ホーム > アーカイブ > 2015-10-30
2015-10-30
10月12日 能勢妙見山での会長講演
- 2015-10-30 (金)
- _クマ保全
妙見山ハイキングの会のみなさんは、今春から「とよ」が高代寺にやってきたので、クマがどんな動物なのか知りたくなったそうです。
会のみなさんに講演会をセットしていただいて、妙見山山上の北極星をかたどった建物の中で、森山会長がクマの話や森の話を1時間させていただきました。
ご出席してくださったみなさんは、自然に接することの気持ちよさを常日頃体験しておられる、明るくて元気な方々です。クマの話にも森の話にも大変興味を持って熱心に聞いてくださいました。とても話しやすかったです。クマなんて怖い動物だとしか思っていなかったが、会長のお話を聞いて、とても親しみがわいてきましたという声もいただきました。さっそく、とよ君にドングリを集めてやろうというやさしい動きも起きてきました。
とよ君を保護飼育することで、大阪府民の目が、野生動物や森に向くことが期待されます。
クマの食料供給調査2:夏の間にカキをほとんど食べてしまっていた (於:兵庫県豊岡市)
- 2015-10-30 (金)
- くまもりNEWS
10月6日、熊森が13年前に植樹した「動物の棲める森復元植樹地」を訪れました。
去年、シバグリの枝がボキボキに折られて、クマがここのクリを大量に食べたことが確認できた場所です。
去年はあんなに実っていたドングリもクリも、今年は実りが少しです。
一部狂い咲きしたクリの花に大きなアリが来ていました。ここに植えたクリは、近年はやりのクリタマバチにやられない種の苗木なので、どれもクリタマバチにやられておらず、青々として元気でした。
何故か、今年はクマが来た形跡が全くありませんでした。
去年来ていたクマが有害駆除されてしまったのだろうかと心配になりました。
絶滅危惧種なのに、去年(2014年)、兵庫県では30頭ものクマが有害捕殺されています。
シカの糞はありましたが、ほんの少しだけでした。
次に、丹波グリが植えられたまま長年放置されている所にいきました。
シバグリと比べると丹波グリは本当に大きくて、数倍の大きさがあると感じました。これまで、シバグリを植樹してきましたが、これからは、丹波グリを植樹したほうが、動物の食料供給に良いのではないかと思いました。
少しだけですが、ここには熊棚が出来ていました。
下には、クマが食べたクリの殻が少し落ちていました。
同行してくださった研究者が、このように殻が大きいまま実がなくなっているのがクマで、殻が小さくちぎれているのはシカで、イノシシは殻ごと食べてしまうので殻が残らないと教えてくださいました。みなさんの地方のクマ・シカ・イノシシも、、クリの実の食べ方が違いますか。
最後に山裾の柿の木を見に行きました。
もう実が少ししか残っていませんでした。地元の人達に聞くと、夏の間にクマが来て食べてしまったということでした。以前は実るまで来なかったのにと言われていました。
10月初めなのに、もう、実が少ししか残っていない山すその柿
クマが青い柿をかじって地面に捨てた所がありました。
柿の実にススメバチがたかっていました。
大きなアリもいました。
生態系としてみんなつながっているのだと、改めて思いました。
民家の前に、まだ柿の実が残っているところがありました。
住民の方に声をかけて話をしているうちに、クマが来ないように全部もいでおいた方がいいということになりました。みんなでもいで、山の中に運んでおきました。
この地域は標高が低いからか、ブナやミズナラの木はありません。潜在植生はアベマキのようですが、今年は全くなっていません。クマたちは、これから冬籠りに向けて食い込みがますます必要です。一体何を食べて脂肪をつけるのでしょうか。わからないことでいっぱいです。
10月12日 大阪府妙見山ブナ林視察での3つの感動
大阪府豊能郡能勢町に標高660mの能勢妙見山があります。
この山の山頂より北側の約9.5haに、今もブナの巨木林が残されています。よくぞ残ったものです。
奈良時代から続く能勢妙見山寺の植田副住職様のご厚意で、この日、大阪府の天然記念物に指定されているこのブナ林を案内していただけることになりました。
能勢電車の妙見口駅前には、観光協会が「とよ」の看板を出してくださっていました。うれしいです。
ここから車で妙見山に登って行きます。道中、真っ暗な放置人工林があまりにも多いのにびっくりしました。そんなに奥山でもないのに、どうしてこのあたりの山が、ここまで人工林にされたのだろうかと思いました。
妙見山寺について、副住職様に残された<ブナーアカガシ>林を案内していただきました。
この様な巨木の森が奇蹟的に残ったのは、妙見大菩薩のお寺として境内が聖域となり伐採が出来なかったからだそうで、人間よりも大きな力を持つものによって自然が守られてきたことがわかり、感動でした。
あちこちにブナの実生苗が育っていました。ブナ守の会が結成され、後継樹を守るためのシカよけ柵がギャップごとにいくつか設置されていました。どうして大きく囲わないのか質問したところ、間の草はシカが食べられるようにということで、当然のごとくシカと共存することを考えておられ、これにも感動でした。
妙見山には多くの人達がやってくるので、トイレを初め、水がかなり必要です。山頂近くで湧く水でまかなっているということで、どうして山上で水が湧くのかとても不思議です。丹波山地からの水脈が、サイフォンの原理で、山上に水を押し上げているのではないかということで、自然界の壮大なスケール、人智を超えた複雑怪奇さにも感動でした。
春夏秋冬、全く違う顔を見せる美しいブナ林。若い副住職様たちが、保護に立ち上がっておられるのを、とてもうれしく思いました。
今後もブナ林の状態の情報交換などしていけたらいいなと思います。
お忙しい中ご案内いただいたみなさん、本当にありがとうございました。
10月9日 大津市の小学校でくまもり環境教育
- 2015-10-30 (金)
- _環境教育
10月9日、くまもり滋賀県支部は、大津市の小学校で去年に引き続き今年も、くまもり環境教育を実施させていただきました。
今回は、4年生の「森と人間」です。本部からも、応援に行きました。
人工林と自然の森の違いを子どもたちとの対話を楽しみながらクイズ形式で進めていきました。
活発な発言に、驚きや元気をもらいました。
授業後に、スギ・ヒノキ・ドングリの葉っぱを触ってもらったのですが、スギ・ヒノキ「粗い感じ」「スギは硬いけど、ヒノキはやわらかい」ドングリ「さらさらしてる」「布みたい」「優しい感じ」等々、感じたままに素敵な感想をくれました。
先日、先生方が各クラスで「割り箸を使うのは、いいこと?」という質問をされたところ、クラスの大多数は「よくない」派だったそうです。今回の授業では、間伐の必要性についても触れたので、間伐材や割り箸について、改めて考えてみる機会になったのではないかと思います。
滋賀県支部の環境教育部の活動は、今年で2年目。環境教育をやってみようと思われる滋賀県の会員のみなさん、一緒に活動しませんか!♪(SY)