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2016-06-13
毎日新聞全国版に戦後の国の分収造林政策の失敗を明らかにした熊森の記事 6月10日朝刊<トラスト運動>企業買収で自然林回復 滋賀の保護団体
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秋田県 タケノコ採り、同じ場所でクマによる死者4人目 こうなったら人とクマの命を守るため、タケノコ採りを全面禁止せよ 行政・森林管理署も責任あり
- 2016-06-13 (月)
- _クマ保全
秋田県鹿角市大湯周辺でタケノコとりに入った入山者の相次ぐクマによる死亡事故4人目。
①5月20日に入山した男性の遺体を5月21日に発見。国有林。
<5月21日ニュース:鹿角市大湯でクマによる死亡事故の報道>
にもかかわらず、小遣い欲しさに同場所に入り続ける人々。
②5月22日に入山した男性の遺体を5月22日午後に発見。国有林。
にもかかわらず、
③5月25日に入山した男性の遺体を5月30日に発見。民有林。
にもかかわらず、
④6月8日に入山した男性の遺体を6月10日に発見。民有林。
にもかかわらず、
数は減ったものの、まだ現在小遣い欲しさに同場所に入り続ける人々がいるそうです。
もう、どうなっているんでしょう。
6月10日、あげくのはてに、そのあたりにいた、事故と無関係かもしれないメスグマを猟友会が1頭射殺。
さらに、クマ捕獲檻を新たに設置中とのこと。
(熊森から)
事故現場は、クマの国です。問題を起こす人間は出て行くべきです。
この時期、ここにいるクマにとっては唯一の食料である根曲り竹のタケノコ。それを根こそぎとっていこうとする人間の方が100%悪いのです。クマが怒って当たり前。にもかかわらず、クマを殺して終わろうとするなど、秋田県の対応は本末転倒。いったい秋田県の倫理観はどうなってしまったのでしょうか。
行政並びに森林管理署が市道や林道を閉鎖されて、タケノコ採りの自粛を呼びかけてくださったのは良かったけれど、それだけでは入山者がなくならないことがわかった時点で、熊森は、今後も新たな犠牲者が出る!として、両者に商業用タケノコ採りの強力な禁止処置をお願いしました。
しかし、「わが国には、タケノコ採りを規制する法律がないので、対応できないのです」という回答でした。
法律は、一朝一夕にできるようなものではありませんから、なんらかの超法的な措置をしかるべき立場の人にとってもらうしかないのかと思っておりましたら、なんと、当然のことながら、ちゃんと東北森林管理署のホームページに、
<国有林からのお願い>
2、樹木を損傷したり、林産物を窃取した場合は、法により罰せられます。
と記載されているのを見つけました。
森林管理署に電話して、何という法律で規制されているのかたずねると、「森林法」ですと即答されました。
なぜ本当のことを教えて下さらなかったのでしょうか。
どうも、米代東部森林管理署管内の国有林内で、鹿角市民はタケノコ採りをしても良いという取り決めが森林管理署と地元でなされていたようです。
市民が自家消費で採るぐらい知れているかもしれませんが、今年のように、タケノコ採りが良い儲けになるとして、業者が入り込み、他市や他県の人達までがタケノコ採りに殺到している状況では、ここで暮らすクマたちのためにも、第2第3の死傷者が出ないようにするためにも、とにかく今年のタケノコ採りを禁止すべきでした。
そうしてほしいと熊森があれだけお願いしたのに、自粛に期待するとして動かれませんでした。
国有林といっても、戦後、林野庁が誤った拡大造林政策によって、最高に豊かだった広大な森を皆伐し、多くを人工林に変えて、現在、荒廃させたまま放置しています。そんな国有林ですが、米代東部森林管理署内にある国有林のように、クマが棲める豊かな森もまだ国有林には残っていたのです。今となっては貴重な自然保護区です。そこの山菜を人間に採らせる。しかも、商業的に大量採取が行われる状況になっているのに、効果的に止める手を打たなかったのは、公務員が職務上、犯罪を認知したときには、告発義務があるという、以下の法令に違反しているのではないでしょうか。
刑事訴訟法239条2項
官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない。
行政関係者の皆さんは、タケノコ採りは6月中旬で終わると安心されていますが、まだまだお金欲しさに入山する人が7月末までは出ると思います。「林産物を窃取罪」を前面に打ち出して、クマの食料を守るためにも、国民の命を守るためにも、「タケノコ採りの全面禁止」に、直ちに取り組むべきです。
クマに口がないのをいいことに、クマを殺してこの事件を終えようとするのは絶対にやめて下さい。人間としてあまりにも恥ずかしいです。