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2016-09-18

9月12日 貴重なブナ林が枯れている?ウエツキブナハムシ

岩手県の会員が岩手県に支部を作りたいと本部を訪問されたので、豊かな巨木の森を見ておいていただこうと、阪神間から一番近い岡山県の若杉天然林86ヘクタールをご案内しました。

人工林地帯にぽつんと残された原生的な奇蹟の森です。

 

森に入ってみてびっくり!

美しかったブナ林が、猛烈に奥まで枯れているのです!

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枯れたように見えるブナの巨木群 若杉天然林2016,9,12

 

葉が完全に落ちてしまっているのも、たくさんありました。

そういえば、3~4年前に、山形県支部長から、見渡す限り、ミズナラはナラ枯れ、ブナはブナ枯れ、もう今年の山には動物たちの餌が何もないと報告を受けていたのを思いだしました。

ここのブナは巨木で、葉が高い所にあり、何故枯れたのか全く見えません。

地面に落ちている今年のブナの実も皆無でした。

 

この森は消えてしまうのだろうか。

 

不安な思いで帰りかけると、下から西粟倉村の役場の方がNHKテレビのカメラマンと一緒に上がってこられました。

「ブナが大量に枯れていますよ」と訴えると、「ウエツキブナハムシです。枯れたように見えますが、ナラ枯れと違って、この虫は、葉だけ食べて葉脈は食べないので、木は枯れません」と教えてくださいました。これが噂に聞くウエツキブナハムシか。枯れないのだなと、一応ほっとしました。

どう見ても木ごと枯れているように見えますが、3年ぐらいでよみがえるそうです。兵庫県に広がれば困るなと思いましたが、まわりはスギの人工林ばかりですから、広がらないかもしれません。これからも観察していきます。

 

ちなみに、NHKはブナ枯れを撮影に来られたのかと思ったら、全然関係なくて、ふるさと納税の番組を作っているところだと言われていました。

 

この森には、ミズナラもたくさんありますが、ナラ枯れで死なないように、役場が毎年何百万円か使ってミズナラの木に1本1本薬剤を注入して、ナラ枯れを防いでおられるのだそうです。ここのミズナラは200年から300年たっていますから、その間起きなかったナラ枯れという異変が今起きていることがわかります。何という時代なんだ!

 

役場のみなさん、いろいろと教えてくださってありがとうございました。

 

9月11日 街頭署名 神戸元町駅 横浜桜木町駅

街頭で、兵庫県クマ狩猟再開の中止を求める署名を集めました。

神戸の方は、スタッフ7名ボランティア7名の、計14名で午後から街頭に立ってみました。この日、300名の署名が集まりました。

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みんなでがんばりました。神戸元町

 

マスコミ報道が不十分なためか、何のことか問題がわからないという方が多くて、説明し続けました。説明を聞かれた方は、大体がわかってくださいました。

 

都会の人達は、過疎化高齢化した奥地で、野生動物や地元の方がどんな窮状に陥っているのか、ほとんどご存じないことがよくわかりました。

うーん、もっともっと、私たちの手で現状を伝えていかねばなりません。

 

この日、神奈川県支部も、横浜市で街頭に立ってくださいました。本部としては、とてもうれしかったです。

そちらは、どんな様子だったでしょうか。

 

 

植樹地調査  兵庫県豊岡市・宍粟市

くまもり植樹地の実り調査に行きました。

兵庫県豊岡市の植樹地です。

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9月3日 カキ

うれしいことに、2002年に植樹した柿に3年ぶりにクマが来ていました。まだ実が青いうちから食べてしまったようです。これだけ枝を折られたら、次回実を付けるのはまた3年後になると思われます。

 

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クリ

2012年に植樹したクリの大苗に、たくさん実がついていました。なぜか、クリはまだクマが食べていませんでした。

 

以下は、いずれも、スギの皆伐跡地に、大阪のライオンズクラブさんが苗木を植えてくださった植樹地です。

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2012年植樹地 兵庫県宍粟市

シカよけ網の中では、小鳥やテンなどが種を運んできたと思われる芽生えがたくさん出てきて、とてもにぎやかになってきました。研究者に、何の芽か、ひとつずつチェックしていただきました。実に種類が多くてびっくりするほどです。そのうちまとめようと思います。本数で多いのは、サルトリイバラでした。

 

残念ながら、たくさん植えた甘柿の木は、上がほとんどが枯れていました。この地は気温が低すぎて、甘柿は育たないことがわかりました。

不思議なことに、根元の柿の葉だけは元気です。これは、甘柿の苗木は、渋柿の台に接ぎ木したしたものであり、渋柿は寒さに強いから、その部分だけが生き残っているのだそうです。

 

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2014年植樹

 

上の写真は、少し離れた所の植樹地です。パッチディフェンスの網を外して中に入ろうとしましたが、植えた覚えもないクマイチゴなどのイバラ類がびっしり生えており、トゲが服に引っかかって入れません。もったいないのですが、クマイチゴをかなり除伐しました。この場所では、自然に生えた草や木も多かったのですが、ヤマグワやサクラ、クルミなど、植樹した木も良く育っていました。

 

同じような場所に植えたのに、苗木の成長が2012年分と、全く違います。植えてみなければわからないと思いました。何がどう育っているのか。こちらの植樹地もまとめてみたいです。

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2014年植樹

この日の調査は、木に名札を付けて終わりました。写真の右端にある1本切らずに残しておいたスギの木に、何度もムササビが来た跡がありました。1本残しておいてよかったです。夜の森は夜行性動物の出番でおもしろいそうですが、少し怖いです。

 

この日、山で、かわいそうに羽が1枚ボロボロになった大きなガを見つけました。

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幼虫の時、落葉広葉樹の葉を食べるヤママユガ(天蚕)です。このガの成虫には口が無くて、成虫になってからは何も食べないそうです。この蚕から取れる絹糸は、普通の絹糸の100倍も高価なのだそうです。

 

 

 

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