2022/09/29
くまもりNews2022.8.28午後
武庫川源流ツアー
くまもりカフェが終わってから、午後、兵庫県丹波篠山市にある龍蔵寺の広大な境内林に入り、熊森発生の地尼崎市と熊森本部がある西宮市の境を流れる武庫川(むこがわ)の最初の一滴目の水が湧き出す場所をみんなで見に行きました。
ここの源流から瀬戸内海まではおよそ80km、武庫川の源流の中では最も海から遠い源流だそうで、山から川に流れ出た水は約11時間で海に到達するそうです。この山は戦後、スギの人工林にされましたが、住職さんは、10年前から、この山の人工林を間伐して、コツコツと天然林に戻していっておられます。
まだ間伐が不十分な場所もありました。
高さが25mぐらいある人工林のスギの木がたくさん並んでいる場所で、スギの根の大きさが見える所がありました。意外と根が小さいのに驚きました。隣のスギの木の根とぶつかって、おたがいに根が成長しにくかったのでしょうか。スギが大きく育ってきた今、台風や大雨で各地で人工林が倒れ出している訳がわかるような気がしました。
強度間伐された人工林は明るくて、下草も結構生えてきていました。
道中、子供たちは生き物探しに夢中になっていました。
約一か月前にくまもりが実施した原生林ツアーで行った岡山県若杉天然林よりも、なぜかこの山の方が生き物がずっと多くいました。ニホンミツバチ、カエル、ヘビ、ヤマドリ…いろいろな生き物たちがいるようで、住職さんは一切の採集を禁止して、自然のままに守っておられます。
シロスジカミキリ
武庫川の水の一滴目が湧き出ているのかなと思われる岩場に到着しました。
看板には「武庫川」「源流」「海の恋人」と書かれていました。
水の一滴目が湧き出る?岩場
ここから湧き出す一滴一滴の水が、はるばる旅をして私たち人間の生活や、川や海の生き物たちの命を支えているのだなあとしみじみ感じました。
この一滴が集まって大河になっていきます。
山、川、海は、滋養豊かな水でつながっています。
この日は、水を通して、上流の人たちと下流の人たちもつながりました。
住職さんが、くまもりさんもこの山を環境教育に使ってくださいと言ってくださいました。
ありがたいです。
後日、同じく丹波篠山市で、人工林で埋まっている境内林を天然林に戻したいと言われているお寺があると聞いて住職さんに会いに行きました。
熊森はこの30年来、林業に使わない場所の人工林は天然林に戻してほしいと行政に訴え続けてきましたが、皆無といっていいほど進んでいません。
でも、お寺が自然保護の先頭に立ってくださるならいいなあ。
そうなると、人類が生き残れる自然環境の再生をめざして、若い人たちが今後、お寺に集うようになるのではないかと思えてきました。
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