は大河内さんの発言ではなくJ・S・ミルの引用だったこと。原稿には、J・S・ミルの引用を明記した上で書かれていたが、実際には読まれなかったこと。そして、原文をかなりアレンジした表現になっていることなど、内幕を明かしました。

 ●
「善意のコピペは、悪意の虚偽より…」

 その上で、石井学部長は「この幻のエピソードはまことしやかに語り継がれ、今日では一種の伝説にさえなっている」と指摘。ネット上にあふれる情報について次のように警鐘を鳴らしました。

「善意のコピペや無自覚なリツイートは時として、悪意の虚偽よりも人を迷わせます。そしてあやふやな情報がいったん真実の衣を着せられて世間に流布してしまうと、もはや誰も直接資料にあたって真偽のほどを確かめようとはしなくなります」

「必ず一次情報に立ち返って」

 そして、石井学部長は卒業生に対して、こう呼びかけました。

「あらゆる情報の真偽を自分の目で確認してみること、必ず一次情報に立ち返って自分の頭と足で検証してみること、この健全な批判精神こそが、文系・理系を問わず、『教養学部』という同じ一つの名前の学部を卒業する皆さんに共通して求められる『教養』というものの本質なのだと、私は思います」

自分のあいさつに対しても「必ず確かめて!」

 最後に、ニーチェの「ツァラトゥストゥラ」の言葉から「きみは、きみ自身の炎のなかで、自分を焼きつくそうと欲しなくてはならない。きみがまず灰になっていなかったら、どうしてきみは新しくなることができよう!」を紹介した石井学部長。さらに、こう付け加えました。

「いま私が紹介した言葉が本当にニーチェの『ツァラトゥストゥラ』に出てくるのかどうか、必ず自分の目で確かめることもけっして忘れないように」

ちなみに教養学部によると、公開された文章は、大河内さんの時とは違い、すべて実際に読み上げたそうです。

 以上。注:石井学部長の全文は、ネットで探していただくと読めます。

<熊森より>

石井学部長は、情報社会の今、全人類が胆に銘じておかねばならない本当に大切なことを言ってくださったと思います。

熊森がまだ小さな会だった時、新聞やテレビに何度もその活動が取り上げられました。私たちはその後まったくぶれることなく熊森道を歩いてきましたので、私たちは当時と何一つ変わっておりません。

むしろ、会が大きくなった今、かつてと比べると、大きくすばらしい自然保護活動が展開できていると思います。しかし、マスコミには、ほとんど無視されるようになりました。

別に有名になりたくて活動している訳ではありませんからいいようなものの、こんな大きな活動を行っているのに、報道から抹殺されるのは、あまりにも理不尽です。

その後ろには、当協会に対する悪意に満ちた誹謗中傷嘘がネットに流されていて、それに影響を受けた人たちが少なからずいます。

目立つことをすると必ず、引きずり落としてやろうという一部の悪意に満ちた人たちの無責任な嘘情報が流れ出す。これが世の常なのでしょう。

報道関係者の皆さんは、そのような情報に惑わされず、自分の目で見て、自分の頭で考えて、世の中を良くするには今、何を報道すべきか判断し、大切なこと、本当にまじめひとつにがんばっている人たちのこと、真実をぜひ報道してほしいものです。

大阪府豊能町誤捕獲グマ、新獣舎への移送方法とマスコミへの無連絡について

●当協会は、豊能グマの引っ越し等について、大阪行政に情報発信を止められていたため、何もかも移送後の発表となりましたことをお許しください。

 

当協会が大阪府豊能町のお寺に建設していたクマ保護飼育用の獣舎が完成し、3月31日、大阪府の検査に合格しました。

(土地提供は、お寺。設計や建設費負担は全て日本熊森協会です)

s-DSC04318

完成獣舎70平方メートル(うち、運動場55平方メートル)

 

(1)新獣舎への移送方法

豊能グマの移送に関しては、以前から当協会は、クマのため、他でも一般的に行われているように、クマに麻酔をかけずに檻ごとユニック車にクマを乗せて運び、移送檻の口と新獣舎の口を合わせて新獣舎にクマを移す予定でした。(全身麻酔をかけるとクマが死亡するリスクがあるなどのため)

そのため、プロのユニック車運転手も、協会会員内で確保していました。しかし、大阪行政はクマに麻酔をかけない移送は認めないと言い出し、またしても当協会と平行線となりました。クマを1日も早く広い獣舎に移してやりたいので、熊森はあせりました。

 

万一の場合に備えて、熊森がクマ取り扱い専門会社に業務委託し、必要な時はすぐに麻酔できる用意をした獣医に同行してもらうという条件を出したところ、やっと4月6日に、大阪行政から移送許可を得ることができました。

 

(2)マスコミへの無連絡について

さっそく記者会見をして、これまでお世話になったマスコミ関係の方々に4月9日の移送等を発表しようとしたのですが、大阪行政から止められました。大阪府も記者会見はしないと言われました。移送時にはマスコミに入っていただきたかったのに、本当に残念でした。このクマのことに関心を持ってくださっていたマスコミのみなさん、そういうわけでお約束していたのに当協会は連絡できませんでした。誠に申し訳ございませんでした。

 

ところが当日、移送終了後、驚いたことが起きました。獣舎から離れたところにマスコミの方が続々とやってこられて、行政の方たちと打ち合わせをされていました。置かれた机には、報道関係者の名前を書く紙も用意されていました。この日、絶対にマスコミに言ってはいけないことになっていたので、私たちは約束を守り誰にも言いませんでしたが、いったいこれはどういうことなのでしょうか。

 

この日の夕方のテレビニュースを見られた熊森会員の中から、私たちが寄付したのに、ニュースには熊森協会の「く」の字も出なかった。熊森は寄付金を本当に使ったのかという声などが電話で届きました。この様な誤解が生じるのは当然で、本部としては大変つらいです。

 

昨年9月、熊森の森山会長がお寺の住職さんに、大阪府がこのクマを殺処分しようとしているので、このクマを助けるために飼ってやってほしい。お金は全額用意するといって頼んで受けてもらったのに、ニュースではまるで、1円すら出さなかった大阪府が、殺処分を避けるためにお寺に頼んで保護飼育を受けてもらったような報道になっていました。

 

どうしてこうなるのかといわれても、大阪行政の仕組んだことですから仕方がありません。天は見ています。

 

今さら熊森が移送記者会見をしても、もう終わったことですから誰も集まってくださらないでしょう。熊森は、世間に説明する場を奪われました。ニュースが正しい実態を伝えられていない典型的な事例です。

 

今回のクマ保護にかかった費用は、獣舎建設費だけで1264万8千円です。これまで内部で集めた寄付金は790万円です。今回、記者会見の機会を奪われましたので、外部に寄附の呼びかけをしようと予定していたのにできませんでした。

このブログを読んでくださって、寄付に協力しようと思ってくださる方が生まれたら、うれしいです。是非よろしくお願いします。

 

★郵便局よりお振込みされる場合
 郵便振替口座 00980-7-203246 口座名 「くま保護基金」

 ★ゆうちょ銀行以外の銀行からお振込みされる場合
■銀行名: ゆうちょ銀行 ■金融機関コード: 9900
■店番: 099 ■預金種目: 当座
■店名: 〇九九 店(ゼロキユウキユウ店)  ■口座番号: 0203246

 

 

 

フィード

Return to page top