お知らせ

2026/07/01

くまもりNews
🐻ツキノワグマ太郎のお別れの会が執り行われました
18955633327464159cd13e61c9f7b269-1783051788.jpg
33bae03453da9631e7f28db32ce2d3a6-1783051797.jpg
2026年6月30日(火)午後1時から、和歌山県有田川町生石高原のクマ舎横で、ツキノワグマ太郎のお別れの会が執り行われました。
太郎は和歌山県生まれのツキノワグマで、36歳でした。国内でもきわめてまれな長寿例であり、海外資料と比べてもかなり高齢の例となります。
会には、34年間にわたり太郎を家族の一員として飼育し続けてくださった山田さんをはじめ、太郎のお世話を長年支えてきた熊森協会和歌山県支部の皆さん、兵庫県本部、大阪府支部、奈良県支部から、およそ20名のお世話隊の方々が参列しました。
太郎は今年2月16日、運動場で動けなくなりました。
それから約4か月半、状態が良くなったり悪くなったりを繰り返しながらも、最後まで懸命に生き続けました。お世話を続けてきた皆さんは、その生命力の強さに何度も驚かされたといいます。
つらさや痛みを見せることなく、ひたすら生きようとする太郎の姿から、人も最後はどうあるべきか、大切なことを教えられたと話す方もおられました。
亡くなる前夜、山田さんが与えたシジミ汁が、太郎にとって最後の食事になったそうです。目をぱちぱちさせながら、その汁を飲んでいたと聞いています。
その場にいたボランティアの方は、「お別れの合図だったのかもしれない」と話されていました。
太郎と山田さん、そして太郎を見守ってきた人たちにとって、かけがえのない最後のひとときになったのだと思います。
お別れの会では、参列した方々がそれぞれ太郎との思い出を語りました。
「初めて太郎に会ったのが小学生の頃だった」と懐かしそうに振り返り、長年撮りためた写真をSDカードに入れて持参した方もいらっしゃいました。
「太郎と過ごした時間を通して、クマにも一頭一頭に性格があり、心があるのだと知った」という言葉も。
かつて熊森和歌山県支部で活動されていた方のご家族が、故人の写真を手に参列された場面もあり、太郎がどれほど多くの人に愛され、長い年月をともに生きてきたかが伝わる時間でした。
午前中には、山田さんたちがショベルカーで深い穴を掘ってくださっていました。
穴の前に置かれた柩に太郎が横たわり、参列者は花や、好物だったニンジンなどを順に手向け、最後のお別れをしました。
その後、太郎は柩ごと、獣舎の近くに眠るメスの保護グマ「花子」のそばに埋葬されました。
かつて花子が施設にやって来た日、太郎は誰よりも早くその気配に気づき、木のてっぺんに登って大喜びしていたそうです。そんな二頭が、再び並んで眠ることになりました。
5ed18ce3ee557d49298e18f9c19dfe4a-1783051832.jpg
太郎は、まだ目も開かないうちに母グマを亡くし、人の手で育てられました。
一度も野山を駆けることなく生涯を過ごしましたが、それでもこれほど多くの人に愛情を注がれ、見守られて生をまっとうしたクマは、そう多くはないのではないかと思います。
「殺されてしまった仲間たちの分まで、太郎は長生きしてくれていたのではないか」そんな思いを口にする方もいました。
太郎は、その存在を通して、クマという動物の賢さ、やさしさ、そして人と心を通わせうる存在であることを、多くの人に教えてくれました。
太郎を愛してくださった多くの皆さま、本当にありがとうございました。
お世話隊の皆さんは、太郎との日々を通して知った、クマという動物の素晴らしさを、これからも周りの人たちに語っていこうと話しておられます。
太郎亡き後、生石高原には、元気いっぱいのメスの保護グマ「くまこ」がいます。
実際のクマと出会える貴重な場所として、これからも多くの方にこの地を訪れていただければと願っています。
d6328a2de1e53151605d73cd1151800f-1783051860.jpg

お知らせ一覧に戻る

ページトップに戻る