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2016-11

兵庫県クマ狩猟再開反対署名第2弾7084筆(10月分)を、兵庫県に提出 11月11日

前回提出した第1弾署名(9月分)と合わせて、13707筆の署名を兵庫県井戸知事に届けたことになります。

 

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遠藤環境創造局長に森山会長が署名を提出

 

兵庫の山は豊かな森でいっぱいとか、(生息地を失ったクマが)爆発増加しているなど、森林動物研究センターの研究員が出した事実誤認情報を元に、クマ数を低減させねばならないとして、兵庫県が不可解極まりないクマ狩猟再開を決定し、進めています。

 

真実を知事、議員、県民に伝えて、クマ狩猟再開を止めようと、この間、私たちは動きに動いてきました。

しかし、自然保護団体がまだまだ小さくて、自然が何たるものなのかや、生命の尊厳、野生動物たちの心や痛みがわからない研究者たちの暴走を止めることができませんでした。本当に無念です。いつか必ず真実が明らかにされる時が来ることを信じます。

 

何も悪いことをしていない野生動物たちが狩猟で殺される。一つしかない命をスポーツや遊びで奪われる。狩猟再開を止められなかったわたしたちは、クマを初めとする森の動物たちに、謝っても謝りきれません。

 

野生動物の生息数をコントロールしなければ、人間は生きられないなどという間違った自然観に、国中が汚染されていく。もはやこれは狂気です。空恐ろしいことです。

 

熊森は今後も、真実を訴え続けてまいります。

 

 

<今後のクマ狩猟再開反対署名について>

兵庫県民を中心に、クマ狩猟を止めるまで、ひとりひとりに説明しながら気長に集め続けます。

 

署名提出後、今回のクマ狩猟で違反者が出ないように、県庁担当者のみなさんに、いくつかの申し入れを行いました。

森山会長講演会 in 宮崎市 多くの入会者

熊森会員をもっと増やして大きな活動ができるようにしよう。11月6日、くまもり宮崎県支部が、森山会長講演会を企画しました。

 

会長は前日に九州入りし、熊森顧問である平野虎丸氏がトラストされた阿蘇のすそ野の山を、平野顧問や、宮崎県支部長、福岡県支部長らと視察しました。

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平野顧問がスギを伐倒除去しておられるトラスト地50ヘクタール

 

このあたりは昔、毎年野焼きして、牛の牧草地として草原が保たれていた場所です。

大変なだらかです。火山灰はミネラル分がいっぱいなのだそうです。植物が良く育っていました。

戦後、この草原が、スギの人工林に変わり、放置されたのです。平野氏は、このトラスト地を、花いっぱいの雑木林にしようとされていました。

阿蘇山のふもとのトラスト地とは、とてもすてきだと思いました。

 

代々林業家だった平野氏から、この日も、いろいろ教わりました。

 

夜は、地元会員が経営する料理店で、くまもり宮崎のスタッフのみなさんと懇親会が持たれました。

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お料理は最高。その上、宮崎県会員のみなさんの熱さに圧倒されました。人材となる方でいっぱいでした。

 

いよいよ、6日の講演会です。

宮崎県鶴永支部長はもちろん、みやざき中央新聞の松田社長がご挨拶されました。くまもり九州ブロック長の福岡県南里支部長も力強い呼びかけをされました。

 

この日、森山会長の約2時間講演に熱心に耳を傾けてくださった参加者は、108名でした。上田熊本県支部長も駆けつけて下さいました。

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講演後、感動された多くの方がくまもり会員になってくださいました。

国に頼っていてもだめ。市民の力で、宮崎の山をよみがえらせよう!

九州はいつも本当に熱いです。

まだ若い宮崎県支部長ですが、家族を挙げての総協力体制のもと、地元会員のみなさんにしっかり支えられており、今後の支部発展が楽しみです。

 

 

クマ生息地では、早朝、夕方以降、死角となる曲がり角で音を出そう

残念ながら兵庫県で5年ぶりに、クマによる人身事故が2件発生してしまいました。

 

本部は現場に急行して、ご家族や近隣の方にお話をお伺いしたり、原因を探ったりしました。

どちらもご本人はケガをされて入院しておられ、お会いできませんでした。

心よりお見舞い申し上げます。

 

①10月17日午前6時ごろ(宍粟市)

 

事件は山裾の集落で起きました。

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事件があった集落の裏山

 

 

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事件があった死角となる四つ角

 

全く見通せない90度の曲がり角(写真左端)で、上の方からは新聞を取りに降りて来られた男性が、下の方からは、集落周辺の柿を食べて山へ帰ろうとと朝帰りを急いでいたクマが、ばったりと鉢合わせしました。

どちらも、心臓が飛び出すほどびっくりしたのだろうと予測されます。

 

男性は、静かに後ずさりされましたから、クマ対応としては正しかったと思います。しかし、悪いことに、後方の溝にはまってこけてしまいました。

新聞では、クマは男性の頭をかじって山へ飛んで逃げたということでしたが、近隣のみなさんの話では、クマは頭を齧ったのではなく、頭を前足ではたいて山へ逃げ帰ったのだそうです。人間から逃げたい一心でやったのでしょう。

 

事故現場から山までの間に、点々とクマの糞が落ちていました。

近所の方が、「クマさんの方も、人間に出会ってしまって、恐怖のあまり、便をちびりながら山に逃げ帰ったんでしょうね」と語られていました。

全く、双方に、不運な事故だったと思います。

 

この後、周辺に設置された捕獲罠に、2週間後にクマがかかり、殺処分されました。このクマだったかどうかはわかりません。

 

②11月7日早朝(養父市)

 

スキー場近くの山深い集落に住む男性が、スキー場の仕事場へ出勤するため、みんなが通らない近道となる裏道を早朝、歩いておられました。

またしても双方にとって全くの死角となる、四つ角です。

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事件があった死角となる四つ角

 

この四つ角で、奥から歩いてきたクマと、手前から奥に行こうとしていた男性が、ばったり鉢合わせしてしまいました。クマが男性に襲いかかってきたので、男性は持っていた工具でクマを殴り抵抗したところ、クマは山に逃げたそうです。現地では、直ちに、クマ捕獲罠が設置されました。もし、かかれば、殺処分です。

 

(熊森から)

人間と臆病者のクマが、こんな近くで共に暮らしている状況にまず問題があります。

昔、山にえさがあったころ、クマは山から出て来なかったと、地元のお年寄りはみなさん証言されています。本当は、動物も平地が暮らしやすいのです。せっかく山にとどまっていてくれたのに、その山の餌場とねぐらを壊したのは人間です。私たち県民の力で、もう一度、動物の棲める森を復元しませんか。いつまでたっても国はやってくれないし、できないようです。

 

森が復元するまでの間、山の実り凶作年の秋ですから、早朝、夕方以降は、どうか地元のみなさんは、クマに近づきすぎないように気を付けてください。見通しの悪い四つ角などでは、鈴など音のするものを持って、クマに人間が近づいていることを知らせてやってください。クマは基本的には大変な臆病者です。クマが人を早めに察知できたら、クマの方から離れます。

熊森は地元のみなさんに、このことを精一杯お伝えしたいです。

 

 

本部:クマ目撃情報があった現場へ

今年は山の実り凶作です。10月に入って兵庫県のクマ目撃数も急増。

 

午前6時10分、集落近くの畑でクマ目撃の新聞情報 

 

<現地調査へ>

 

本部が現地に行くと、集落の裏の畑に、鉄格子でできた箱罠が4基仕掛けてありました。

中には米糠と食パンが入っていました。罠を設置した猟師の方にお会いして、長時間いろいろとお話をお伺いすることが出来ました。

 

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写真右上が箱罠

 

この方は、都会に永らく出ておられ、5年ほど前に帰郷されたそうです。

山には興味がないようで入っておられず、森林内部の大荒廃ぶりはご存じないようでした。

シカもクマも野生動物は人間に害を及ぼすので、山から出てきたら片っ端から殺しておかねばならないと思い込んでおられました。

 

畑に掛けた箱罠にシカがかかり、1週間ほど放置しておいたら弱ってきたので殺した。箱罠から死体を引き出したが、雨が降ってきたので外に放置して帰った。早朝、クマがそのシカを食べにきているのを住民が見つけ、警察に通報されたとのことでした。

 

裏山にはクマが1頭棲んでいて、このクマはあちこちで目撃されて目撃数を増やしていると言われていました。このクマは山から出て来ても、この方が睨むと山の中へ逃げ帰って行くのだそうです。

民家の裏の畑にクマが出て来るのは良くありませんが、今回の場合は、人間がシカやクマを山からえさでおびき出しています。

 

本部は、クマ目撃現場をいくつか回って現地調査をしています。

 

 

 

 

北陸自動車道のクマ、射殺 担当部署への聞き取り

11月5日土曜日の、北陸自動車道に迷い込んだクマの射殺報道に胸をつぶした方が多いと思います。私は、ニュースを聞いて、射殺許可を出した人間を絶対に許さんと思いました。すぐ現地に飛んで行きたいと思いましたが、とりあえず、週明けの本日、なぜ殺したのか、関係部署に電話で聞き取りました。以下、概要報告です。

 

<新潟県庁環境企画課> 

くまもり :このクマの射殺許可を出した人はどなたですか。なぜ殺したのか納得できないので、説明していただきたい。

新潟県庁 新潟県のクマ駆除権は、市町村におろしています。しかも今回対応したのは、警察です。

くまもり :県庁担当課としては、何も知らない、無関係ということですか。

新潟県庁 :警察から報告は受けました。

くまもり :それで、何と指導されたのですか。

新潟県庁 :報告を受けただけです。今回の判断は警察です。

くまもり :報告を聞かれて、「そうですか」で終わるなら、何のための県庁ですか。

新潟県では、野生動物に知識のない警察が、勝手に、クマの殺処分を決めていいことになっているのですか。新潟県にクマの放獣体制がないのなら、クマを麻酔銃で眠らせて山に返すことができる体制を作るべきです。クマだけではなく、すべての生き物に対しても、そうしてください。

 

<糸魚川警察警務課>

糸魚川警察警務課 :今回の件は、新潟県警内の、高速道路交通警察隊(高速隊)が対応しました。

 

<高速隊上司> 電話 025-287-4433

くまもり :なぜ殺されねばならなかったのか、説明していただきたい。

高速隊上司 :警察官職務執行法にのっとって駆除しました。現場の判断です。午後2時過ぎに、高速道路にクマが入っているという情報が入りました。高速隊数名、糸魚川警察数名、東日本高速道路の職員数名、猟友会数名で現場へ行きました。山から1キロメートルも離れた場所で、高速道路の下は海です。とりあえず、高速道路を閉鎖しました。はじめから、射殺を考えていたわけではありません。逃がそうとして、ずいぶん長いこと待ちましたが、このクマは行ったり来たりして逃げなかったんです。

くまもり :テレビニュースで見た限りでは、パトライトがぐるぐる回って物々しい状況でした。クマは、たくさんの人間に取り囲まれて、恐怖で心臓が破裂しそうになっていたはずです。足を怪我していたとネットで読みました。

高速隊上司 :足を怪我していたという報告は受けていません。クマがどう感じていたかは、クマではないのでわかりません。

くまもり :もし、自分がこのクマだったらと想像してみたら、人間も動物ですからわかるはずです。クマは、とても臆病な動物なんです。人間がみんな消えて逃げ道を作ってやるべきでした。

高速隊上司 :このクマがどこへ行くのか見届けなければ危険ですから、人間がみんな消えるわけにはいきません。それなりに逃げ道を作ってやったつもりですが、うろうろするだけで、このクマは逃げなかったんです。そのうちこのクマは、コンクリートで囲まれた高速道路の退避場に入り込んでじっとしていました。暗くなってきたので、このクマがどこへ行くのかもう見届けられなくなってきたため、とりあえず、朝になるまで、退避場に閉じ込めておこうということになって、木枠でこのクマが入り込んでいる退避場に封をしようとしたのです。そうしたら、このクマが、退避場から出ていこうとしたのです。

くまもり :ニュースでは、人間に向かってきたから撃ったということですが、本当ですか。

高速隊上司 :そのような報告は受けていません。退避場所に閉じ込めることに失敗して、クマが出てきたときいています。夜の8時ごろになっていて、もう真っ暗で、現場の職員たちにもし怪我でもあったら大変なので、駆除するしかありませんでした。

くまもり :道路を早く開通させたかったんでしょう。

高速隊上司 :このクマをうまく退避場所に閉じ込められたら、道路はいったん開通させて、明日の朝明るくなったら、このクマを逃がす作業を再開する予定でした。

くまもり :射殺死体はどうしたんですか。

高速隊上司 :ネクスコという高速道路株式会社が、すぐにトラックに積んで持っていきました。皆さんに知っておいていただきたいのは、わたしたちも、なんとかこのクマを逃がしてやろうと努力したということです。

 

(熊森から)

今回のことで、新潟県の各部署に、高速道路に迷い込んだ動物を殺さずに山に返せるように、麻酔→放獣体制を今後県内に作ってくださるように要請しましたが、残念ながら、どこもその必要性を感じてくださいませんでした。

今回の場合は特殊な場所であり、ふだんは高速道路に迷い込んだクマは、自力で山に逃げ帰るそうです。

毎年、高速道路で轢かれる野生動物の数にはおびただしいものがあります。

最近、クマをはじめとする野生動物たちが山からどんどん出て来るようになり、地元は大変ですが、奥地に人間がどんどん入り込んでいるのをやめない限り、この問題は解決しません。

今回の場合、クマの生息地に高速道路を造ったことがすでに問題なのに、関係者の中に、人間側の責任を感じておられる方が誰もいませんでした。

 

糸魚川のクマさん、どんなに怖かったことでしょう。最後、閉じ込められないように退避場から逃げようとしたら、逃げようとしたという理由で撃ち殺されてしまいました。

このクマを哀れに思うわたしたちだけでも、せめて冥福を祈ってやりましょう。

このような難しい状況に於いては、本当に心から生き物を愛している方でないと、動物をうまく誘導できないだろうと思います。

 

関係者のみなさんの、「何とか逃がしてやろうと思ったんだけれど・・・」という言葉を信じたいとは思います。

【悲報】北陸自動車道のクマ、射殺される

11月5日、新潟県糸魚川市の北陸自動車道の下り線にクマが1頭現れ、高速道路が通行止めになる事態がありました。詳しくは、下記URLのニュ―スをご覧ください。

http://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000087148.html

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161105/k10010757111000.html

しかし、本日20:00頃、このクマは射殺されてしまいました。

18:00頃、このニュースを知った熊森本部はすぐに新潟県の高速警察隊に電話し、当時の詳しい状況を伺いました。担当者の方は「クマはまだ高速道路の脇にいる。高速道路を通行止めにし、現場へ警察や行政、猟友会が来て、対応を考えている」と熊森本部に教えてくださいました。本部は、なにかいい方法がないか、すぐに調べて連絡しますと伝え一度電話を切り、そして、数分後にまた担当者の方へ、お電話しました。

しかし、ここで担当者の方が耳を疑うようなことを話されました。

 

「通行止めを解除して、クマが高速道路の本線に出てこないように、本線との出入り口を塞ぐ準備をしております」

こんな状況で通行止めを解除しようなんて、信じられません。

熊森本部は、「現場付近に人間がいるから、クマが逃げられないんです。通行止めを継続して、現場にいる方々にも撤収してもらって、クマが安心して逃げられるような環境をつくってあげてください」と、強く訴えました。

しかし担当者は「高速道路の通行止め解除を待っている方々もおられますので、それはできません」と話されました。

 

20:00頃、再び担当者の方にお電話したところ、「クマは先ほど、射殺されました。」と話されました。クマが現場にいる方々に向かってきたので、緊急対応をとられたようです。

 

 

熊森から:現場にいる方々はすぐに撤収して、クマの逃げ道を確保してあげるべきだったと思います。どういう状況でクマが殺されてしまったのか、詳しいことは担当者の方もわからないそうです。熊森本部は今後も聞き取りを行い、詳しいことが分かり次第、情報発信いたします。

本部11月3日、安全講習会に参加された狩猟者の皆さんにクマを撃たないようにお願い その2

この日は安全講習会に来られた50名の狩猟者の皆さんに、兵庫県庁西館前で、「絶滅危惧種のクマを撃たないでください。800頭もいません」と、みんなでお願いし続けました。

立ち話でしたが、何人かの狩猟者のみなさんと立ち話ができてよかったです。もっとじっくり狩猟者のみなさんと話し合ってみたいです。

 

<狩猟者の声>

・「応募する気なかったんやけど、人が集まらんからって、何度も何度も応募するようにという連絡が県から来て、仕方ないから応募したんや」

 

・「あんたら(クマの)人身事故起きたら、保証金出すんか。そういうこともせずにクマ撃つななんて、無責任やろ」

 

・「クマは増えとる。子連れをよく見かけるから。放置されたシカの駆除死体を食べて増えているんじゃないかって?うーん・・・(否定的)。クマの母親は徹底的に子供を守るから、生存率がすごく高い。

山が荒れたからクマが出て来るというけど、昔、山が今よりも良かったときでも、クマは出てきて、鶏小屋とか襲っていた。柿とかには来なかったけどな。

クマは頭がいいから、罠掛けてもなかなかかからん。特に夏はかからん。有害駆除では獲りきれん。

山にクマが棲めないというけど、それはシカのせいやから、もっともっとシカを駆除せなあかんのや。

シカが何で増えるのかって?、それは、みんなしてシカのえさばっかり作っているからや。シカはな、柔らかい草しか食べられへん。みんなで草刈りをした後、柔らかい新芽が出て来るやろ。あれをシカが喜んで食べとるわ。

禁猟になる前、クマを撃ったことがある。心配せんでも、狩猟ではそんなに獲られへん。あんたらそんなにクマ守りたかったら、山の周りに金網柵張って、山からクマが出て来んようにしてくれたらええんや」

 

(熊森から)

以前、クマの狩猟がおこなわれていた時、狩猟数は年間10頭前後でしたが、今年、県は140頭獲る予定です。予定がすごいです。

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一体、今年何頭狩猟でクマが獲れるのか、予測がつきません。

それはそうと、そもそも、それ以前の問題として、

①山奥で暮らしている野生動物まで、人間が入って獲る権利があるのか。

②人間が狩猟しないと、野生動物たちの数が増えすぎてしまうという説に根拠はあるのか。

これら根源的な問題について、国民的議論を湧き起こさせることが必要だと思います。

 

クマなんかいなくていいやないかという考えは、完璧な自然を形成している一つ一つの部品を、○○もいなくていいやないかと、人間の浅知恵で次々とこの世から外していくことにつながります。

宇宙船地球号に乗っていて、部品を一つずつ外して外へ捨て去っているのと同じです。

気が付いたら墜落です。自然界にいらない部品などないし、私たち人間は全部品がそろって初めて命が繫がっていることを知らねばなりません。

クマがいるから、毎日おいしい水が飲みたいだけ飲めるということを、知らない人が多すぎます。

NHKテレビニュース神戸放送局 11月2日

 ツキノワグマ猟解禁前に講習会 より (テレビニュース画面)

 

 

兵庫県で、ツキノワグマの狩猟が20年ぶりに解禁されるのを前に、ハンターたちが、安全対策などを確認する講習会が開かれました。
県庁で開かれた講習会には、ツキノワグマの猟を希望するハンター、およそ90人が参加しました。
はじめに、県森林動物研究センターの担当者が、「クマはふだんは用心深く、人に気づくと隠れたりするが、追い詰められると、相手を攻撃して逃げ出す性質がある」として、猟の際にはクマの反撃に警戒するよう呼びかけました。
また、講習会では、▼クマを確実に仕留めるための銃の使い方や、▼ハンター同士で事故を起こさないよう、つねに銃口の向きを確認するなどの安全対策について、説明があったということです。

ことしは全国各地で、クマに人が襲われる被害が相次ぎ、県内でも、先月17日に、宍粟市で60歳の男性がクマに襲われて、手首を折るけがをしました。
兵庫県は、こうした被害を防ごうと、今月15日から、20年ぶりにツキノワグマの猟を解禁することにしており、940頭と推定される県内の生息数を、800頭前後に減らしたい考えです。

参加した兵庫県猟友会の西川義丈会長は、「クマは木にも登るし、動きも素早いので、不安もあるが、事故を起こさないよう、しっかり気を付けて、猟に臨みたい」と話していました。

ハンターの声

「シカとかイノシシが主やからねえ。どうしても熊が自分の方に向かってきたときはしゃーないなと。わざわざクマを撃ちたいとは思いません」

「出てきたら、まあ許可出てるから撃とうかなと思います。基本的には取らない方がいいと思います。カキを植えるとかドングリを植えるとか、そちらの方に進むべきやと思います」

 

一方、ツキノワグマの狩猟解禁に反対する西宮市の自然保護団体、「日本熊森協会」は、講習会が行われた県庁前で、ハンターたちにチラシを配りながら、猟をしないよう呼び掛けました。
協会の室谷悠子副会長は、「ツキノワグマは、環境の悪化で山奥に住めなくなっており、そうしたなかで、猟を再開するのは問題だ。合理性がない。山の事情をよく知るハンターたちだからこそ、クマ猟を行うべきではないとわかるはずだ」と話していました。

「クマが怖い」という言葉が怖い 

「クマにあったらどうするか」(ちくま文庫)を読みました。アイヌ最後のクマ撃ちと言われる姉崎等氏から見た、北海道のクマと森が語られており、大変興味深い本です。

姉崎氏は2013年に90歳で亡くなられています。姉崎氏の語りをこの本にまとめられた片山龍峯氏も、もう亡くなられています。

生前、熊森と接点がなかったことを本当に残念に思うと共に、本を残してくださったことに心から感謝します。

 

「クマは私の師匠」と生前語っていた姉崎氏は、クマを追う一方、広葉樹の少なくなった山を憂えて、クマが暮らしやすい自然環境を守ること を訴え続けておられました。木の実がならない針葉樹の人工林が増えることの弊害と、クマが暮らせる山の自然を守ることの 大切さを訴え、「動物と人間の境界線が大事と考えていた」と娘さん。クマを知り尽くした人の語る言葉は貴重です。ブログでも何度か紹介していきたいです。

 

以下、ある章の姉崎氏の言葉をまとめてみました。

(1)「クマが怖い」という言葉が怖い

クマが怖いものだっていう、その言葉が怖いんだよね。クマが暮らせるようなある程度の環境を作ってやると、クマはそんなに怖くないんだってわかると思う。

山で働く人たちは、クマの足跡を見ても、「おう、クマの足跡だ」って普通に思っているだけ。クマがいるんだけど、それで人を襲うかっていうと襲わない。

いつの間にか、人もクマも学習して、出会わないようにうまく暮らしている。

ところが都会近くにクマが出たら、集団下校だとか、ハンターを頼んで山をワーワー騒がしくする。するとクマの方もいつもと様子が違うから、精神的に緊張する。

クマに対して人間も学習しないといけない。クマは危険なものだっていう考え方を改めないといけない。一般の人がクマを見ると、クマに襲われた本や新聞を見て、すぐに危ないと騒ぐ。人もクマもゆっくり学習できる時間が必要。

 

(くま森から)

「クマが出た」と、テレビで連日、大の大人がギャーギャー騒ぎ立てるのを、本当にやめてほしいと思う。

クマが人間の所に出て来て何をしたかというと、何も変わったことなどしていません。お腹がすいたから、何かを失敬して食べただけのことです。動物だから、おなかがすくし、山にえさがなければ、生きるために山から出て、里に食べ物を探しに来る。当たり前のことです。

キャスターは、落ち着いた声でゆったりと解説してほしいと思う。ギャーギャー騒ぎ立てて報道すると、そんなに大変なことなのかと、国民がクマを怪物のように恐れだす。まさに、その言葉が、クマを怖くするのです。

 

今、姉崎さんの言われるように、動物と人間の境界を再構築することが大事です。その時、クマと人の境界がなくなる原因を作ったのは、クマではなく一方的に人間であったという事実は、人として忘れてはならないでしょう。

 

本部11月2日 安全講習会に参加の狩猟者のみなさんに、クマを撃たないようにお願い

今日の午後、兵庫県クマ狩猟再開のための安全講習会が、兵庫県庁西館で開催され、県庁担当者によると90人の猟友会の方々が参加されました。明日も同じ講習会が予定されており、残りの方が参加される予定です。

 

熊森本部は、兵庫に800頭もクマはいないとして、参加者の猟友会のみなさんに、「クマを撃たないでください。共に、森の再生をしましょう」と、みんなで必死に呼びかけました。

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西館入り口付近で「クマを撃たないで」と、猟友会員にチラシを配って呼び掛ける熊森本部

 

「クマを撃ちたいから来ているのに」と、熊森のチラシを返してくる人や、チラシを読みながら説明会場に入って行かれる方など、反応はさまざまでした。

猟友会員の言葉から

「人殺しグマを退治せなあかんやろ」

「あんたら心配せんでも、そんなに獲られへんと思うで。山に入ってもクマに会うことなんかないもん」

「集落の裏にクマがいるというけど、猟期が始まると一斉にどこかに消えてしまうで」

「長いこと狩猟してないんやから、狩猟せな増えすぎてしまうやないか」

「山が荒れてクマが棲めないというけど、まだシカがあんまり入っていない山もあって、そこにはクマがおるよ。見てるもん」

 

やはり、みなさん、クマを撃とうと思って集まって来られていました。

 

(熊森から)

ー兵庫県のクマが爆発増加して940頭になっているー

事実誤認でも、権力とマスコミがバックに付くと真実になって行く。恐ろしいことだと思いました。

生息地を壊されたクマが、里に次々と出て来て、地元のみなさんが困っておられるのは本当ですが、爆発増加していることにして、狩猟で殺して終わろうとする。こういうことを考える人間のきたなさ、他生物への思いやりのなさを、本当にもう人間やめたくなるほど恥ずかしく思います。いつか、真実が人々に伝わる時がきっと来ると思いますが、その時は手遅れかもしれません。

ともあれ、熊森は、何があっても、これからも真実を伝え続けていきます。

人間が狩猟などしなくても、本来、自然界は全く困りません。絶妙のバランスをとっていきます。人間が手を入れる度に、自然は劣化してバランスが取れなくなっていくのです。

 

 

 

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