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2015-05-13

5月10日 「とよ」のクマ舎にヨシズはり

最近は、真夏のように暑い日があります。季節的には少し早いような気もしますが、この日、「とよ」のクマ舎にヨシズを張ってやりました。

クマさんを見ようと次々と家族連れなどが山の上まで登ってこられます。みなさんクマに大変好意的で、よくぞこのクマを殺処分から救ってやってくださったとお礼を言われ、喜んでくださいます。

大阪府民にとって、クマの生存が身近に感じられる場所になってきたことがわかりました。

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 訪問された方々に、クマの生態などについて説明する森山会長(白トレーナー)

 

食料庫をのぞくと、私たちがふだん買えないような高価な果物がずらりと並んでいます。「とよ」に食べさせてやってほしいと、匿名で府民がお寺に送ってこられるのだそうです。ありがたいことです。

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食料庫の一部

クマに何を食べさせてやっているのですかと、よく聞かれます。

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今のところ、動物園などで使っている乾燥クマフードに果物や野菜をそえて与えています。クヌギのドングリは食べますが、マテバシイのドングリは食べません。

何を与えるのがいいか、現在試行錯誤中です。

餌を入れる引き出しは、大阪市にあるステンレス鋼材を取り扱っている豫洲短 板産業株式会社が4つも作って寄付してくださいました。ステンレス製のどっしりとした素敵な容器です。大切に使わせていただきます。

 

さて、肝心のとよは、どうしているでしょうか。

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 なにかにとりつかれたように常動行動を繰り返しているとよ

 

相変わらず、東の端を、行ったり来たり、常動行動を繰り返しています。次々と人が訪れて、神経が休まらないのでしょうか。3日前にプールまでの道のりに敷いてやった芝生が 土だけになっており、芝生はもう見る影もありません。

プールは大好きです。飛び込んで気持ちよさそうにしていたり、プールの水を飲んだりしています。

しばらく一般公開を取りやめた方がいいのではないかという考えが、また浮かんできました。

クマ舎には自動撮影カメラをかけていますが、人が来ていないときは、ゆっくりと獣舎の地面に座って、寝室の餌箱から持ち出した果物などを食べています。

 

この日持たれた、お寺と熊森の「とよ飼育会議」で、いつもとよを見て下さっているお寺の方のお話から、この1か月間、とよなりにいろいろと学習していることがわかりました。最初の頃は、早朝であっても、登山客が訪れると、寝室から飛び出して行って威嚇していたようですが、最近は、人が来ても朝のうちは知らん顔で、遅い時は昼前まで寝室で寝ているそうです。人が来てもいちいち飛び出していかなくても大丈夫ということがわかってきたのだろうと思います。

獣舎に近づいてきた人に走って行って、フッという音を出して威嚇することも、ずいぶん減ってきたそうです。もう少し様子をみてみることにしました。

とよは、お寺のみなさんに大変大事にしてもらい、愛情をこめてかわいがってもらっていることが、この日の会議でも再確認できました。とよ、よかったね。

 

寝室に入っている時のとよは、とても落ち着いてリラックスしています。ここは自分の家で安全な所だと思うようです。寝室のわずかな隙間から覗いてみると、左足で右足裏をかゆそうにかいていました。足裏の傷が、治りかけてきたのかもしれません。目と目があいましたが、とよはゆったりとしたままでした。

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この日は、プールの水を全部抜いてプールをきれいに洗い、新しい水を入れてやりました。

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とよ、元気でね。また来るね。

 

 

 

 

 

植物の命はどこにあるのだろう・・・クヌギ傍芽のふしぎ

19年前に、我が家の庭に一粒の大きなクヌギのドングリを埋めました。

それが今では大木になってたくさんの実をつけてくれます。

しかし、都会の狭い庭にこんな大きな木は無理だと思うようになりました。

残念ですが、今年の3月末に伐採してもらいました。枝は1本も残っていません。

ところが、4月末に樹皮に何か丸い粒が出てきたのを発見しました。

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下は、伐採から50日目、5月9日の伐採クヌギの写真です。

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完全に伐られた木から、新芽がたくさん出てきています。傍芽(ぼうが)です。

クヌギは死んでいなかったのです。

植物の命はどこにあるのだろう。本当に不思議です。

今年、実はなるのでしょうか。みなさんはどう思われますか。

観察を続けていきます。

5月8日 本部・山梨県支部・神奈川県支部 リニア山梨実験線による水涸れ視察

5月8日、南アルプスの森と動物を守るための本部視察班は、朝6時に長野県の宿を出発して、山梨県に向かいました。この日の視察には、山梨県支部長と会員、神奈川県支部長も、現地で参加してくださいます。

山梨リニア実験線トンネル工事で起きた山梨の山の水涸れ状況をみて、JR東海と国に、南アルプスのトンネル工事を避けてもらうように申し出るのが狙いです。

 

午前9時前に、富士山の見えるところまで来ました。車中で歓声が上がります。本当にきれいです。毎日この山を眺めて暮らしておられる山梨県民のみなさんは幸せだなと思いました。

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この日は、地元の方々に案内していただいて、リニアトンネル工事によって水脈が切られ水が涸れた川を、何か所も見せていただきました。一部、ご紹介します。

どこを掘ればどこの川が干上がるか、地下水脈は大変複雑で、専門家でも予測不可能なのだそうです。掘ってみなければどうなるかわからないということでした。涸れた川は、どこも悲惨でした。

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 山の中

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 果樹畑

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山梨 リニア実験線

川が涸れた川がある反面、とんでもないところから水が噴き出しています。

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その水は、3面張りの深い側溝を通して、下流に流されていました。下流に流したからいいというものではありません。

 

大地は私たちの体と同じように生きています。母なる大地の体をずたずたに切り裂いて、コンクリートで固めていく。

昔の人達は、きっとそんなことをしたら、罰が当たるぞと言ったと思います。罰は当たらないのでしょうか。

 

今回、山梨日日新聞に今年折り込まれたリニア推進広告のひとつを見せていただき、びっくりしました。全紙4枚がくっついたリニア広告は、新聞ページ8枚分もあり巨大です。リニア工事を推進する側の物量作戦は破格の大きさです。どこからこんな金が出るのでしょうか。

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今回、県を上げてリニア工事推進をうたっている山梨県において、票が減るだけになるかもしれないのに、リニアが引き起こすであろうさまざまな問題について取り組んでおられる市議会議員さんたちが一部おられることがわかり、感動しました。

 

「夢の超特急、死ぬまでに1回は乗ってみたいな」だけでなく、冷静になって、リニアがもたらす取り返しのつかない負の部分も、しっかり検討していく国民でありたいと思います。水涸れ現場を案内下さった地元の皆さん、お忙しい中ご親切にしていただき、本当にありがとうございました。

 

5月7日本部 ついに あこがれの南アルプス視察 

南アルプスの森と動物を守るための熊森本部視察班6名は、5月7日早朝、兵庫県を車で出発し、リニア新幹線のトンネル貫通工事が予定されている南アルプス山脈(赤石山脈)に向かいました。

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11時過ぎ、ついに、南アルプス山脈が見えるところまで来ました。これが椋鳩十の「ツキノワグマ」の舞台となった赤石山脈か。

 

トンネル掘削工事が予定されている村へ向かいます。

小さくて美しい村でした。

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このあたりは中央構造線上にあるため、あちこちで山崩れが見られます。もし工事が実施されれば、村内道路を1日1700台のダンプカーがトンネル残土を10年間運び続けることになるそうです。町の環境は台無しになる上、水脈が切られれば、村民の生活を支えてきた川が干上がってしまうかもしれません。村人にとっては大変な脅威です。リニアが走っても、村には何のメリットもないということですから、トンネル工事を望む村民など、だれもいないのではないでしょうか。

 

中央アルプスや北アルプスには多くの人々が訪れますが、南アルプスを訪れる人は、その10分の1程度だそうです。その分、自然が残されています。

地元の女性にインタビューしてみました。山菜採りに山に入るとクマにも出会うが、クマがいつも先にさっと逃げていくそうです。クマがいて当たり前なので会うとうれしいと言われていました。

 

標高1000メートル以上まで車で上がってみました。ミズナラの新緑がとてもきれいです。ミズナラがたくさん残っていることにホッとしました。

本当に美しいところです。

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しかし、森の中をのぞいてみて、 ショックを受けました。

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下草植生が 消えています。シカがこんな高いところまで来ていることがわかりました。外から見ると、昔と同じように美しく自然豊かな南アルプスですが、内部では大異変が起こっているのかもしれません。クマをはじめとする森の動物たちの悲鳴が聞こえてきそうでした。

 

この日出会った地元の皆さんは、感謝の心でまっすぐ真面目に生きておられる本当にすばらしい方たちばかりでした。初めて会う自然保護団体である私たちに、親切にいろいろな所を見せて下さり、いろいろなことを教えてくださいました。今後の熊森活動に生かしていきます。本当にありがとうございました。

宿で夜、今日お会いした方々の事を思い出して大変幸せな気分になりました。

 

都市と郡部、国民みんなで力を合わせて、

全生物のために、次世代のために

自然に恵まれたすばらしいこの国の国土を守っていきたいと改めて思いました。

 

 

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