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2016-12-15

兵庫県井戸知事、それはないでしょう?!

今回の大誤算、兵庫県の大恥に終わった兵庫県クマ狩猟再開結果に対する井戸知事のコメントを読んで、信じられない思いです。

 

井戸知事の発言要旨:

一定数のクマを狩猟できなかった場合、次なる対応を検討する。ハンターの方々に、クマ特別捕獲班を結成して協力いただく。クマが冬眠に入ってしまうので、その辺を検討した上で対応。

目標の140頭に対して4頭しか狩猟できなかったが、クマ狩猟を再開したおかげで、クマの目撃数が減ったから、一定の効果はあった。

 

井戸知事は、本来、やさしくて非常に賢明な方です。

失敗した政策にここまでむきになってこだわっておられるなど、誰かの入れ知恵でもない限り、考えられません。トップに立つ者にはあらゆる情報が入って来るので、いちいち真偽を確かめる暇はありません。取り巻く人達の人選には、厳しい審査が必要でしょう。

 

「知事、兵庫のクマが爆発増加して940頭になっています。狩猟を再開して140頭獲りましょう。そうすれば、環境省が決めている、安定個体群(注)800頭になってちょうどいいです。」

知事にこんなことを垂れ込んでその気にさせたのは誰なんですか。生き物への愛情が全くないおかしな人たちのいうことをまだ聞かれるのですか。クマの被害軽減のために必要なのは、生息地復元、被害防除、共存教育です。クマを殺すよりこちらの方が効果があります。今年起きた2件の人身事故でも、被害者が鈴をつけて歩いていたら、もうそれだけで起きなかった事故なのです。生息地の全戸に熊鈴を配っていただいたらどうでしょうか。

 

毎年11月15日に狩猟が開始されたら、クマの目撃数はどんと減っています。当然のことです。

担当者に、10月15日~11月15日までと、11月15日~12月15日までの、クマの目撃数の増減を過去にさかのぼって提出させてみてください。

今年、11月になって目撃数が減ったのは、クマ狩猟を再開したからでは決してありません。

こんな嘘を知事の耳のタレ込んで、自分たちの予測ミスをごまかそうだなんて、人間として恥ずかしいことだと思います。

 

(注)環境省は、成獣800頭と決めてちゃんとそう書いてあるのに、兵庫県にクマ狩猟再開の入れ知恵をした人は、どうも成獣という文字を見落として、兵庫県に伝えたようです。

熊森が、兵庫県クマ狩猟再開にあたって、成獣クマは800頭もいないので狩猟再開はおかしいと県に訴えたので、県は困ってしまわれたと思います。この件については環境省からも、兵庫県に質問が入っているはずなので、次回お会いした時に、県から説明していただこうと思っています。

県は、11月2日3日のクマ狩猟安全講習会において、「来年もクマ狩猟をおこないます」と宣言されたようですが、協議会や審議会無視の勇み足だと思います。この点も今後お会いした時にたずねようと思います。

ハンターたちがクマ狩猟をしたくないと言っているのに、殺生を勧めるなど大問題です。

 

 

兵庫県大誤算4頭、大恥の20年ぶりクマ狩猟終了 しかもクマ狩猟免許者誤射による死者1名発生

例外的なほんの一部の人間の遊びのために殺されるなんて最低、犬死だ。どうか、兵庫県のクマたちよ、逃げ通してくれ。

 

狩猟中止要請署名に署名してくださった非会員の皆さんや全国の多くの会員が、祈る思いで不安な日々を過ごした兵庫県の20年ぶりクマ狩猟の1か月間が終了しました。この間、私たちが受けた精神的苦痛は相当なもので、私たちの訴えを無視してクマ狩猟を強行した兵庫県に、慰謝料を請求できないものかと思います。私たちは、自動撮影カメラを通して親しくなった兵庫のクマたちが撃ち殺されることに、強い心の痛みを感じる者です。

 

兵庫県の狩猟目標140頭、結果はなんと4頭!兵庫県の大誤算、大恥に終わりました。

 

県庁担当者のみなさんとはこれまで何度か交渉でお会いしてきましたが、みなさん仕事熱心できちんとした方々です。彼らが計画、実施していたなら、ここまでの誤算はなかったと思われます。悲しいかな、彼らは公務員で、部署を転々と異動させられている運命であり、現担当者もこの部署は、今年からなのです。クマ問題に関しては、24年間もやってきた私たちと違い、完全に素人なのです。

 

今回の大誤算は、県庁新担当者にレクチャーした研究者の責任と言っていいでしょう。

こんないい加減な政策を県に勧めて兵庫県に大恥をかかせた研究者こそ、責任を取らねばなりません。こんな研究者を県の研究者として雇った責任が県にはありますが。

 

しかしまあ、自然界は本当に人間の頭では把握などできない複雑な世界ではあります。

 

今回のクマ狩猟再開にあたって、私たち熊森が、

・兵庫県のクマの生息数が兵庫県森林動物研究センターの研究者が言うように、20年前の60頭と比べて15倍の940頭に爆発増加したなどあり得ない。

・多くのクマは大荒廃した山に棲めなくなり、人里近くにいる。自動撮影カメラで確認している。

などと、何回も県や知事にお伝えしましたが、みなさんは肩書につられて、兵庫県立大学教授の言うことの方を信じて政策を組み、実施されました。

肩書のある人が言った事でも、こんなに外れることがあるということを、今回、身を持って知られたと思います。もちろん、肩書のある人はそれなりに優秀なのですが、自然を見る目に関しては劣っていたということでしょう。熊森は、もう少し自然を正確に見ることができる研究者をご紹介できますが。

 

それにしても、4頭。

届け出しない人や密猟者が必ずいると思われますから、+アルファはあるでしょう。

それにしても、わたしたちにも意外な結果でした。

私たちはこの間、兵庫の山中にいて、何も悪いことをしていない無実のクマが撃ち殺されないように、逃げろと祈ることしかできなかったのです。天が私たちの強い祈りを聞いて、味方してくれたのでしょうか。

私たちが恐れていたのは、ハンターが集落近くで猟をすることでした。そこには一定数のクマがいます。

ハンターは、危険を察知して、集落近くでは狩猟をしなかったのでしょうか。

 

なぜ、4頭の犠牲で済んだのか?

県の担当者とも、お互いの向上の為に、この後いろいろ意見交換をしていきたいと思います。

 

<予想される推察>

・そもそも940頭にクマが爆発増加しているという推察が間違っていた。(研究者の責任)

・そもそも、山の中はクマでいっぱいという予測が間違っていた。(研究者の責任)

・猟友会の方が会議で言われていたように、そもそも兵庫県でクマを獲りたいハンターなどほとんどいなかった。

・手負いのクマを作ってしまうと責任問題に発展するから、ハンターが撃たなかった。(県も、確実に殺せるときしか撃たないようにと指導されていました)

・今年は山の実りが凶作でしたが、多くの集落で、柿も不作だったので、秋に人目に付くところにクマが出なかった?

等々、もっと考えてみます。

 

ブログを読んでくださっているみなさんは、何が4頭だけの原因だったと思われますか。

 

それにしても、人間に生息地を破壊されたままの何の罪もない絶滅危惧種4頭が、無駄に殺されたのです。これはおかしい。

銃で撃たれて痛かっただろうな。

クマは体が大きいぶん、すぐに死ねずに苦しんだだろうな。

4頭の詳細な情報を県から貰ったら、お墓を作ってやりたいです。(合掌)

 

それにしても、狩猟期間が終わりかけの、11月11日に兵庫県佐用町で起きた誤射死亡事件には、関係者一同震え上がられたと思われます。

あれだけ熊森が、土地勘のない他府県のハンターをクマ狩猟に呼び込むべきではない。事故を起こすと訴えたのに、止めなかった県の責任はどうなるのでしょうか。熊森が事故ニュースを聞いてすぐに警察に確認したところ、誤射事件を起こしたのは、兵庫県のクマ狩猟許可を受けて入山していた大阪府のハンターだということでした。

 

県としてはこの事実はなんとしても隠したい事実でしょうが、こんなときこそ隠さずに、きちんと公表すべきで、そうすることによって信頼が生まれるのだと思います。

多くのマスコミ報道を見ると、この事件が単なる誤射死亡事件として報道されています。これまでも、クマ問題に関しては、県の並々ならぬ報道規制圧力を肌で感じてきました。マスコミのみなさんも、県を忖度してますます自主規制が強まっていると感じます。

しかし、報道は、自己保身のためにあるのではありません。少しでもいい世の中、正義感倫理感のある世の中を作っていくためにあるのですから、今回の佐用町の誤射事故も、どうしてこんなことになったのか、今回の無謀としか言えない兵庫県クマ狩猟再開問題と絡めて、きちんと報道してほしいです。

 

とにかく、兵庫県の皆さん、来年以降、こんな意味のないクマ狩猟はもうやめましょう。21世紀には時代遅れです。

奥山生息地を復元して、クマが山に帰れるようにして棲み分けを復活させ、西洋文化をまねるのではなく、祖先のすばらしい共存文化を取り戻していきましょう。

 

 

 

 

 

 

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