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2024-12-10

秋田市で目撃が続く子グマ、熊森本部が放獣または保護を要望済み

市街地に大人のクマが出て来るようになった地域のみなさん、どんなに大変か、心からお見舞い申し上げます。

 

戦後、奥山のクマ生息地の森を皆伐し、跡地に実のならないスギやヒノキばかり植えて放置し大荒廃している人工林、最奥地の観光地に連なる立派な舗装道路、こんなことをしていたら、餌場を失ったクマが餌を求めていずれ山から出てきますよ。そうなるまえに、奥山の餌場を再生し、人間は奥山から撤退しましょうと、熊森は28年間、各方面に緊急提案をし続けてきました。

 

しかし、国も都道府県も、どんどんとクマの生息地を奪うことばかりしてきました。これまで何度も私たちは、クマと人間、どっちが大事なんだ!と、お叱りを受けてきました。どっちも大事です。こんな簡単なことがわからなくなってしまったのは、自然界の仕組みを知らない国民がほとんどになってきたからでしょう。

 

さすがに、ナラ枯れによるミズナラの総枯れや昆虫の相次ぐ消滅は、私たちにも想像外でした。これも、クマの生息を脅かす一大事です。

 

どちらにしても、クマが市街地にまで出て来るようになったのは、研究者たちが言うように、クマが増え過ぎたからではありません。クマに責任はありません。人間側に大いなる責任があります。

 

秋田市の市街地で連日、子グマの目撃が続いています。

市街地で母が殺されたのを知らず、母を探し続けている子グマなのかもしれません。

餌を求めて水路を歩いているうち、気が付いて地上に出たら、そこは市街地。人に見つかって逃げているうち、山に帰る道がわからなくなって、迷っている子グマなのかもしれません。

人情としては、水やえさはどうしているのか、心配になります。

子グマですから、殺傷能力はありませんが、市街地をうろついている状況は、クマにももちろん人にも良くありません。

秋田市はそのうち捕獲するのでしょうが、熊森本部は放獣または保護の要望を伝えてあります。

秋田県は全国で唯一、原則としてクマを放獣しないと決めています。

いつ秋田県のだれが決めたのか知りませんが、これ、おかしくないですか。

鳥獣保護管理法(環境省)に違反では?

本部のある兵庫県では、山の実り大凶作年の今年11月30日現在、クマの放獣216頭、殺処分105頭となっています。

人間でも動物でも可能な限りの生命尊重は、生物倫理の第一歩です。

 

秋田県はクマは山に放しても帰って来るといわれますが、秋田で実験されたのでしょうか。

兵庫県の放獣例では、8割は捕獲場所に帰ってこなかったそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

秋田での科学的なデータを出すためにも、今回、放獣を試してみられるべきだと思います。

もし、山が雪で、もう山にこの子グマを返せないというのなら、春まで保護してから返してやればいいと思います。

他県ではそういう例があります。

 

熊森が春までこの子グマを保護せよというのならしますし、お金も出します。

 

この提案は、直接的には子グマのためかもしれませんが、実は私たち人間に豊かな水源の森を残すことなのです。また、まわりまわって、弱者にやさしい人間社会を作るために欠かせないことなのです。秋田の子供や教育にどれだけいい影響を与えるか、はかりしれません。秋田の子供たちのためなのです。

 

クマすべて殺す秋田と言われるより、助けられる命は助ける秋田と言われる方が、秋田の物産や観光イメージにも限りなくプラスだと思います。

 

今年は東北地方は山の実りがよくて、秋田市でもお盆以来、クマの目撃はぱたりとなくなっていたそうです。そこにどういう訳か、今回のメスグマと子グマです。

自然界は、私たち人間にわからないことでいっぱいです。

 

今回の子熊を保護することで、困る人は誰もいないと思います。

クマは人間が日本列島に住み着くはるか昔から、日本列島に住み着いていた先住民です。

先住民に敬意を払うのは、後から来たものとしては当然です。

秋田県のクマ対応は、市町村ではなく県が決めるそうです。

ならば、秋田県担当者のみなさん、放獣または保護をお願いします。

 

目撃が続いている秋田市の子グマについて、熊森本部への問い合わせが多いため、今回、広報させていただきました。

 

ちなみに、人工林率が40%を超えるとクマは絶滅に向かうという説がありますが、秋田県の人工林率は50%です。

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