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2016-08-19
10年間でさらに劣化 兵庫の原生林を調査
- 2016-08-19 (金)
- _現地訪問・調査
8月8日、熊森は2泊3日の全国支部長研修会を兵庫県宍粟市でもちました。
本部がこの場所で研修会を持ったのは、全国支部長のみなさんに、兵庫県のクマ生息地に残された山の現状を知っていただくとともに、本部が地元集落のみなさんとどのようにつながって活動しているのかを見ていただきたかったからです。
山形県から参加してくださった支部長代理の方は、「(下草も低木もない)こんな山に、本当にクマがいるのか」と、信じられない様子でした。
毎年北海道から自費で参加してくださる門崎允昭顧問(北海道野生動物研究所所長)は、「こんな山には、クマは棲めないよ」と、バッサリ。
臆病者のクマは、隠れ場がないこんな山は嫌でしょうが、こんな山しかありません。
2006.8.27撮影 → 2016.8.8撮影
帰ってから、10年前の同じ場所で撮った写真と比べてみて、原生林の劣化が一層進んでいることに衝撃を受けました。(手前の巨木は桂、奥の巨木は栃です)
渓流を地下足袋で何度か渡られた宮崎県支部長は、宮崎県の渓流と比べて、兵庫の渓流水のぬるいことと、魚影がほとんどないことに驚いておられました。ちなみに支部長が住んでおられる所の渓流水は冷たくて、魚がうじゃうじゃいるそうです。
門崎允昭顧問は、兵庫県のスギの人工林を見て、「北海道には、こんな山ないよ。密植し過ぎだよ」とショックを受けられていました。北海道の人工林率は29%で、樹種はトドマツ・エゾマツです。
ここ、氷ノ山のふもとにあたる兵庫県宍粟市の人工林率は73%、植えられるだけスギを植えたということです。
九州から参加した支部長たちは、「こんな山は、九州で毎日見ている。見慣れているよ」として、全然驚いていませんでした。