日本熊森協会 室谷会長の記事が長周新聞に掲載されました(2026年1月4日)
日本熊森協会 会長でもある室谷悠子の長周新聞の記事をご紹介します。
東北の奥山でいま何が起きているのか。クマの大量出没と人身被害の背景にある構造的な問題を、現場を30年見続けてきた立場から伝えています。
奥羽山脈をはじめとする東北の奥山では、尾根筋の森林を伐採し、メガソーラーや大規模風力発電を建設する計画が各地で進められています。風況のよい尾根筋は、そのままクマの生息地と重なっています。
■ 風力発電がもたらす森林と地形の改変
大規模風車の建設には、巨大な基礎工事と大型資材を運ぶための道路整備が必要となり、尾根筋の自然林が広範囲に伐採され、地形そのものが削られていきます。
■ クマの生息地そのものが開発対象に
実際の計画地では、ミズナラなどの自然林が残り、クマの糞やクマ棚が確認される場所で開発が進められていました。鳥獣保護区にも指定されるような、本来守られるべき奥山が対象となっています。
■ 尾根筋の森が担う国土保全の役割
尾根筋の広葉樹林は、山の保水力を保ち、土砂災害を防ぎ、下流域の水環境を支える重要な存在です。かつての拡大造林時代でさえ、尾根筋は残されてきました。
■ クマは増えたのではなく追い出されている
尾根筋の開発や騒音・低周波音により、クマは生息地を追われ、人里へ近づかざるを得なくなっています。現場を知る猟友会や地域住民からも強い危機感が示されています。
■ 2025年の大量出没と過去最多の捕殺
2025年秋、北海道・東北ではクマの大量出没と人身事故が相次ぎ、捕殺数は過去最多を更新しました。一方で、その背景にある奥山の劣化は十分に議論されていません。
■ 劣化する奥山と変わるクマの行動
放置人工林の荒廃やナラ枯れ、生態系の変化によって奥山は豊かさを失い、クマは過疎化が進む里山や集落周辺へ移動・定着しつつあります。
■ 捕殺強化では根本解決にならない
捕殺を続けても別のクマが現れるだけで、人身被害はなくなりません。クマを絶滅に近い状態まで減らさなければならない構造に陥ってしまいます。
■ 本当に必要なのは人とクマの距離をつくること
緩衝帯の整備、電気柵の設置、誘引物の除去、追い払いなど、人とクマの間に距離をつくる対策にこそ、予算と人材を集中させるべきです。
■ 問われているのは政策の一貫性
人身被害防止を掲げながら、確実にクマを里へ追い出す奥山での大規模風力発電を進めることは、住民の命の軽視であり、クマとの共存を放棄する選択ではないでしょうか。
この問題の背景と現場の実情、そして私たちが取るべき選択について、詳細は長周新聞の記事をご覧ください。
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