捕殺寸前アライグマの赤ちゃんの救出に成功!

2009年4月21日(火)

午後12時15分頃、関東方面から、今にも泣き出しそうな女性の声で、「民家の屋根裏にいるのを発見されたアライグマのうまれたての赤ちゃんが、殺されそうになっている。家主が市役所に連絡をして、市役所が駆除業者に連絡。今、業者が捕獲に向かっている。どこか保護してくれるところを探しています。ネットでここを見つけました!」と、熊森事務所に電話がかかってきました。
すでに行政と業者に連絡がいっているなんて・・・!
●女性:  「最初はお母さんと赤ちゃん2頭の計3頭がいたんです。殺されると知ったのか、お母さんが赤ちゃんを1頭だけくわえて逃げていきました。まだ1頭残っていますが、お母さんが帰ってくる気配はありません。残っているのは、ひとりで歩けない程の小さな生まれたての赤ちゃんなんです。逃げられません。」
命の危険を察知したのでしょう・・。1頭だけでも助けようと決心したお母さんアライグマの苦渋の選択を感じ、胸が痛みます。何としても命を助けてやりたい。 環境省からアライグマの飼養等許可を取っている地元の協会に問い合わせました。
「協会では、行政から依頼があれば引き取れる」とのこと。
行政に連絡し、事情を説明。行政としては、環境省の飼養等許可があるところから、譲ってほしいとの申し出があれば譲ることは可能という回答。
再び、地元の協会へ連絡。

●熊森:「引き取りの意思表明をすぐしていただけませんか」

●協会:「内部で相談する時間を下さい。」

●熊森:「駆除業者が赤ちゃんアライグマのもとに到着してしまったら遅いんです。できるだけ早く回答をお願いします!」
その間に、通報下さった彼女に連絡し、業者がまだ到着していないことを確認した上で、途中経過を報告。赤ちゃんアライグマを目の前で見ながら電話に出ておられる彼女は涙声です。胸が潰れんばかりの想いだったとお察ししますが、少しだけ希望が見えてきた様子でした。 ここまできたら、なんとしても救わなければ。。

待つこと5~10分、地元協会から連絡が入りました。

●協会:「1頭だけなら引き取り可能です。」

●熊森:「ありがとうございます!すぐに行政に連絡して、捕殺をストップしてもらいます。」
行政に連絡。

●熊森:「とにかく先に、業者にストップをかけてください」

●行政:「そういうことであれば、すぐにストップをかけます!」

早々に電話を切りました。行政担当者の声は嬉しそうに弾んでいる・・一般国民はみんな、殺したくないんだと納得。
野に出た特定外来生物の根絶殺害を進める、むごい法律「特定外来生物法」から、一刻も早く、「根絶殺害」を取り除かなければ。
行政から最終連絡。

●行政:「業者にストップかけました!今は無事に保護されています。もう大丈夫です。」

さっきよりさらに弾んだ行政担当者の声。この方も、アライグマの命が助かって嬉しいんだ・・間一髪で救出に成功。

約2時間後、地元協会から電話がありました。

●協会:「クマさん、10分ほど前にこちらに来ました。」

アライグマのことを“クマさん”と呼ぶことに、愛情の深さを感じました。
せっかくのアライグマの命が救われる道を、行政担当者が知らなかっただなんて・・殺すことだけを国に周知されている現状を改めて感じました。

さて、地元協会では、この後、この赤ちゃんアライグマが幸せな一生をおくれるよう、アライグマを責任を持って飼育してくださる方を探さねばなりません。飼養者を待っているアライグマが、ここではこれで6頭になったそうです。


環境省からアライグマの飼養許可を得た方 (環境省野生生物課外来生物対策室提供)
2006年  個人 11人 法人12法人(動物園、自治体、大学)

2007年  個人102人 法人89法人

2008年  個人 22人 法人12法人