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2015-10

10月12日 能勢妙見山での会長講演

妙見山ハイキングの会のみなさんは、今春から「とよ」が高代寺にやってきたので、クマがどんな動物なのか知りたくなったそうです。

会のみなさんに講演会をセットしていただいて、妙見山山上の北極星をかたどった建物の中で、森山会長がクマの話や森の話を1時間させていただきました。

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ご出席してくださったみなさんは、自然に接することの気持ちよさを常日頃体験しておられる、明るくて元気な方々です。クマの話にも森の話にも大変興味を持って熱心に聞いてくださいました。とても話しやすかったです。クマなんて怖い動物だとしか思っていなかったが、会長のお話を聞いて、とても親しみがわいてきましたという声もいただきました。さっそく、とよ君にドングリを集めてやろうというやさしい動きも起きてきました。

 

とよ君を保護飼育することで、大阪府民の目が、野生動物や森に向くことが期待されます。

 

クマの食料供給調査2:夏の間にカキをほとんど食べてしまっていた (於:兵庫県豊岡市)

10月6日、熊森が13年前に植樹した「動物の棲める森復元植樹地」を訪れました。

去年、シバグリの枝がボキボキに折られて、クマがここのクリを大量に食べたことが確認できた場所です。

s-DSC05275東床尾

去年はあんなに実っていたドングリもクリも、今年は実りが少しです。

一部狂い咲きしたクリの花に大きなアリが来ていました。ここに植えたクリは、近年はやりのクリタマバチにやられない種の苗木なので、どれもクリタマバチにやられておらず、青々として元気でした。

何故か、今年はクマが来た形跡が全くありませんでした。

去年来ていたクマが有害駆除されてしまったのだろうかと心配になりました。

絶滅危惧種なのに、去年(2014年)、兵庫県では30頭ものクマが有害捕殺されています。

シカの糞はありましたが、ほんの少しだけでした。

 

次に、丹波グリが植えられたまま長年放置されている所にいきました。

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シバグリと比べると丹波グリは本当に大きくて、数倍の大きさがあると感じました。これまで、シバグリを植樹してきましたが、これからは、丹波グリを植樹したほうが、動物の食料供給に良いのではないかと思いました。

 

少しだけですが、ここには熊棚が出来ていました。

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下には、クマが食べたクリの殻が少し落ちていました。

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同行してくださった研究者が、このように殻が大きいまま実がなくなっているのがクマで、殻が小さくちぎれているのはシカで、イノシシは殻ごと食べてしまうので殻が残らないと教えてくださいました。みなさんの地方のクマ・シカ・イノシシも、、クリの実の食べ方が違いますか。

 

最後に山裾の柿の木を見に行きました。

もう実が少ししか残っていませんでした。地元の人達に聞くと、夏の間にクマが来て食べてしまったということでした。以前は実るまで来なかったのにと言われていました。

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10月初めなのに、もう、実が少ししか残っていない山すその柿

クマが青い柿をかじって地面に捨てた所がありました。

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柿の実にススメバチがたかっていました。

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大きなアリもいました。

生態系としてみんなつながっているのだと、改めて思いました。

 

民家の前に、まだ柿の実が残っているところがありました。

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住民の方に声をかけて話をしているうちに、クマが来ないように全部もいでおいた方がいいということになりました。みんなでもいで、山の中に運んでおきました。

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この地域は標高が低いからか、ブナやミズナラの木はありません。潜在植生はアベマキのようですが、今年は全くなっていません。クマたちは、これから冬籠りに向けて食い込みがますます必要です。一体何を食べて脂肪をつけるのでしょうか。わからないことでいっぱいです。

 

 

兵庫県で開かれたシカ問題の地元フォーラムに参加して、熊森が発言

兵庫県は昨年度、45000頭のシカを捕殺したそうです。

それでも、シカが減らないということで、地元環境保全団体の主催でシカをどうやって減らせばいいのかを考える会が、10月25日豊岡市でもたれ、熊森本部から4名が参加しました。

 

記念講演をされた方は企業の社員として利潤追求にあけくれる人生に疑問を感じ、エコで持続可能な仕事をして暮らせないかと故郷に戻り、白炭を焼いて生計を立てようとされている40代後半の方で、共感を覚えました。山の中に動物たちの餌がなくなっていると言われるのを聞いて、いつものことながら、但馬のみなさんの生き物への優しさを感じました。

 

後半は、どうすればもっとシカが殺せるかということで、県や市町の行政、猟友会、市民団体の皆さんが、駆除の規制緩和や財政支援、捕獲事業専門会社の導入などについて発表されました。

 

全員の発表が終わってから質疑の時間があり、熊森スタッフ2人が質問しました。

くま森質問、豊岡市には、田畑ごと金網で囲ってシカ害をなくした集落もある。捕殺にばかり多大な予算をかけないで、防除にもっと予算をかけるべきではないか。

答え:金網の管理が大変。シカの害は田畑だけでなく、森にも及んでいる。

くまもり質問、くくり罠の規制緩和をめざすということだが、国が定めたくくりわな直径12センチ規定は、クマが誤捕獲されないためには必要な規定である。くくり罠の規制をどのように緩和するつもりか。

答え:地面に置くくくり罠は、雪が積もると使えなくなる。規制緩和してもらおうとしているのは、胴体くくり罠だ。餌を探してやってきたシカの首にワイヤーがかかると首がしまる。通り道に垂直にかけるくくり罠の規制緩和を要望している。

答えに対する地元市民の要望:くくり罠は大変危険な猟具だ。住民としては、簡単に規制緩和してもらったらこわい。慎重にやってもらいたい。

 

森山会長が最後に意見

議題がすべて終了してから、それまで議事進行の邪魔をしてはならないと遠慮して発言を控えていた森山会長が意見を述べました。

 

(要旨)地元でシカの被害に苦しんでおられるみなさんにとっては、対症療法として、どうしたらもっとシカを殺せるかが議題になるのだろうと思います。しかし、わたしたちは自然保護団体なので、ちょっと別の角度から意見を述べさせていただきたいと思います。

今、本当に、シカを殺しているだけでいいのでしょうか。

山では昆虫などの生物の大量絶滅が続き、それと同時に山の砂漠化が進行して湧水がどんどん減ってきています。

根治療法として、野生動物たちを本来の生息地に戻してやるべきなのです。

 

自然生態系は非常に複雑で、人間の頭でコントロールできるようなものではありません。みなさんに、シカを殺してシカ数をコントロールせよと指示を出している人たちは、自然界がどういうものなのか、ご存じないのだろうと思います。

 

シカは、そもそも草原の動物です。昭和の初めには草原や湿地など、シカの生息地が500万ヘクタールあったそうです。それを宅地や農地にと、人間がシカから取り上げたのです。シカは生息地を奪われ山奥へと追い込まれました。シカが草原で生活している時は、和芝などの草を食べて暮らしていました。このような草は、シカが食べてもすぐにまた生えてくる上、シカの食害にあっても枯れることがありません。しかし、森林生態系の下草は草の種類が全く別です。シカが食べると消えてしまうのです。

 

シカを絶滅させるつもりなら別ですが、シカも豊かな国土の自然形成に何らかの役割を持って存在しているはずだと考えるなら、シカが草原で暮らせるようにもう一度ある程度の草原を復元して、シカを山から出して本来の生息地である草原に帰してやるべきではないでしょうか。

 

一方、本来奥山が生息地だったクマは、奥山が戦後の国策によりスギやヒノキで埋め尽くされて棲めなくなっています。残された自然林はシカの食害で下草が消え、隠れ場所がありません。夏の食料である昆虫も消えて、クマたちはみんな里に下りてしまっています。奥山に広葉樹林を復元して、1%でも2%でも毎年人工林率を落としていき、本来の住民であるクマを奥山に返してやるべきです。

 

これは、第一に野生動物のためではありますが、コンコンと水の湧き出す水源の森を取り戻すことでもあり、結局は人間のためでもあるのです。

 

(感想)当日参加されておられた地元のみなさんは、環境保全にかかわってこられた方たちだからでしょうか。熊森の主張に同感してくださる方が何名もおられました。これを機会に、新たな地元とつながって行けたらいいなと思いました。

本来は、但馬のみなさんは殺生を嫌い、生き物に優しい心をもっておられるのに、そういう方々に、生き物を殺すことばかり勧めている国に、怒りを覚えました。

はっきり言って国策が失敗して、野生動物も国民もみんな生活できなくなり困っているのです。国を責める気はありませんが、国策の180度方向転換を強く望みます。

野生動物を本来の生息地に返してやりましょう。

 

熊森は、以下、千松氏の発言をうれしく思います。

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20151024-00065459-hbolz-bus_all

10月24日 本部自然農 田んぼの稲刈り

2008年から始まった熊森本部の自然農での米作り。初年度は驚くほど収量が多かったのですが、その後は年々減る一方。原因がわかりません。

今年は地元の方に、毎日の水番をしてもらっての再挑戦でした。

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豊かな緑の中で、自然を大切に思う仲間との農作業は楽しく充実した時間でした。

しかし、収量が・・・去年よりは多いけれど、こんなに少ないのでは米作りをしていますとは言えません。

岡山県の仲間たちは、たくさん収穫しているというのに、何が問題なのでしょうか。

 

今年は担当者たちだけで、ほんとうに勉強して、いろいろ手を入れてみました。

水番をして下さった地元の方に、「この田んぼは、毎日水を入れても半量がなくなってしまう。ザル田になってしまっているよ」と言われ、びっくり。

いつの間にこんなことになってしまったのか。以前、水が涸れないようにと水のかけ流しをしていた時期があったからだろうか。

 

数年間米作りに挑戦してみて今思うのは、自然農の米作りは素人が月1回田んぼをのぞく程度でできるような簡単なものではないということです。

毎日毎日田んぼを見回って、モグラが畔に穴をあけたらすぐ対処するなど、日々起こる問題に迅速に対応できる体制が必要だとわかりました。

今後、どうしていくか、担当者たちで考えてみます。

 

 

 

 

10月12日 大阪府妙見山ブナ林視察での3つの感動

大阪府豊能郡能勢町に標高660mの能勢妙見山があります。

この山の山頂より北側の約9.5haに、今もブナの巨木林が残されています。よくぞ残ったものです。

奈良時代から続く能勢妙見山寺の植田副住職様のご厚意で、この日、大阪府の天然記念物に指定されているこのブナ林を案内していただけることになりました。

能勢電車の妙見口駅前には、観光協会が「とよ」の看板を出してくださっていました。うれしいです。

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ここから車で妙見山に登って行きます。道中、真っ暗な放置人工林があまりにも多いのにびっくりしました。そんなに奥山でもないのに、どうしてこのあたりの山が、ここまで人工林にされたのだろうかと思いました。

 

妙見山寺について、副住職様に残された<ブナーアカガシ>林を案内していただきました。

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この様な巨木の森が奇蹟的に残ったのは、妙見大菩薩のお寺として境内が聖域となり伐採が出来なかったからだそうで、人間よりも大きな力を持つものによって自然が守られてきたことがわかり、感動でした。

 

あちこちにブナの実生苗が育っていました。ブナ守の会が結成され、後継樹を守るためのシカよけ柵がギャップごとにいくつか設置されていました。どうして大きく囲わないのか質問したところ、間の草はシカが食べられるようにということで、当然のごとくシカと共存することを考えておられ、これにも感動でした。

 

妙見山には多くの人達がやってくるので、トイレを初め、水がかなり必要です。山頂近くで湧く水でまかなっているということで、どうして山上で水が湧くのかとても不思議です。丹波山地からの水脈が、サイフォンの原理で、山上に水を押し上げているのではないかということで、自然界の壮大なスケール、人智を超えた複雑怪奇さにも感動でした。

 

春夏秋冬、全く違う顔を見せる美しいブナ林。若い副住職様たちが、保護に立ち上がっておられるのを、とてもうれしく思いました。

今後もブナ林の状態の情報交換などしていけたらいいなと思います。

お忙しい中ご案内いただいたみなさん、本当にありがとうございました。

 

動物の餌場づくりを進めるくまもり本部 於:兵庫県豊岡市

今年の秋も山主さんのご厚意で、クマ生息地にある集落の裏山の人工林皆伐跡地を提供いただき、クマ止め林として、森の動物たちの餌となる実のなる木の緊急植樹を行いました。

 

9月28日 草を刈って地ならし

集落裏の人工林を抜けると、ミツマタやワラビに覆われた人工林跡地が姿を現す。

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去年植えた苗木が、シカよけパッチディフェンスのなかでよく育っている。ほとんどの苗木が付いていた。特によく育っていたのはクワだ。人間の背丈の2倍ぐらいに育っているのもあった。

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周りの高木は、明治に中国から入ってきたと言われるシンジュ(神樹、別名庭ウルシ)だ。並外れた繁殖力で、独り勝ち。伐採跡地で一気に大木に育っている。

 

パッチディフェンスの中も草で覆われているが、草の種類が中と外で違っている。パッチディフェンスの中の一つでなぜかホオヅキが実っていた。食べてみたらトマトみたいでおいしかった。

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人間が埋もれてしまうほどに育った植樹予定地の草や低木を刈っていく。シカの食べない植物ばかりが育っている。

 

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草を刈って軽く耕すと、ここがかつて棚田であったことがわかる。

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10月16日 シカよけパッチディフェンス張り

杭を打って網を張っていく。杭の打ち込み方が弱いと、春の雪解け時に倒れてしまうので、熟練スタッフたちが杭打ちを担当する。

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これで準備万端。あとは植樹するだけ。

 

10月21日・27日 植樹 

今年は、いただいたクヌギとトチの苗木を中心に、植樹していく。

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苗木が育つまではパッチディフェンス内にシカが入ると困る。最後に天井部分にピンクのテープを張って植樹を終えた。

 

年々この谷が、実のなる木で埋まっていくのが楽しみです。ここには来年も植樹しますので、みなさんふるってご参加ください。

 

注:熊森は、基本的には奥山人工林を伐採除去し、自然再生による森造りを進めています。しかし、シカ密度が高いなど、自然再生が難しいところでは、緊急避難措置として、一部人為的にクマ止め林となる実のなる木の植樹活動も行っています。

 

 

 

 

 

クマの食料供給調査1:今年からクルミを食べ始めた (於:兵庫県豊岡市)

10月6日、くまもり本部は、今年の野生グマの食料供給状況を現地調査しました。

地元の方が、クルミの木を指さして、今年初めてクマがクルミを食べに来たと教えてくれました。

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これらのクルミの木は野生のオニグルミではなく、栽培種のクルミです。殻が固いので、これまでは、さすがのクマも食べに来たことがなかったそうです。

そばに行ってみました。枝が見事にボキボキです。

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幹には爪痕がくっきりと残っています。クマです。

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食べ跡が落ちていました。

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左の2つはリスがクルミを食べた跡です。リスは、クルミの割り方を知っているので、きれいに殻が2つに分かれています。

右の一つは、クマが食べたクルミです。力任せに割っているので、われ口がギザギザです。

こんな固いものに挑戦しなければならないほど、食べ物に困っているのでしょうか。

 

今年、福島で撮影された「春よこい」という映画の中で、会津のマタギの方が、「クマがクルミを食べ始めた。今までなかったことだ」と驚いておられる場面がありました。クマの食性に変化が生じたのでしょうか。

 

以前、富山県のくまもり支部長が、富山のクマは、クルミの実がまだ緑色で殻が固くなっていないときに、丸ごとクルミを食べていると教えてくださいました。

 

みなさんの地方ではどうですか。調べてみてください。

 

奈良地区 実のなる木奥山植樹会に企業の新人研修がコラボ

くまもり奈良地区が奈良県五條市の山主さんのご厚意で、人工林伐採後の広大な山に実のなる木を植えさせてもらうようになってから早や5年です。

五條市の人工林率は62%という高率です。

 

山主さんは人工林を造り過ぎて各方面に大変な弊害が出ていることを良くご理解され、人工林伐採後の山を動物が棲める広葉樹林に戻すことに大いに賛同してくださいました。

 

奈良地区は毎月の第1日曜を活動日と決めて、みんなで実のなる木を植え続けています。

10月4日の実のなる木植樹会には、奈良にある大手の企業(本社大阪)が新人研修にと就職内定者の大学生たちを派遣してくださいました。

 

まず、植樹地周辺の山を見渡せる高台にみんなで行きました。

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すごい人工林率です。

 

植樹地到着

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伐採跡地は、どこまでもススキが原になってしまっています。

 

まず、ススキを鎌で刈り取る所から作業が始まります。

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植樹予定地は人間の背丈より高いススキでびっしりと覆われていました。「ええっ、これ刈るの?」

 

ススキを刈り取った場所に、シカよけ網を張ります。

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シカよけ網の中に、実のなる木を植えます。今回は、ドングリ以外に、クリ、カキ、サクラも少し植えてみました。

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うまく育ちますように

 

都会育ちの就職内定者のみなさんは、奈良の奥山に行ったこと、こういう活動をしている人々がいたと知ったこと、初めてボランティア活動に参加したことなどに対して、大変感動しておられました。また手伝いに来たいと言ってくださいました。これからも若い力が、奥山広葉樹林復元・再生に参加してくれるといいですね。

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みなさんお疲れ様でした。

 

奈良地区の次回活動は、11月1日です。この日以上に、企業から若い人たちが参加してくれる予定だそうです。

奈良地区のみなさん、よかったですね。

 

「とよ」がリンゴやカキにそっぽ、ひたすらクリとドングリを1日に10キロ

やはり野生のクマはリンゴやカキより、シバグリやドングリの方が好きなようです。

10月初め、会員のみなさんから送っていただいたクリや落葉広葉樹のドングリ30キロを、獣舎の運動場に山積みにしてみました。

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もちろん大好物のカキ、リンゴ、バナナ、クマフードもこれまで通り寝室の引き出しに入れておきました。

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4日目に行くと、30キロのクリとドングリが、殻だけになっていました。

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クリ、クヌギ、アベマキは、完全に殻だけ マテバシイのドングリ(中央ロケット型4つ)は食べていない

 

これまで、あんなに喜んで食べていたカキやリンゴ、バナナ、クマフードには、まったく手を付けていませんでした。

 

お寺の副住職さんのお話では、とよは7月の末か8月の初めころから、急に食欲が旺盛になって、「あれっ」と思ったそうです。

クリやドングリ等が届くようになってからは、そればかり食べ続けているそうです。

 

果樹の方がおいしいのでクマが山から出てくるようになったと、以前大学の先生たちが発表していましたが、とよに関しては間違いであることがわかりました。冬籠りするためには、おいしければいいのではなく、クリやドングリの成分が必要なのだろうという人もいます。良くわかりません。

 

しかも、とよは、去年の9月、その年に初めて入手できた常緑広葉樹のドングリであるマテバシイのドングリを与えると喜んで食べたのに、今年は食べません。

クヌギ・アベマキ・コナラの落葉広葉樹のドングリしか食べません。

ふるさとの冷温帯の落葉広葉樹林で母に教えられたドングリを、食べているのでしょうか。

 

大量にドングリを食べたからでしょう。獣舎内を拾って歩くと、20キロ位の大量の糞をしていました。表面が黒いのは3日前、茶色いのは2日前、白っぽいのは1日前の糞のようです。

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とよは毎日10kgほどのドングリを食べ続けています。
コナラ・アベマキ・クヌギ・クリを集めています。
熊森本部までお送りくださると嬉しいです。

ツキノワグマ「とよ」の動画

今春から、大阪府豊能町高代寺で、お寺と熊森が協力して保護飼育している野生グマの「とよ」(オス5才)です。

(1)常同行動

きけるものなら、「とよ」に、どうしていつも同じところを行ったり来たりしているのかたずねてみたいです。

人が誰もいない時は、していません。

https://youtu.be/yVzTODtg254

(2)水浴び

「とよ」は水が大好きです。1日に何回もプールに飛び込んで、水を飲んだり体をひたそうとしたりしています。

山上の獣舎なので、山の湧き水しかありません。どうしたらもっとプールの水量を増やしてやれるかが、私たちの今1番の課題です。

https://youtu.be/IzJ343817Q0

 

(3)ドングリ食べ

秋になって、クリやドングリが届き始めました。「とよ」は、これまで食べていたものは食べなくなって、今は、クリとドングリだけをひたすら食べ続けています。殻をうまく外して食べます。

https://youtu.be/Xv5oIpj1pQg

「とよ」のエサにコナラ・アベマキ・クヌギ・クリを集めています。
マテバシイは食べませんのでお気をつけください。
よく乾燥させて、本部までお送りくださると嬉しいです。

 

 

 

 

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