2026/01/22
要望・提案現在、岩手県西久慈地域において大規模な風力発電事業が進められており、環境影響評価手続き(方法書)に基づく意見書の提出が求められています。
本事業の実施会社である西久慈ウインド合同会社(親会社はインベナジー・ウインド合同会社)によると、この事業は久慈市や葛巻町、軽米町、九戸村にまたがる奥羽山脈の尾根筋に位置する広大な森林地帯約4450ヘクタールに最大高さ190mの風車28基を設置し、最大出力は12万キロワットにもなります。
計画地は、水源の森であり、生物多様性の要となる奥山生態系の中核で、山を削って風車を建ててはならない場所です。
・設置予定の風力発電機28基すべてが保安林・自然公園のいずれかまたは両方に重なっている
・岩手県の環境アセスメントのガイドラインで、国の天然記念物・ニホンイヌワシの重要な生息地とされるレッドゾーンに、28基中22基が含まれている
・事業実施区域は「平庭高原のシラカンバ林」全域が含まれるなど国内でも有数の自然環境の優れた場所 等
本事業の実施による悪影響は計り知れず、今声を上げなければ、取り返しのつかない禍根を地域と将来世代に残すことになります。
(一財)日本熊森協会はこの事業の中止を求める意見書を事業者宛に提出しました。
奥羽山脈の水源を支える森林が失われます
計画地は、奥羽山脈の中核部主要河川源流域に連なる森林水源涵養機能・土砂流出防止機能を担う森林地帯に位置しています。
尾根筋を切り開き、切土・盛土、広幅員の林道、巨大基礎を造成することは、森林の保水力を低下させ、土砂流出や水害のリスクを高める行為です。源流域の破壊は、山だけでなく、流域全体、下流の集落や農地、海域にまで影響を及ぼします。
西久慈地域は、ブナ・ミズナラを主体とする冷温帯自然林、ツキノワグマの採餌・移動・分散に不可欠な奥山環境
ツキノワグマは、広い行動圏と静穏な環境を必要とするアンブレラ種であり、この地域の森林が健全であることの象徴的な存在です。
海外研究では、風力発電施設の建設・運用により、風車より最大1.5km程度の範囲でクマが回避行動を示し、重要な堅果林がが「存在していても使えない生息地」になることが報告されています。
このような攪乱は、クマを奥山から追い出し里山・集落周辺への出没を増やし人身被害や有害捕獲の増加につながります。東北地方では近年、クマの大量出没と人身事故が深刻な社会問題となっています。本来の生息地を壊すことが、人とクマの軋轢をさらに激化させることは明らかです。
森林は一度壊せば元に戻りません
風力発電事業は、風車本体だけでなく、林道・作業道の開設大規模伐採、重機騒音・振動
さらに、周辺では過去および現在の森林施業林道網の拡大、他の再生可能エネルギー事業
が重なっており、累積的な影響は極めて深刻です。計画変更や一部修正で回避できる問題ではありません。
奥山を失えば、クマは里に降り、人は被害を受け、最終的にクマは生命を奪われ、過剰捕獲が生じ、絶滅へと向かう恐れがあります。この悪循環を断ち切ることこそが、真に持続可能な社会への道です。
日本熊森協会は、気候変動対策と生物多様性保全が対立するのではなく、適切な立地選択によって両立されるべきであることを、本事業を通じて強く訴えます。
「再生可能エネルギーだから仕方がない」「環境にやさしいはずだ」
そのような単純な前提のもとで、水源の森と生態系を破壊する開発が進められてよいのでしょうか。
気候変動対策と生物多様性保全は、対立するものではありません。立地を誤らなければ、両立は可能です。
現在、西久慈風力発電計画に関する環境影響評価方法書が公開され、意見募集が行われています。方法書は、2026年1月26日まで、こちらから見られます。
https://invenergy.jp/news/nishikuji-hohosho-250124bk/
意見書送付先 締め切り:2026年2月9日(郵送の場合 消印有効)
➀郵送の場合
宛先 西久慈ウインド合同会社
住所 〒100-6121 東京都千代田区永田町二丁目11番1号 山王パークタワー21階
➁ネットで送付の場合
事業者のHPの「お問い合わせ」のページhttps://invenergy.jp/vq8ktwqd/から、意見書を送れることになりました!
「お問い合わせ内容」の欄に、意見書をテキストで貼り付けてください。
*ご自身のメールアドレスを記入しておくと、担当者より、意見書受領の返信をいただけます。
意見書は、専門的である必要はありません。
「この森を壊してほしくない」「水源や野生動物が心配だ」
その率直な声こそが、環境影響評価制度の根幹です。どうか、多くの声を届けてください。
奥羽山脈の森と、そこに生きる命、そして人の暮らしを守るために。
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