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2016-05-24

山奥でのスズコ(チシマザサの竹の子)採り禁止を 秋田でクマと人が遭遇、同場所で死亡事故2日連続 クマ捕獲予定なし

秋田県鹿角市の山奥で、5月21日、22日と連続してクマによると思われる死亡事故が発生、2名の方が亡くなられました。心からお悔やみ申し上げます。

 

NHK NEWS WEB(5月22日)

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160522/k10010530781000.html

 

 

どうしてこんなことが、起きたのでしょうか。今後、何としても早急に事故対策をとっていただかねばなりません。熊森本部は、直ちに関係部署に電話で聞き取りを行いました。

 

〇秋田県庁自然保護課

事故現場は、両日とも十和田湖南側の標高500m程のエリアです。毎年この時期になるとたくさんの人々がスズコ(チシマザサの竹の子)採りに山へ入ります。この時期、クマも人間もタケノコを採りに夢中になっており、鉢合わせしやすくなります。

昨日19時過ぎから、この現場に行く市道を通行止めにして、この山林に入れないようにしています。期間は6月の半ばまでです。

事故があった現場の山は、草木が生い茂り見通しが悪い所です。銃でクマを駆除することは危険なのでしません。有害捕獲も、今のところ行う予定はありません。ただ、クマが人里に下りてきたり、現場を見回りしている警察官などに危害を加えたりするなどの状況が発生した場合には、有害捕殺も考えます。

 

〇鹿角市農林課

この付近の山林で、これまで何度かクマによる人身事故が発生しています。しかし、死亡事故は今回が初めてです。人間の方がクマの生息地に入っていったことにより起きる事故なので、人間側が注意する必要があります。

 

〇鹿角警察署

21日に遺体となって発見された男性は、クマよけの鈴を持っていませんでした。

現場付近は、現在、通行止めの措置をとっており、本日も早朝4時ころから警察が見回りを行っています。タケノコ採りに来られる人々は、ふだん、早朝4時から5時くらいに山へ入って行かれます。ここで死亡事故があったことを話し、山に入らないように人々を止めています。

 

熊森より

山菜採りに山奥へ入ってクマと遭遇する事故が多発する季節になりました。

 

チシマザサの竹の子はスズコと言って、鉛筆くらいの大きさです。スズコのある所には、必ずクマがいるというくらい、クマの大好物であり、春のクマの貴重な食料です。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

チシマザサ別名ネマガリダケの竹の子

 

人間が生でかじってもおいしいので、採りに行きたい気持ちはわかりますが、クマがいるかもしれない深い山奥まで入るのは危険な上、クマたちの食料を奪うことにもなります。人間側は、道路沿いや昼間の時間帯等、クマに遭遇する恐れの少ない場所や時間に少し採る程度にして、早朝や草が生い茂るような奥にまで入らないようにする必要があります。

 

また、行政や警察は、「ここはクマの生息地」という看板をたくさん立てて、人間側の注意を促すようにしてほしいです。

 

もし、クマに出会ってしまった時は、どうしたらいいか。秋田県自然保護課が作成した、クマ注意リーフレットが良くできているので、山へ入られる前にぜひお読みください。

http://pref.akita.lg.jp/www/contents/1463032675241/files/kuma2.pdf

 

尚、最後になりましたが、今回の事故後にとられた秋田県地元行政や警察署の人間の自己責任とする対応は、誠にまっとうなものであり、自然保護団体として高く評価するとともに、心から感謝申し上げます。

 

また、竹の子とりの人たちが、熊鈴やラジオを持参せずに山に入るのは、業者に買ってもらうためのタケノコの穴場を他の人に知られないためという情報がありました。

お金と命とどっちが大事か、よく考えていただきたいと思います。しかも現在、人間の食料は世界中から日本にあふれるまでに集まってきています。野生動物たちの食料は、その場所にあるものしかないということもお知りおきください。

 

野生動物と人が共存する国をめざさない限り、人類は生き残れません。好むと好まないとにかかわらず、これは自然界の法則です。

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