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2016-04-17

4月10日 きれいにそうじしました 「とよ」の運動場

最近「とよ」は食べ物でつっても寝室に入ってくれなくなり、運動場のお掃除ができず困っていました。

4月10日午前6:30、副住職さんから、寝室に「とよ」閉じ込め成功の電話をいただきました。

チャンスです。5名で駆けつけて、久し振りに12:30まで、きれいにおそうじしました。

プールはピカピカ。地面も新しいパレットを敷き詰めてやり、きれいになりました。

寝室の戸をあけてやると、すごいスピードで飛び出して、運動場をダッシュしていました。

熊森(5)[5]

冬籠り前はあんなに肥っていた「とよ」ですが、今では元の体型に戻っています。よかった。ブドウをおいしそうに食べているところです。

熊森(9)[2]

新しいパレット、気持ちいいね。

熊森(4)[2]

熊森(7)[2]

きれいにしてもらったプールの水を、うれしそうにごくごくと飲んでいました。何度も何度もプールに入っていました。本当に水が好きなクマさんです。

 

結局「とよ」を、6時間も寝室に閉じ込めていたことになります。「とよ」、ごめんね。

 

3月17日 兵庫県野生動物保護管理運営協議会 クマ爆発増加説に基づき、西日本で先陣を切ってなんと「クマ狩猟再開案」

この日の協議会で、兵庫県行政から「平成28年度兵庫県ツキノワグマ保護計画案」が発表されました。

内容は、予想された通り、「クマが爆発増加し続けており、県内推定生息数が940頭を超えた。環境省は800頭を超えたら狩猟再開としているので、今秋11月15日から1か月間、狩猟者一人当たり1頭までという条件で、クマの狩猟を20年ぶりに再開する」というものでした。

 

ちなみに、兵庫県猟友会は、今回、クマ狩猟再開の申し入れなどしていないばかりか、反対に、捕獲上限総数などもっと規制を強めなければ、クマを捕獲し過ぎてしまうのではないかと心配されていました。

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協議会風景

 

協議会の委員メンバーが推移していく中で、今や最古参となった委員歴15年の熊森会長森山まり子が、直ちに原案反対の意見を述べました。

意見は2分間以内と決まっています。いつものことながら、2分間ではとても反論しきれません。時間が超過して委員長から注意を受けました。

検討会とか協議会とかいっても、結局は資料は行政が用意した原案だけであり、行政の会議は時間厳守ですから、深い検討や協議にはなりません。

まして、野生動物問題を、野生動物を殺さない方法で解決しようと主張している熊森の意見など、この場では異端であり、人間が野生動物を殺すことによって野生動物の生息数を管理していくという時代の流れの中で採用されることなどありません。

「無用の殺生」を忌み嫌うわたしたち大多数の一般国民の感覚からすると、聞くのも堪えがたいつらい内容の会議であり、出席に関しては、毎回誠に気が重くなります。しかし、出席しなければ、行政情報が何も得られないので、自然保護団体としては出席しなければならないのです。

 

<森山委員発言要旨>

「表題はツキノワグマ保護計画ですが、クマからみれば、保護の部分はゼロです。中味は完全に管理(=頭数調整殺害)計画になっています。狩猟再開には絶対反対です。まず、4点述べます。

①兵庫県のクマが爆発増加し続け、940頭を超えたと言われているのは、私たちが知る限りひとりの研究者のMCMCベイズ推定の結果だけであり、他に検証者がいない。熊森は、MCMCベイズ推定で野生動物の生息数を推定できるのか疑問を持っているので、他の研究者や他の方法で推定したクマの推定生息数も教えてほしい。

②原案は、集落周辺のクマ数しか見ておらず、彼らの本来の生息地であった奥山が人間にどのように破壊され放置されているのか全くふれていない。こここそ、行政が取り組まねばならない問題だ。

③どこで狩猟をするのか。集落裏か(集落から200メートル離れておればOKとのこと)。山中か。狩猟が再開されれば、山に潜んでいる残りわずかなクマまでもが、怖がって山から出て来てしまうのではないか。

④とにかく、狩猟再開という前に、クマに関する情報を公開してほしい。熊森が、有害駆除されたクマの雌雄や体重など、どこの県でも出してくださっている情報を、情報公開制度を用いて公開依頼したが、全面拒否された。協議会委員の私にすら、基礎データである情報を公開しないのなら、クマ問題について協議のしようがない。

 

熊森から

毎回の事だが、熊森が意見を言っても取り上げられないので、発言はほぼ無意味である。しかし、言わずにはいられない。

兵庫県で平成26年度に捕殺された大型野生動物数は、ツキノワグマ30頭、シカ45461頭、イノシシ17186 頭、 サル131頭であった。

サルに至っては、豊岡農林管轄の美方地域個体群のサルは平成26年度に7頭が捕殺されたため、もはや美方A群は9頭、美方B群は11頭しかいない。サルについては殺害し過ぎて、他の委員が指摘してくださったが、地域個体群消滅の危機である。サルからすれば、人間は悪魔だろう。人間は、悪魔になってはいけない。

「人間よ、お前、一体何様なんだよ。国土は、地球は、人間のためにだけあるのではないぞ」と、叫びそうになりました。サルを射殺するなんて、人間を殺すのと変わらないと思います。誰がそんなことをしてもいいと認めたのでしょうか。天はきっとお怒りになると思います。

研究者や行政は、野生動物たちの造ってくれる森の恩恵を湧き水という形で受けながら、野生動物たちを害獣扱いしています。本来、心優しい郡部の人達に、環境省方針に従って、野生動物を殺すこと、食べることばかり勧めています。

 

日本本来の、自然や野生生物と共存してきたすばらしい生命尊厳文化が、野生生物を物としか見ない、数字としてしか見ない、西洋の持続不可能な破滅型近代文明にとってかわられてしまおうとしています。ますます危機感が高まりました。

嘆いているだけではだめで、全生物の生命尊厳文明をこの国に取り戻すため、みんなで集まり一大勢力を作りあげ、一般国民が声を上げていかねばならないときです。

熊森は今後、クマ狩猟再開をやめて生息地復元と被害防除で野生動物問題に対応していくよう、多くの県民のみなさんに訴え続けていきます。

3月26日 くまもり鳥取県支部が、岩手大学青井俊樹先生の講演会を実施

鳥取県のクマ生息地のどまんなかである八頭町船岡地区公民館で、午前中にくまもり鳥取県支部総会が開かれました。

午後からは地元の方々にも参加していただき、「クマとの共生を考える」として、青井俊樹先生の講演会を持ちました。

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講演会場風景

 

青井先生は、北海道大学に在学中、北大クマ研究会に所属され、40年間クマ研究の第一人者として活躍されてきた方です。熊森が誕生した1997年の同年に、日本における人間とクマ類との共生を図るために必要な活動、調査、検討および情報交換を行うことを目的に、主に大学のクマ研究者たちが参加する日本クマネットワーク JAPAN BEAR NETWORKを立ち上げられ、初代代表者となられました。

 

実は、20年ほど前、青井先生が和歌山県の北大演習林におられたころ、くまもり森山会長は青井先生らに案内していただいて、和歌山の山や山に林業家が仕掛けていた熊檻を見て歩いたことがあります。しかし、この1日で、二人は決別してしまいました。

 

あれから20年、鳥取県支部が企画した講演会の講師名を見て、本部は驚きました。しかし、支部の独自性や判断を尊重し、熊森本部は講演会を承認しました。

当日は、森山会長ら3名が本部から出席しました。青井先生と森山会長。お互いに、心穏やかならぬものがあったと思われます。青井先生は、「敵陣に一人乗り込む気持ちでやってまいりました」と、あいさつされました。森山会長は、「遠い所、しかも、熊森主催の講演会によく来てくださいました」と、感謝の気持ちを込めてあいさつしました。

 

いよいよ講演会が始まりました。講演が2時間、質疑応答が30分でした。

講演内容はクマたちの命の尊厳を忘れないすばらしい研究や取組の発表で、熊森会員必聴でした。会員のみなさんには、何らかの形で今後、お伝えしたいと思います。また、熊森が教わることも、多々ありました。講演内容の基本姿勢は、まさに熊森と同じであったと思います。

 

以前、熊森が、当時のクマ研究者たちに違和感を持って決別した原因は何だったのか。もうずいぶん前のことですが、思い出すと、研究者たちがクマを研究したい一心で一生外れない発信機付首輪をクマの首につけたことが大きかったのではないかと思い出されてきました。熊森は、いくら知りたいことがあったとしても、人間が、クマの首に一生外れない重い発信機を付けることは、絶対に許せないことでした。

 

現在は、調査が終われば遠隔操作で、クマの首についている発信機を外してやっています。この問題はもう追求すべきことではなくなっていますし、20年間の間に、気が付けばお互いに同じ道を歩くようになっていたのかもしれません。

 

また、当日、クマ生息地の会員のみなさんや会場に来てくださった地元の方々の発言を多々聞けて、大変参考になりました。どなたも、2010年のクマ大量捕殺年以来、ほとんどクマを見かけなくなったと証言されていました。

同じ東中国山地の隣接県で、兵庫県側は、クマが爆発増加していると言い、鳥取側はほとんどいなくなったと心配している。1頭まで正確に数えられるサルなどと違って、これだけ科学技術が発達した今でも、クマの生息数の推定は不可能で、神のみぞ知るなのです。

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 森山会長  青井先生  鳥取県圓田支部長

 

結果として、とてもいい講演会になりました。森山会長は、青井先生を鳥取空港まで送って行き、喫茶店で、飛行機の時間ぎりぎりまで話し込み、さまざまな点で意気投合していました。すっかりわだかまりが解けたようでした。これから良いお付き合いをしていけそうです。

この様な機会を作って下さった鳥取県支部長をはじめ支部スタッフのみなさんに、心から感謝します。

講演会場に来てくださっていた地元の方の中から、熊森新会員が誕生しました。ご出席くださった地元のみなさんも、ありがとうございました。

 

 

 

 

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