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2016-06-12
本部 集落周辺のクマ目撃地での追い払いやパトロールに取り組み中 不在地主の土地に泣く
兵庫県森林動物研究センターの発表によると、兵庫県では5月末までにすでに63件のクマ目撃情報が行政に寄せられているそうです。10年前に比べると、2倍になっています。日中目撃されると、人を恐れない危険グマという判定をおろされ、捕獲対象とされます。今、兵庫県では、以前のような奥地放獣などの保護政策はとっておらず、有害捕獲されたクマは、100%殺処分されます。
くまもり兵庫県本部では、まずクマ目撃地に急行し、地元の方たちと話し合ってから、追い払いやパトロールを行います。これがなかなか大変です。かつて、農村人口が多くて若い人たちが多かった時は、集落内でこのような役を買って出る人もいたでしょうが、今はどこも過疎化高齢化が進んでおり、人員不足です。自然保護団体の支援に、地元のみなさんから感謝の声もいただきました。
どこから出てきたのかな
クマが歩いた経路を調べたり、集落周辺の誘引物を調査したりします。自然界の事は、わからないことでいっぱいです。クマが潜みそうな藪があれば、土地所有者の許可を得て、刈り払いをします。このときいつも困ってしまうのは、最近増えている不在地主さんの土地です。去年の秋、クマが集落に出て来ないように柿の実をもぐ活動をした時も、不在地主さんの柿の木だけは連絡先がわからず、もげませんでした。
実がたくさんついたキイチゴの群れを発見。クマはこれを食べに来たのかな。
今回も、刈り払いをしておいた方がいい藪が集落内にあって、土地所有者の許可を得て刈り払ったのですが、その横に不在地主さんの土地があって、そこの刈り払いが出来ずじまいでした。無念でした。動物を寄せ付けない集落作りに、自然保護団体として、少しでも寄与できることはしたいと思うのですが、不在地主さんの土地には泣かされています。不在地主さんの土地の草は、行政判断で刈り取り許可を出してもらえたらなあと、ため息が出る日々です。
ここは刈りはらっておいた方がいいな
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ここはきれいに刈りはらいましたが、隣接する不在地主さんの藪や奥の竹やぶ、人工林も気になるな
今、行政がしているように、クマの目撃があったからと、追い払いもせずにさっさと蜂の巣入りドラム缶檻をかけてクマを有害捕獲し殺処分してしまうのは簡単です。しかし、クマを生かして、なおかつクマが集落に出て来ないようにすることが大切で、これには、奥山再生を初め、追い払い、草刈などやらねばならないことがいっぱいあり大変です。こちらに力を入れないと、共存などできません。