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2023/05/20

くまもりNews
5/15 マゲシカの保全対策を求めて東京の防衛省に電話 日本人が声を上げるしかないと思い知る

5/15  マゲシカの保全対策を求めて東京の防衛省に電話 日本人が声を上げるしかないと思い知る

馬毛島は種子島の西約12キロに浮かぶ約8平方キロの無人島です。

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種子島の左に浮かぶ小さな島が馬毛島 赤印

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以前の馬毛島

12年前に、この島を米軍と自衛隊が使う基地にするという計画が発表され、地元は賛成・反対で大きく揺れてきました。

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2021年8月大半の樹木が伐採されてしまった朝日新聞馬毛島写真

2年間にわたって進められてきた環境影響評価(環境アセスメント)ですが、2023年1月に最終段階である「評価書」が公告されました。

陸域に限ると、鳥類83種、ほ乳類4種(シカ、コウモリ、ネズミ、モグラ)、両生類2種、爬虫類6種、昆虫類580種の生存が確認されたそうです。

 

いよいよ今年1月から工事が始まりました。工期は4年間です。

交差する2本の滑走路のほか、火薬庫や港湾施設などを整備し、島全体が基地となります。

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計画では、島のほとんどが基地に

熊森は、そこに生息している最大の動物に目を付けて保全活動を行いますから、もちろん馬毛島固有種と言われるマゲシカにずっと目を付けて、防衛省に意見を出し続けてきました。

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マゲシカの群れ

 

 基地建設反対を掲げて再選された西之表市の八板俊輔市長は、元朝日新聞の支局長です。2021年に当選後、基地化を黙認するようになりました。島内の市有地を国に売却し、協力自治体に支給される「米軍再編交付金」を受け取ることにしたようです。

 

「なんだ、お金か。お金のためなら、豊かな自然や漁場を永遠に失い、マゲシカたちが絶滅してもいいのか」と思ってしまいます。

<武士は食わねど高楊枝>の日本人の誇り高き武士道精神はどうなったのか。

まあ、基地も大切だし、地元の人たちにしかわからないことも多いので、勝手なことは言えませんが、地元の皆さんは公約違反するなとみんなで怒らないのでしょうか。

 

空手道で有名な宇城憲治先生は、「人間にとって、一番大切なものは怒りです。怒りを忘れたらもはや人間ではありません」と言われています。

最近の日本人、怒りを忘れていませんか。もっと怒りましょうよ。世のため人のため。

 

と言っていても、急がないと、今、島に数百頭いると言われているマゲシカは、生息地を極端に縮小させられて、存続の危機です。

ああ、マゲシカたちの顔が浮かんでしまいます。

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馬毛島固有種マゲシカの優しい顔

2022年12月、環境省は環境大臣名で防衛大臣に、馬毛島のニホンジカの生息地となる樹林地等の改変面積を可能な限り低減、餌資源や水飲み場等を再生、創出すること。また、生息状態に係る事後調査を実施し、その結果を踏まえ、適切に環境保全措置を講じるこという意見書を出しています。さすが環境省。

 

しかし、予定通り、工事が始まるのですから、日本の環境アセスメントっていったい何なの?儀式?意味あるの?という感じです。

 

日本人は日々の生活に追われて、マゲシカどころではない人が多いかもと思い、5月15日、東京の防衛省に熊森が電話しました。

電話交換手は出てくれたのですが、他の省庁と違って、防衛省は担当者に電話をつなぐということはできないのだそうです。マゲシカ保全にどんな対策が取られるのか具体策を教えてほしいと電話番号を伝えましたが、返答するかどうかもお答えできませんということでした。

もうこうなったら、かねてより狙っていた外圧です。

 

世界自然保護連合(IUCN)に詳しい団体に電話で相談してみました。

回答は、「期待しても、無理です」とのこと。

20年前に、IUCNが沖縄のジュゴンの保全を求めて意見書を出してくれたことがありますが、その時、日本政府は、棄権しました。

以来、IUCNが日本の生物についてコメントしたことは1回もないし、今、取り組んでいる日本の問題もありませんとのこと。

では、生物多様性条約事務局に訴えるというのは?などといろいろ外国の団体名を言ってみたのですが、マゲシカが生息地を壊されて生きていけなくなる問題に声を上げてくれそうな団体は、世界にゼロという答えでした。

 

私たち日本人が声を上げないと、日本の自然や生き物たちは守れないんだ!

 

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