2022/04/19
くまもりNewsこんにちは。今年4月より熊森新職員となりました、羽田真尋(はねだまひろ)と申します。自然や生き物が大好きな22歳です。この3月に日本大学生物資源科学部森林資源科学科を卒業し、神奈川県から春風にのってやって来ました。
出迎えてくれた西宮市の桜は散り始め、新緑の息吹が感じられるようになってきました。一日でも早く仕事に慣れ、自然を守るために役立てるよう、精一杯頑張ってまいります。
4月16日、熊森本部は7名のボランティアとスタッフで、兵庫県宍粟市戸倉の奥山保全トラスト所有地にある植樹地のシカよけ柵の修理に出かけました。ここは、2012年にスギの人工林を皆伐して、伐採跡地に実のなる木の苗木を植樹した場所です。
現地は標高730mの高地で、冬季の積雪は4m近くにもなるそうです。 3月末、神戸や西宮では桜が咲いていましたが、現地では山の斜面の雪は消えていたものの、まだ植樹地に入る道の積雪は深く、立ち入ることもできませんでした。
この奥に植樹地がある(3月末)
今年の冬は雪が多かったようで、このような年は春先になだれ落ちる雪で鹿よけ柵が倒れると聞いておりました。
山に入れるようになったらすぐに作業しようということになり、今回、現地を訪れると柵を支えていた木杭が積雪によって倒れてしまっていました。
ウワミズザクラやヤマザクラには侵入したシカの新しい食痕が残っていました。冬の間、植物は倒れるようにして雪の下に眠っていますが、春になると徐々に頭をもたげて顔を出します。そこをシカに齧られてしまったようです。 斜面を移動しやすいように、まず、シャベルで足場を作っていきました。
沢の対岸にある植樹地へは、幅2mくらいの沢を渡ってすぐですが、融雪により水量が多かったため、資材を皆で対岸に向かってえいっ!!と投げ渡しました。
雪によって倒壊した木杭と支柱を全て抜きとり、ネットも全て回収して新しいものと交換しました。ネットはペグで地面に打ち付けてありましたが、隙間に植物の根が生長して絡みつき、自然の留め金となっていました。根の力はかなり強くてネットをなかなか離してくれません。植物の生命力の凄さを垣間見ることができました。
その後、木杭を杭打機で地面に打ち込んで、隣に刺した支柱と結束バンドで固定しました。木杭を地面に打ち込むのはかなりの力が必要でした。油断すると自分の顔を打ってしまいます。集中して作業に取り組みました。
ネットをかけ、地面との間に隙間ができないように注意してペグを打ち込んでいきました。
皆で一丸となって修理を完了させました。ひとり生えしたクロモジ、サワフタギ、チュウゴクザサ等が生長して、囲いの中は賑やかになりつつあります。もう少し温かくなったら、ドングリなど植樹した実のなる木の葉が展葉してきて、緑で溢れる場所になるということです。
冷たい風が吹く中、ボランティアの皆様方も頑張ってくださり、スムーズに作業を進められました。
作業終了後は、皆で囲いの中の植物を見て回りました。
羽田、ヒメアオキと黒点病について説明中
このような雪深い場所での森の再生には、長い年月がかかるようです。ここがいつか豊かな森になるよう、今後も植樹地のお世話を受け継いでまいります!
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