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2023-08-13

8月19日14時~ 長野県松本市でくまもりカフェ開催! 室谷悠子会長・務台俊介顧問

来る8月19日、長野県松本市で開催されるくまもりカフェで、室谷悠子会長のお話の後、務台顧問も話されます。県外からでもOK。皆さん、ぜひご参加ください。

 

チラシはwクリックで大きく鮮明になります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宮澤正義顧問96才、埼玉県で国会議員らに2時間半クマを語る

10頭のクマたちと20年間家族として暮らされた長野市在住の熊森顧問宮澤正義先生は、亡くなったクマたちを皆剥製にして、毛が日焼けしないよう、日光の当たらないところで大事に保管されてきました。そのため、どのはく製の毛も黒々としており、今でもまるで生きているようなクマたちです。

 

 

在庫がないため、図書館などでお読みください

 

しかし、高齢になり、これらの愛したクマたちのはく製を、バラバラではなく1か所でまとめて保管してくださる所にもらっていただきたいと熱望されるようになりました。しかし、なかなか譲渡先が見つかりませんでした。

日本に熊森協会が誕生できたのは、長野市に宮澤先生という世界でも類を見ない地のクマ研究者がおられたからで、この31年間、ずっと私たちを指導し続けてくださっています。そういう訳で、本部が引き取るべきなのですが、残念ながら、今、そのスペースがありません。

 

手を上げてくださったのは埼玉県支部で、私設の埼玉県熊森事務所が全頭引き取ってくださいました。クマの剥製ですが、 宮澤先生は剥製とは言いません。今も生きているかのように、「クマたちは元気か」といつも言われていました。

 

そしてついに、7/30(日) 、長野市から新潟県在住の娘さんに付き添われて埼玉県支部事務所にクマたちを見に来られることになりました。せっかくですから、埼玉県支部は熊森顧問の務台俊介衆議院議員ら何人かの議員の先生方をお招きし、宮澤先生のお話を聴いていただくことにしました。

当日はとても暑い日でした。大宮駅からの道中、早くクマたちに会いたいと、そわそわしておられました。移動中も、クマのことや昔の体験談をずっと話してくださいました。

 

事務所に着くと、「おー!」と歓声をあげ、一頭一頭の名前を呼び、愛おしそうに撫でて話しかけておられました。綺麗に大切に保管してくださっていると、喜んでいただけました。
務台俊介顧問(ご夫妻)他、県議や国会議員の秘書の方々がお越しくださいました。(土屋品子顧問の秘書、村井ひでき議員秘書、高橋まさお県議会議員ら)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まるで生きているようなクマたちのはく製でいっぱいの会場風景

 

宮澤先生は足腰がかなり弱ってきたとしきりに仰いますが、冒頭から立ったまま熱く語り始められました。昔の話から最近のクマの事情に触れ、昔と今の環境の変化や、クマを飼育されていた当時のエピソードを、昨日のことのように意気揚々と話されました。

 

宮澤先生はその昔、原生林に入り、たくさんのクマたちと遇ったが何もされなかったという話は、参加者に特に印象的だったようです。クマは本来、争いを好まない、とても平和的な動物なのです。

 

今は山が開発され、人がどんどん奥山のクマ生息地に入っていきました。そしてとうとう原生林までほとんど人間が占領してしまいました。一方、クマが人間に押し出されてちょっとでも人間の生活圏に入ると害獣として駆除されてしまいます。クマはいったいどこにいたらいいのか。クマは奥山と里で挟み打ちのような状態にあるという宮澤先生のお話には、90年間にわたってクマを取り巻く環境の変化を見てこられた者としての説得力がありました。

 

宮沢先生は、日本は、生物多様性の保全をもっと重要視しなければならないと強く訴えておられました。

 

先生がお若い時は、なぜかシシ垣はあったけれども、シカもイノシシも全くおらず、キツネやタヌキやウサギが多かったそうです。クマにトウモロコシを食べられた開拓農家もあったけれど、昔の農家はトウモロコシといっても家で食べるためだけの十数本ぐらいしか植えていなかったので、クマに全部食べられちゃったよというくらいで、クマ被害という意識はなかったということです。猟師は村に一人しかいなかったそうです。

 

クマは、とにかくネマガリダケが繁っている場所が大好きで、タケノコの時期でなくてもずっと笹やぶの中にいて、ササの新芽を食べたりもしていたということです。

 

毎年、当年生まれの子グマを連れて牧場近くのバッタがいっぱいの草原にやってくるなじみのメスグマがいて、去年産んだ子は育たなかったんだなとわかった。(クマは2年間子育てするので、その間は発情しない。毎年新たな子を産んでいるということは、前年産んだ子が死んだということ。クマは増え過ぎないようにできている)

 

宮澤先生のお話はどれもこれもクマという動物を理解するために、貴重です。若い研究者たちにもぜひ聞いておいていただきたいです。

 

クマを守りたい気持ちは同じ。3年前、自ら熊森顧問を名乗り出てくださった務台議員は熱心にメモをとり、いろいろ質問をされていました。以前に公務で海外事情を知り、日本にクマがいるのは素晴らしいことであると再認識した、クマに生息地を保証し、山に追い返すようにしていくべき等と話されていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

左から、務台顧問、宮澤先生

 

宮澤先生は、この日、2時間半語られましたが、時間が短か過ぎた、まだまだ議員の先生方には伝えておきたいことがたくさんあると、次の機会を望まれていました。96歳でこのお元気さはすごいです。記憶も全く衰えておられません。

長野同士ですから、長野県で、また、前環境副大臣務台議員に続きを聞いていただける機会があるといいですね。

 

務台顧問は宮澤先生のお話を聞いてどう思われたでしょうか。ご感想をお聞きするのが楽しみです。

クマの見回りを続けている地元会員の要請で本部クマ担当が緊急出動するも、地元はクマに寛容 

兵庫県のクマ生息地である新温泉町に住む本多会員は、80歳を超える高齢ですが、クマが殺されないか心配で、毎日車でクマパトロールをされています。早朝、川でクマが水浴びしているのを見た時など、うれしそうにクマのことを語られます。

 

本多会員は、以前、経営する梨園でクマが昼寝をしていたのに気づかず、入っていったことがあります。突然の人間の出現にびっくりしたクマは、本多さんの体の上に乗ってきて取っ組み合いになりました。その時、間近で見たクマの目の純粋さが忘れられないそうです。クマは明らかに人間を怖がっており、転がるようにして逃げていったということですが、本多さんはお怪我をされました。

 

以来、本多さんはクマを守りたい気持ちが強くなり、母グマが悲しんでいるからと住民に話してイノシシ用箱罠にかかっていた子グマを逃がしてやったこともあります。

 

7月31日朝、本多さんから、隣町で昼間にクマが出ている所がある。捕殺されるかもしれないという連絡があり、本部クマ担当の水見、羽田は、直ちに現地に緊急出動。本多会員と合流して、地域の方5名に聞き取りをしました。

 

目撃情報をまとめると、

・クマは、朝8時から10時くらいの間に、川下から川上に向かって川を移動しながら水浴びをしたりして移動していた。

・川すその茂みを伝って、川沿いのびっしり実がついているオニグルミの木を観察しながら歩いていた。

・国道の橋の下で川の水に浸かっていた。

・川の近くの畑で休憩しているのを私に目撃されると、クマは逃げていった、等々。

住民の方々は、クマは移動しているだけやし、とクマに寛容でした。

 

このクマは住宅地の中を白昼堂々練り歩いていたわけではなく、住宅地の外周を流れる河川を利用していただけのようでした。ここ数日、酷暑で人も大変ですが、クマも暑いので水量のある水場にきて水浴びをしていたのでしょう。このような例は全国各地であります。

 

今回のクマは、川沿いのオニグルミの実を食べる予定で下見も兼ねて出て来ていたのかもしれません。結果的に、捕殺される恐れはないと判断。本多さんも一安心。本部緊急出動を終えました。

 

地域住民の方や役場の方には、川の近くに行く場合はクマがいることが予測されるので、鈴や手をたたいて音を鳴らしてくださいとお伝えし、草刈りなどの環境整備が必要な場合は当会にご連絡くださいとお伝えしておきました。

 

橋の下で、朝、クマは川の水に浸かっていた

 

この川べりの茂みを伝って歩いていた

 

 

 

 

 

 

 

川沿いに生えているオニグルミの木をクマが観察していた

 

地域によっては、オニグルミの実が青くて柔らかいうちにクマが食べる

 

今年は山の実りが悪いと言われています。兵庫県でも新たなナラ枯れの場所があります。そのためか、クマが山から出てきて目撃される例が多くなっています。

クマ対策でお困りの場合は当会にご連絡ください。

当協会は、殺さない対応策を実施します。

地域でクマ対策講座(無料開催)もできます。

 

【お問い合わせ】

TEL 0798-22-4190 mail field@kumamori.org

日本熊森協会本部 野生動物担当 水見・羽田

 

P.S

現在日本の野生動物学研究は利権がいっぱいの西洋思考のワイルドライフ・マネジメント派に牛耳られており、兵庫県森林動物研究センターの所長をされたある高名な研究者も、「日本人は殺生を嫌うから駄目なんだ」と公言されています。

責任を取りたくないので、すべての行政は肩書のある研究者たちの野生鳥獣捕殺一辺倒対応に従っています。

 

しかし、熊森は、無用の殺生をしない、生きとし生けるもの全ての命を尊厳する祖先の文明こそが正しくて、豊かな水源の森を残して今日の日本文明の繁栄を築いたという認識です。

このため、熊森は現在日本で多くの研究者から異端児扱いされていますが、無意識ながらも祖先の影響を受けている一般庶民からは、受け入れられることが多いと自負しています。

 

ただ、今、みんなで声を上げないと、この素晴らしい生命尊厳思想が日本国から消えていく恐れがあります。熊森に賛同してくださる方は、とりあえず熊森にご入会いただき、賛同の意思だけでもお示しください。

 

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