くくり罠について
<錯誤捕獲>
野生動物を有害捕獲する際には、どの動物を捕獲しようとしているのか、許可申請を出す時に特定しなければなりません。それ以外の動物が誤捕獲 されると、錯誤捕獲としてすみやかに罠を外し、放獣しなければなりません。しかし実際は、クマが錯誤捕獲されると、麻酔銃を撃って眠らせ、ワイヤーを外して放獣してやろうと思っても、人が近づくと逃げようと暴れたりするため、危険だという理由で殺処分されてしまうことが多々あります。
クマ狩猟には、くくり罠使用が禁止されていますが、クマの有害捕獲には、くくり罠の使用が認められています。
<12センチ規制>
クマの錯誤捕獲を防ぐために、環境省はくくり罠の直径を12センチに規制しています。しかし12センチだとシカやイノシシが罠にかかりにくいとして、いくつかの県では、条件付きでまたは無制限に規制緩和しています。しかし、エゾシカでも12センチで捕獲されており、12センチで十分捕獲可能だという猟友会員の声もあります。
・環境省-わな規制強化について
・くくり罠の12㎝規制実施状況
<錯誤捕獲を招く新わな猟免許>
猟友会におききすると、ずっと有害捕獲用わな猟に取り組んできた猟友会員は、キツネ・タヌキ・ウサギなどの動物が誤捕獲されないように、くくり罠の上に割り箸などを置き、体重が重いものにしか罠がかからないようにするなど、工夫しているそうです。
しかし、最近、獣害を防ぐために、行政指導で多くの農家の方が新しくわな猟免許を取得しており、これら、わな猟経験の少ない農家の方が不用意にわなを設置して(一人30個まで設置可能)、錯誤捕獲を増やしているということでした。(兵庫県)
ただし、狩猟期間中については、どの狩猟獣がかかっても、誤捕獲にはなりません。
<手負いのクマ>
くくり罠は非常に強力なバネで足をぐいぐい締め付けるので、場合によっては錯誤捕獲されたクマの足がちぎれたりします。大変、残酷です。また、ワイヤーに足を締め付けられたクマは、それだけで手負いとして殺されることもあります。
<熊森の見解>
わが国では、2008年、狩猟でとらばさみを使用することは禁止(有害捕殺では許可があれば使用可能)されましたが、農業被害を抑制するためとして、くくり罠は今も広く使われています。しかし、この罠のために、何の被害も出していない多くの動物が、命を奪われています。非常に残酷な上、無関係の動物まで殺してしまうくくり罠は、使用禁止にすべきであると、わたしたちは主張しています。
わたしたち人間は、動物たちが棲んでいた森を戦後大量に破壊し、その結果、住み処を奪われて山から出て来ざるをえなくなった多くの動物たちを有害獣として殺しています。このようなことは、人間として、子や孫に語れません。農業被害を防ぐには、短期的には柵などを使って被害防除を行い、長期的には、奥山に動物の生息地を復元すべきです。

 【 くくり罠 関連記事 】 (これまでのブログ「くまもりNEWS」より)
●猟友会員からの内部告発から 長野県ではシカ用くくり罠12センチ規定を上限なしに規制緩和、実に多くのクマが次々とかかって秘密裏に処分されている(2012年9月28日)
●くくり罠に誤捕獲された子グマから離れぬ母グマ、哀れ母子とも射殺 栃木県(2012年9月19日)
●11/15 狩猟解禁(2010年11月15日)
●クマの錯誤捕獲事故後も、清川村にくくり罠を16基設置したままにしている神奈川県庁(2010年11月9日)
●環境省野生生物課鳥獣保護業務室(2010年10月29日)