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2016-12
2017年 謹賀新年
- 2016-12-31 (土)
- くまもりNEWS
これだけ科学技術が発達した21世紀の今も、
そして未来永劫に、
人間は自然に生かされており、
自然に生かされているだけに過ぎない動物です。
このことを、全国民が知らねばなりません。
自然をコントロールしてやるだの、マネジメントしてやるだの、
こういうことを言うエリート研究者が、今、日本の国を動かしていますが、
人間にそんなことは、できっこありません。
残念ながら、かれらは自然と接することが足りなかったのか、
自然がはるかに人智を超えた超複雑系であることを知らないようです。
クマのいるお寺(日本でここだけです)
大阪府豊能郡豊能町高代寺
グーグルアースが、2016年5月の航空写真をアップしています。
大阪府豊能郡高代寺の本堂・庫裡・「とよ」の家・駐車場が、はっきりと見えます。
近隣の方は、今年、ぜひ高代寺を訪れ、「とよ」に会ってやってください。
元野生グマ「とよ」6才
大阪で、イノシシ罠に誤捕獲された野生グマ「とよ」、
大阪府によって殺処分が決定されていました。(殺処分だなんて、物じゃないぞ)
熊森の要請で、高代寺の住職さんが、「かわいそうだから飼います」と言ってくださり、「とよ」は、命拾いしました。
もちろん、熊森は保護飼育に全面協力。
あれから2年。
野生グマ「とよ」も、2017年2月には7歳となります。
人間が怖くて怖くて、人間が近づくと、走り寄ってきて獣舎の鉄格子に体当たりし、必死に威嚇していた「とよ」。無理もないよね。人間に殺されかけたんだから。
お寺、熊森、近隣住民、
みんなの深い愛情を受けて、あんなに恐れていた人間に、「とよ」はこの2年間、少しずつ心を開いていきました。
今では、住職さんの手からりんごをいただいたり、住職さんのてのひらをペロペロなめながら食べ物を食べたりしています。
いったん野生で大人になったクマでも、飼えることが証明されました。日本初の報告例です。
厳しい自然界の中で必死に生きる野生動物たち。
どの生き物も、知れば知るほど、その優しさすばらしさに魅せられ、深い感動に包まれます。人間が教えられるところがたくさんあります。
本当は故郷京都の奥山に放してやりたかったのですが、京都府が許してくれませんでした。(何故なんだ)
しかし、2015年2016年の京都府のクマ大量補殺を見ると、もし、放していたら、「とよ」は、今度は、クマ捕獲罠にかかって殺されていた可能性が大です。野生鳥獣を殺さない国に、変えていかねばなりません。
「動物たちに帰れる森を、地元の人たちに安心を」
「水源の森を全生物に、次世代に」
今年も、わたしたちは、奥山再生活動に、あの手この手で、取り組んでまいります。
日本熊森協会の旗のもとに、今年もみなさん、お集まりください!
Welcome to くまもり本部事務所!説明看板設置
- 2016-12-22 (木)
- くまもりNEWS
「希望の牧場ふくしま」に、東北応援くまもり基金の残りを寄附
- 2016-12-21 (水)
- くまもりNEWS | 東北大震災・福島原発
来年の3月で、東北大震災・福島原発事故から6年です。
あれ以来、福島第一原発の見える14キロ地点の浪江町で、取り残されたようにして、ただただ330頭の牛たちの命を思い、ずっと育てて来られた「希望の牧場ふくしま」の吉沢正巳氏たちのご苦労はいかばかりのものだったか。
想像するだけでも、恐ろしくなります。何にも変わっていないからです。
吉沢氏から、「この先の5年間も被曝牛と共にこの場所で運命を共にしていこうと思う」といううニュースレターをいただきました。
3・11大震災・原発事故は、もう多くの国民にとって風化された過去の記憶かもしれませんが、吉沢氏は、「3・11大震災・原発事故は、本質的に今も継続中の日本の大題問題だ」と言われます。「復興オリンピックなど、東京のエゴイズムだ」とも言われます。そう言われてみたら、そうだろうと思います。
除染のために表土をはぎ取って入れた黒いフレコンバッグ3000万袋は、家の横の仮置き場に積み上げられたままです。中間貯蔵処分場の建設が絶望的に行き詰っているため、仮置き場が最終処分場化しつつあるそうです。
今の所、線量の高い浪江町には帰還できませんが、いずれ戻りたい町民が2割、戻らないが5割、わからないが3割なのだそうです。吉沢氏は、浪江町は、被曝別荘地帯になるだろうと言われています。常時住むことは不可能。そんな絶望的な状況の中で、
吉沢氏は、「国県町が何とかしてくれるのを待っているのではだめ。自分から動いて行動する中で小さな希望が見えてくる」と言われます。このあたりは熊森の感覚とまるで同じだと思いました。
東北応援くまもり基金の残りが少しあったのを思い出して、解約し、希望の牧場ふくしまに全額送ることにしました。
東北応援くまもり基金の使途報告は、これが最後となります。
当協会に対するネット情報の中傷や批判について
- 2016-12-21 (水)
- くまもりNEWS
20年前に当協会を設立するときに、会の名前を何にするか、ずいぶんみんなで考えました。
結果、当協会の名前は熊森協会であって、森熊協会ではありません。
つまり、熊の棲む森を守る会であって、森に棲む熊だけを守る会ではありません。
わたしたちは、日本の森の生態系の頂点に位置すると言われている熊をはじめとする水源の森を形成する全生物とその自然環境を守る会です。
よって、クマの保護団体でもあり、水源の森の保護団体でもあるのです。
私たちの会の設立趣旨の深さが理解できずに、ネット上で、当協会にさまざまな批判や攻撃を続けている匿名者がおられます。中には全くの嘘物語を延々と紡いで、ネットに載せておられる方もいます。
たとえば、Wikipediaの日本熊森協会という項目の記述は、匿名者たちが勝手に書き込んで作ったもので、間違いが多々あります。
Wikipediaに当協会が自ら書き込むことはできません。
以前、多々間違って記述されているので、訂正してほしいとWikipediaにお願いしたことがありますが、
匿名の記述者たちと論争するように言われてやめました。
無責任な匿名者と延々と続くであろう論争をする時間的余裕など私たちは持ち合わせていません。
Wikipediaさんにお願いしたいのは、誰が見ても異論のない基本的な項目以外は、当協会に関する記述を全部消していただきたいということです。Wikipediaの発想は、性善説100%の人間社会なら、価値あるすばらしいものとなりますが、現実の社会はそうではありません。
匿名者の方には、熊森について記述や批判をする前に、正々堂々と名乗って、熊森を取材しにきて、事実を確認してから、記述や批判をして頂きたいと思います。
あなたが、ご自分の誤解に基づいて勝手に無責任な記述や批判をされることによって、わたしたちがどれほど迷惑をこうむり不愉快な思いをしているか、考えてみられたことはあるのでしょうか。
賢明な国民の皆さんには、Wikipediaをはじめとするネット上に氾濫している匿名者の熊森記述や熊森批判を鵜呑みにされないように願います。
水源の森の保水力と野生鳥獣の生息との密接な関係
- 2016-12-21 (水)
- くまもりNEWS
一度人間活動によって失われた水源の森の保水力を取り戻すことは、並大抵のことではありません。
何百年もかかるのです。
山からの湧水が消えた!このような取り返しのつかない事態を招かないように、ふだんから誰にでもできる簡単な水源の森の健全性をチェックするポイントがあります。
それが、当協会がシンボルにしているクマをはじめとする野生鳥獣の生息状況です。
野生鳥獣が豊かに生息している山は、保水力豊かな森で覆われている健全な森です。
日本で最高の保水力を誇る森は、熊が生息している森です。
以上が、だれにでもわかる・できる簡単なチェックポイントです。
以下、当協会顧問で水ジャーナリストの橋本淳司先生のブログからです。
日本の水道普及率は97.5%(平成22年)です。 都道府県別に水道普及率を見ると、100%普及している東京都、沖 縄県などがある一方で、熊本県の86.1%、福島県の89.6%と低い 地域もあります。単純に考えると約300万人が水道の通っていない 地域に住んでいることになります。 そういうと、こんな反論を受けます。 「だからといって水が飲めないわけではないだろう。そうした地 域の多くは山村にあって、沢水や湧き水や地下水などに恵まれた 地域なのだから」 たしかにそうなのです。いや、そうだったというべきでしょうか。 じつは最近になって事情が変わってきているのです。 数年前、宮崎県北郷町(現日南市)で沢から水が消えたことがあ りました。 ここは鰐塚山地の東端部にあたり、町全体が山地となっています。 町の総面積の約88パーセントが森林で、その大半は飫肥杉(おび すぎ)の人工林です。 沢水に頼っていた稲作は、新たに農業用水を利用せざるをえなく なりました。 町の人は水が消えた理由をこう言います。 「山を人工林に変えてしまったから、こんなことになったんだ。 もっと早くに気づくべきだった」 四国山地の中腹にある高知県大豊町でも、同じようなことが起き ました。沢水やわき水に頼って暮らしていた人たちから「水が涸 れた」という訴えが相次いでいるのです。 「ちょっと前まで山のわき水をホースで引いてタンクにためて飲 料水にしていた。それがどんどん減り始めた」 こんこんとわいていた清水の量は2000年頃から減り始め、ついに タンクに水がなくなり、町の水道を引かざるを得なくなりました。 どちらの町の関係者も、山の保水機能がなくなったためと考えて います。 放置された人工林は、遠くから見ると樹木が整然と立ち並び、緑 に輝く立派な山に見えるのですが、一歩踏み入れると、真っ暗で 地面にはほとんど草が生えていません。 かつてスポンジのように水を保つ力のあった土壌は、植え替えら れたスギやヒノキが放置されるようになると、カチカチのコンク リートのようになりました。水をためる力はなく、降った雨は山 にとどまることなく、すぐに低いほうへと流れていきます。 日本は世界でも雨の多い地帯であるモンスーンアジアの東端に位 置しています。国土の四方を海に囲まれ、あらゆる方向から湿気 をおびた風が吹き込み、それが日本列島の背骨である山脈にぶつ かり、雨をもたらします。 ただし日本列島を、仮に東西に切断してみると、その断面は先の 尖った三角形のようであり、三角形の頂点である山から、海に向 かって勢いよく水が流れていきます。 もしも手近に三角柱の積み木があったら、コップから水を注いで みてください。水は勢いよく流れていってしまうでしょう。次に 積み木におしぼりをかけてください。ここにコップの水を注いで もすぐには流れていかないでしょう。このおしぼりこそが森なの です。森が保水力を失えば、山に降った雨は一気に海まで流れて いってしまうでしょう。 生活に使っていた清水は、雨のたびに濁ってしまったり、枯れた りしているのです。
(熊森から)
今年も山からどんどん野生動物たちが出て来ました。当然のことながら、地元のみなさんは悲鳴を上げられ、役場に何とかしてほしいと訴えられました。一番簡単な解決法は、野生鳥獣を殺すことです。こうして、今年も大量の野生動物たちが殺されました。
しかし、こんな見方はできないでしょうか。
野生動物たちは、「山が荒れて棲めないよ!近々、湧水が消えるよ」ということを人間に伝えてくれている大切なメッセンジャーだということ。
私たち熊森のミッションは、人間活動によって動物たちが棲めないまでに荒廃した山を、動物が棲める豊かな森に再生させ、動物たちが昔のように山へ帰れるようにして、人間との住み分けを復活させることなのです。
兵庫県 クマによる人身事故3件目、発生現場に本部が急行
- 2016-12-20 (火)
- くまもりNEWS
12月15日、残念ながら兵庫県で今年クマによる3件目の人身事故が養父市で発生しました。
2016/12/15 神戸新聞NEXTより(下記URLをクリック)
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201612/0009752927.shtml
本部スタッフは前2件の時と同様、すぐに現地へ急行し、ケガをされた方から当時の状況を詳しくお伺いしました。
現地は、山すその集落で、中学校にも隣接している場所です。
【以下、けがをされた方の証言】
〇事故前日に家の裏に置いてあった生ごみのごみ箱が消えた
「12月14日に、ごみ箱がなくなっていることに気づいた。ごみ箱があった場所から山のほうへごみが点々と落ちていたので、後をつたって裏山の急斜面を登って行くと、家から10数m離れた所にごみ箱が放置されていた。そのときは、まさかクマの仕業だとは思わなかった」
〇ペットフードもなくなっていた
「他にもなくなっているものがないかと、倉庫の中を調べると犬用のペットフード(6.5kg)が袋ごとなくなっていた。
〇人身事故発生
そして翌日12月15日の朝9時頃、なくなったペットフードを探しに裏山へ登って入ったところ、昨日ごみ箱が落ちていたあたりで、ササの繁みからクマが突然飛び出してきた。鼻息を立ててすごい勢いで向かってきた。クマを見たとき、あまりにも驚いてしりもちをついてしまった。クマが太ももの内側にかみついた。すかさずクマの鼻のあたりを3回蹴ったら、クマは少し引いたので、そのすきに一目散に家に逃げ込んだ。クマは、追いかけてこなかった。家の人に救急車を呼んでもらったり、警察などへ電話をしてもらったりした。
今思えば、ごみ箱とペットフードを山へ持って行ったのはクマだったんだと思う。今後クマが来ないよう、生ごみは家の中で管理することにした。
事故後すぐに、県や市の職員がきてくれて、散らばっていた生ごみを片付けてくれた。森林動物研究センターの職員も来てくれて、花火や声でクマを追い払ってくれた。
ペットフードはまだ見つかっていないが、たぶんクマが飛び出してきたあたりにあると思う。あのクマが近々またペットフード食べに裏山まで来るだろうと思うと怖い。」
〇くまもりが、裏山のササ原を刈り払う
12月16日、熊森は、ケガをされた方から詳しい状況をお聞きした後、大声を出して、クマに人間が来たことを知らせながら、事故現場となった裏山の急斜面を登っていきました。人の背丈ほどのササがあたり一面に生い茂っており、見通しが悪い環境でした。2時間ほどかけて刈払機で刈り払いを行いました。途中、クマが食べかけていたと思われるペットフードの袋がササ藪の中から出てきました。
中身が半分程減っていました。そこはクマが出てきた場所とほぼ一致していたので、事件発生当時、クマはペットフードを食べていたのだろうと思われます。このペットフードは、今後、家の中に保管して次のごみの日に捨てることになりました。
クマが現れた現場、ササが生い茂っており見通しが悪い
今年、兵庫県でこれまでに起きたクマによる2件の人身事故後、現地に捕獲罠が仕掛けられ、2頭のクマが捕殺されました。今回の事件を受け、県と市は、ここにもクマ捕獲用の檻を設置しました。命だけは助けてやってほしいとお願いしましたが、聞き入れられませんでした。蜂の巣が入っていますから、たぶん捕殺されるでしょう。
(熊森から)
山の実りが悪い今年、嗅覚が優れているクマは、野外に置いてある生ごみまで探し当てて食べようとしました。しかし、哀れにも、それが自らの命を奪われることになるのです。
クマが山から出て来なくても生きられるように、わたしたちはスピード感を持って、何とかもう一度山を動物の棲める豊かな森に戻していきたいです。みなさん手伝ってください。
兵庫県、今年度、クマ特別捕獲隊結成の計画なし
- 2016-12-18 (日)
- くまもりNEWS
以下に、12月13日井戸知事の定例記者会見の大意を記します。
記者:
クマ被害対策:今年は集落での目撃情報も頻繁にありました。捕獲以外の対応も検討が必要かと思います。クマを寄せ付けない対策(電気柵、緩衝帯)も何か取り組みのお考えがあればお聞かせください。
知事:
来年の取扱いは決まっていませんが、まだ、4頭しか捕獲できていません。いわゆるクマ狩猟解禁の800頭以上の実情が続いています。やはり猟に慣れていないというのが一番の理由だと思います.狩猟技術を磨いていただくような機会を作っていくということが、すぐに考えられる対応なのではないでしょうか。
ただ、出没件数は、解禁前は1か月に150件程度だったのが、解禁後は3分の1の50件程度に減っています。つまり、狩猟者が山に入っていただいたおかげで、クマが里に出てこないで山奥に隠れるような行動をとったのではないかと考えられます。
いわば、クマの生息域と集落の棲み分けが図られたという風に評価できるかと思っています。そのような意味で今後の課題は、頭数管理を徹底しないといけないということと、人家の周辺への出没抑制を行わなければいけないということです。
そのためには、周辺での有害捕獲や山中での狩猟による捕獲に加えて、集落を囲む里山で捕獲を検討する必要もあるのではないかと考えています。
それから、もう一つは、集落周辺でクマを誘引する果樹などを減らしてもらう、追い払いのための資材を準備していただいて、身を守っていただくようなことをするなどの工夫を狩猟とは別に行っていきたいと考えています。
(熊森から)
今年も、暖冬が続いています。兵庫県北部の熊生息地では、やっとのことで一部の地域に少し積雪が見られるようになりました。
11月21日の知事定例記者会見でのハンターによるクマ特別捕獲隊の編成案には、肝をつぶしましたが、県庁担当部署に確認すると、今年度は、そのような計画はないということです。ひとまずほっとしました。
しかし、それにしても、今回の知事の答弁を読ませていただいて、知事にいかに正しい情報が届けられていないかがわかり、愕然としました。
例えば、今年10月15日 ~11月14日までのクマの目撃数と、 11月15日 ~12月14日までのクマの目撃数を比べると、後者の方が激減していますが、これは、毎年のことで、今年クマ狩猟を再開したこととは無関係です。
南アルプスの豊かな森を守れ!12月9日第2回ストップ・リニア訴訟口頭弁論(東京地裁)にくまもり出席
- 2016-12-18 (日)
- くまもりNEWS
12月9日、ストップ・リニア!訴訟の第2回口頭弁論に行ってきました。
多くの方が傍聴希望者列に並び、抽選で入場者を決めました。おかげさまで、傍聴席は今回も満席でした。
日本熊森協会を代表してひとりが原告席のひとつに座り、東京、愛知、長野などから来てくださった会員の皆さんは傍聴席に座っていただきました。
今回からいよいよ実質的な被害を訴えていく段階となり、神奈川県相模原市の鳥屋(とや)に居住し、山林を所有する栗原氏が意見陳述を行いました。
栗原氏は陳述で、鳥屋では工事車両が一日1000台以上も走行することや、歩道が未整備の場所が多いことから、安全上の問題、騒音、振動、排気ガスなどの環境問題などが多く発生することが予測されると陳述されました。
このようにリニア工事は住民の生活に大きな負担をかけることになるにもかかわらず、JR東海の工事説明会では、工事対象地域や、当事者が誰なのかなど具体性に欠ける説明だったということです。
JR東海による説明会の不誠実さぶりは各地で耳にしてきましたが、地域住民に工事対象地域を知らせずに、説明会を持ったと言えるのでしょうか。
原告代理人の和泉弁護士がその後意見陳述をされ、鳥屋は、景観が美しく、ぜんそく治療のために移住される人がいるほど自然環境に恵まれた場所であることを述べてから、鳥屋の標高310mに建設予定の長さ2km最大幅350m(面積50ヘクタール)という巨大な車両基地について、図を用いて説明されました。
この施設が建設されることで、鳥屋地域の気候が変わってしまうことや、地域が分断される被害などについて述べられました。
図を見せて頂いたことで、いかに巨大で圧迫感のある建物なのかがよく分かりました。
第3回~5回の東京地裁での口頭弁論期日は以下のとおりです。傍聴希望の方は、14:00から傍聴席の抽選が始まります。是非傍聴にご参加ください!
<口頭弁論期日>
第3回2017年2月24日(金)14:30~
第4回2017年4月28日(金) 14:30~
第5回2017年6月23日(金) 14:30~
以下のサイトで、訴訟に関してのより詳しい報告を読むことができます。
ストップ・リニア!訴訟原告団&リニア新幹線沿線住民ネットワーク
http://linearstop.wixsite.com/mysite
記事の裏だって伝えたい(フリージャーナリスト樫田秀樹氏のブログ)
http://shuzaikoara.blog39.fc2.com/
儲けにならないリニア問題の取材を続けておられる樫田氏は、取材のための交通費も用意できないほど、現在、経済的に困窮されています。少しでも余裕のある方は、カンパしてあげてください。
わたしたちは、子や孫、全生物に、お金よりも、不要なまでの便利さよりも、命を支える保水力豊かな国土を残してやりたいと強く願っています。
ぜひ、上記、ホームページをご覧になってください。
兵庫県井戸知事、それはないでしょう?!
- 2016-12-15 (木)
- くまもりNEWS
今回の大誤算、兵庫県の大恥に終わった兵庫県クマ狩猟再開結果に対する井戸知事のコメントを読んで、信じられない思いです。
井戸知事の発言要旨:
一定数のクマを狩猟できなかった場合、次なる対応を検討する。ハンターの方々に、クマ特別捕獲班を結成して協力いただく。クマが冬眠に入ってしまうので、その辺を検討した上で対応。
目標の140頭に対して4頭しか狩猟できなかったが、クマ狩猟を再開したおかげで、クマの目撃数が減ったから、一定の効果はあった。
井戸知事は、本来、やさしくて非常に賢明な方です。
失敗した政策にここまでむきになってこだわっておられるなど、誰かの入れ知恵でもない限り、考えられません。トップに立つ者にはあらゆる情報が入って来るので、いちいち真偽を確かめる暇はありません。取り巻く人達の人選には、厳しい審査が必要でしょう。
「知事、兵庫のクマが爆発増加して940頭になっています。狩猟を再開して140頭獲りましょう。そうすれば、環境省が決めている、安定個体群(注)800頭になってちょうどいいです。」
知事にこんなことを垂れ込んでその気にさせたのは誰なんですか。生き物への愛情が全くないおかしな人たちのいうことをまだ聞かれるのですか。クマの被害軽減のために必要なのは、生息地復元、被害防除、共存教育です。クマを殺すよりこちらの方が効果があります。今年起きた2件の人身事故でも、被害者が鈴をつけて歩いていたら、もうそれだけで起きなかった事故なのです。生息地の全戸に熊鈴を配っていただいたらどうでしょうか。
毎年11月15日に狩猟が開始されたら、クマの目撃数はどんと減っています。当然のことです。
担当者に、10月15日~11月15日までと、11月15日~12月15日までの、クマの目撃数の増減を過去にさかのぼって提出させてみてください。
今年、11月になって目撃数が減ったのは、クマ狩猟を再開したからでは決してありません。
こんな嘘を知事の耳のタレ込んで、自分たちの予測ミスをごまかそうだなんて、人間として恥ずかしいことだと思います。
(注)環境省は、成獣800頭と決めてちゃんとそう書いてあるのに、兵庫県にクマ狩猟再開の入れ知恵をした人は、どうも成獣という文字を見落として、兵庫県に伝えたようです。
熊森が、兵庫県クマ狩猟再開にあたって、成獣クマは800頭もいないので狩猟再開はおかしいと県に訴えたので、県は困ってしまわれたと思います。この件については環境省からも、兵庫県に質問が入っているはずなので、次回お会いした時に、県から説明していただこうと思っています。
県は、11月2日3日のクマ狩猟安全講習会において、「来年もクマ狩猟をおこないます」と宣言されたようですが、協議会や審議会無視の勇み足だと思います。この点も今後お会いした時にたずねようと思います。
ハンターたちがクマ狩猟をしたくないと言っているのに、殺生を勧めるなど大問題です。
兵庫県大誤算4頭、大恥の20年ぶりクマ狩猟終了 しかもクマ狩猟免許者誤射による死者1名発生
- 2016-12-15 (木)
- くまもりNEWS
例外的なほんの一部の人間の遊びのために殺されるなんて最低、犬死だ。どうか、兵庫県のクマたちよ、逃げ通してくれ。
狩猟中止要請署名に署名してくださった非会員の皆さんや全国の多くの会員が、祈る思いで不安な日々を過ごした兵庫県の20年ぶりクマ狩猟の1か月間が終了しました。この間、私たちが受けた精神的苦痛は相当なもので、私たちの訴えを無視してクマ狩猟を強行した兵庫県に、慰謝料を請求できないものかと思います。私たちは、自動撮影カメラを通して親しくなった兵庫のクマたちが撃ち殺されることに、強い心の痛みを感じる者です。
兵庫県の狩猟目標140頭、結果はなんと4頭!兵庫県の大誤算、大恥に終わりました。
県庁担当者のみなさんとはこれまで何度か交渉でお会いしてきましたが、みなさん仕事熱心できちんとした方々です。彼らが計画、実施していたなら、ここまでの誤算はなかったと思われます。悲しいかな、彼らは公務員で、部署を転々と異動させられている運命であり、現担当者もこの部署は、今年からなのです。クマ問題に関しては、24年間もやってきた私たちと違い、完全に素人なのです。
今回の大誤算は、県庁新担当者にレクチャーした研究者の責任と言っていいでしょう。
こんないい加減な政策を県に勧めて兵庫県に大恥をかかせた研究者こそ、責任を取らねばなりません。こんな研究者を県の研究者として雇った責任が県にはありますが。
しかしまあ、自然界は本当に人間の頭では把握などできない複雑な世界ではあります。
今回のクマ狩猟再開にあたって、私たち熊森が、
・兵庫県のクマの生息数が兵庫県森林動物研究センターの研究者が言うように、20年前の60頭と比べて15倍の940頭に爆発増加したなどあり得ない。
・多くのクマは大荒廃した山に棲めなくなり、人里近くにいる。自動撮影カメラで確認している。
などと、何回も県や知事にお伝えしましたが、みなさんは肩書につられて、兵庫県立大学教授の言うことの方を信じて政策を組み、実施されました。
肩書のある人が言った事でも、こんなに外れることがあるということを、今回、身を持って知られたと思います。もちろん、肩書のある人はそれなりに優秀なのですが、自然を見る目に関しては劣っていたということでしょう。熊森は、もう少し自然を正確に見ることができる研究者をご紹介できますが。
それにしても、4頭。
届け出しない人や密猟者が必ずいると思われますから、+アルファはあるでしょう。
それにしても、わたしたちにも意外な結果でした。
私たちはこの間、兵庫の山中にいて、何も悪いことをしていない無実のクマが撃ち殺されないように、逃げろと祈ることしかできなかったのです。天が私たちの強い祈りを聞いて、味方してくれたのでしょうか。
私たちが恐れていたのは、ハンターが集落近くで猟をすることでした。そこには一定数のクマがいます。
ハンターは、危険を察知して、集落近くでは狩猟をしなかったのでしょうか。
なぜ、4頭の犠牲で済んだのか?
県の担当者とも、お互いの向上の為に、この後いろいろ意見交換をしていきたいと思います。
<予想される推察>
・そもそも940頭にクマが爆発増加しているという推察が間違っていた。(研究者の責任)
・そもそも、山の中はクマでいっぱいという予測が間違っていた。(研究者の責任)
・猟友会の方が会議で言われていたように、そもそも兵庫県でクマを獲りたいハンターなどほとんどいなかった。
・手負いのクマを作ってしまうと責任問題に発展するから、ハンターが撃たなかった。(県も、確実に殺せるときしか撃たないようにと指導されていました)
・今年は山の実りが凶作でしたが、多くの集落で、柿も不作だったので、秋に人目に付くところにクマが出なかった?
等々、もっと考えてみます。
ブログを読んでくださっているみなさんは、何が4頭だけの原因だったと思われますか。
それにしても、人間に生息地を破壊されたままの何の罪もない絶滅危惧種4頭が、無駄に殺されたのです。これはおかしい。
銃で撃たれて痛かっただろうな。
クマは体が大きいぶん、すぐに死ねずに苦しんだだろうな。
4頭の詳細な情報を県から貰ったら、お墓を作ってやりたいです。(合掌)
それにしても、狩猟期間が終わりかけの、11月11日に兵庫県佐用町で起きた誤射死亡事件には、関係者一同震え上がられたと思われます。
あれだけ熊森が、土地勘のない他府県のハンターをクマ狩猟に呼び込むべきではない。事故を起こすと訴えたのに、止めなかった県の責任はどうなるのでしょうか。熊森が事故ニュースを聞いてすぐに警察に確認したところ、誤射事件を起こしたのは、兵庫県のクマ狩猟許可を受けて入山していた大阪府のハンターだということでした。
県としてはこの事実はなんとしても隠したい事実でしょうが、こんなときこそ隠さずに、きちんと公表すべきで、そうすることによって信頼が生まれるのだと思います。
多くのマスコミ報道を見ると、この事件が単なる誤射死亡事件として報道されています。これまでも、クマ問題に関しては、県の並々ならぬ報道規制圧力を肌で感じてきました。マスコミのみなさんも、県を忖度してますます自主規制が強まっていると感じます。
しかし、報道は、自己保身のためにあるのではありません。少しでもいい世の中、正義感倫理感のある世の中を作っていくためにあるのですから、今回の佐用町の誤射事故も、どうしてこんなことになったのか、今回の無謀としか言えない兵庫県クマ狩猟再開問題と絡めて、きちんと報道してほしいです。
とにかく、兵庫県の皆さん、来年以降、こんな意味のないクマ狩猟はもうやめましょう。21世紀には時代遅れです。
奥山生息地を復元して、クマが山に帰れるようにして棲み分けを復活させ、西洋文化をまねるのではなく、祖先のすばらしい共存文化を取り戻していきましょう。