くまもりHOMEへ

ホーム > アーカイブ > 2016-03

2016-03

3月19日 高代寺の「とよ」冬ごもり明け <速報>

冬ごもり明けした3月20日の「「とよ」のようすが、新光風台に住むK会員から届きました。以下にご紹介します。

 

2か月ぶりに見た「とよ君」極めて元気、プールに入って水を飲んだり、檻に這い上がって、ひさしの上を歩いて右側から下りたり、遊びまくっていました。
4号寝室に入って、何か食べて来ては又、運動場でゆっくりと常同行動。「ウンチ」もシッカリと出していました。
冬ごもり中は何も食べていないので「糞」はしませんでしたが、今日は気持ちよさそうに「ウンチ」していました。
表情も穏やか、可愛かったです。
何か食べる「餌」を与えてやりたいです。(熊森本部から:さっそく本日、お世話隊長が食料を持っていってくれました)
 7myvxoqy
「とよ君」と声をかけると、「フゥーッ」と息を吐きながら、2か月ぶりにご対面
 q
 wr7rz8yw
 檻の東から登り
 q
ewcmm8f8
 ひさしの上でしばらくお休み
 q
lq4jmawm
檻の西側から降りていた
 q
d4ue5762
プールに入り、おいしそうにがぶがぶと水を飲んでいた
q 
pupsjegn
かわいい、穏やかな表情で話しかけてきましたよ
 24日は「とよ君」のお世話が久しぶりにできます。がんばりましょう。
(熊森本部から)
K会員、いつもありがとうございます。

京都府丹後のクマ数はわからないが、捕殺する前に生息地の再生や被害防除策を優先してほしい

いったい何頭クマがいるのか。

 

これだけ科学技術が発達した今、野生動物の生息数など簡単に出せるような気がします。しかし、実際に調べてみると、どんなにハイテク科学技術を使っても、木々に覆われた山の中を動き回る野生動物たちの生息数を把握することは、人間には不可能なのです。それだけ自然界は複雑なのです。

 

そこで、いろんな方法で、推定生息数を算出するのですが、いまだにこれといった決定打がありません。

階層ベイズ法での推定など、第3者が再現できないような推定法を使用するのは、科学ではないのでやめていただきたいと思います。

そんななか、京都府に依頼された業者は、平成14年度の丹後のクマの推定生息数は120頭、12年後の平成26年度には約6倍の700頭に爆発増加したというのです。もしこの推定があたっているなら、爆発増加した要因を知りたいものです。

人間でいうなら、日本の人口1億2800万人が12年後には7億6800万人になっているということです。

 

だいたい、丹後半島では、平成10年ごろナラ枯れが猛威を振るい、約9割のミズナラが枯れてしまいました。ミズナラはクマの冬籠り前の貴重な食料でした。また、現在、クマの夏の食料である昆虫が、山から大量に消滅してしまっています。

食料を求めてクマたちが山から一斉に出てきたら、目撃数や捕獲数がうなぎ上りに増えるので、クマが爆発増加したように見えますが、ドーナツ化現象かもしれません。丹後半島は山が低く、人家が入り込んでいるので、クマが里に出てきたらすぐに見つかってしまう場所です。

 

もし仮に丹後のクマが700頭を超えていたとしても、何頭だったらいいのか、人間にわかるようなものではありません。人里に出て来ないように生息地の自然環境の復元や被害防除策を優先させるべきです。それらをなおざりにして、捕殺していいわけはありません。動物たちの命もたった一つ、命は何よりも尊いのです。

 

とりあえず、京都府には丹後半島のクマ生息推定数700頭に至った計算経緯を教えていただき、わたしたちもその推定方法がどこまで妥当と思えるか検証してみようと思います。

 

 

 

 

ファッションに動物の犠牲はいらない  リアルファー使用量の減少は世界的な流れ 

以下、オルタナSからの情報です。

 

NPO法人アニマルライツセンター(東京・渋谷)は、2015年に国内の毛皮消費のために約167万頭の動物が犠牲になったと発表した。財務省の貿易統計では2015年、毛皮付き衣料(付属品、帽子含む)の輸入量は、点数にして4,271,681点、重量は2,188,900キロだった。2014年と比較すると点数は32%減、重量は36%減で、犠牲数は同団体調べでは約89万頭減った。(オルタナS副編集長=池田 真隆)

 

犠牲数は約167万頭と膨大な数に及ぶが、毛皮消費は年々減っている。昨年から引き続き、羊またはやぎの中国からの毛皮輸入量は増えているが、キツネ、ウサギ、ミンクなどの動物の毛皮輸入量は減った。毛皮付きの衣料品、付属品は4年連続で減っている。

 

社会の毛皮に対する見方も変わりつつある。同団体が2014年に行った意識調査では、「毛皮を購入する」と答えた人は8%に過ぎなかった。この声を受け、2015年はファストファッションだけでなくラグジュアリーブランドのHUGO BOSSやアシックスなど、国内でも毛皮を使わないと宣言した企業が増えた。タレントのローラは、SNSに「I don’t wear real fur❤」と投稿し話題となった。

 

この流れは、日本だけでなく世界的な流れでもある。2016年2月14日、オランダでのミンクの毛皮生産を禁止する裁判での判決文の中には、「この流れは、動物福祉に関連したことではなく、毛皮生産のために動物を飼育することが倫理的に受け入れられていないという考えからきている」と明記された。

 

毛皮は有史以来防寒具として使われてきた。しかし、人道や環境に配慮した、よりエシカル(=倫理的)な生産方法で、おしゃれな衣類が生まれているなか、毛皮のために動物を犠牲にすることが許されなくなっている傾向が伺える。アニマルライツセンターは、「私たちは、毛皮を使わないでおしゃれを十分に楽しむこともできます。日本の素晴らしい技術は、エコファー製品を年々良い物に変えてきています。毛皮を買わない、毛皮がついた商品を買わない、エコファー製品を選ぶ、そういった『正しい』消費が求められる時代です。『ファッションに動物の犠牲はいらない』それが当たり前になることを目指しています」と断言する。

 

くまもりから

美しい毛皮と、殺害された野生動物たちの悲鳴が結びつかなくて、なんとなく毛皮を着ている人が多いと思います。しかし、いったん現実を知ったなら、ほとんどの人は考えが変わると思います。おしゃれに毛皮を使わない世界的な流れが起きているのは、無用の殺生を避けるくまもり理念とも合致します。

 

3月4日 平成27年度京都府のクマ捕殺数・誤捕獲数が西日本で突出最多となった問題で、府庁に本部・支部が要望書を提出 記者会見・NHKニュース

上記の問題を、生態系保全上看過できない大問題であると考えるくまもりは、本部と京都府支部で、府庁記者クラブに出向き、記者会見を行いました。

 

当協会の現地調査からわかってきたことですが、京都府は京都府絶滅寸前種であるクマに対して、クマ保護計画では、すばらしい保護体制を書き連ねておきながら、実際の現場は捕殺一辺倒で、クマ保護計画は言葉だけのものになっていました。

 

現場担当者のみなさんに会い、せめて他県並みの保護体制をとっていただけるように要望しましたが、担当者のみなさんはみなさんなりにご自分のお考えがあり、当然のことながら、今の体制に問題はないと一蹴されてしまいました。

 

大量捕殺されてしまったクマたちは、いまさらもうどうしようもありませんが、今後もこのような体制が続くことは絶対に認められません。熊森は、クマの保護体制に関して京都府を世に訴えることにしました。

DSC_0267

記者会見の様子。奥がくまもり本部・京都府支部のメンバー

 

うれしいことに、6社のメディアが出席してくださり、熊森が25分間説明した後、35分間、記者さんたちの活発な質疑応答がありました。

 

(以下は数日間で消えます。今のうちにご覧になってください)

 

●NHKニュース京都地方

www3.nhk.or.jp/lnews/kyoto/2013381511.htmlキャッシュ

●京都新聞

http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20160304000149

 

 

記者会見後、京都府に要望書を提出しました。

DSC_0317

森山まり子会長(左)が府庁森林保全課の課長へ山田知事あての要望書を渡す。

 

<要望書の内容は、4つ>

①クマが誤捕獲されないよう、環境省の、「クマ生息地でのイノシシ、シカ捕獲用くくりわなの直径12cm規定」を守ってほしい。(京都府は20cm以上に規制緩和していた)

②山から出てきたクマを有害捕殺する前に、追い払いや誘因物の除去など、必ず、被害防除対策を行い、可能な限り捕殺を避ける努力をしてほしい。

③人間が破壊したクマ生息地の自然環境を復元・再生することを最優先してほしい。

④生物の多様性を保全することや他生物の命の尊厳を守ることの大切さがわかる職員を担当部署につけてほしい。

 

今回の要望書を作成するにあたって、京都府担当部署は、くまもりがお願いしたデータを快く全て送ってくださいました。お手数をおかけしました。心からお礼申し上げます。

 

熊森から

山が荒れ、第一次被害者である野生動物たちが生きられなくなって、食料を求め、次々と里に出てくるようになりました。第2次被害者である地元は悲鳴を上げており、大変な問題です。

山を荒らしたのは、全国民の責任です。野生動物の人里多数出現問題を過疎化高齢化した地元だけに任せるのではなく、都市市民も問題解決に向けて、お金持も力も出すべきです。

 

「水と生きる サントリー」 水源涵養のための本気の森林再生事業に脱帽 

サントリーエコ戦略部山田健著の「水を守りに、森へ」―地下水の持続可能性を求めて―(筑摩選書)は、自然保護団体の私たちもが目を見張る、一企業のすばらしい森林保全事業をまとめたものです。行政でも、ここまでやっているところはないと思います。みなさんに是非読んでいただきたいです。楽しくてためになります。元気が出ます。

 

水を守りに、森へ 地下水の持続可能性を求めて

 

山を歩き続けられた山田氏は、延々と放置され大荒廃している人工林はもちろん、ナラ枯れ・松枯れ・シカの食害などで大劣化していく自然林にも、真正面からしっかりと目を向けておられます。そして、日本の森と水は意外なほど危ういということに気づかれたのです。

 

国や自治体の限界を知った山田氏のすごいところは、広大な日本の森の危機を救うために、水に生かされている企業こそが立ち上がるべきだと、勤務するサントリーを動かし、実際に本格的な森林再生事業を各地で展開されているところです。

 

くまもりから

この本を読んで、くまもり顔負けの本気でかつ大規模な森再生活動を行っている企業が日本に存在することを知り感激しました。同じ活動を行ってきたわたしたちが参考になることも、多々書かれています。自然界のことも本当によく観察して、ごまかさずしっかりととらえておられます。

 

サントリーが製品に使用されている水は、すべて地下水だそうです。「サントリー南アルプスの天然水」は特に有名です。

 

サントリーの山梨県北杜市白州取水場から30キロ離れた南アルプス山脈の場所で、今まさに、地下水脈をぶちぎるリニアモーターカーの南アルプス巨大トンネル工事が始まろうとしています。サントリーが声をあげてくだされば、リニア・ストップへの大きな力になりますが。

 

フィード

Return to page top