2025/10/27
くまもりNews連日マスコミから流れてくるクマによる人身事故とクマ駆除のむごたらしい映像。
子どもの教育上よくないと、教育関係者たちは声を上げないのでしょうか。
大人の中にも、毎日ニュースを見ているのが辛すぎて、胸のつぶれる思いで苦しんでいる人たちが少なからずいます。
2025年10月24日、北海道初の緊急銃猟による2頭の子グマ駆除の様子が放映されました。この子グマたちは生後約8か月、10月13日に札幌市西区西野で駆除された母グマの子どもたちだろうということです。母を殺されては、どこにいればいいのかさえわかりません。
元々、国会で緊急銃猟が決められた時の条件は、以下の4つです。

今回の札幌に於ける子グマ2頭の緊急銃猟映像を見ましたが、1と4の条件は満たされています。しかし、2と3については疑問が残ります。
民家のすぐ横の公園の木の茂みの中(外からは姿は見えない)に2頭の子グマが潜んでいます。この場所にクマがいるのは良くないことはわかります。
しかし、報道で見る限り、今すぐに殺さねばならない緊急性があるとは思えません。実際、前日、公園内で2頭の子グマが地面の上の何かを必死で食べているのを見つけ、緊急銃猟を開始しようとしたところ、車のクラクションを鳴らした人がいて、2頭は山の方へ逃げ去っていったといいます。
追い払うとか、電気柵を張るとか、箱罠で捕獲して餌がありそうな奥地に放獣するとか、捕殺以外の代替手段は考えられなかったのでしょうか。

当協会顧問のカナダのマルコム・フィッツアール先生(カピラノ大学名誉教授)は、日本のクマ対応は殺すばかりで、カナダから50年遅れていると嘆かれています。
昔から日本では「三つグマ(母子グマ)獲るな」が猟の掟であったと、各地の猟師から聞いています。しかし、最近の駆除報道を見ていると、罠にかかった子グマを思いやって母グマが罠のそばから離れない、またはその逆に、母グマが罠にかかり、子グマが不安そうに母グマのそばに寄り添っている例も多くみられており、そのような場合、母子とも殺されるのが一般的で、悲しすぎます。
緊急銃猟の4条件が満たされていないのに、クマに発砲することは許されないことだと思います。
山の中でクマが爆発増加してパンパンになって山からあふれ出してきたから殺すしかないと言う説が研究者によって広められていますが、10月21日付の当協会声明で述べたとおり、山の中がクマでいっぱいになったのではなく、奥地に棲みにくくなり、反対に放置されて木々や草が繁るようになった里山や集落周辺に餌を求めて移動し定着しつつある、ドーナツ化現象といえる事態になっています。
クマの推定生息数調査ばかりに予算を使うのではなく、北海道や東北の本来のクマ生息地に餌があるのか、クマたちが安心して生息できる環境があるのかを調査し、公表してもらいたいものです。ここが一番大切なのです。
私たちは奥山荒廃を何とかしないと、いずれクマが集落や市街地に移動してきて大変なことになると、ずっと国や行政に警告し続けてきましたが、動いていただけませんでした。いざこうなってしまうと、人身事故がここまで多発し、大変ショックです。クマは人間同様感情豊かで、知能も高く、人間より力の強い動物ですから、生き残るために人身事故を多発させてしまいます。
だからといって、全部駆除してしまえというのは、クマたちとも共存しなければ人間も生き残れなくなるという自然生態系の仕組みを理解しない議論です。行政が集落や市街地にクマが入って来ないように手立てを講じると共に、殺さなくてもいい命までは奪わないようにするのは人として当然なすべきことです。
緊急銃猟が暴走しないようにチエックする自然保護団体がないと、クマを絶滅させてしまうと思うからがんばってほしいと、ある地方の猟友会長さんから熊森に励ましの言葉をいただいています。人間社会にも多様な考えが必要です。
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