2024/07/29
くまもりNews本部のある兵庫県は、西宮市や尼崎市、神戸市などの大都市がある瀬戸内海側と、たくさんの山に囲まれた中部や北部に分かれます。
中部北部はクマをはじめとする野生動物たちの主な生息地で、近年、出没が多く、中でも県内で1番クマが多く出る豊岡市は、ほぼ年中クマ防除対策を行っている市になります。
昨年、熊森は豊岡市と連携し、クマ防除対策の実働部隊として、多くの集落で「草刈り」「柿もぎ」「剪定」「伐採」などのクマを誘引する原因を取り除く作業をし、人身事故ゼロ、捕殺ゼロを達成しました。
今年もぜひクマ防除対策に協力してほしいとお声がけを頂き、今年も現場に行って暑い中、被害防除対策に取り組んでいます。
まだ柿の実は大きくなっていないので、実際にクマが集落内に出てきてはいないのですが、「クマが出てくる前に対策する」という地区長さんはじめ集落の皆様の防除意識の高さがあります。
まずは現場の確認をし、市の担当者、地区長さん、所有者さんと一緒に作業内容を共有します。
去年までクマが来ていた証拠、爪痕がしっかり残っていました!
その後、早速作業へ!
チェーンソーを使い、使用しない柿の木を伐採したり、剪定したりしました。
所有者さんが使用する柿の木は畔(あぜ)シートを巻いて、クマが登れないように対策します。
集落の皆さんも積極的にお手伝いして下さり、スムーズに作業が進みました。
こちらの集落は、作業日数2日半で伐採41本、畔シート巻き2本の対策をしました。
秋になってクマとの人身事故やクマ捕殺が発生しないよう、事前に対策できてよかったです!
山裾の柿の木は残しています。
昨年の兵庫県の堅果類の実りは、ブナ…大凶作 コナラ…豊作 ミズナラ…大凶作 3種全体…凶作でした。
コナラが豊作だったのですが、なぜかクマたちはコナラを食べずに集落のカキに来て大変でした。
今年の兵庫県は、初夏の大好物である液果類のウワミズザクラが不作のためか、6月末までのクマの目撃数は、去年より50件も多い201件。
こんなに目撃数が多かったのは、これまで2017年の219件と、2018年の237件の2回しかありません。
6月末までの捕獲数に至っては60頭(有害駆除20頭、錯誤捕獲40頭でうち38頭放獣)と、過去最大です。
錯誤捕獲の多さも問題です。クマが掛かる恐れのある場所には、くくり罠を掛けないという通達はなされているのでしょうか。
この後、兵庫県が環境省のクマ指定管理鳥獣化にそって捕獲強化路線を突っ走っていかないか心配です。
何とか以前のような棲み分け共存がが復活されるよう、熊森は今年も都市部ボランティアを動員して、地元のみなさんと一緒に環境整備にがんばります。
(本部フィールド部)
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