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2023-10-27
速報:比叡山延暦寺滋賀院門主小林隆彰顧問ご逝去
小林隆彰先生には、大津のサル軍団が有害駆除される計画が上がった時、大変お世話になりました。現地に行くと、元々おサルたちが棲んでいた山の中が巨大開発されて、広大な宅地に変わっていました。おサルがこの宅地に出て来ると言って、住民の皆さんは困っておられましたが、おサルにしたら少し前まで自分たちの国だった場所です。
クマ問題と同じ構図です。人間が彼らの生息地を破壊しておいて、彼らが自分たちの生息地であったところに出て行くと、害獣というレッテルを貼って駆除するのです。熊森は胸を痛めて、何とか殺さない解決策はないかと、滋賀県支部を中心に連日出勤前の早朝にサルの追い払い活動を実施するなど、涙ぐましい努力を続けました。
小林隆彰先生はすでに当時延暦寺のトップレベルの偉い方でしたが、私たち熊森に長時間会ってくださり、親身に相談に乗ってくださいました。お会いして感激したのは、生き物たちの命について、熊森と全く同じ考えでした。そして、比叡山の山で殺生は認めないと宣言してくださいましたので、多くのおサルの命が助けられました。
その後いろいろと経緯があって、人間の庭の作物などに大きな被害を与える大津のサルたちは、捕獲されて大津市で終生飼育されることになったのでした。仏教の殺生禁止について、この時いろいろと学ばせていただきました。仏教の考えで行けば、日本の豊かな自然を生き物丸ごと守ることができると思いました。
小林先生、これまで長い間、熊森の顧問として、いろいろとお導きいただきありがとうございました。ご著書なども送っていただき、学ばせていただきました。心からご冥福をお祈り申し上げます。
経済産業省の資源エネルギー庁が住民説明会に関してパブコメを募集中。10月29日〆切
再エネ特措法が改正され、再エネ事業者に住民説明会の開催が義務付けられることになりました。これは当然のことで、一歩前進です。しかし、説明会の中身がまだまだ不十分で、住民側の声が通るようなものになっていません。
具体的には、
住民説明会に参加できるのは事業地境界から「300m以内」の周辺住民のみで、環境アセスメント対象となるような大きな事業でも「1㎞以内」の住民までとなっています。
しかし、奥地森林や森林尾根部での再エネ事業開発の場合、土砂の流出、水源地の破壊などは流域全体だけではなく海にまで影響が及びます。また低周波音は10㎞先でも影響があるとも言われており、再エネ開発の場合小さな単位で住民を区切ることは不適切です。また、自然生態系の問題は事業地からの近さとは関係なく、周辺住民に限られたものではありません。
このように説明会に参加できる「周辺住民」を限定すれば、周辺住民がほとんどいない奥地の開発では、説明会が形骸化することは明らかであり、絶対に変更すべきです。
また、一般的に住民には専門知識がないので、いきなり説明会に参加して事業者側から専門用語を並べられても、どこが問題なのかわからず、住民側に不利な事業案であっても、反論できないで終わってしまうことが多くあります。
そのため、住民説明会は、
1 希望があれば、流域から海に至るまで、その再エネ事業によって影響を受けることが考えられるすべての住民が参加できるようにすべき。
2 住民から希望があれば、説明会場に専門家や自然保護団体が出席できるようにすべきです。
以上2つを、パブリックコメントとして提出していただけたらありがたいです。
以下から意見を入れることができます。
<「再生可能エネルギー長期電源化・地域共生ワーキンググループ 第2次取りまとめ(案)」 に関する意見公募要領>
https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=620223028&Mode=0&fbclid=IwAR09Kp1rlUHSIr6KpxxdJeyFNABpSIIXXM9C49WYf7mf4Ux69JThQcMkJ8g
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