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2017-01

クマ関連パブリックコメントに応募を 締切 秋田県1/20、群馬県1/26、岩手県1/27、島根・西中国2/17

クマ保護計画(一種)または、クマ管理計画(二種)について、以下の県がパブリックコメントを募集中です。本部はせっせと応募しています。

 

締切:1月20日中

秋田県クマ管理計画 (提出先:生活環境部自然保護課 調整・自然環境班 FAX:018-860-3835  Mail:shizenhogoka@pref.akita.lg.jp)

募集要綱等URL:http://www.pref.akita.lg.jp/pages/archive/18960

郵送の場合は、平成29年1月20日の消印まで有効です

 

締切:2017年1月26日まで

群馬県クマ管理計画 (提出先:農政部鳥獣被害対策支援センター FAX:027-371-0090 Mail:choujise@pref.gunma.lg.jp)

募集要綱等URL:http://www.pref.gunma.jp/07/ai0900017.html

※意見募集対象は群馬県民もしくは群馬県に所在する団体等のみです。

 

締切:2017年1月27日まで

岩手県クマ管理計画 (提出先:環境生活部自然保護課 FAX:019-629-5379 Mail:FA0031@pref.iwate.jp)

募集要綱等URL:http://www.pref.iwate.jp/public_comment/44191/051613.html

 

締切:2017年2月17日まで

島根県・西中国地域クマ保護計画 (提出先:農林水産部森林整備課鳥獣対策室 FAX:0852-22-6549 Mail:choju@pref.shimane.lg.jp)

募集要項等URL:http://www.pref.shimane.lg.jp/industry/norin/ringyo/choujyu_taisaku/tokuteikeikaku_ikenbosyu.html

 

ぜひ皆さんのご意見を、各クマ行政へ届けてください。

 

環境省特定鳥獣保護・管理計画(クマ類編)ガイドライン に対するパブリックコメントの募集について

今日のニュースが、霊長類の60%に絶滅の赤ランプがついたことを報じています。クマもその保全には広大な自然が必要であり、人間がよほど注意して保護体制を保持していないと滅びてしまう動物です。環境庁(当時)は、1999年の地方分権一括法案で、クマに関する権限を都道府県に降ろしましたが、クマに関する権限をもう一度国に戻して、日本国として責任を持って国内のクマ保全に取り組む必要があります。

 

特に、四国のクマについては、もう待ったなしの「風前の灯」状態であり、地元県に任せておいては保全が不可能なことが明らかです。環境省が日本国の威信にかけて日本国の名で「四国のクマの絶滅回避」に乗り出すべきです。(国民の皆さん、声を上げてください)

 

今回パブリックコメントを募集中の特定鳥獣保護・管理計画作成のためのガイドライン(クマ編)は、生息推定数でクマ対応を決めるのではなく、国土をコア生息地・緩衝地帯・防除地域・排除地域にゾーニングして、コア生息地域では狩猟や捕獲を禁止するなど、当協会が長年主張してきた祖先の棲み分け共存法を大々的に取り入れており、その面では大変すばらしいものです。

 

しかし、問題は、絶えず新しい人が担当することになる都道府県の鳥獣担当者が、読むのか?どこまで守るのか?ということです。前回のガイドラインにも、クマ保護を意識したすばらしいことが書かれていましたが、現実には、都道府県が守っていなかったり、殺処分しやすいように勝手に規制緩和してしまったりしています。秋田県の場合、平成28年のクマ有害捕殺は468頭にものぼり、生息推定数1015頭の46%を1年で捕殺したことになるなど、もう無茶苦茶なことをやっていますが、環境省の指導はゼロでした。

 

環境省には、チェック体制も指導体制もないのです。目に余る場合、当協会が環境省に、都道府県がガイドラインを守るように指導してほしいと要請するのですが、権限外として国は動いてくれません。これでは多くの国民の声を聞いて、いくら立派なガイドラインをつくってみたところで、完全に「絵に描いた餅」です。

一生懸命考えてパブリックコメントに応募したわたしたち国民の労力はいったい何だったのでしょうか。全く報われません。ガイドライン作りが環境省の遊びになってしまっていると感じるのですが、言い過ぎでしょうか。

 

 

1月16日とよ無事冬眠へ 地元会員からの報告第2弾   花子は1月15日冬眠入り

 昨日に続いて、今日の午後も、獣舎の見回りに高代寺に登りました。
獣舎前には、人の足跡もなく、静かで、とよ君の姿も見えませんでした。
パレットの上には新しい足跡も見られず、本日常同運動をした形跡も確認できませんでした。
約20分ほど、4号寝室の中をのぞいて見ていましたが、「とよ君」の姿は藁布団の中で見えません。
餌場のドングリも、食べた形跡はありません。
プールの氷は解けていましたが、水はきれいで入った形跡なし。
「水のみ皿」の水は満水のまま凍っていました。
間違いなく、「とよ君」は冬眠に入ったと思います。
春、三月下旬まで、暖かい藁布団の中で、野山を駆け巡る夢でも見る事でしょう。
静かに見守ってやりたいです。
以上報告です。
裏から見た 獣舎
p.sちなみに、和歌山県の山田さんにお聞きすると、花子(長野生まれ)は、昨日からワラ部屋にはいったきりで出て来ていないそうです。生石高原の積雪は5センチということです。
太郎は和歌山県生まれのクマなので、冬ごもりはしません。

熊森本部「兵庫県クマ狩猟再開結果に対する考察」を、県と記者クラブに発表

以下は、1月13日、くまもり本部が兵庫県庁を訪れ、担当部局と記者クラブに伝えた主な内容です。

 

平成28年度兵庫県クマ狩猟再開結果に対する熊森の考察」

 

(1)<全体として>

クマ狩猟再開の効果はなし

 

多くのクマ狩猟再開の中止を求める声を無視して再開したクマ狩猟は、目標とした頭数低減に何ら寄与しなかった。

 

その上、今後、クマと人との棲み分けラインを復活させていかねばならない時に、山中でクマを撃つ行為を実施したことにより、クマにどこが棲み分けラインなのかわからなくさせてしまうマイナス効果を生んだことが考えられる。

 

行政のメンツとかあるだろうが、近隣府県にも影響を与えることなので、次年度以降のクマ狩猟を中止する英断を兵庫県に望む。

・クマ狩猟を再開したことによって、クマの目撃数が激減する効果があったという誤報が流されているが、これは狩猟時に毎年見られる現象であり、クマ狩猟再開とは無関係である。

・唯一の効果は、「県内クマ940頭に爆発増加説」が誤説であったことが確かめられたこと。

 

(2)そもそも県内クマ爆発増加説が過大推定であった

 20年間に15倍の940頭に爆発増加した県内クマ数を低減させるためとして、狩猟頭数140頭をめざして20年ぶりに再会したクマ狩猟であったが、結果狩猟されたクマは4頭であった。

これは、クマ狩猟が1か月間という限定されたものであったことや、猟師のクマ狩猟技術に不足があったことを加味しても、森林動物研究センターがベイズ推定で推定した県内クマ940頭に爆発増加説が、いかに過大推定であったかを証明する結果となった。

人里でのクマの目撃数や捕獲数が増加しているのは、奥山生息地の悪化に伴って、クマが人里に生息地を移動してきているドーナツ化現象によるものであり、クマ数が爆発増加したためではない。

・ベイズ法で生息数を推定できないことは専門家も証明している。推定するなら別法で推定すべき。(正確な推定法はない。人間の所に出て来ないようにできたなら、何頭いても良いではないか)

・狩猟期間を通常の3ケ月間にしたところで、 1月2月はクマの冬眠期間であり狩猟数は増えない。

・猟師の証言から、昔も今も、兵庫県ではクマに特化した熟練狩猟者はおらず、猟師の技術不足はいたしかたない。クマに対応するのは大変危険であり、手負いを生む確率も高いことから、一般狩猟者に依頼すべきではない。

 

(3)<県への要望>

①環境省が出してきたガイドラインに沿って、祖先の棲み分け共存復活への道を

・クマに棲み分けラインを教えるため、山中での狩猟や有害捕殺を厳禁する

 

②クマが出る原因は、奥山人工林奥山自然林の大荒廃と人里の過疎化高齢化

(対策)

ア、被害防除

・クマが出てきて悲鳴を上げておられる地域に、誘引物除去、・追い払い、・ベアドッグ、・クマが潜みそうな場所の草刈、・民家近くの柿の木の伐採やトタン巻き、実もぎ、・集落周辺や田畑の電気柵張りなどの被害防除作業員を配置できるよう予算化してほしい。

 

イ、生息地再生

クマが山に帰れるように、奥山人工林の除去による自然林化や、人やシカが奥山に入り込まない対策をスピード感を持って進めてほしい。

 

 

③ 誤捕獲多数に対する対策

集落近くにかけたシカ・イノシシ罠へのクマの誤捕獲が多過ぎる。これは、クマが集落に自らの意思で出て来るのではなく、捕獲罠の誘引物として使用されている米糠がクマを集落に呼び寄せているのであり、地元を危険な状態に陥れている。

このことを、地元猟師に知らせ、誘引物を葉野菜やくず芋など、クマが食べないものに変えるよう指導すべきである。

 

 

 

NHKスペシャル 森の王者ツキノワグマ ~母と子の知られざる物語~を見て 

 

 

 

 

 

 

 

 

以下は、番組終了後一番に届いた会員メールです。みなさんも感想をお寄せください。横田さんにお送りします。

 

動物写真家横田博氏(くまもり会員)の執念の映像記録は、ツキノワグマの生存環境がいかに厳しいか、子熊が成獣になるにはどれ程の生死を分ける試練を乗り越えなければならないかを、抑制した映像で伝えていました。

 

兵庫県は昨年度、ツキノワグマが爆発増加したとして、猟銃での狩猟を再開しましたが、自然界ではツキノワグマが増えられるものではないというのが番組を見られた大方の印象ではないでしょうか。

 

番組では全くふれられていませんでしたが、これは日本の森に君臨してきた豊かな森の象徴であるツキノワグマの絶滅を危惧する警鐘番組であると思ったのが私の感想です。

 

<熊森から>

雌と交尾する為に、雌の連れ子をオスが殺す場面は衝撃でした。しかし、事実ですから、認めざるを得ません。

 

木々がよみがえってきたとはいうものの、かつて人間活動による鉱毒でいったん森が枯れ、表土を全て失った足尾の岩山は、今も過酷な自然です。その厳しい地形や気候に生きる野生動物の、生きるか死ぬかの格闘のすさまじさに声を失った方も多いと思います。

 

しかし、自然界のとびきり美しい映像と、横田さんのクマたちへの温かいまなざしに、視聴者の胸には大きな感動が残ったと思われます。

 

全ての生物は、増えすぎたり減りすぎたりしないように、自然の力によって、見事にコントロールされています。

クマのように生態系の頂点に立つ動物は増え過ぎてはならないので、山の実りの凶作年は受精卵を流して妊娠しないようになっており、自分で生息数をコントロールしてきました。

今回映像で見た子殺しも、直接的には、雄が雌を発情させるためのものですが、生態系の頂点に立つ動物の数が増え過ぎないようにという自然界の厳しいしくみの一つかもしれません。

1月15日「とよ君」の冬眠開始を期待して高代寺へ   地元会員からの報告 


今季初めて雪景色になった今日の午後、「とよ君」の冬眠を期待して獣舎を見て来ました。

残念ながら、「とよ君」は、パレット上を「常同運動」をしていました。

暫くすると、4号寝室に入り、私が下山するまで出て来ませんでした。

間もなく冬眠すると思います。(明日当たりかな?)

2号プールは凍り付いていました。1号プールは水がありませんでした。

餌場の餌は、雪を被って、食べた形跡なし。

糞も見当たらず、パレット上は「常同運動」の足跡だけで、きれいでした。

台湾、25年に全原発廃止 アジア初、法案を可決

以下、中日新聞1月12日朝刊より

 

【台北=迫田勝敏】台湾の立法院(国会に相当)は十一日、電力事業の自由化と再生エネルギーの供給拡大で二〇二五年に原発を完全に廃止する電気事業法の改正案を可決した。昨年五月に政権を発足させた蔡英文総統は「二五年原発ゼロ」を公約に掲げて総統選に勝利しており、今回の法改正で太陽熱や風力などの再生エネルギーの開発に弾みがつくとみられる。

 

東京電力福島第一原発事故の後、脱原発にかじを切るのはアジアでは初めて。台湾には現在、三カ所に計六基の原発があるが、二五年までに順次、運転期間が終わる。

 

改正法では「二五年までにすべての運転を終えるべきだ」として、運転期間を延長しないことを明記した。原発廃止による電力の不足分は、再生エネルギーの供給で補うことにしている。

 

また、改正法には、現在は公営の台湾電力が独占している電気事業を段階的に自由化することも盛り込まれた。当面は再生エネルギーの発電事業を自由化し、台湾電力が優先的に送電するなどとしている。

 

台湾の電力需給は、原発が故障続きで全面稼働していないこともあり、夏場は特に逼迫(ひっぱく)している。このため再生エネルギーの開発が急がれており、台湾電力も風力発電などを導入しているが、現在は再生エネルギーによる電力供給は全体の4%程度にとどまっている。

 

<熊森より>

 

世界は、広島原爆の被害、長崎原爆の被害、福島原発事故の被害…3回も放射能の恐ろしさを体験した日本国が、1番に全原発停止の声を上げるだろうと思っていたと思います。台湾に大拍手です。

 

以下、「いのちと環境」柳澤桂子(生命科学者)より

放射能はなぜ怖いか。放射線がDNAをキズつけるからです。原発事故はいつか必ず起きます。日本の原発でも何度も事故が起きています。1999年に東海村で起きた事故など、あと一歩で原子炉が爆発するという大事故でした。政府は隠して国際原子力機構に虚偽の報告をしました。

北海道ヒグマ管理計画(素案)に対する熊森見解の主なもの

北海道ヒグマ管理計画という名について

ヒグマ共存計画と訂正すべき。ヒグマを管理してやろうという人間の上から目線、傲慢さ、自然観の大いなる間違いを恐ろしく思います。(環境省の決めた言葉ですから,道庁が責任というものでもありませんが)

自然もヒグマも、人間ごときが管理できるようなものではなく、人間が管理できないから自然であり、だから自然は貴重で、人間が畏敬の念をもって大切にしなければならないものなのです。

 

(1)ヒグマ問題の原因特定が間違っている

 

原因特定を間違えば、打つ手、打つ手、全部外れていきます。人間の所に出て来る問題グマが増えた根本原因は、素案が言っているように、ヒグマの数が増えたからでもなく、近年春グマ狩りをやめる(現在、人材育成の名で復活)など捕獲圧を緩めたからでもありません。北海道の場合は、まだナラ枯れも入っておらず、山の実り豊凶や食料不足にも関係がないようです。

 

実際、ヒグマ捕獲数グラフを見せていただくと、年間数百頭のヒグマが罠にかけられて殺される年が近年普通になってきています。北海道はヒグマに大変な捕獲圧をかけておられます。

 

人間の所に出て来る問題グマが増えてきた主な原因は、道の指導で農家がバイオエタノール用の広大なデントコーン畑を被害防除対策なしで各地に造ったり、ごみ処理対策のない観光地化を進めたりして、ヒグマを人間の所におびき出しているからです。問題グマが誕生しているのは本当ですが、誕生原因は、人間活動にあることを、道庁は最初にしっかり押さえておくべきです。

 

親から離れたばかりのオスグマの中には、自分の新たな居住地を決める前に、一度、人間の町をそっと見に来る習性がある者がしばしばいるようです。この場合は、殺さなくても、しばらくの間、遠目に街を見たら納得して山に帰り、もう出て来ないそうですから、問題グマではありません。殺すのをやめるべきです。

 

(2)はじめに殺すありきは間違っている

 

観光地や畑に居ついた問題グマにどう対処するかという問題に対して、素案が殺す一辺倒になっているのは、理解に苦しみます。人間が原因を作っているのですから、ヒグマ被害防除対策をとるように、まず人間の方を指導しなければなりません。

 

ヒグマが先住民で、北海道の大地で生きる権利を持っていることを理解し、ヒグマの命に対する尊厳や共感があれば、こんな素案にはならないと思います。殺す一辺倒というような対策では、とてもヒグマと人の共存は望めません。人間の倫理感の問題でもあると考えます。

 

クマはとても知能の高い動物ですから、いろいろと学習して成長していきますし、その地域のクマの文化も持っています。人間の所に出てきたから問題グマであるとして殺してしまったら、また次の新しいクマが出て来るだけで、また殺さねばなりません。いつまでたってもイタチごっこなだけではなく、自然や野生への冒涜であり残酷です。

 

(3)具体的な問題グマ対策が不足

 

人間の所に出て行かないヒグマや、そのようなヒグマ文化をその地域に作るには、そういうことを学習した成獣ヒグマを残しておかねばなりません。それには電気柵などの被害防除対策と共に、ヒグマが山から出て来ないように、ヒグマを追い返す人間たちが必要です。これは、相手がヒグマですから、危険を伴います。アウトドアを楽しむ趣味のハンターには無理です。行政が予算を組んで、ヒグマ対応の専門家を各市町村で雇用すべきです。

 

現在、春グマ狩りの名を変えた人材育成のためのヒグマ狩りを春に行っておられますが、全く無意味なので中止してください。まだ木々の葉が出ておらず下草も生えていない春先のクマ撃ちは簡単です。北海道に今必要なのは、観光地やデントコーン畑に居ついたヒグマをゴム弾や犬を使ってどう追い払うかで、夏に練習しないとハンターの腕が磨けません。

 

人への警戒心や人への恐れはもちろんヒグマの身に着けてもらわねば困りますが、ヒグマは食べ物に異常に執着する性質があるので、人への警戒心がないとか人を恐れないとかに見えるだけです。

 

人間側がヒグマの生態を攪乱させるようなことをしない限り、北海道の自然がその環境収容力に沿った数にヒグマを個体数調整していくので、基本的に、狩猟やハンターの養成は不要です。

 

外国では、ヒグマの移動放獣が盛んにおこなわれているのに、北海道ではいまだに全て殺処分しており、放獣はゼロです。日本のような先進国・経済大国がこれでは本当に恥ずかしい。北海道庁は直ちに、ヒグマ放獣が可能になるように、箱罠ではなくドラム缶檻の作成に予算を組むべきです。当協会が、北海道庁に口を酸っぱくするほど言い続けてきたことであり、今度こそ実現してほしい。予算がないと言われるなら、当協会が支援させていただきます。

 

(4)命あるヒグマに使う言葉がひどすぎる

随所、言葉遣いの乱暴さには、何度も唖然とさせられました。これは絶対に改善してただきたい点です。例えばヒグマを狩猟資源と言ったり、エゾシカの有害駆除死体を残滓と言ったり、日本の大地にともに棲む生きとし生けるものにたいする畏敬の念が全く感じられず、同じ人間として信じられない思いがしました。

 

(5)その他

狩猟や有害駆除時にハンターが受けた殺傷は、人身事故とは全く別物であるため、補殺時のけがとして別枠で表記すべきです。ヒグマがハンターに殺されそうになって反撃してくるのは、生物として正当防衛であり、事故ではありません。

 

 

 

 

 

ベイズ推定法を使用してはいけません  国立研究開発法人統計モデル解析ユニット 山村光司氏

山村光司氏が、ベイズ推定法には欠陥があり使用できないことを論文に発表されているのをネットで見つけました。

 

北海道庁ヒグマ検討会委員のおひとりでもある山村光司氏のHPは以下です。

http://cse.naro.affrc.go.jp/yamamura/

 

この中で2016年の論文が紹介されています。

http://cse.naro.affrc.go.jp/yamamura/topic31.html

 

 

「ベイズ推定法を使用してはいけない」(原文は英語)

 

<論文の概要>

マルコフ連鎖モンテカルロ法(MCMC法)に基づくソフトウエアを用いることにより, Bayes (1763) 流のベイズ推定法で複雑な推定問題も簡単に解決できそうに見える。しかし,Fisher(1922)によって指摘されたように,ベイズ推定法には致命的な欠陥が存在している。いくらでも異なる推定値を捏造することができるのである。

 

現在では多くの人々が ベイズ推定法を用いているが,それらの人々はこの問題を見て見ない振りをしているかのようである。ベイズ推定法を用いれば,いかに簡単に推定値を正しく捏造することができるかを例示する。

 

 

<熊森から>

兵庫県のツキノワグマ940頭に爆発増加というシナリオは、当時の兵庫県森林動物研究センターのある研究員がだした、マルコフ連鎖モンテカルロ法(MCMC法)を用いたベイズ推定法で推定された値です。

 

奥山を歩き続けてきた熊森としては、兵庫県のクマが20年間に15倍に爆発増加したなど感覚的にまったくありえないので、当時、大学で統計学を教えておられる専門家たちに相談してみたことがあります。

 

先生方は大笑いされて、「ベイズ推定法でクマの生息数を推定することなどできませんよ。10年後の経済発展をここまでにするにはと、初めに結果を出して、そのためには毎年どうすればいいか考えることに使うためのものです。クマの生息数がわかっていないと使えませんよ」と、教えてくださいました。

 

先生方の説明は大変難しくて私たちにはわからないことも多かったのですが、ベイズ推定法でクマの推定数をいくらにでも好きな数にして出せることがわかりました。わたしたちは、この推定法で、クマ生息数を出すことはできないと確信を持ちました。なぜなら、この推定法でクマの生息数を出すには、捕獲率が必要です。

 

しかし、今年捕まったクマがいたとして、捕獲率を出すには、全体数がわかっていなければなりません。クマが何頭いるかわからないから推定しようとしているのに、全体数がわからないと推定できないなど、自己矛盾しています。熊森がベイズ推定法で熊の生息数を出すことは出来ませんといくら主張しても、権威や肩書がないからか、誰も取り上げてくれませんでした。

 

 

この度、権威ある国立研究開発法人の山村氏が、ここまではっきり論文で断罪してくださったので、もう、クマの生息推定数算出にベイズ推定法が使われることがなくなるのではないでしょうか。

 

これで、兵庫県クマ狩猟再開の根拠となった生息推定数940頭は根底から崩れました。クマ狩猟再開は、当然、中止されねばなりません。

 

 

 

森の王者 ツキノワグマ 1/15(日) NHKスペシャル予告 午後9:00〜9:49

1/15(日) NHKスペシャル  午後9:00〜9:49

「森の王者 ツキノワグマ」

 ~母と子の知られざる物語~

栃木県足尾という特殊な環境に生きるクマたちを撮影し続けてきた

横田博氏の作品です。

↓以下参照
フィード

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