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2015-12

12月15日 速報 祝 くまもりが滋賀県麻生林業株式会社を買い取る

かねてより準備を進めてまいりましたが、本日、熊森が、麻生林業株式会社を買い取りました。

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契約風景2015、12、15

 

麻生林業は、滋賀県高島市朽木に211ヘクタールという広大な山(分収造林地)を持っています。

この地域はかつて、クマたちの宝庫だったところです。

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頂上は、931メートルの百里ケ岳です。

 

熊森は手前の山から奥の頂上に至るまでの山を所有したことになります。

この分収造林地の地上権は、現在、山主にはありませんが、林野庁の外郭団体である森林総合研究所・滋賀県・山主と3者で結んだ55年間の分収造林契約が、平成29年に切れます。

森林総研や県との契約では、その時点で地上権が返還されることになっています。

現在、この山は植林されなかった頂上のブナ林以外は、スギやヒノキで多くが覆われてしまっています。

しかし、手入れが行き届かなかったところやスギに向かなかったところは、自然の力で針広混交林状態に戻りつつあります。

今後、森林管理署のみなさんにもご協力を願って、何年かかるかわかりませんが、クマたちが棲めるいい森に戻していきたいと思っています。

新光風台のみなさんが、「とよ」のためにスーパーの店頭でドングリ集め→今冬分充足、感謝

「とよ」が冬ごもりするためには、大量のドングリが必要であることを知った大阪府豊能郡豊能町新光風台有志のみなさんが、11月初めからスーパーの店頭にドングリ集め箱を置いてくださいました。ご協力いただいたお店のみなさん、ありがとうございました。食料品を扱っているので申し訳ないが協力できないと言われたお店もありましたが、なんと、その代わり、店長さんの呼びかけで、従業員のみなさんがドングリを集めて下さいました。

 

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店頭の箱に、「とよ」の食べるドングリ、食べないドングリを写真で表示

 

公園に落ちているドングリをひとつひとつ拾い集めるのは、腰が痛くなる大変な作業です。みなさん本当にありがとうございました。熊森会員のみなさんも、ドングリを集めて段ボールに入れ、郵送してくださいました。おかげさまで、今年度、「とよ」がお腹いっぱい食べられるだけのドングリが一挙に集まりました。

 

「とよ」に早く与えてやろうと、ご自宅の庭の固い柿の実を採ってくださった方がおられます。「とよ」が食べないので、段ボールに入れたままにしておいたところ、熟れて赤く色づき柔らかくなっていました。これを与えてみると、よく食べました。熟した柿は好きなことがわかりました。

 

「とよ」がドングリばかり食べるようになって困ったことがあります。週1回木曜日のお掃除の時、えさでつって「とよ」を寝室に閉じ込めるのですが、これまでの餌では、寝室に入ってくれなくなったのです。「とよ」が、ドングリよりも好きなものはないのだろうかといろいろと与えてみたところ、見つかりました。ブドウです。寝室の餌箱にブドウを入れると、すぐ飛び込んでくれました。

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木にぶら下げたブドウを食べようと、2本足で立ちあがった「とよ」

 

元野生グマ「とよ」に、イギリスから訪問者

大阪府豊能町高代寺で保護飼育中の元野生グマ「とよ」(5才)オスに会いに、いろんな人たちが訪れて下さいます。

10月末には、なんとイギリスから、ひとりの女性が来てくださいました。昨年度、イギリスで、「とよ」を山に放獣してやってくださいというネット署名が立ち上がった時、署名された方の一人だそうです。

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フリッパさんの話を聞きながら作業する会員たち

 

彼女は、本当に動物たちを愛していて、これまで世界をまわっていろいろな動物園などに飼育改善の提案をされてきた方です。この日は、「とよ」にぜひ遊べるものを入れてやってくださいと提案されました。そして、世界のいろいろなクマ施設で使われているハンモックなど、クマが遊べるものをいくつか紹介してくださいました。

 

1週間に1回の「とよ」の糞拾いも、いっしょにしてくださいました。80~90個の大きな糞の塊がありました。以前は、1日に糞を2個していましたが、冬籠り前の食い込み期に入ってからは、1日に12個の糞をしていることになります。獣舎中、もう、糞だらけでした。

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糞の中のゾウムシ(中央の白いもの

 

「とよ」は、ドングリから出てくるゾウムシが大好きで、ぺろぺろ食べます。しかし、糞を見るとゾウムシは死んでいるものの、全く元のゾウムシのままで、何も消化された様子がありません。では、一体何のためにあんなに喜んでゾウムシを食べるのか。ほんとうに、ふしぎです。

柿を食べた後の糞も、まるで食べる前の柿と同じじゃないかと思ったことがあります。

山の実りゼロの凶作年に、クマがギンナンの実を食べて、そのまま出しているとしか思えない糞をいくつか見たことがあります。

ある大学生が、同じことに疑問を持って、リンゴを食べた後のクマの糞を口の中に入れてみたそうです。そうしたら、糖分がきれいになくなっていることがわかったそうです。

食べる前と出てきた糞が、見たところ同じでも、クマは何かを吸収しているのでしょうか。わからないことでいっぱいです。

 

別れるときにイギリス人の女性に感想を聞くと、「今日一緒に作業してみて、くまもり協会の皆さんが、「とよ」に深い愛情を持って接していることがわかった。とてもうれしい。床がコンクリートではなく土であることや、プールがついているのはとても良いこと」と、喜んでおられました。

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プールが大好きな「とよ」

 

さっそく、後日、まず、天井からタイヤをぶら下げてみました。

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今のところ、「とよ」が、タイヤで遊んでいる気配はありません。

 

 

富山県 クマは耳が良い(北陸中日新聞12月6日記事)

写真

急な遭遇はクマも困る 

耳が良いため 音で存在アピール大事

 

富山県上市町伊折の登山道で十一月二十二日に男性登山者二人がツキノワグマに襲われた。二人はクマを避けるのに有効とされる鈴を持っていなかった。県は、冬眠前の年内はまだ出没の危険があるとし、山に入る際にはクマ鈴の携帯など対策を呼びかける。なぜ、鈴でクマを避けられるのか。そもそもなぜ人を襲うのか。専門家に聞いた。(木許はるみ)

県によると、上市町に出没したクマは、男性二人を襲う前に別の登山者に遭遇していた。斜面にいたクマは登山者が近づいてきたことに驚き、急斜面を転がり落ちると、そのすぐ近くに男性二人がいたことに驚き、反射的にかみついたとみられる。

 

富山市ファミリーパークの動物課課長代理の村井仁志さんは、クマが人を襲うのは「急に出合い、びっくりしてパニックになるから」と指摘する。クマの食性は専ら植物で「昆虫は少し食べても、人間を食べることはない」という。

「聞き慣れないものや身近にいないものがあると、避けて茂みに入っていく」と村井さん。クマは耳が良いため、音で存在を知らせることが大切。鈴やラジオだけでなく、大きな話し声も有効だという。村井さんは「できるだけ距離があるうちに知らせることが重要」と強調。ただ、風や雨、川の音が邪魔することもあるため、油断は禁物だ。

 

万一、クマに遭遇した場合はまずは落ち着いて、その場を立ち去ることだという。逃げるものを追う習性があり、刺激しないよう背中を見せずに逃げることもポイント。クマとの遭遇を避けるには、富山県の「クマっぷ」(熊森本部より:熊森会員は、是非、クリックしてみてください。とてもわかりやすいです。富山県庁担当者に感謝です。)が役立つ。二〇一四年度からのクマの目撃情報が地図上にまとめられている。

 

県によると、今年は主な餌となるドングリが豊作だったため、目撃・痕跡情報は十二月四日現在で百五十六件で、昨年の半数以下。人身事故は、五月に富山市(旧山田村)高清水の山中で山菜採り中の男性がツキノワグマに襲われ左腕をけがした事故と、十一月に上市町であった事故の二件にとどまる。

 

冬眠時期は十一月~翌年四月ごろが一般的だが、天候にも左右され、十二月中に目撃された例もある。冬眠直前は脂肪を蓄えるために食べ物を求めて活発に行動するため、注意が必要だ。

 

熊森より

大阪府豊能町高代寺で保護飼育中の「とよ」を見ていても、クマはとても耳が良いことがわかります。

獣舎は、標高600メートルの山上にありますが、時々、下界で電車が走っている音とかが、山の上にまで上がってきます。

ふだん、獣舎内を走り回っている「とよ」ですが、かすかな音でも何かの音が聞こえると立ち止まって、何の音だろうと耳を傾けてじっと聞いています。

ずっと、「とよ」のお世話リーダーをつとめてくださっているHさんが、「とよ」が、ヒヨドリのさえずりに気づいて走るのをやめ、耳を澄まして聞き入っている姿を再現して見せてくださいました。「その姿が、また、本当に愛らしいんです」と、言われていました。

 

 

秋田県 山にえさがあれば、クマは出て来ない 

以下、クマニュースより 秋田さきがけWEB記事

 

クマの目撃、過去5年で最少 山中で十分な餌確保か

※写真クリックで拡大表示します

 秋田県内で例年、夏から秋にかけて相次ぐツキノワグマの目撃が、今年は昨年同期の半数程度の50件(8〜11月)にとどまり、過去5年で最も少なかった。餌となるブナの実やヤマブドウなどが豊富で、人里で餌を探す必要がなかったためとみられる。冬眠前にクマが十分に栄養を蓄えると出産数が増えることから、来年は目撃件数が増える可能性がある。

県警生活安全企画課によると、今秋の月別目撃件数は8月33件(昨年比16件減)、9月8件(同19件減)、10月6件(同6件減)、11月3件(同1件減)。各月とも過去5年で最少だった。

クマの生態に詳しい県立大生物資源科学部の星崎和彦准教授(森林生態学)は「今年はブナの実つきがよかった。クマは山中で十分に餌を確保できたのではないか」と分析する。

県自然保護課の担当者も今秋、焼石岳(東成瀬村)や丁(ひのと)岳(由利本荘市)などでブナの実のつき具合を確認。「結実はまずまずの状況で、一部では豊作だった。ヤマブドウやサルナシなど、クマが好む液果果実もよく実っていた」と振り返る。

東北森林管理局は今年の国有林内の結実状況を「凶作」とみている。だが、県南を中心に実つきがよい場所も多く、調査地点によってばらつきが顕著だという。管理局の調査では、岩手と山形は「豊作」で、青森と宮城が「並作」。隣県の良好な結実状況も目撃件数の減少に影響したとみられる。

 

熊森より

秋田のクマに関しては、今年、人里での目撃数が少なかったのを知って、一応ほっとしました。秋田県の今年のクマの有害捕殺数は、9月末現在93頭です。昨年度の年間有害捕殺数は、255頭でした。去年たくさん殺し過ぎたので、今年の目撃が少ないというようなことはないのかなと、少し不安でもありますが。

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